買収ブレイク

去年は武田によるシャイアーの買収で大騒ぎしました。先日、1月8日に手続きが完了したようですね。

武田のプレスリリースはこちらから

日本で、どれだけ注目されたかは、ご承知の通りですよね。特に注目されたのは、その7兆円という巨額買収が、過去最大だのなんだので、話題になりました。また株主の反対などなど、色々と話題になったのです。

ところが、武田とシャイアーのニュースで沸いた年末から開けたお正月に、ひょっこりとブリストルによるセルジーンの買収ニュースが飛び込んできました。まあ、業界関係者は驚いたと思いますが、武田の時みたいに一般の投資家や経済そのものに関わるニュースにはなっていないような気がします。

つまり、大騒ぎしていない。それほどバズってないです。

英文プレスリリースはこちら

Bloomberg日本語はこちら

でもよく見てください。ブリストルは、8兆円なのです。8兆円。どんなお金なのでしょうか。

8,000,000,000,000 円 は
73,698,800,000.00 アメリカドル ≒ 737億アメリカドル

多分、グアテマラのGDPが少し高いか同等です。
グアテマラ/国内総生産 756.2億アメリカ合衆国ドル (2017年)

なんでグアテマラかは、関係ありません。まあ、一つの国を買えるくらいということを言いたいのです。ちなみに、買える国は、

69 Guatemala 75,661
70 Dominican Republic 75,018
71 Oman 74,274
72 Myanmar 66,537
73 Luxembourg 62,393
74 Uruguay 58,415
75 Panama 61,838
76 Costa Rica 58,056
77 Sudan 58,239
78 Bulgaria 56,943
79 Croatia 54,516
80 Belarus 54,436
81 Tanzania 51,725
82 Lebanon 51,457
83 Macau 49,802
84 Slovenia 48,868
85 Uzbekistan 47,883
86 Lithuania 47,263
87 Ghana 47,032
88 Serbia 41,471
89 Democratic Republic of the Congo 41,441
90 Azerbaijan 40,670

 

 

以上が、8兆円に匹敵してしまう国です。ちなみに、上位が知りたい方、そしてこれよりも下位を知りたい方、ググってみてください。

さて、そんな、武田の時よりも大きい金額だったブリストルのケースなのですが、あんまり騒がなかったような気がします。

武田の時:7兆円:大騒ぎ
ブリストル:8兆円 →もっと大騒ぎのはず??

だと思いますが、意外とあっさりしていませんか、世の中。なぜでしょうか。

もしかしたら、単純に金額の問題ではなくて、もう、感覚が麻痺してしまったのではないでしょうか。何があっても不思議ではない。

つまり、飽きちゃった。

そうです。日本人って、飽きやすいですよね。日本人は、すぐ飽きるのです。例えばお笑い芸人がすぐ飽きられるのからみてもわかりますよね。ちなみにですが、オリコンが発表しているブレイク芸人は下記の通りです。

2017年のブレイク芸人ランキング
1ブルゾンちえみ
2にゃんこスター
3千鳥
4サンシャイン池崎
5尼神インター
6アキラ100%
7ゆりやんレトリバァ
8カミナリ
9かまいたち
10銀シャリ

それから2018年は

1みやぞん(ANZEN漫才)
2くっきー(野性爆弾)
3チョコレートプラネット
4ひょっこりはん
5ガンバレルーヤ
6福島善成(ガリットチュウ)
7ゆりやんレトリィバァ
8和牛
9クロちゃん(安田大サーカス)
10尼神インター

 

以上、オリコンから

 

2017年と2018年の7位のゆりやんレトリィバァさんが同じって面白いですね。

 

さあ、

というわけで、今後は巨額買収も、日本人にとっては、あまり面白くないというか、取り立てて珍しくないというか、飽きてしまう感じなのでしょうか。まるでブレイクお笑い芸人のように。

ちなみに、ビルゲイツの資産は9兆円を超えてるらしいですから、彼は、シャイアーもセルジーンも買おうと思えば買えたのでしょうか。金額だけの話ならです。

へー。そうですか。という感じになってきました。もう飽きてきたからです。

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米アボット、製薬事業を分割 2012年末めど

Breakup or  Buildup?

各メディアが一斉にアボットの事業分割計画について報じています。
http://blogs.wsj.com/deals/2011/10/19/abbott-breakup-a-glimpse-into-the-future/

「米アボット・ラボラトリーズは19日、2012年末をめどに後発薬を除く製薬事業を分割し、新会社として上場すると発表した。医療・診断器具や栄養事業など、製薬以外の事業は本体に残り、アボットの社名を引き継ぐ。成長ペースや主力市場の異なる製薬事業を分離することで経営効率を高め、株主価値を高める狙い。(日本経済新聞)」

考えてみれば、まったく不思議な話ではありません。前から思っていましたが、アボットに酷似している会社がジョンソン・アンド・ジョンソンかもしれませんアメリカの企業でR&DにフォーカスしてM&Aをして成長を遂げたメガ・ヘルスケアカンパニー。J&Jの現在のオペレーションを見れば、5社から成っていますよね(メディカル、コンシューマー、ビジョンケア、ダイアグノスティック、ヤンセンファーマ)。

また、同じアメリカ系のブリストルマイヤーズ・スクイブも医療機器のコンバテックや粉ミルクの企業をかつて分離しましたし、ファイザーに至っては過去に農薬や食品その他を分離してきました。また、アボットにおいては、バスキュラーやAMOなど、別オペレーションがくっつきましたよね。企業、特に外資なので、この辺が活発なのは頷けるところです。

医療機器と医薬品では、商習慣もコンプライアンスも全く違いますよね。ですから、同じ会社でやるというのは、どこか無理があったりします。より効率的なオペレーションということで考えれば、今回のABBOTTのニュースはbreakupというよりは、未来に向けたbuildupではないでしょうか。記事によるとアボットの場合は分離した新会社の社名も新しくして米国で上場するらしいので、J&Jのようなファミリーというよりは、もしかしたらファイザーのように分社化していくのかもしれません。

分社化、上場ということにフォーカスすると、資本の分散によって、投資家からの買いも入りやすくなることや、何より節税につながると思います。特にリウマチ、クローン病のヒュミラにおいては更なる売り上げ増を望む一方、バスキュラー、ビジョン系のデバイスは競合へのシェアアップが必須になっている関係上、この分割が及ぼす波及効果への期待は納得ができるものと言えます。

日本における医薬品業界という観点から考えれば、そもそもダイナボットからアボットになり、エンシュア・リキッドやクラリシッドを売っていた会社。さらに北陸製薬買収でホクナリンテープが来て、シナジス、セボフレンが別部隊になったという印象はありますが、元々薬屋たちにとっては、機械屋との接点が無かったので、特段大きな変化があるようには見えないでしょう。

今回のニュースは、breakupやsplitというよりは、それぞれの分野が分離して発展するというbuildupにほかなりません。歓迎すべきものだと思います。

特に特殊な業界である医薬品においては、なおさら歓迎すべきニュースではないでしょうか。