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ある時は患者数5万人以下のオーファンドラッグ、またある時は2200万人以上の国民病へのアプローチ。その会社の名は?

2016年7月11日、FDAにて画期的なドライアイの新薬が承認されました。

Xiidra

成分:リフィテグラスト(Lifitegrast)
承認日:2016年7月11日
メーカー:Shire
適応:ドライアイ

サイドラ。と発音するんですかね。[x i i d r a]  iが二つ続いていますよね。つまり、二つのeyesですね。洒落ています。粋です。これは日本でも治験をしているのかどうか、わかりませんが、シャイアーといえば日本ではオーファンドラッグのイメージがあります。患者数5万人以下のアンメットメディカルニーズに果敢に挑戦している、患者フォーカスの企業という印象です。

そのシャイアーが手がけている、サイドラ。適応は患者数2200万人以上と言われている、いわば国民病のドライアイ。すみません、ドライアイという言葉が日本で正式な病名かどうかは知りませんが、とにかくドライアイの画期的な薬のようです。

これ日本で出たら、売れそうですよね。仕事はずっとパソコンとにらめっこ、自由時間もスマホとにらめっこという日本人にとっては、ドライアイはもはや国民病ですから。

オーファンにも強くて、患者数の多いメジャー疾患にもつよいシャイアーは何かポテンシャルを感じる優良企業ですね。この戦略は素晴らしいと思います。

現在シャイアーではADHDの新薬発売に伴い、営業始め人材が集まっているところです。すべて専門性の高い製品が揃っている会社のように思えますよね。

Xiidraに話は戻りますが、アメリカのテレビCMではあのジェニファー・アニストンを使っています。もうこうなると希少疾病からいきなりポピュラー路線、まさにどんなマーケットにも対応している製薬企業ですね。

https://www.myeyelove.com

しかも製品のホームページもなんだかオシャレです。

https://www.xiidra.com/

 

日本で発売されたら、まず会社のみんなに教えてあげたいと思います。

FDA承認、日本未発売シリーズ、今後続けたいと思います。

 

 

*シャイアーの募集情報を知りたい方、こちらにお願いいたします。

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全米視聴率50%のスーパーボウルで流れたクスリのCMに、文句をつけた州知事

バーモント州はアメリカ北東部に位置しています。アメリカ東部はニューイングランド地方と呼ばれ、西海岸の明るい雰囲気とは一味違い、美しい紅葉などで有名ですね。5大湖に次ぐ6番目の湖と呼ばれるシャンプレイン湖のほとりは今頃雪景色でしょうか。スノーボードのバートン、アイスクリームのベンアンドジェリー、ドレミの歌のトラップファミリーの家などなど、旅情あふれる地域です。フランス語圏のカナダのケベックに近いので、そもそもバーモントとはフランス語で緑の山という意味ですね。湖の名前のシャンプレインもフレンチサウンドですね。

前置き長くなりましたが、先日、その風光明媚なバーモント州において、州知事であるピーター・シュムリンさんが突然製薬会社2社にクレームをつけました。しかも内容がこの製薬2社が全米での社会問題である麻薬中毒者を助長しているというのです。バーモントらしからぬ、穏やかなことではありません。

全米のテレビ視聴率がほぼ50%に近いという番組があります。それはスーパーボウルのテレビ中継です。今年、2016年は、デンバー・ブロンコス 対 カロライナ・パンサーズが戦い、2月8日にカリフォルニア州サンタクララにあるリーバイス・スタジアムから全米中継されたのです。この全米が熱狂するお祭りのハーフタイムショーにはコールドプレイ、そして名だたるビッグスターがゲスト競演しました。

そんななか、当然テレビCMのスポットも、効果覿面でしょう。なにしろ視聴率は主催者の発表で49%なのですから、アメリカ人の半数が見ているのですよ。すごいです。そしてCM権利料もこの世のものとも思えない高額なのですが、各社こぞってCMの権利を買うわけです。

今回、2016年、このスーパーボウル中継の飛び抜けて破格のテレビCMを出した製薬会社がありました。なんとアストラゼネカと第一三共が全米で展開している薬についてのCMです。その動画はこちら!!

これは、モバンティックのCMです。モバンティックは、去年アメリカで発売された新規作用機序の便秘薬です。オピオイド系のペインリリーバーの副作用で生じる便秘を治す薬で、第一三共の米国子会社「第一三共インク」とアストラゼネカ(AZ)が米国を対象とした共同商業化契約を結んだのです。そしてまさに、今年初めの全米1のイベントのテレビCMの権利を購入したのでした。なんか、アメリカの薬のCMって、派手ですね。

そこまではよかったのですが、このCMに対して文句を言っているのがバーモント州知事のピーター・シュムリンさんなのです。なぜでしょうか。意外にもその理由は、アメリカ社会が抱える闇に関係ありました。ピーターさんは民主党で3選の知事です。就任当初から麻薬対策には力を入れてきました。なんか、この話題旬ですね。まあ、それはさておき、ここ数年、東海岸、つまりバーモント州を含むペンシルバニア州、メリーランド州ほか東海岸全域で、フェンタニル(ヘロインと同じオピオイド系の強力な合成麻薬)を混ぜたヘロインが流通しているということが問題になっていました。闇ですね。当然州知事も対策しなければ選挙にも勝てないわけで、この点、常に対策しているということをアピールしているのです。

モバンティックは便秘薬ですが、OIC(Opioid-Induced Constipation)つまり、オピオイド誘発性便秘の治療薬なのです。テレビCMもオピオイドの副作用の便秘で悩む人が登場します。さて、このオピオイドなのですが、前述のヘロインと言ったように、習慣性や常習性など、ちょっと問題がありまして、全米では危険な使用も多いです。確かマイケルジャクソンが主治医に頼んで注射したのもそうですよね。依存してしまうわけです。これがアメリカの闇です。

オピオイドの種類(http://precise-mind.com/mississippi-psychiatrist/suboxone-clinic-opiate-help-ms/)

opioid list
オピオイドを使って、便秘になっても、この薬を服用すれば大丈夫!? つまり、ピーター・シュムリンさんが言っているのは、この製薬会社はスーパーボウルのCM放映権を馬鹿高い金額で購入し、それを全米のオピオイド危険使用者を助長するようなミスリードをしているのか?それは不適切ではないか?と、言いたかったらしいのです。その記事はこちらです。

もちろん、AZも第一三共インクも当然ですがオピオイドの適正使用に関しての副作用の便秘が対象で、危険使用者など全く対象外なのは言うまでもないのですが。。
さてその後ですが、知事の発言をこの両社ともになんとなく様子を見て、なんとなく無視というか、スルーしているようです。

ただこのCMたしかにインパクトありますよね。なにしろopioidを使っている人口は、おそらく日本の比にならないでしょうから。詳しくは知りませんが。これは売れそうですね。一体いくら売れるのでしょうか。成り行きが注目されますね。

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連邦政府も注目 ギリアド・サイエンシズのSovaldi

カリフォルニア州の議員がギリアド・サイエンシズに対して、C型肝炎の新薬Sovaldiの値段を下げてくれという要望を出しています(こちら)。日本ではあまりこういう事は無いですよね。しかも、ネットに載っちゃっているところが興味深いですよね。

すべて民間保険のアメリカですから、治療費はすべて自分と自分の加入している民間の保険会社が負担する事になるのです。当然このような高い薬剤はまさに、リッチな人々向けの製品という事になってしまいます。

代替製品や治療が存在するものであればリーズナブルなモノやサービスを選択すれば良いのですが、このギリアドのC型肝炎治療薬Sovaldiに関しては、高価であるものの、その抜きん出た有効性を認めていて、代替するものが無いと考えているのかと思います。つまり、このレターはギリアドに対しての要望の一方で、政府としてSovaldiの服用が他の方法よりもC型肝炎を煩う患者を助ける事になり、社会的意義が大きいという事を公言している事になります。

折しもオバマケアで揺れているアメリカの保険制度そのものに一石を投じる事態に発展しないとも言い切れないと思います。アメリカでおよそ320万人のC型肝炎患者が居るらしいです。その90パーセント以上がSovaldiによって良くなることを考えれば、かなりの国益に繋がるはずです。すごいですよね。

日本では当然の事ながら国民皆保険ですので、Sovaldiの薬価がいくらになるかはわかりませんが、C型肝炎で治療を求める患者であれば、ほぼ全ての人に使えるようになるでしょう。高額医療費の助成制度などいろいろあるので、まさに日本人として恩恵をうけることができると思います。ギリアド・サイエンシズにとってこのブロックバスターを日本で発売するという事は、社会的にもビジネスとしてもとても意義深い事だということになるでしょう。

連邦政府も注目してしまうほどのクスリ。ギリアド・サイエンシズの日本でのビジネスは着々と準備が進んでいます。