歴史が動く?—20年ぶりの中等度〜重度の急性疼痛への非オピオイド鎮痛薬

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皆様いかがお過ごしですか。僕はプノンペンに居ます。毎日この発展しかしない雰囲気の中で、ポジティブなオーラを身につけたいと思っています。

今日はこの3社の話題です。
◾️バーテックス
◾️アッヴィ
◾️サイトキネティクス

そんな中で、FDAが1月30日、成人の中度から重度の急性疼痛の治療薬として、クラス初の非オピオイド鎮痛剤である

Journavx (スゼトリギン) 50 ミリグラム経口錠

を承認しました。多分、読み方は

ジャーナヴェックス

だと思います。

Journavx は、疼痛信号が脳に到達する前に、末梢神経系のナトリウムチャネルを含む疼痛信号伝達経路を標的にして疼痛を軽減します。

Journavx は、この新しいクラスの鎮痛薬として承認された最初の薬剤です。

中等度から重度の痛みを抑制する非オピオイド新薬は、なんと、20年ぶりとのことです。

まあでも、1錠15ドルだそうです。これは、偽物とか出てきそうで、警戒が必要でしょうか。見た目もバイアグラみたいですし。

開発会社は、もちろん、前回の記事でも少し紹介しました米バイオ医薬品会社

バーテックス・ファーマシューティカルズ

です。

数年前から、いつ日本に来るんだろう?みたいなこと言われている会社ですよね。1月30日のFDAリリースでかなり上がりましたが、2024年の12月中旬にガタっと下がっていますね。

このようなバイオベンチャーの株の買い方がわかりました。

何かの治験がポシャった直後に買う。
そのうちにパイプラインが承認されてググッと上がる。
売る。

パイプラインがあれば、一時的にガタっと下がっても買いのサインですね。今回でいえば、2024年の12月半ば以降に買っておいた方が良かったのですね。

オピオイド危機を救う

これまた、肥満の薬と同様にあまり日本には馴染みがない社会問題ではあるのですが、ご承知の通り、オピオイドに対する依存がアメリカでは大きな大きな社会問題になっているのです。でもまあ、本当に日本にはあまり馴染みがありません。もちろん、良いことです。肥満も、オピオイド依存も、なぜ日本には馴染みがないのか?依存しない国民性なのでしょうか。それは良いとして、ここで、オピオイドの問題についてです。

多岐に渡りますけど、ざっくり見ていきます。

  1. オピオイド危機(Opioid Crisis)
    米国を中心に、過剰処方や乱用による依存症が社会問題化しました。特に1990年代以降、製薬会社が「依存性が低い」としてオピオイド鎮痛薬を積極的に販売し、多くの医師が処方しました。しかし、実際には強い依存性があり、多くの人が薬物依存に陥りました。
  2. 過剰処方と規制強化のバランス
    医療現場では、慢性疼痛患者のQOL向上のためにオピオイドが使用されますが、過剰処方による依存のリスクが問題視されています。各国では規制を強化していますが、その結果、本当に必要な患者への処方が厳しくなり、痛みに苦しむ患者が十分な治療を受けられないという問題も発生しています。
  3. 違法薬物市場の拡大
    オピオイド鎮痛薬への依存が進んだ患者が、処方薬を入手できなくなると、ヘロインやフェンタニルなどの違法薬物に手を出すケースが増加。特にフェンタニルは極めて強力で、過剰摂取による死亡が急増しました。米国では年間数万人がオピオイド関連の過剰摂取で亡くなっています。
  4. 製薬会社の責任と訴訟問題
    オピオイド危機に関与したとされる製薬会社は多くの訴訟を受けています。特にPurdue Pharmaはオキシコドン(OxyContin)の販売戦略が問題視され、多額の和解金を支払うことになりました。このように、製薬企業の倫理やマーケティング手法が問われる事態となっています。
  5. 社会的・経済的影響
    オピオイド依存による労働力の喪失、医療費の増加、治療・リハビリテーション施設の負担増など、経済にも深刻な影響を与えています。特に低所得層での依存が深刻で、社会的格差をさらに広げる要因にもなっています。
  6. 代替治療の必要性
    オピオイドに依存しない新しい鎮痛治療の開発が求められています。非オピオイド系鎮痛薬や神経ブロック療法、心理療法、鍼治療などの代替手段が模索されていますが、十分に普及しているとは言えません。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%94%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%89

日本における状況

日本では欧米ほどオピオイド危機は深刻ではありませんが、高齢化社会の進行とともに慢性疼痛の治療需要が増えています。そのため、適切な処方管理と代替治療の普及が今後の課題となるかもしれないです。

オピオイド問題は、医療、法律、経済、社会全体に影響を及ぼす複雑な課題です。適切な規制と治療法の開発が求められています。

バーテックスは今後も注目ですよね。

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さて、話全く代わりますけど、

アッヴィが絶好調みたいですね。プレスリリースで2024年12月31日までの第4四半期および通期の決算を発表しました。

https://news.abbvie.com/2025-01-31-AbbVie-Reports-Full-Year-and-Fourth-Quarter-2024-Financial-Results

株価も上がっているとのことです。アッヴィの株持っている人はウハウハですね。ちょっとこのプレスリリース長すぎるので、ざっとまとめてみました。

2024年度通年および第4四半期の財務結果です。

項目第4四半期実績通年実績
売上高$15.1B(前年同期比 +6%)$56.3B
調整後EPS$2.16$10.12
Humira 売上前年同期比 -49.1%
Skyrizi 売上前年同期比 +58%
Rinvoq 売上前年同期比 +46%

スキリージとリンボックの成長により、ヒュミラの売上減少をチャラにしていますね。2027年までに両薬剤の合計売上を$31B以上と予測し、2025年のEPSを$12.12~$12.32と見込んでいます。まだまだ伸びる予測ですね。

これらの結果を受け、アッヴィ社の株価は約7%上昇しました。CNSも数字を出しました。プレスリリースのただの抜き出しです。

項目第4四半期売上高前年同期比通年売上高前年比
オンコロジー$1.69B+12.9%
CNS$2.36B+15.6%

オンコロジー領域では、主力製品であるイムブルビカ(Imbruvica)の売上が前年同期比で8.8%減少した一方、ベネクレクスタ(Venclexta)の売上は14.8%増加しました。また、新製品のエラヘア(Elahere)は、四半期で$139Mの売上を記録し、順調なスタートを切っています。

CNSには、ボトックスも入っているみたいです。アラガンですよね。前年同期比で13.4%増加し、堅調な成長を示しています。

⭐️アッヴィへの転職にご興味のある方、ご連絡ください! MR、MSL、マーケ

アッヴィ強いですね。

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シリーズ 2025年に売れそうな薬

アメリカの医薬品、医療機器の分析・コンサルなどを行っているEvaluateなども発表しておりますが、2025年にトレンドになりそうな薬について少し紹介させていただきます。

Aficamten/アフィカムテン
Company: Cytokinetics/サイトキネティクス
Used for: Hypertrophic cardiomyopathy/肥大型心筋症
Est. 2030 sales: $2.8 billion/2030年の売上高予想: 28億ドル

サイトキネティクスという名前の会社です。まるでサイコキネシスですね。

株価はこちらです CYTK
https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/cytk

またまたシリコンバレーからの新しい会社です。最近、シリコンバレーはテックだけでなくて、バイオも活発ですね。今まではボストンとか東海岸が多かったと思いますが、最近の注目新薬はシリコンバレーから出てきてくることが多いような気がします。

なんか、かっこいいウェブですね。パイプラインも適応ごとに載っています。
https://cytokinetics.com/

それから、この薬はノバルティスが買おうとしたけど、なぜかやめたらしいです。CEOもなぜかわからないと言っているとのことです。

これ、ポッドキャストですけど、YouTubeに載ってます。音声だけですけど。まあ、なんか、英語の勉強にもなるかもしれないですよ。聞いてみましょう。

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ということで、今日はこんな感じです。まだプノンペンに居ます。

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