兼業メーカーの昨今

少し前に旭化成がTOBでスウェーデンの製薬会社「カリディタス」を買収すると報道されました。今月、それが行われるような話でしたが、完了したのでしょうか。旭化成はこれを機に、グループのコアビジネスを医薬品としていく方針のようです。カリディタスの株価も、発表直後から爆上がりしましたね。

昔から、繊維とか酒とか醤油とか化粧品とか、発酵技術のある企業は医薬品に参入してきました。そしていつの間にかその企業のビジネスの柱になるのです。利益率の高さゆえです。

医薬品の利益率の高さはさておき、研究開発費が莫大にかかります。ですので、いわゆる兼業メーカーと言われている企業は、研究開発が課題になるのです。その研究開発をカバーするのが、導入や買収になります。多額の買収をしても、それに有り余るような利益が期待できるということになります。

もちろん、相当のリスクとなりますので、まさに社運を賭けた買収で、この買収でもちろん、医薬品事業がグループの中枢になるのは当然のことです。

何かデータを見れば、ざっと一覧が出てくるかもしれませんが、思い当たる節というベースで兼業メーカー、というか、ついでに薬も作ってます!、or 作ってました!みたいな企業を挙げてみれば、

興和、帝人、旭化成、呉羽(クレメジンがありますよね)、ヤクルト、麒麟麦酒、明治製菓、ポーラ、ヤマサ、協和発酵、住友化学、三菱化成、などなどになります。記憶なので、すでに消滅した会社名も含まれます。

JTとかも、そうですよね。

外資で言えば、ICI、アクゾノベル、ヘキスト、ダウ、などなどが医薬品業界に参入してきたと言えるでしょう。すみません、記憶ベースです。ICIはその後AZになり、アクゾはオルガノンがスピンオフしたり、ヘキストはサノフィ、ダウはマリオンメレルだうからのメルク、みたいな感じに再編を繰り返していますが、元々は化学や繊維などから派生したと言えるかと思います。今度ダイドーファーマも出来ましたよね。

明治製菓とか旭化成とか帝人とか、別会社としてファーマカンパニーを作っていますけど、よくわからないですけど多分、本体との商習慣が違うというか、社員制度が違いすぎて別会社にするという動きかもしれないです。もちろん、そんな小さな理由ではないですけど、とはいえ、理由の一部ではあるかと思います。

例えば、日当とか経費の掛け方とか、直行直帰とか、そういうカルチャーが違うと、その道の、つまり、医薬品業界の優秀な社員が来ないのかもしれないということです。優秀というのは、語弊があり、つまり、慣れている人というか。優秀さでいえば、本体の方がもしかしたら遥かに優秀な人材が多いかもしれないですが、医薬品業界のみのこなしを体得するには時間がかかると思います。

昔ですけど、明治製菓はそのまま明治製菓として活動していましたが、バレンタインデー前後は忙しい、また、麒麟麦酒も昔は麒麟麦酒とバッチをつけて医局を回っていましたが、やはり、忘年会新年会シーズンは社内が忙しいので、自分は関係ないけど、忙しいフリをしているとか、いうMRさんが居ました。面白いですよね。

給与額も違いますよね。医薬品業界の水準と繊維や食品業界の給与水準が違うので、それを是正するためにも、グループでファーマ企業を作って、本体と社内制度を異にすることが手っ取り早いということになりますよね。

とはいえ、資本関係があるわけで、全く別ということになはなかなかならないのも、現状です。

さて、そんな中での旭化成による買収報道です。さらに、帝人も、プレスリリースによればキュアアップとかと提携したりしますね。もう、提携とか買収とかでどんどん広げて、なんとか利益を作っていく方針に見えますね。医薬品をそのままガチでR&Dして新薬を出すなんていうことよりも、ビジネスのプラットフォームとしての組織と言えますよね。

これはこれで、中の人々から見たら、エキサイティングですし、外から見てもとても興味深いです。

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6月中旬からずっと日本を旅しながら仕事をしています。おかげで更新が滞りました。博多、伊万里、有田、波佐見町、佐賀、広島、松山、高松、岡山、倉敷、そして越後湯沢、三条市と、点々としています。7月いっぱいはこんな感じになります。

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