ドナネマブの治験の結果はドンナンね?

コロナの騒ぎでなんだか、コロナワクチン以外の医薬ニュースが影に隠れていますよね。

そんな中、その影の後ろを縫うような、アルツハイマーの治験で良い結果が出たと言うニュースです。

いまだにアルツハイマーの良い薬は無いので、期待ですね。ただ、これもアルツハイマーに効くというか、発症を遅らせると言う感じのニュアンスです。「効く」とか、そう言うのは難しいですよね。

プラセボを投与された人と比較して、治療を受けた人の記憶力と日常生活動作能力の低下を18か月後に32%遅らせたという事のようです。

まさに、このコロナワクチンしかない医薬ニュースの中で。くらい壁の、まさにラグビーで言えばブラインドサイドをつくような光明ですよね。

その名は ドナネマブ

ドナネマブという名前のリリーの薬は、主要な目標を達成しました。これは、実験的なアルツハイマー病の薬が次々と到達できなかったという画期的な出来事です。

「それはアルツハイマー病の患者にとって大きな瞬間です。再び希望があります」とリリーの最高科学責任者であるダニエル・スコブロンスキーは述べています。

リリー株は、ニューヨーク証券取引所での月曜日の早い取引で10%以上上昇しました!!

以上はウォール・ストリートジャーナルを参照しました。

て言うか、この分野は、何かニュースがあれば株価は上がります。

ドナネマブって、どんなんね?

ドナネマブ(LY3002813)は、イーライリリーによって開発されているアルツハイマー病の治験中の免疫療法です。これは、患者の免疫系を刺激して、アルツハイマー病に見られる神経変性を引き起こすと考えられている脳内のタンパク質を攻撃および破壊するように設計された抗体です。

ドナネマブのしくみ
アルツハイマー病の症状は、脳細胞間のつながりの喪失と脳細胞の死によって引き起こされ ます。これらの細胞が死ぬ原因は完全には理解されていませんが、研究者はそれが脳内の特定のタンパク質の蓄積である可能性があると考えています。これらのタンパク質の1つはベータアミロイドです。それは「プラーク」と呼ばれる塊を形成し、炎症を引き起こし、脳細胞のコミュニケーションを妨害し、細胞死を引き起こす可能性があります。

https://alzheimersnewstoday.com/ly3002813/   の翻訳

ただこのドナネマブは、多分ですけど、発音は 

ドナンネマブ

ドン ナンネ マーブ だと思います。

ただこの薬も今まであまり良い報告も少なかったですし、当初は良い結果もなかったので、アデュカヌマブみたいな道を辿る可能性もあります。

アルツハイマーで苦しんでいる方にとっては、本当に良いニュースです。

早く、アルツハイマーに切れ味の良い、良い薬出ると良いですね。

成り行きを注目していると、株の買い時もわかるかもしれないですよね。

バイオテック・バブル!!  半年で $500万→$20億!! 

500万ドルが半年で20億ドルに? 夢なら覚めないでほしいですね。 バブルなら、はじけないでほしい。

その企業はこの6月10日(水曜日)にNYSEに上場を果たしました。

アクソバント・サイエンシズは11日の上場初日、株価が公開価格を99%上回った。同社は米国での新規株式公開(IPO)で3億1500万ドル(388億円)を調達していた。アクソバントは昨年12月、英製薬大手のグラクソ・スミスクラインからアルツハイマー病の治療薬候補をわずか500万ドルの前払い金で取得した。アクソバントの企業価値は現在20億ドル強とされる。(WSJ 日本語)

このところ、早期退職だのなんちゃら事件だの、ろくなことがないメガファーマに比べ、ここ数年目覚ましのがいわゆるバイオテック系ですよね。ギリアド、アレクシオン、バイオジェン、アムジェン、ジェンザイム、などなどなど、元気が良いのはバイオテック系です。しかも社員の給料にストックオプションがあったりして、製薬業界では大手にはほとんどない制度ですね。RSUという株式が付与されること自体が、ああ、IPOして間もないんだなという印象を抱かせます。また、この株価が軒並み上がっていますよね。

最たるところはギリアドですか。ギリアドサイエンシズのソバルディは5月25日に発売されるや否や大盛況ですね。予想はついていましたが。何しろ奏功率が100%近いデータがあるので薬価の問題もあるかもしれないですけど、ほとんどのC肝の患者さんは使うことになりそうな勢いですね。グローバルで第2位のマーケットである日本で勢いがよければ当然株価は上がりますね。

従業員の持つRSUの評価額も上がるわけです。そうなると自然に従業員のみなしの年収というか、資産も上がりますね。

500万ドルで手放した製品が、今や20億ドルです。では、売ってしまったGSKの立場ってどんなのでしょうか。失ったのか、どうなんでしょう。ただ、悔しいと思っていることは確かですよね。逃がした魚が大きかったのか、持ち腐れと思って人に安く売っちゃった製品が、知らぬ間に大きくなったのか。。ただでさえ売り上げに苦労しているので、もはや自ら手放したこの候補物質は垂涎の的なのかもしれません。これ皮肉ですよね。なにやってんの。。。。

アクソバント・サイエンシズ経営者のCEOのVivek Ramaswamyは、なんと若干29歳!!

半年前にGSKから開発中の1パイプラインを500万ドルで購入、スピンオフしました。品目はアルツハイマーの治療薬。もちろんまだ世に出ていません。折しもアルツハイマーはブロックバスターのアリセプトの特許が切れて市場ではそういえば跡継ぎが不在でしたよね。イクシロンパッチもブロックバスターまではいきませんね。同種同行品も少ない領域ですよね。考えてみれば、このある種メジャーな疾患、疾患数に対しては医薬品がすごく少ないですね。

ただしこの種の薬剤は治験がとても難しいです。何しろ当の本人に病識がない場合もあるわけで、治験には家族や身近な人物の協力が不可欠です。たとえば患者の表情一つにしても改善されればある種の効果判定につながったりするわけで。この症例数の確保もかなり難しいはずです。その巻き込まれたみじかな人物にも様々な制限がかけられるわけです。とにかく観察をしていなければならないわけですから、とても疲れますよね。身近な人物の役割をしている人が、仮に旅行でも行っちゃったらこの症例は残念なサンプルになってしまいますよね。症例の確保が一筋縄ではいかない気がします。その難しさが世の中にあまり製品のない所以でしょうか。

アルツハイマー、なかなか新薬でない

市場に少ない。これが後押ししたのか、IPOした途端、ものすごい投資家が動き出しました。まだ世の中に出ていない薬にもかかわらずNYSEに上場しました。ただし、これでないケース、つまり世の中に出ないケースもあります。その場合どんなシナリオが考えられるか。

まだ世の中に出ていないというのがどうも気になります。もしこれがバブルだとしたら。まずバイオテック関連の企業のRSUが下がりまくりますね。そして負の連鎖スパイラルが? それは本当に困ります。

まだまだ勢いのあるバイオテック関連株、まだまだ弾けないバブルが続きそうです。続いて欲しいです。

アルツハイマー パッチ

少し前ですが、東京ビックサイトで開催されたインターフェックスで面白い薬剤に出会いました。面白い薬剤を見せてくれたのは、事前に、コンタクトをしていたドイツ人です。東京ビッグサイトに着き、早速彼が所属する、ドイツの製薬会社のブースに足を運びました。

インターフェックスの海外から参加した会社が集まっている一角に、彼ともう一人が小さなブースを構えていました。彼はドイツの製薬会社で、アジアパシフィックのビジネスディベロップメントを担当して、もう一人はR&Dの担当者でした。

彼らが見せてくれたのは、四角いパッチ製剤でした。一見、単なる絆創膏に見えましたが、効能はアルツハイマー型認知症ということで、びっくりしました。が、実は、びっくりしたのは僕だけで、すでに日本でもノバルティスから発売されたとのことでした。いやあ、MRを離れて数年たつと、新薬のキャッチアップに疎くなりますね。 (イクセロンパッチ)

僕がびっくりしたのには、少し理由もあって、実は僕が新卒で入社した製薬会社では、当時、アルツアイマーの治療薬の開発に社運をかけていたときだったからです。大学病院を担当したときに、老年病科での治験に少しかかわりましたが、その治験が本当に本当に大変だったことを覚えています。

なにしろ、主訴は痴呆です。患者自身が、気づいていない場合が多いです。痴呆ですから・・・・。多くの場合は、ごく近い家族などが気づくということです。まあ、そりゃそうですよね。

そして治験ですが、これがまた効果の判定が、色々ありまして。僕の覚えている限りですが、例えば、ずーっと下を向いていたおじいちゃんが、前を見た。こんなことでも、効果として認められたりするらしいです。 これも昔の話で、いまはどのようになっているのかは、知りませんが。

モニタリングですが、内臓疾患や怪我ではないので、基本的にご自宅に患者さんは居る訳です。患者の身近にいる人にしかわからないような効果もあるわけです。従いまして、その治験には、患者と、患者にごく近い人物が必ず居なければいけないという、縛りがあったりしたのを覚えています。

しかも、その、「ごく近い人」とされた場合には、その人にも条件がつきます。例えば、半年間旅行にいけないとか、何日以上離れてはいけないとか・・・・・。

治験といっても、製薬会社は真剣で、医師はもちろん業務としてやっていただいてはいるものの、患者にとっては、時にはそんなに真剣ではない人も、含まれたりしているのです。意外と、この「ごく近い人」が、縛りを守りきれずに、旅行に行ってしまったり、色々と不都合が生じて、結果的に症例としてカウントできなくなったりしていました。

当然、近くで監視をしていないと、治験薬を飲み忘れたり、あるいは、飲んだことを忘れて、また飲んでしまったりするわけですよ。もしもダブルドーズになってしまったら、おそらくその時点でデータとしての価値が揺らぎますよね。

で、ブースのドイツ人が言いました。

「ヨーロッパでは、ウチ等がとっくに売ってるけど、日本でノバルティスから発売になるよ。」
「へえ、それは知らなかった。良かったね。」

僕が言うと、僕の質問にも答えてくれました。

「とにかく、貼ってあるのが見えるから、飲み忘れがないよ。」
「貼ってあるのが見えるから、もう一個貼らないし、ダブルドーズもないよ。」
「肝での初回通過効果もないよ。」

当然、超高齢化社会に向けて直滑降の日本です。認知症患者の推計は2010年で250万人らしいですね。さらに、2030年人は420万人に達すると言われているらしいです。こんなに使いやすい製剤があれば、本当にすばらしいと、彼らに言いましたが、彼らは、もう日本でも発売だし、誰でも知ってるよと言っていました。

新薬のCatch upが必要だと感じた一日でした。