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元ケチャップ大手から、ハーバードのMD卒で元マッキンゼーの若手に

ノバルティスのグローバルのCEOが変わるそうです。
現在のCEOはJoseph Jimenez(ジョセフ・ジメネス)さんですが、来年の1月にCEOから去って、後任の方に譲るそうです。さん付けしましたが別に私の知り合いではありません。この方がノバルティスに移ってきたのは2007年で、コンシューマーヘルス部門のヘッドとしてでした。それもそのはず、前職はコンシューマー業界に居たからだと思います。前職は、あのケチャップのハインツの、ヨーロッパのCEOだったのです。この方は1959年生まれですから、現在58歳だと思います。したがって、ハインツからノバルティスに移ってきた2007年は48歳だったはずです。
48歳で、食品業界から製薬業界の部門長に。さすがです。まあ、ハインツの前はAZに居たらしいので医薬品初めてというわけではないでしょうが。2007年当時、アメリカのファーマ専門のブロガーから”Ketchap guy”と呼ばれていたのを思い出しました。グローバルの人事はすごいですね。実力があれば、業界関係ありません。この方の功績としてはやはりオンコロジー部門の拡大と、あと、まあ、功績と言うかなんというか、大規模リストラの成功でしょうか。
話変わりますが、日本にも大阪の外資製薬で、コスメ業界から突然医薬のマーケの部長で来られた方もいらっしゃいました。まあ、大阪という地域特性上、なかなか外資系企業が少なかったということもあるかもしれませんが。もしロケーションが関係あるなら、ジョセフさんもヨーロッパのハインツのCEOだったので、スイスのバーゼルの勤務地は都合がよかったのかもしれません。グローバルでも勤務地が関係しますか。まるで日本国内の四国や山陰の難しい地方のMRを探すのに苦労していることを彷彿とさせます。
話は戻りますが、48歳で食品業界から製薬に転職、そして3年後の51歳でCEOに。何かスケールの大きさを感じますよね。40超えて転職を諦めているみなさん、まだまだ! と言いたくなります。グローバル大手のノバルティスでの出来事。では日本の大手の製薬業界のトップはどういうプロファイルなのでしょうか。まあ、武田のウェーバーさんは除くとして。アステラスの畑中社長は60歳。新卒で藤沢に入社していますので、まあ、新卒からの生え抜きですね。しかし1社しか経験してないって、今更ながらすごいと思います。第一三共の中山社長は67歳。サントリー昭和54年入社から、平成15年に取締役として第一製薬に迎えられております。14年前ですから、サントリーから医薬品業界に来たのは53歳の時でしょうか。つまり53歳まで食品業界にいらっしゃったというのは、国内大手製薬企業としては特殊ですね。何か、ハインツに居たノバルティスのジョセフさんに似ていませんか?。偶然共通点みたいなのを見つけてしまいました。エーザイの内藤晴夫社長は69歳。昭和47年に慶應義塾大学商学部を卒業されて、昭和49年ノースウェスタン大学経営大学院(現ケロッグスクールオブマネジメント)修了し、MBAを取られた後にエーザイ入社です。当時で海外名門MBAってすごいですね。まあ、しかしながら一社で昇進昇格して来た生え抜き社長というのが、医薬品に限らず、日本の上場企業では多いですよね。
ではノバルティスのグローバルの次の社長は誰なのでしょうか。って、もう発表されています。現在研究開発のトップのVasant (Vas) Narasimhan(ヴァサント・ナラシンハン)という方です。MDの方ですね。MDの社長になります。しかも1976年生まれですから41歳でしょうか! 若っ!
いよいよ、ノバルティスのグローバルは若返りですかね。41歳ってすごいな。日本の大手製薬企業で41歳で社長になる可能性あるでしょうか。そりゃ可能性はあるといえばありますけど。ハーバードメディカルスクールでMDをとった後に、マッキンゼーに入社していますね。その後ノバルティスです。輝かしい経歴ですね。ハーバード、MD、マッキンゼー、ノバルティスってすごい。若くても社長の器ということですよね。名前からしてインド系なのかどうかわかりませんが、お顔はインドっぽいですね。ジョセフさんもヴァンサントさんもLinkedinで繋がっていたりします。みなさんもLinkedinをやりましたら、僕とも繋がってください。ぜひ僕に繋がりリクエストしてください。ちなみに、前述の第一三共、エーザイ、アステラスの社長はLinkedinで見つけられませんでした。Linkedinやってないのかな。やってないですよね。それから、余談ついでに、というか余談しかしていませんが、エーザイの内藤社長のプロファイルで、日本にはありませんでしたが、ヨーロッパのエーザイのサイトでは、内藤社長にご子息が3人いらっしゃると紹介されています。(http://www.eisai.com/news/epdf20060222.pdf)ロンドンのサイトは、内藤社長のお人柄までなんとなくわかって、アットホームで良いですね。 日本の大手製薬企業も、40歳代前半の社長を作りませんか?コンサル業界からの転身なんて、いかがですか? 良い人をお探しであれば、居ます。すぐに紹介します。コンサルでバリバリで40歳代前半で、製薬会社の社長をできそうな人材、居ますよ。お探しであれば、ご連絡お待ちしております。

 

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【予測】MR数は2016年から増加に転じる?

数年前、ファイザーで早期退職、まあ、リストラがありました。グローバルで15%の人員削減ということで、日本も然り、執り行われました。変な話かもしれませんが、この早期退職は大人気、退職をすると数十ヶ月分の給料がもらえる訳ですから…。早期退職の詳細が、抜き打ちで社員にリリースされると、社員からは応募の電話が殺到し、その日のうち、いや、1時間もしないうちに予定人員に到達し、売り切れた、ということを聞いた事が有ります。中には、電話をするためのアルバイトを個人的に雇って応募した…なんて言う輩も居たとか居ないとか。それだけ大人気の早期退職制度だったのです。

何故そんなに大人気だったかと言えば、もちろん手厚い制度そのものの魅力も有るでしょうが、丁度その頃は、退職したMRは行く先がたくさん有ったのです。製薬業界も即戦力のMRを受け入れる企業がたくさん有りました。糖尿病や高血圧、CNS、オンコロジーなどの新薬のパイプラインを控えた製薬企業がこぞってミッドキャリアのMRを中途採用で迎え入れていました。つまり、次の行く先を見つけやすかったので、ジョブセキュリティと言う点から考えると退職する事にそこまでのインパクトやリスクも無く、たくさんの人が中途採用を、まあ、安心して選んで、喜んで大金を手にしたのです。
それから数年経った今、まさに、数社でリストラが行われようとしていますよね。ノバルティスはディオバンの件で、サノフィはプラビックス特許切れの後グローバルで削減の動きが、アストラゼネカも主力製品の特許切れの影響で。また、国内企業も海外売り上げ比率の上昇で国内が鈍化してコスト削減に追い込まれている会社が多いですね。第一三共はかなりの人数を削減しそうですし、アステラスは営業所を減らす方向とか。これは筆者の勝手なブログですから事実関係に何の責任も持つつもりはありませんので悪しからず。

さあ、では、これらの企業に所属する人々は、あの、ファイザーの時の様に喜んで早期退職制度への応募に殺到するのでしょうか。

しません!!

数年前と今この現在とでは、環境があまりに違います。

一番の違いは、受け入れ企業があまりにも少ない事です。つまり、MRの中途採用の募集が少なすぎるのです。早期退職制度が喉から手が出るほど欲しくても、行く先企業が不十分である事が不安で制度に応募する事を躊躇する人々が大部分を占めている様子です。ノバルティスやサノフィ、第一三共の早期退職はうまく行くかどうか、成り行きが見られるところです。

個別企業の早期退職は横に置いといて、そもそもグローバルでここ数年、製薬企業はMR数を減らしてコスト削減を図るトレンドに有りました。アメリカを中心に、MR数の減少傾向が何年も続いています。さらに、MRのアウトソーシング、つまりCSOのコントラクトMRも、当初の予想ほどではないものの増え続けました。

では、メーカーではなく、CSOは良い受け皿になるのでしょうか。給与レベルにある程度折り合いがつけば、と、思う方も居るかもしれません。当然CSOにとっては人材そのものが財産になる訳ですから、この人員の流れは見ているはずです。しかしながら、もともと高い給料の年齢の高いMRはCSOにとってはマッチする人材では有りません。最近ではCSOも年齢は峻別するし勤務地はどこでも良い訳でもありません。

早期退職制度を利用しようかどうしようか迷っている人々にとっては、取り巻く環境下での逆風が次から次へと出てきている訳で、人々にとってはさらに早期退職制度への手を挙げ難くなっているのです。

こんな難しい状況であれば、手を挙げずに、つまり、制度を利用せずに、コツコツとこのまま続ければ良いじゃないか、と思い直すひとも出てくるでしょう。

しかしながら、安閑として続けるわけにもいかない現状があるのです。このままだと数年後は早期退職制度どころか、単純に首切りが始まるのではという漠然とした不安からです。

単純にクビになるくらいだったら現行の早期退職制度の利用に踏み切った方が良い、というのが趨勢でしょう。

なかなか悲観的な事が多いですね。
だがしかし、だがしかし!
筆者の個人的な感覚ではありますが、悲観ばかりではありません。昨年あたりから、漠然と続いてきたMRの減少の勢いが弱まっています。つまり、

MR数の減少は、まだあと少しの間は続くのですが、もうすぐ底に達するのではないだろうか、ということ。再来年あたりからはむしろ増加するのではという感覚です。バイオファーマを中心に数百人の新しい部隊が誕生しているし、メガファーマにおいてもオーファンや専門領域へのシフトが続いていて人員が必要に転じています。

新製品の新発売も来年から多くなります。

スタチン、ARB、DPP-4、SGLT-2、アレルギー薬やPPIなど、今まで売れ筋だった路線、つまりプライマリー領域華やかしかり日の製品群の時代は、新発売スタートダッシュのマンパワーを補う方法としてコントラクトMRが重宝されました。当然、限られたスパンでのプロダクトライフサイクルの方程式です。

立ち上げでお祭り騒ぎして、競合品が出て、数年経過し、特許が切れる、といったような製品群の場合は、コントラクトMRの利用はまさにプロモーションのユーティリティとして正しいでしょう。

ところが、来年からの新製品の多くは、専門領域での新規物質が多いのです。現状、世界の開発品目、世界のパイプラインの40%ほどが専門領域や、またオーファンドラッグです。

オーファンは儲からない、という、これまでの常識を覆すかの様にオーファンの開発が盛んです。オーファンが思ったよりも儲かると言う事に各企業が気づき始めたのです。逆に言えば、今から糖尿病などの薬を開発しているような会社は、戦略として若干疑わなければならないかもしれません。

専門領域やオーファンドラッグは、なかなか競合もジェネリックも存在しないマーケットです。

競合もジェネリックもなかなか出てこない、、、、と、言う事であれば、MRアウトソーシングよりも、むしろ帰属意識の高いプロパー社員の方が適しています。

これからは、専門性の高い領域で専門MRの転職マーケットが盛んになるのではと、思います。再来年、つまり、2016年くらいからでしょう。

現在早期退職を考えている方、専門MRへの道をサポートしますよ。ご連絡くださいませ。

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患者は顧客?

ハインツから来た人が、ノバルティスのトップがつとまるか?

 

Can The Man From Heinz Keep Novartis On Top?

-Matthew Herper, Forbes

 

ノバルティスのglobalの本社のトップ人事でちょっとした面白い記事がありました。

 

医薬品業界でこの20年の辣腕経営者といえば、ノバルティスのダニエル・ヴァセラを置いて他に居ません。 

元々医師として活躍していたダニエルさんは、サンドとチバガイギーの1996年の合併以来、20年にわたって、第一線で活躍されました。なんといっても、その開発ストーリー本まで出しているグリベック、ゾメタ、ディオバンなどなどのヒット商品を生み続けました。また、循環器のみならず、呼吸器、オンコロジーへのスペシャル路線も定着し、着実に会社発展に貢献してきた経営者といえます。2004年にはタイムズ誌の「もっとも影響力のある100人」に選ばれているほか、アメリカ芸術科学アカデミーの会員に名を連ねるなど、ヨーロッパのみならず世界中で活躍しています。 

医薬品業界のみならず、すべての業界の経営者の中でも評価の高いダニエルさんですが、そろそろ将来の跡継ぎを探し始めました。そして今回の人事発表が若干物議を醸しております。 

なぜなら、その超有名経営者ダニエルさんが指名した男は、ノバルティス在籍3年と少しだけ、それ以前の彼のキャリアの大部分を過ごした会社は、ケチャップで有名なあのハインツなのですから。 

渦中の人、ジョセフ・ジメネスさんは、医薬品業界経験たった3年ちょっとで、グローバル・メガファーマのC-suite、しかもCEOになったのです。ちなみに日本法人においても、しっかりと取締役会長になっております 

この人事にはさすがにいろいろと異論があったようです。

 

ノバルティスの事に限りませんが、よく製薬会社の人事で大事なことは、第一にどれだけこの業界を知っているのか? という率直な議論です。 

ただし、その知識偏重型の人事が、医薬品業界の残念な側面の一つである閉鎖性を作り出しているような気がします。 

なんというか、他からの人材を受け入れにくい事です。医薬品業界では、知識の有無ということが、ほかの業界よりもプライオリティが高いのです。 とにかく専門的すぎるが故に、他から入れないという、学術的な要因があります。 その弊害としては、ただ単純に知識を獲得している者が、単純に知識が無い者よりも主要なポストについてしまうことがあります。 さらに、単純に知識がない者へのイジメ的な問題は、意外と多く存在するのです。 製薬会社はアカデミア集団ではなく、営利企業ですので、キーパースンに求められるのは、知識もさることながら、ビジネスのセンスやとっさの判断力などではないでしょうか。 

さて、ノバルティスに話を戻します。今回のジョセフさんの抜擢ですが、個人的に大絶賛するところであります。  

なぜかと申しますと、とにかく、変化が大切だと思うからです。この異文化というか、違った業界からの抜擢は必要なことだと思います。 

奇しくも医薬品業界は2011年が大型ジェネリックが始まる年、2012年は人員が流動する年とも言われ、大きな変革期にあります。 

最近のノバルティスのアクティビティを見ると、OTCに関連する事が多いことは関係ないでしょうか。世界第二位のマーケットであるここ日本でも、OTCで発売されている同成分の薬価削除などの議論が持ち上がっているところです。 

医療用医薬品は、エンドユーザーが患者ではあるものの、実際の営業の矛先は処方権のある医師です。医師相手のビジネスですから当然高い専門性が求められるでしょう。 

それに比べると、OTCは、まさに患者がダイレクトカスタマーになるのです。営業的には、専門性もさることながら、やはりセンスが問われるのではないでしょうか。 

特に、OTCの中でも最近議論になるのが、リピトールなどの所謂慢性疾患の製品ですよね。慢性疾患って、高血圧や高脂血症、糖尿病などですよね。 

慢性疾患の患者って、なんというか、普段、つまり日常生活は元気ですよね、比較的。 ですから、このマーケットを考えるときに、個人的には「患者 patient」、というよりも、「顧客 consumer」を意識したマーケティング、開発が必要な気がします。コンシューマー業界では、顧客第一主義です。 医薬品業界よりも、もっとユーザーオリエンテッドといえるでしょう。 

患者ではなく、消費者? 個人的に、OTCや予防医学、サプリがもっと増えてくると、医療用医薬品メーカーはこちらのウェイトが上がってくることは明らかです。 

そうなってくると、知識偏重でふんずり返っていたおじさんたちの出る幕はなくなってきますよね。彼らのプライドも破壊されます。そして大きく言えば、医療用医薬品業界の参入障壁も破壊されていくのではないでしょうか。 

もしこれらが、本当に進むなら、今回のダニエルさんによるジョセフさんの抜擢人事は、かなり先見の明がある改革と言えるのではないでしょうか。コンシューマー業界に長年居た人物ですから。 

2011年から、大きく変革している医薬品業界、そんな中での大胆人事。新しい時代の到来を告げているような気がしてなりません。