「アメリカ医療」って、どのアメリカ?

🩺アメリカ医療の「東西戦争」?〜ワクチン、自由、そして“命の価値”の話〜

みなさんお元気ですか? このブログはもともと、海外の医薬品の開発状況とか、新しい会社とか、そんなトピックをなんとなく書き続けていました。それも、良くも悪くも、アメリカの政治が安定していればこそです。ここでは、政治色を出すつもりもありませんし、賛成も批判もありません。ただまあ、毎日ゴタゴタしているので、FDAネタと言っても、ついこないだFDA長官のロバート・カリフが解任されたことを筆頭に、ものすごい人員削減が続いているので、ネタも何もありません。しばらく、この状況をお伝えるすことになるのかなっと、思ったりしています。

ちなみにですが、ロバート・カリフは解任というわけではないですよね。任期が終わって、トランプからは、再任されなかったと言う方が正確かもしれないですね。彼は、オバマの時とバイデン政権でFDA長官やりましたね。ただまあ、製薬会社との密接な関わりが、ちょっと、白眼視されていた経緯も無くはないです。FDAといえば、日本にもかなり関わりの深いトピックになるので、ロバート・カリフに関しては、次回に記事にできればと思います。

まあ、本当にRFKになってから、アメリカの医療制度は目まぐるしく動いています。そもそもRFK自身が、ワクチン嫌い、薬も嫌いという感じなので、仕方ないですよね。公聴会では、水疱瘡やポリオのワクチンを、あなたの子供や孫、子孫に打つのか?という質問があり、名言を避けていました。名言を避ける理由は、「私は、国民にアドバイスをする立場ではない」ということでした。質問したのはマーク・ポーカン下院議員で、ウィスコンシン州の民主党選出です。

さて、まあ、関係ないですけど、RFKのダミ声どうにかならないですかね。すごく聞き取りにくいですよね。まあ、このように、RFKはMAHAとか結構革新的な事を言いながら、意外と無難な回答しているような印象です。

で、アメリカの医療制度ということを改めてイメージしてみました。こんな感じでしょうか。

  • 「医療費が高い」
  • 「民間保険が複雑」
  • 「最先端だけど不平等」

ざっくりすぎですけど。

もうひとつ、重要な視点がありますよね。

それは、アメリカには“医療”に対する考え方が2つあるということ。

カリフォルニア vs. フロリダ。
ニューサム vs. デサンティス。
民主党 vs. 共和党。

あえて、わかりやすく、勝手に東と西にわけてみました。これは、本当に僕の勝手な分け方です。カリフォルニア州知事のニューサムも、フロリダ州知事のデサンティスも、なにも別にアメリカの医療を代表するような役割を果たしているわけではありませんが、これまた、主義主張がわかりやすく、たまたまだと思いますが対立していますので、このようにしてみました。

この東西の知事たちの医療哲学の違いが、コロナ禍を通じて顕在化しました。


カリフォルニア:公共の命を守る「集団最適」主義

  • 州知事ギャビン・ニューサム(民主党)
  • COVID-19対応:
    • ワクチン接種義務化
    • マスク着用義務
    • ロックダウン導入
  • 公立医療・低所得者支援に注力(Medi-Cal 拡充)
  • 医療は「社会全体の安全保障」

👩‍⚕️ カリフォルニアでは、“科学と公衆衛生”が政策の柱
「自由より命が大事」という哲学が根底にあります。


フロリダ:自由な選択を重視する「個人主義」モデル

  • 州知事ロン・デサンティス(共和党)
  • COVID-19対応:
    • ワクチン義務化を禁止
    • マスク義務も撤廃
    • 学校・経済活動は早期再開
  • 州民への“選択の自由”を最優先
  • 医療は「自己責任と市場競争」

🧑‍💼 フロリダでは、“過剰な政府介入はNG”という前提
「健康も経済も、自分で決めるのがアメリカンウェイ」なのです。


パンデミックが照らした「命の優先順位」

パンデミック時、死亡率・感染率・経済回復など、さまざまな指標がニュースをにぎわせました。
興味深いのは、「どの指標を重視するか」が州によってまるで違ったこと。

  • カリフォルニア → 感染者数・死亡率重視
  • フロリダ → 経済成長・失業率重視

つまり、「命の守り方」が違ったのです。

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テクノロジーと医療:西のAI、東の保険会社

  • 西海岸(特にシリコンバレー)
    • ヘルスTechスタートアップが活発(例:Appleのヘルスケア機能、スタンフォード発のAI診断技術)
    • 医療を“テクノロジーで効率化”しようという流れ

まあとにかく、最近のバイオベンチャーはシリコンバレーが多いですよね。

  • 東海岸(特にニューヨーク・ボストン)
    • 伝統的な医療機関・保険業界が強い
    • ビッグファーマ(大手製薬)や病院連携に強み

まあ、とにかく、マンハッタンにファイザー、ニュージャージーにJ&Jですからね。そいてボストンというか、ニューイングランド地方というか、なんか、メディシンという感じがするのです。

→ **「未来の医療を作るのは西」
「既存の医療制度を牛耳るのは東」**とも言われます。


日本人の視点で考える:どちらが安心?

  • カリフォルニア → 日本的な「全体のための我慢」が通じる空気感
  • フロリダ → 個人主義の強さに戸惑うかも

👀 ヘルスケア関連ビジネス、国際医療交流、移住などを考えるなら、
どの“アメリカ”と付き合うかで戦略が変わります。


まとめ:アメリカの医療は“州ごとに別の国”

  • 医療のあり方、命の優先順位、政府と個人の距離感…
  • アメリカという国は、「ひとつの医療制度」を持っていない
  • だからこそ、東西の知事の対立は“哲学の対立”でもある

おまけ:日本の医療はどっち寄り?

答えは…「表向きはカリフォルニア、中身はフロリダ」かもしれません

  • 公的医療制度あり → カリフォルニア的
  • 行列・自己負担・自由診療 → フロリダ的要素も…

まあとにかく、アメリカの東西って、本当に違いますよね。東にはダンキンドーナツが多いし、西にはクリスピークリームが多い印象。東はベーグル食べてるし、西は、なんか、タコスとか食べてそうですよね。


RFKになって、しばらくゴタゴタは続きそうです。