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米アボット、製薬事業を分割 2012年末めど

Breakup or  Buildup?

各メディアが一斉にアボットの事業分割計画について報じています。
http://blogs.wsj.com/deals/2011/10/19/abbott-breakup-a-glimpse-into-the-future/

「米アボット・ラボラトリーズは19日、2012年末をめどに後発薬を除く製薬事業を分割し、新会社として上場すると発表した。医療・診断器具や栄養事業など、製薬以外の事業は本体に残り、アボットの社名を引き継ぐ。成長ペースや主力市場の異なる製薬事業を分離することで経営効率を高め、株主価値を高める狙い。(日本経済新聞)」

考えてみれば、まったく不思議な話ではありません。前から思っていましたが、アボットに酷似している会社がジョンソン・アンド・ジョンソンかもしれませんアメリカの企業でR&DにフォーカスしてM&Aをして成長を遂げたメガ・ヘルスケアカンパニー。J&Jの現在のオペレーションを見れば、5社から成っていますよね(メディカル、コンシューマー、ビジョンケア、ダイアグノスティック、ヤンセンファーマ)。

また、同じアメリカ系のブリストルマイヤーズ・スクイブも医療機器のコンバテックや粉ミルクの企業をかつて分離しましたし、ファイザーに至っては過去に農薬や食品その他を分離してきました。また、アボットにおいては、バスキュラーやAMOなど、別オペレーションがくっつきましたよね。企業、特に外資なので、この辺が活発なのは頷けるところです。

医療機器と医薬品では、商習慣もコンプライアンスも全く違いますよね。ですから、同じ会社でやるというのは、どこか無理があったりします。より効率的なオペレーションということで考えれば、今回のABBOTTのニュースはbreakupというよりは、未来に向けたbuildupではないでしょうか。記事によるとアボットの場合は分離した新会社の社名も新しくして米国で上場するらしいので、J&Jのようなファミリーというよりは、もしかしたらファイザーのように分社化していくのかもしれません。

分社化、上場ということにフォーカスすると、資本の分散によって、投資家からの買いも入りやすくなることや、何より節税につながると思います。特にリウマチ、クローン病のヒュミラにおいては更なる売り上げ増を望む一方、バスキュラー、ビジョン系のデバイスは競合へのシェアアップが必須になっている関係上、この分割が及ぼす波及効果への期待は納得ができるものと言えます。

日本における医薬品業界という観点から考えれば、そもそもダイナボットからアボットになり、エンシュア・リキッドやクラリシッドを売っていた会社。さらに北陸製薬買収でホクナリンテープが来て、シナジス、セボフレンが別部隊になったという印象はありますが、元々薬屋たちにとっては、機械屋との接点が無かったので、特段大きな変化があるようには見えないでしょう。

今回のニュースは、breakupやsplitというよりは、それぞれの分野が分離して発展するというbuildupにほかなりません。歓迎すべきものだと思います。

特に特殊な業界である医薬品においては、なおさら歓迎すべきニュースではないでしょうか。

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