一昔前のMRは、医者の御用聞きみたいなこともやっていました。スライド作成もその際たるものです。1枚1枚、スライド屋さんで作成したスライドを、手袋をしながらスライドホルダーに、上下裏表確認しながらセットする。学会の時には、土日に駆り出されて、先生の発表に張り付いて、日がな一日スライド係りをやる。
聞いただけで、古典的なMRですよね。すべてが。現在なら、まずパワーポイントで先生が勝手にプレゼン資料を作るだろうし、スライドさせるのも、先生が手元で操作をする。
さらにさらに、一々MRに言われなくても、その分野の専門の先生なら新薬の最新のデータにはいち早くアクセスできます。
ではでは、たまにはMRさんに美味しいところに連れてってもらおうかなと、思っても、接待はできなくなったし。仮に接待ができたとしても、先生たちがMRと一緒につるんで飲んだりすることそのものを嫌う傾向にあるし。
時々、添付文書の改定などの用があるかもしれないけど、最新の添付文書はネット上にあるし、何かMRと緊急で話したいなら、電話でもすればよいし。。。
スライドなどの御用聞きも、まじめな通常のMR活動も、もはや要らないのでは?
ところがところが、やはり実際に会って話すというのが、いつの時代でも重要なのだと思います。実際に会って、話を聞いた薬は、たとえ競合品がたくさんあっても、先生の頭の中に残るものです。MRの必要性はそんなところにあるのではないでしょうか。
ネット上にの情報というのは平面なモニターを介した二次元の情報でしかありません。そんな情報を見ていると、なんだかどれもこれも画一的に見えていて、よほど自分の専門に関係のある話以外は、先生も覚えられないでしょう。
ゴルゴ13みたいな○○製薬のMR、AKB48みたいな○○薬品のMR、やたらとむかつく○○ファーマのMR、などなど、実際のMRからの情報のほうが、何倍も先生の脳裏に焼きつくはず。
だから、MRは必要なのです。