📰同じインスリン、6つの顔。ノボと政府、“別人設定”を巡る仁義なき価格交渉

🧭 参考リンク一覧

さて皆様。いかがお過ごしですか。GWのご予定はお決まりでしょうか。まあ、医薬品業界の方々は、連休の谷間もみんな有給休暇取っちゃってますよね。本文には関係ないですが、異業種の営業マンの方、MRへの転身はそういう意味でもオススメっすよ!!

さてさて、今日の記事は、全文、アメリカでの価格交渉についてになります。アメリカでの交渉の行方を、説明しております。

「この薬はスーツ姿のビジネスマン、こっちはジャージの部活男子。見た目も使い方も違うんです」

糖尿病治療でおなじみのインスリンアスパルト製剤。ノボノルディスクが販売する「Fiasp」や「NovoLog」シリーズは、いずれもこの有効成分を含み、速効型インスリンとして多くの患者に使用されています。

ところがいま、アメリカ政府との価格交渉を巡って、“中身は同じでも別物”理論が炸裂中です。


🧪成分は同じ。でも“別人設定”?

ノボの主張はこうです:

「うちの6製品(Fiasp、Fiasp FlexTouch、Fiasp PenFill、NovoLog、NovoLog FlexPen、NovoLog PenFill)は、全部中身はインスリンアスパルトだけど、使う医療機器が違う。だから薬としてはそれぞれ別の製品。」

なるほど。確かにバイアルとペン型注入器では見た目も使い勝手も違います。
でもアメリカ政府はこれに対して、こんな感じで返します:

「いやいや、中身が同じなら一括で交渉させてもらいますよ」
(※実際にはもっと法的な言葉で言ってます)

政府としては、高騰する医療費を抑えるため、インスリンを一括して価格交渉したい。一方ノボは、それぞれの製品が法的に“同じ薬”とは言えないと主張。バイアルも、ペン型も、それぞれ“別物”としてカウントすべきだというのです。


💼中身は同じ、でもパッケージが違うなら別扱い?

これ、まるで日常生活でも見かけるロジックじゃありませんか?

  • 中身は同じなのに「季節限定パッケージ」で売ってくるスタバのドリンク。
  • 通常版と“限定色”のスマホケース。
  • ベースは同じでも“コラボ”すると価格が2倍になるスニーカー。

「パッケージが違うから価値も違う」理論は、消費財の世界では当たり前。
でも、それが命に関わる薬でも適用されるとなると、話は変わってきます。


💰なぜこれが問題なのか?

アメリカでは長年、インスリンの価格が高すぎると問題視されてきました。
その結果、ついに連邦政府が医薬品の価格交渉を可能にする法律を整備。標的になったのが、インスリン製剤だったわけです。

でも、企業側はこの“まとめ交渉”に待ったをかけたい。だって、6製品を1製品として交渉されたら、値下げ幅も6倍になるかもしれない


🤖注射器は薬じゃない…は通るか?

ノボの主張のポイントは、「薬とは成分だけじゃなく、どう投与するかも含まれる」という点。

でも、これが通ってしまうと──

  • 「同じ錠剤でも、シートが銀色なら別製品」
  • 「液体の色が薄いなら別カウント」
  • 「キャップが回るタイプだから、これは新薬」

…みたいな理屈が横行しそうです。


🍡 インスリン6兄弟、◯◯◯3兄弟になれなかった話

全部、アメリカでの訴訟の話です。

ノボノルディスクのインスリン製品たちは、見た目も中身もほぼ一緒。
成分も一緒、効果もほぼ同じ…なのに、名前と容器だけ違うという6種類のバリエーション。

これはもう、「インスリン6兄弟」って呼びたくなる。
注射器組(PenFill系)とペン型組(Flex系)で性格もスタイルも分かれてるし、
FiaspくんとNovoLogくんの兄弟間の空気感も微妙に違う。

…だけど!

政府は言いました。
「いや君たち、どう見ても一卵性6兄弟でしょ?まとめて交渉させてもらうからね」と。
するとノボ側はこう返します。

「ちょ、ちょっと待って!?だんご3兄弟だって、くっついてるけど個性あるじゃん!
長男は背が高くて、次男はちょっとへこんでて、三男は気が短い。
ウチのインスリンもそれと同じで、打ち方とか機器の違いでちゃんと役割あるんだから~!」

…まさか令和の時代に「だんご3兄弟」が判例に使われる日が来るとは思わなかったですが(笑)、
医薬品の「個性」って、どこまで認められるべきなんでしょうね。

「いや、それ全部インスリンアスパルトさんですよね?」

ノボのマーケティング戦略と、政府の予算削減の理想。どちらが勝つか、この“成分同一バトル”の行方に注目です。


✍️ 薬って、成分だけの話?

今回の話、ちょっと不思議に感じた人もいるかもしれません。中身は同じインスリンなのに、注射器かペンかってだけで別モノとして扱われるの?って。

でも考えてみると、同じコーヒーでも缶コーヒーとドリップじゃ全然違うし、同じ映画でも映画館で観るのとスマホで観るのじゃ、印象も満足感も変わりますよね。

薬も、「どうやって使うか」とか「毎日続けやすいか」って、けっこう大事なポイント。ノボが言いたいのは、たぶんそこ。「同じ成分でも、使い方が違えば別の価値がある」ってこと。

とはいえ、医療費が上がり続ける中で、国がコストを抑えようとする気持ちもわかる。なかなか難しい問題だけど、薬の「使いやすさ」や「選びやすさ」って、もっと大事にされてもいいのかもな〜と思ったり。

あなたはどう思いますか?😊


🧾 主な情報源と引用

1. ノボノルディスクの主張:6製品は別々の薬剤である

ノボノルディスクは、同社の6つのインスリン製品(Fiasp、Fiasp FlexTouch、Fiasp PenFill、NovoLog、NovoLog FlexPen、NovoLog PenFill)を、異なる製剤であり、個別に承認された生物製剤であるため、単一の薬剤として扱うべきではないと主張しています。​

「これらの薬剤は異なる製剤であり、異なる承認要件を満たしており、それぞれがFDAによって個別に承認されています。」
— ノボノルディスクの訴状より ​

2. 政府の主張:同一の有効成分を持つ製品は一括交渉の対象

アメリカ政府は、同一の有効成分(インスリンアスパルト)を含む製品は、投与方法やデバイスの違いに関係なく、単一の薬剤として価格交渉の対象とすると主張しています。​

「政府は、これらの製品を一括して扱うことが認められていると主張している。」
— Benzingaより ​Benzinga

3. 裁判所の判断:政府の価格交渉プログラムは合法

2024年7月31日、ニュージャージー州の連邦裁判所は、ノボノルディスクの訴えを退け、政府のメディケア薬価交渉プログラムの合法性を認める判決を下しました。​Patients For Affordable Drugs

「連邦判事は、ノボノルディスクの法的挑戦を退け、メディケアの薬価交渉プログラムを支持する判決を下した。」
— Patients for Affordable Drugsより ​biopharmadive.com+2Patients For Affordable Drugs+2BioSpace+2

4. ノボノルディスクの対応:訴訟提起後も交渉に参加

ノボノルディスクは、訴訟を提起した2日後に、インフレーション抑制法(IRA)の薬価交渉プログラムへの参加を表明しました。​Fierce Pharma

「ノボノルディスクは、訴訟を提起した2日後に、交渉プロセスへの参加を表明した。」
— Fierce Pharmaより ​biopharmadive.com+2Fierce Pharma+2Fierce Pharma+2


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