弁当について

久しぶりの更新になりました。今後も淡々と更新します。

最近製薬会社の弁当の話題がツイッターでバズっています。どこかの若い熱血先生が、説明会などで提供される製薬会社の弁当を食べるべきでないと発言した事に端を発しているようです。

その先生の言い分は、利益相反であると。つまり、その製薬会社の高級弁当を食べれば、自分の処方傾向に少なからず影響してしまうからだそうです。そういう論文も存在するようです。

学会のランチョンも辞めてほしいと言っているようです。アホすぎる。

僕個人的には、相当世間知らずの医者がいるもんだなと思いました。まあ、医師はだいたい会社勤めしたことある人はごく一部を除いて居ませんし、そもそも医学部に進む時点である程度裕福なご家庭の出身の方が多いでしょうから、世間を知らなくても無理もありません。それを考えると、話逸れますが、製薬会社で働いている医師の方は、病院も知っているし、会社も知っていて、最強です。

資本主義社会だし、製薬会社も利潤追求と競争を強いられておりますので、ある程度は競争の範囲レベルです。

その先生は、製薬会社の説明会なんか聞かなくても、良い薬は使うと言っているようですが、その「良い薬」というのは、熾烈な販売競争に勝利したことによる利益を、熾烈な開発競争に勝負をかけて投資して、治験を生き残り、世の中に承認を得た薬なのです。

若き熱血敏腕医師も良いのですが、彼が医療行為に使用する素晴らしい薬は、利潤追求の賜物であることを少しは意識していただきたいと思いました。

逆に言えば、弁当食ったくらいで処方に影響させるなよと、言いたいです。ご自身の処方傾向は、弁当で変わるのか。

さらに、世の中には、理不尽なことや、説明できないことがあるかと思います。製薬会社が宣伝したくて弁当出している。まあ、コンプラとかあるけど、仕方ないよな・・・。それで良いではありませんか。

また、そういう先生ほど、MRとは対等の立場などというのですが、対等であるはずがありません。会社とお客様なのですよ。

そもそも、学会運営は製薬会社抜きにはできないですよ。

よく、MRと「対等であるべきだ」と言っている先生は、医師の方が上からなので、上から目線しないて、対等であるべきというのが主旨ですが、大きな勘違いに気づいていないと思います。

医師が立場が上である・・・・大きな大きな勘違いをしっぱなし状態の、まさに世間知らずも甚だしい症状です。

医師ほど、おだてれば簡単に木に登る人種はいません。

つまり、MRは、医師をおだてて、医師を木に登らせてあげているだけなのです。気づきましょう、登らされた木の上から、MRを見ているだけだということを。

実際はMRの方が上の立場にいるのかもしれませんよ。

僕の出会ってきた、尊敬する素晴らしい先生は、実はそれもわかっています。わかった上で、僕のおだてに乗って僕のために木に登ってくれていました。懐の深いというか、世の中の様式を理解している先生です。そういう先生は、出世していきました。患者からの評判も良いです。

そういう先生は、自分自身のことを、世間知らずだと自覚していらっしゃいます。「世間のことは知らないので、患者に向き合うだけだ」と、自覚していらっしゃいました。その時点で、実は世間のことをよく理解しているのですよね。

本当に良い先生。実在の先生なのですが、今某私立大学の教授になっていらっしゃいます。当時は接待もありましたが、喜んで来てくださったし、お弁当も喜んで召し上がっていただきました。 その上で、僕の会社の薬を使えないときは、「山崎君、ごめんな、それ使えないわ」と、言っていただきました。 

接待したから、弁当を食ったからと言って、その会社の薬を使えないときは、使えない。それをはっきり言っていただける。

その先生は、わかっていたのです。接待するのも僕の仕事、弁当出して説明会するのも僕の仕事。したがって、接待受けるのも先生の仕事、弁当食うのも先生の仕事だと。 

弁当を食うのは、先生の仕事なのです。

つまり、仕事の一環なので、弁当出したからと言って、製薬会社も必ず使ってくれるなんて思っていないし、先生も使わなきゃいけないなんて思っていないのです。

まさに、MRと医師の成熟した関係がそこにあるのです。

ああ、素晴らしい、先生だった。

だいたい、尊敬できる先生は、尊敬できすぎてやばいくらいで、アホな先生は、アホすぎてやばいくらい。というのが構図でした。

弁当が目の前に出てきたら、美味しく食べれば良いだけのことだと思います。

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