サイケデリック治療界に激震!
期待されていたMDMA(エクスタシー)が、米国食品医薬品局(FDA)によってPTSD治療薬として承認される見込みが断たれました。退役軍人や政治家からの強い圧力にもかかわらず、独立諮問委員会が「安全性と有効性が不十分」と判断したことが影響しています。しかしながら、専門家はこれを「一時的な後退」と見なし、サイケデリック治療の将来は依然として明るいと予測しています。次なる展開に注目が集まっています。
さて、MDMAといえば、日本でも有名芸能人に関連した事件がありましたし、アメリカでも薬物乱用の話題でしばしば取り上げられています。そのため、MDMAにはクラブやレイブパーティ、ダンスシーンといったイメージがつきまといます。
とはいえ、MDMAは確かに「諸刃の剣」と言えます。PTSDに苦しむ患者にとって有効な治療選択肢として提供されるならば、製薬会社としては、その有効性と安全性を確認し、できるだけ早く患者に届けたいというのは自然な願いです。
今回のFDAの拒否は、時系列で見れば、非常に惜しい一歩の差であり、業界には大きな衝撃が走りました。関係者は誰もが承認されるシナリオを考えていたことでしょう。
時系列
情報を整理すると、以下のようになります。
- 2024年6月: 独立諮問委員会がMDMAのPTSD治療薬としての推奨を見送り、安全性と有効性の証拠が不十分と判断。
- 2024年7月: 約800人の退役軍人がバイデン大統領にMDMAの承認を求める手紙を提出し、政治家もFDAに圧力をかける。
- 2024年8月: FDAがLykos TherapeuticsのMDMAをPTSD治療薬として承認せず、追加の第3相臨床試験を要求。
- 将来の見通し: 専門家は、サイケデリック治療の承認はまだ進展する可能性があると見ています。
Lycos
開発元の、Lycos Theraputics のCEO、エイミー・エマーソンさん
https://www.linkedin.com/in/amy-emerson-5ab7473/
は、プレスリリースで、このように述べています。
「FDA による別の研究の要請は、この先駆的な取り組みに人生を捧げたすべての人々だけでなく、20 年以上も新しい治療オプションを見ることができなかった PTSD を患う何百万人もの米国人とその家族にとって、非常に残念なことです」
これでわかりますように、FDA非承認ということではなく、まあ、P-3に対して、宿題が出された。つまり、もう一回、やってくれ、と言われたということです。
FDAも、完全に拒否っている訳ではない理由としては、やはり、アメリカに存在する退役軍人からの圧力ではないでしょうか。上述のように、退役軍人800人が、ホワイトハウスに手紙を書いて、MDMAの承認に圧力をかけているからではないかと、推測されます。
退役軍人というと、私たちが東南アジアでよく出会う人物像の一つです。最近もベトナムのリゾート地で、楽しく会話を交わした退役軍人がいました。彼は退役後も若々しく、東南アジアでよく見かける存在です。日本に滞在した経験のある方々が多く、日本に対して非常に良い印象を持っていることが多いです。
まあ、それは良いとして、Lycosのエミリーさんは、プレスにさらに続けて言っています。
「PTSDに苦しむ何百万人もの退役軍人、救急隊員、性的虐待や家庭内暴力の被害者、その他数え切れないほどの人々が、今後何年も新たな治療選択肢を得られずに苦しむことになるかもしれないことを思うと、胸が張り裂けそうになる。私たちは、ミドマフェタミン補助療法によるPTSD治療を受ける資格のある患者のために、合理的かつ迅速な道筋を見つけるために、たゆまぬ努力を続け、利用可能なあらゆる規制手段を活用するつもりだ」
このように、Lycosは約10年にわたりこの治験を行っており、今回の承認を心待ちにしていたのでしょう。エイミー・エマーソン氏の経歴を見ても、PTSDに対する情熱は相当なもので、Lycosの前身であるMAPS時代から携わっています。今後は、既存のデータを活用し再チャレンジする方向で進むようです。有効性と安全性が認められれば、承認の道が開かれるでしょう。
今後の動向に注目が集まります。
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