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製薬業界リストラ時代に必要な専門性の見せ方

糖尿病領域のMRには専門性はないのか? だとしたら糖尿病専門医が怒りますよね。これだけ製薬業界でリストラが発動されて、しかもターゲットになるのは年齢が高くてプライマリー領域経験者ですね。でもこれ、誰が定義したんでしょうね。プライマリーといえば、セカンダリーですかね。だとしたら、プライマリーって専門性高そうですよね。

ところが、製薬業界では、免疫だのオンコロジーだのオーファンだのが専門性が高い「専門領域」、そして糖尿病とか高血圧とか、アレルギーは専門性は高くない「プライマリー領域」・・・みたいな構図になっていませんか。

その理由としては例えば「専門領域」であるオンコロジーのMRは、医師と個別処方について話し合ったりとか、KOLとアポイントをとって最新情報のupdateや処方提案までするとか。KOLはMRはもちろん、メディカルアフェアーズやMSLが常に本社からきていてこれまたアポントをとってパイプラインの話をしている。と、いうイメージですかね。本当ですかね実際に。そんなに医者は時間ありますか?

その一方で「プライマリー領域」の例えば抗アレルギー薬メインのMRは、花粉症の季節に突然数社がたむろして、アレルギーの医者の周りにたかって、眠くなるかならないかとか、分2か分3か、once a dayとか、適応が加わったとかという話を、アポなしで病院の廊下とかでトークしている、そんな感じですかね。

確かに、こうしてみると「プライマリー領域」は専門性が低く見えるのでしょか。でも本当にそうでしょうか。

私はこの分け方、アレルギーとか糖尿病の専門医にとても失礼だと思います。こういう疾患は幅も広いし奥も深いですよね。実はこういう先生はもっと深いところで話をしたいのではないでしょうか眠くなるとか、ならないもそうですが、もっともっと幅広くて奥の深い話ができるMRなら、アポイントもとるし処方の相談もするのでは。会社の研修で習うようなことだけではなくて、それこそ例えば、海外の雑誌の最新号に載っているような糖尿病の話とかをできる、「専門性の高い」MRを探しているのでは。

もし、このような活動ができていて、それを職務経歴書に反映することができて、なおかつ説明することができるのであれば、その人は糖尿病とかアレルギー疾患治療薬の、専門性の高いMRと言えるのではないですか。

「開業医から、大学まで幅広く経験した。糖尿病や循環器製剤を幅広く扱った。」

こんな自己紹介しかできない人は、リストラの対象ですし、その後他に転職先を探すのは難しいですね。

プライマリー領域の経験のみでも、専門性を高く見せる方法は、あると思います。

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【予測】MR数は2016年から増加に転じる?

数年前、ファイザーで早期退職、まあ、リストラがありました。グローバルで15%の人員削減ということで、日本も然り、執り行われました。変な話かもしれませんが、この早期退職は大人気、退職をすると数十ヶ月分の給料がもらえる訳ですから…。早期退職の詳細が、抜き打ちで社員にリリースされると、社員からは応募の電話が殺到し、その日のうち、いや、1時間もしないうちに予定人員に到達し、売り切れた、ということを聞いた事が有ります。中には、電話をするためのアルバイトを個人的に雇って応募した…なんて言う輩も居たとか居ないとか。それだけ大人気の早期退職制度だったのです。

何故そんなに大人気だったかと言えば、もちろん手厚い制度そのものの魅力も有るでしょうが、丁度その頃は、退職したMRは行く先がたくさん有ったのです。製薬業界も即戦力のMRを受け入れる企業がたくさん有りました。糖尿病や高血圧、CNS、オンコロジーなどの新薬のパイプラインを控えた製薬企業がこぞってミッドキャリアのMRを中途採用で迎え入れていました。つまり、次の行く先を見つけやすかったので、ジョブセキュリティと言う点から考えると退職する事にそこまでのインパクトやリスクも無く、たくさんの人が中途採用を、まあ、安心して選んで、喜んで大金を手にしたのです。
それから数年経った今、まさに、数社でリストラが行われようとしていますよね。ノバルティスはディオバンの件で、サノフィはプラビックス特許切れの後グローバルで削減の動きが、アストラゼネカも主力製品の特許切れの影響で。また、国内企業も海外売り上げ比率の上昇で国内が鈍化してコスト削減に追い込まれている会社が多いですね。第一三共はかなりの人数を削減しそうですし、アステラスは営業所を減らす方向とか。これは筆者の勝手なブログですから事実関係に何の責任も持つつもりはありませんので悪しからず。

さあ、では、これらの企業に所属する人々は、あの、ファイザーの時の様に喜んで早期退職制度への応募に殺到するのでしょうか。

しません!!

数年前と今この現在とでは、環境があまりに違います。

一番の違いは、受け入れ企業があまりにも少ない事です。つまり、MRの中途採用の募集が少なすぎるのです。早期退職制度が喉から手が出るほど欲しくても、行く先企業が不十分である事が不安で制度に応募する事を躊躇する人々が大部分を占めている様子です。ノバルティスやサノフィ、第一三共の早期退職はうまく行くかどうか、成り行きが見られるところです。

個別企業の早期退職は横に置いといて、そもそもグローバルでここ数年、製薬企業はMR数を減らしてコスト削減を図るトレンドに有りました。アメリカを中心に、MR数の減少傾向が何年も続いています。さらに、MRのアウトソーシング、つまりCSOのコントラクトMRも、当初の予想ほどではないものの増え続けました。

では、メーカーではなく、CSOは良い受け皿になるのでしょうか。給与レベルにある程度折り合いがつけば、と、思う方も居るかもしれません。当然CSOにとっては人材そのものが財産になる訳ですから、この人員の流れは見ているはずです。しかしながら、もともと高い給料の年齢の高いMRはCSOにとってはマッチする人材では有りません。最近ではCSOも年齢は峻別するし勤務地はどこでも良い訳でもありません。

早期退職制度を利用しようかどうしようか迷っている人々にとっては、取り巻く環境下での逆風が次から次へと出てきている訳で、人々にとってはさらに早期退職制度への手を挙げ難くなっているのです。

こんな難しい状況であれば、手を挙げずに、つまり、制度を利用せずに、コツコツとこのまま続ければ良いじゃないか、と思い直すひとも出てくるでしょう。

しかしながら、安閑として続けるわけにもいかない現状があるのです。このままだと数年後は早期退職制度どころか、単純に首切りが始まるのではという漠然とした不安からです。

単純にクビになるくらいだったら現行の早期退職制度の利用に踏み切った方が良い、というのが趨勢でしょう。

なかなか悲観的な事が多いですね。
だがしかし、だがしかし!
筆者の個人的な感覚ではありますが、悲観ばかりではありません。昨年あたりから、漠然と続いてきたMRの減少の勢いが弱まっています。つまり、

MR数の減少は、まだあと少しの間は続くのですが、もうすぐ底に達するのではないだろうか、ということ。再来年あたりからはむしろ増加するのではという感覚です。バイオファーマを中心に数百人の新しい部隊が誕生しているし、メガファーマにおいてもオーファンや専門領域へのシフトが続いていて人員が必要に転じています。

新製品の新発売も来年から多くなります。

スタチン、ARB、DPP-4、SGLT-2、アレルギー薬やPPIなど、今まで売れ筋だった路線、つまりプライマリー領域華やかしかり日の製品群の時代は、新発売スタートダッシュのマンパワーを補う方法としてコントラクトMRが重宝されました。当然、限られたスパンでのプロダクトライフサイクルの方程式です。

立ち上げでお祭り騒ぎして、競合品が出て、数年経過し、特許が切れる、といったような製品群の場合は、コントラクトMRの利用はまさにプロモーションのユーティリティとして正しいでしょう。

ところが、来年からの新製品の多くは、専門領域での新規物質が多いのです。現状、世界の開発品目、世界のパイプラインの40%ほどが専門領域や、またオーファンドラッグです。

オーファンは儲からない、という、これまでの常識を覆すかの様にオーファンの開発が盛んです。オーファンが思ったよりも儲かると言う事に各企業が気づき始めたのです。逆に言えば、今から糖尿病などの薬を開発しているような会社は、戦略として若干疑わなければならないかもしれません。

専門領域やオーファンドラッグは、なかなか競合もジェネリックも存在しないマーケットです。

競合もジェネリックもなかなか出てこない、、、、と、言う事であれば、MRアウトソーシングよりも、むしろ帰属意識の高いプロパー社員の方が適しています。

これからは、専門性の高い領域で専門MRの転職マーケットが盛んになるのではと、思います。再来年、つまり、2016年くらいからでしょう。

現在早期退職を考えている方、専門MRへの道をサポートしますよ。ご連絡くださいませ。

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糖尿病でハリウッドスターと共演!!

医療用医薬品の広告には種々の規制があります。たとえば、商品名は出せません。しかしながら、製薬会社も営利企業ですので、広告の効果も期待しています。商品名を出さずに、なんとかアピールをしようとすることで試行錯誤しています。
 
ニッチな領域の製品であれば、病名の啓蒙を切り口にしているケースがあります。「○○○な症状があれば、お医者さんに行きましょう」というようなテレビCMをよく見かけます。当然、医師もそのCMの存在もわかっているし、またどの製品に対するCMなのかも把握していますので、実際に患者が医療機関で受信をするときには、広告の効果が発揮されるのです。
 
ただし、たとえば抗がん剤とか、なかなかCMにしてしまうには日本人のメンタリティーにそぐわない場合もあるかと思います。海外のCMではたまに目にしますが、やはり私も日本人ですので、何か違和感があります。
 
一方で華やかなのが企業イメージにフォーカスするプレステージ広告です。企業や、医療用医薬品そのものの社会的評価を高めるためには、まさに最良の方法です。 昨今では接待もゴルフもアテンドもなくなり、MRの経費部分が著しく減っているので、プレステージ広告に経費がかけやすいのか、ますます増えてくるかもしれません。
 
たとえば、国内大手を見ると、「明日は変えられる、アステラス製薬」というように、企業イメージにフォーカスした内容になっています。ほかにも、「何よりも患者さんのために」(沢井)、「human health care」(エーザイ)、などなどでしょうか。
 
一方で患者との取り組みを紹介することもひとつの大切な企業プレステージです。 たくさんの製薬会社が、それぞれが有する医薬品の疾病領域の患者会などのサポートをしたり、様々な啓発運動をしています。
 
そんな中で、サノフィのアメリカでの取り組みは少し興味深いです。
Diabetes Co-Stars キャンペーンと位置づけて、糖尿病患者のサポート、糖尿病の啓蒙をしています。 Luntus solostarにかけて、co-starとしているものと思われます。
 
 
まず、とてもわかりやすい。
 

Nearly 26 million Americans are living with diabetes, including 7 million who remain undiagnosed. (Source: CDC) ・・・アメリカでは現在2600万人が糖尿病とともに生きている。 そのうちの700万人は予備軍である。

1 in 10 adults are living with diabetes in the United States today, a number the CDC expects to rise to 1 in 3 by 2050 if current trends continue. (Source: CDC) ・・・10人に1人が糖尿病であるが、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の調べだと、このままの推移を維持すれば2050年には3人に1人になってしまうだろう。

などなど、このサイトを見ていただければ、まず現在のオーバーオール状況から入ります。 

そこで、女優のElizabeth Perkinsが登場するわけです。 実際にtype1糖尿病と戦っている彼女のストーリーが動画で紹介されていて、実際に糖尿病と診断されたときの苦しみや、その後の家族のサポートなどなど、彼女が実際に動画で話しています。そして夫と糖尿病メニューを料理している姿などが紹介され、このサノフィのキャンペーンを盛り上げています。 

糖尿病が発覚した当初は、極々近い人にだけ内緒で明かしたこと、そして独りで採血検査をしていたこと、そのときはどうしていいのかわからなかった・・・・

しかし今ではこのサノフィのキャンペーンのおかげで充実している・・・というようなことです。

エリザベスに触発されてがんばった患者は、winnerとして定期的に紹介されたりしているのです。それはエリザベスのオフィシャルblogにも載っていました! http://elizabeth-perkins.org/3228

企業のイメージ、患者フォーカス、では、患者のために取り組んでいること・・・などなどは、各社、紹介されていて珍しいこともありませんが、実際にハリウッド女優をフィーチュアして、ここまで掘り下げて実際の患者の病気との闘いのサポートや取り組みをしている企業はなかなか珍しいかと思います。

有名人を広告に起用することは珍しくありませんが、その有名人にここまでのかかわりを持たせるのは、まさに斬新なマーケティングキャンペーンだと思います。