浅はかなエージェント

浅はかなエージェントは、その場その場で、成約するか成約しないか? しか見えていないのだろう。

エージェントに不満を持っている人が多い。なぜならコンタクトしてきて、ただ転職させたいと言う意図しか感じないとか、概ねそんな理由だと思う。

話もろくに聞かないで、ただレジュメを要求してきて、やたらと募集案件を進めてきて云々と、あるあるだよね。

エージェントの立場から言えば、お客さんは転職希望者ではなくて、採用企業だから。お金は、採用企業から手数料としてエージェントに支払われる。これがエージェントのビジネス。事実。

なので、転職希望者に対して、「寄り添う」とか、「情報網羅」とか、「徹底サポート」とか言うのは気持ち悪い。

なぜなら、「転職してくれ」、「ウチから行ってくれ」、「モチベーションキープしてくれ、そうしないとウチにお金が入らないよ。」と聞こえてくるからである。

僕の場合は、候補者にはっきりこう言っている

「僕のお客さんは、候補者ではなくて、採用企業です」

と。

ただし、敢えてこう言っているこのコミュニケーションが13年以上も功を奏しているのだ。僕のネットワークはもう数えきれない。

それにお互いに興味のあることとか、業界情報などは、成約に関係なくすごく話をする。もちろん、面接の受け方とか、その辺のアドバイス的なところも入念に行う。ただ、それはそれだし、転職が成功するかしないかは、縁もあれば運もあるから、わからない。

中には、10年以上もコンタクトし続けて、その間に3回くらい、僕ではなくて別のエージェントから転職している人がいる。しょっちゅう電話で話すので、仲が良いのだけど、気がつくと、

「そう言えば、◯◯さん、僕を経由して転職した事ないよね。」

みたいな事例がたくさんある。それでも全然構わないのだ。

僕の場合は、転職希望者が例えば別のエージェントから転職したりしても、平気である。成約は必要だけど、会う人会う人必ず転職の成約をしなければならないなんて、実際無理な話だし、思っていない。

ただ話すだけで楽しいし、そこから広がるネットワークを活用するしかないのだ。そのネットワークでなんとなく成約も出てくる。

ここが、僕が10年以上もこの世界でやれている理由だと思う。このネットワークで、転職に失敗した人から、友人を紹介してもらったり、また、他のエージェントから転職した人が偉くなって、

「山崎さん、部下を探してるんだけど、手伝ってくれる?」

みたいに今度はクライアントになったりしたり。転職希望者だった人が偉くなって、クライアントになることは結構ある。僕みたいにフレキシブルなエージェントであれば、クライアントを持つのにいちいち会社に詳細な報告はいらないし。基本的事項をデータに入れればOKなので。

ただ、浅はかなエージェントさんの気持ちもわからんでもない。上司からはKPIを追求され、「1日に何人のレジュメをもらいなさい」などなど、すごいプレッシャーの中でやっているし。そもそも若い人は雑談苦手なので、転職希望者が居たとしても、要件以外の話なんかできないと思うし。まるで御用聞き状態になっているのだと思うよ。

そのくせ、「寄り添う」だの何だの言っているから、おかしくなる。エージェントに寄り添われても、気持ち悪いだろ。

なので、エージェントに不満を持っている人が出てくる。