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MR、製薬会社従業員とSNS—facebook, twitter, blog, youtube, Linkedin,…

ロッシュのグローバルサイトですが、ロッシュ・ソーシャルメディア・プリンシプルズなるものを定めて、その中にロッシュ従業員が「私人としてロッシュを語る場合の7つのルール」と、さらに「ロッシュ従業員としてロッシュに代わってオンラインメディアで活動する場合の7つのルール」というのを、ロッシュの従業員向けに定めています。誰でもダウンロードができるようになっています。 他社も、ロッシュほど細かな規定ではありませんが、「ポリシー」というかたちでSNSとの関わる時の心構え的なものを定めています。

しかしながら、僕のフォローしているtwitterにも、海外のメガファーマの従業員がたくさん居ますが、そこまで縛られていないような気がします。というか、逆に、そんな縛りの中で呟いていることに、彼らは気づいているのかと、心配になります。 彼らのtwitterのホーム画面には、一応、「私のつぶやきは個人的な意見でいかなる団体とも関係ありません・・・」的なことわりを入れていますが、各社がリリースしているポリシー的なものに照らし合わせると、不十分なような気がします。

日本でも色々、そこまではっきりはしないのですが、例えばアステラスは行動基準というところに、SNSを使用する時のガイドライン的なものを定めたりしています。

何かを発言する時に、アイデンティティを使い分けるのは大変だと思います。ていうか、そんなことできるのか?

もちろん、犯罪につながるような、例えばインサイダー情報とか、秘密保持契約を締結しているようなことを呟いたらアウトですが、常識人なら普通はそれはしないでしょう。単純に日頃のつぶやきみたいなものをSNSにのせる時に、前述のロッシュの7つのルールみたいなのがあったら、めんどくさいですね。

僕みたいに小さな会社の従業員でほとんど個人事業的な仕事をしている身分であれば、わりかし自由に発言できるかと思います。誰に遠慮することもありません。しかしながら、こんな小さな会社であっても、例えば先日弊社の20歳そこそこのインターンが、クライアント企業を訪問した際、Facebookに「○○ファーマなう」と、実社名を呟いていて、狼狽しました。 僕が狼狽しても、彼には理由すらわからないようでした。 まあ、ゆとり世代というか、デジタル世代にとっては、このリアルとバーチャルの境目も無いのかもしれません。

常識というものは平均的な人々が併せ持っているメジャーかと信じていますが、この世代には通用しないとなると、あるいは、言い方を変えれば、僕の世代が古すぎる常識で今に通用していない・・・となると、いずれにしても、感覚に頼らない、何か明文化したものがひつようになるのでしょう。特にアメリカとかヨーロッパなど、世代だけでなく宗教や価値観も入り乱れている世の中では、むしろ、常識や感覚に頼るということはある意味不可能で、どんな問題でも明文化をすることが求められているのかもしれません。

こういうこれからの世代や、あるいは、ただでさえこれだけSNSが隆盛を極めているので、日本でも、感覚に頼ること無く新たなガイドラインやら何やらを作成しなければ立ち行かないのかもしれません。

話は変わりますが、毎年この時期になるとテレビのニュース番組の特集では、戦争関連の話題ですね。そして靖国神社に参拝する閣僚が話題に。メディアの記者が参拝した政治家に異口同音に質問をするのは、参拝は「公人としてですか、私人としてですか。」ということですよね。

この時期になると、いつも公人とか私人って何だよ。。という、ちょっとした疑問が決まって頭をもたげます。

数年前、石原慎太郎が参拝後に囲んできた記者団に対し、記者が質問をする前に、

「公人か私人かって、聞きたいんだろ? 俺は石原慎太郎だよ!」

って言い切ったことがありました。たしかに、我が意を得たりという感じがして、すっきりしました。公人、私人って、どうやって分けるのか、微妙ですよね。

例えばMRのbloggerのみなさん、あるいはMRであるということを言いながらFacebookやTwitterをしている人々、多いです。もちろん、MRとしての感想や簡単なつぶやき程度はするものの、あえて企業内で起こっている深い話などは、つぶやきません。常識人として自然にシリアスなコメントをさけたりすることは当たり前で、別にオーソライズされたガイドラインなどは必要ないと個人的には思います。

かの昔、製薬会社従業員の女性が飲み会で睡眠薬をお酒に入れて飲んだ…云々ということをSNS上にupしちゃって問題になったりしました。うっかりしていたのかもしれませんが、普通の状態なら、そこは自己で気をつけるところでしょう。 また、医薬品には関係ありませんが、このアメリカのFBIの職員が機密情報を漏らしちゃいましたよね。現在も亡命だの何だのと色々続いていますね。

芸能人とかスポーツ選手は公式コメントにもtwitterを活用しているし、私的な生活も同じですね。まあ、事務所も絡んでいると思いますが。ある意味、楽な立ち位置ですね。

私的なコメントか、プロフェッショナルとしてのコメントか、あるいは公人としてのコメントか? コメントしているのは、その人、そのものなワケですから、個人的にはそのアイデンティティを分けるのは不可能だと思いますよ。

SNSをやっている時点で、世界中に発信しているという自覚を持てる人、そして常識の範囲というジャッジメントができるひとでないと、そもそも成り立たないですね。その辺があやふやだと言う方は、けっこう色々なリスクがあるので、むしろやたらとSNSをやるべきではないですね。。

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アストラゼネカの新人事

アストラゼネカは、新しいCEO人事を発表しました。 その方の名はパスカル・ソリオ! 考える人みたいで恰好いいですね。

http://www.astrazeneca.co.jp/activity/press/2012/12_8_28.html

パスカルさんも相当優秀な方だと思いますが、アストラゼネカが、ロッシュの社長を採ったところに、なにかアストラゼネカの希望というか、期待というところを見て取って良いのでしょうか。例えば最近ヤフーがグーグルの重役を採用したのと似ているような感じがします。

パスカルさんはロッシュのCOOです。ロッシュと言えば、現在最も注目されている製薬会社と言ってよいのではないでしょうか。注目されている理由は何と言っても最大のバイオ医薬品メーカーだからです。これからの医薬品業界は、遺伝子、個別化医療に乗らないと、生き残りは難しいですよね。そしてその主役となるのは抗体医薬です。ロッシュは「ジェネンテック」を2009年に完全子会社化した後、バイオ医薬品を中心とする分子標的治療薬の開発がさらに加速していますよね。現状のパイプラインで、抗体を用いて使用する医薬品が最も多い会社の一つです。その、ジェンティック買収、さらにロッシュのバイオファーマ化を先導し、売り上げを伸ばし続けてきた張本人が、パスカル・ソリオさんです。

ロッシュはパスカルさんが就任してから取ってきた方向性により、現状最もホットなファーマになっているのです。抗体医薬、オーファンに不可欠な試薬は、ロッシュ・ダイアグノスティクが重要な役割を果たしています。特にアジアパシフィックでの成長は顕著ですよね。このパイプライン見てもすごいです。http://www.roche.com/roche_pharma_pipeline.htm

最近のアストラゼネカはどうだったのでしょうか。実は今年の4月に新しく会長が就任しました。新会長は元ボルボの社長であり、ヨーロッパ版経団連と申しましょうか、ヨーロッパの経済団体であるERT(European Round Table of Industrialists)の会長でもあるリーフ・ヨハンソン氏です。最近流行の異業界からのボードメンバーと言う感じでしょうか。その新会長が就任後4ヶ月たった先日の8月28日に、ウォールストリートジャーナルのインタビューに答えて言いました。

“There’s a number of medicines going off patent, We need to replenish them.” (http://online.wsj.com/article/BT-CO-20120828-709362.html)

彼が言っているのは、こういうことです。

①「たくさんの薬が特許切れになる」②「我々はそれら(製品)を補充する必要が有る」

特許切れとはなんでしょうか・・・日本で言えば、ネクシウムやクレストールでしょうか。ネクシウムは今のところ効果を全面的に押し出すことで功を奏しているようです。つまりオメプラールのジェネリックという経済性よりも、より良い効果という新規性がメリットを上回っているということでしょう。しかしながら、これもジェネリックが7掛けの日本だけかもしれません。もし他のPPIのジェネリックがもっと安くなれば、どんなにネクシウムが優秀でも新規性よりPPIジェネリックの経済性が上回ってしまうでしょう。クレストールに至ってはスタチンのマーケットそのものがジェネリックに取って代わるところです。アボットやファイザーの様にプライマリー領域、長期収載品には、別のストラテジーが必要になるのかもしれません。

補充する必要があるとはなんでしょうか・・・言葉の通りです。とにかく製品、パイプラインを補充する必要が有るのです。アストラゼネカの会長は、はっきりとインタビューに答えています。つまり、裏を返せば、製品、パイプラインが手薄だと、いうことに他なりません。

なんと言うか、やっぱり、異業界の雰囲気がします。新しい風は良いことだと思います。由緒ある経済紙に自分が会長をしている会社のパイプラインが良くないと言っている訳ですから。なかなか医薬叩き上げの人はこう言えないかもしれません。株主や他の経済団体向けには、とてもわかりやすくて、良いのです。私もそう思います。そういえば、ノバルティスのトップも、ハインツから来た方ですし、最近日本のアストラゼネカに、P&Gから部長が来ましたよね。すばらしい流れですね。私のようなリクルーターとしては、こういう動き大歓迎ですね!(笑)

日本で言えば、トヨタの豊田社長が、武田の社長になっちゃったとか?? ありえなーい! だけどもありえるー。(笑)

ヨハンソンさんの発言は、今まで製薬会社の閉鎖性と言うか、排他的な感じと言うか、他からの参入を嫌うようなカルチャー、その参入障壁のフラストレーションを取っ払ってくれているような気がします。

奇しくも、彼が、WSJのこのインタビューに答えたのは、彼が関与した人事異動、つまり彼がロッシュから辣腕社長を連れてきて、プレスリリースがあった直後でした。すなわち、リーフ・ヨハンソンさんがパスカルさんに期待していることは、火を見るよりあきらかです。それは、古巣のロッシュでパスカルさんがやってきたように、アストラゼネカに置いても例えばジェネンティックのような会社とのコラボレーション、M&Aをして、抗体医薬、オンコロジー、ワクチン、オーファンドラッグなどなどを補充してほしいと言うことです。

アストラゼネカがこれから活況になりそうです。