【1億ドル調達】アルツハイマーに挑むAlzheonとは?

|大型資金調達バイオ企業シリーズ #01

みなさま、お元気ですか。それにしてもハーバード大学の留学生の追い出し、凄いですね。余波が広がっています。東大が追い出された学生を受け入れるみたいなのやっていますが、そもそもハーバードに行きたい学生が、東大に行きたいですかね? そんなのちょっと考えればわかりますよね。

まあさてそんなわけで、これから、資金調達シリーズを始めたいと思います。


今日は、最近1億ドルを調達して話題になっているアメリカのバイオベンチャー「Alzheon(アルジオン)」についてご紹介します🧬


🧠 アルツハイマー病に挑む、ミニマム精鋭チーム

Alzheon(アルゼオン)の歴史は、バイオ企業にしては意外と古いかな?2013年創業、アメリカ・マサチューセッツ州のバイオ企業です。

CEOは、医学博士でもあり投資家としても著名なMartin Tolar氏。

社員はわずか数名(2025年時点で6人!)という超精鋭チームながら、開発中の主力候補薬「ALZ-801(バリルトラミプロセート)」が注目されています。

これは、アルツハイマー病の主要因とされるアミロイドβオリゴマーの蓄積を阻害する、経口タイプの疾患修飾薬(DMT)です💊


🧬 会社概要

ALZ-801は、神経毒性のある可溶性アミロイドβオリゴマーの形成を阻害する経口薬で、APOE4遺伝子を2つ持つ高リスク患者(APOE4/4ホモ接合体)を対象に開発が進められています。Alzheon | Preserving Future Memories


💰 1億ドルのシリーズE調達!主な投資家は?

2024年6月、AlzheonはシリーズEで**1億ドル(約150億円)**を調達🔥
リード投資家は「Alerce Medical Technology Partners」。創業者で著名投資家のMuneer A. Satter氏は、Alzheonの取締役にも就任しました。

この資金は以下のような用途に使われます:

  • 第3相試験(APOLLOE4)の最終段階
  • FDAへの新薬承認申請(NDA)準備
  • 商業化に向けた製造体制の構築

つまり、**2025年〜2026年に向けた“上市の勝負年”**に向け、全力で加速しているフェーズというわけです。

さあ、ここで、投資元についても、紹介します。こういう人々が、カネ持ってるんですね。

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Alerce Medical Technology Partners(アレルセ・メディカル・テクノロジー・パートナーズ)

は、米国シカゴを拠点とするプライベート・エクイティ投資会社で、革新的な医療技術やライフサイエンス分野の企業への投資を専門としています。特に、開発後期段階にある命を救う可能性のある医薬品や医療機器を開発する企業への投資に注力しています。


🏢 会社概要

Alerceは、以前「Satter Investment Management」として知られており、現在はAlerce Investment Managementとして運用されています。同社は、革新的な治療法を開発する企業への投資を通じて、高い未充足の医療ニーズに応えることを目指しています。 LinkedIn


💼 投資戦略とポートフォリオ

Alerce Medical Technology Partnersは、以下のような投資戦略を採用しています:

  • 投資対象:開発後期段階にある医薬品や医療機器を開発する企業
  • 投資目的:患者の生活を大きく改善する可能性のある革新的な治療法の商業化支援
  • 投資規模:数千万ドル規模の投資

同社の主な投資先には、以下の企業が含まれます:

  • Alzheon:アルツハイマー病治療薬「ALZ-801」の開発を進めるバイオ医薬品企業。2024年6月に1億ドルのシリーズE資金調達を主導しました。
  • Aadi Bioscience:がん治療薬の開発を行うバイオ医薬品企業。2022年9月に7,250万ドルの資金調達に参加しました。

📈 今後の展望

Alerce Medical Technology Partnersは、今後も革新的な医療技術を持つ企業への投資を通じて、患者の生活の質を向上させることを目指しています。特に、アルツハイマー病やがんなど、高い未充足の医療ニーズが存在する分野での投資機会を積極的に模索しています。


Alerce Medical Technology Partnersは、革新的な医療技術を持つ企業への投資を通じて、患者の生活の質を向上させることを目指す、注目のプライベート・エクイティ投資会社です。今後の動向にも注目が集まります。


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🔬 注目の対象患者は「APOE4遺伝子を2つ持つ人」

さて、Alzheonに戻りますが、ALZ-801の特徴的な点は、**遺伝的リスクが高い人(APOE4ホモ接合体)**を対象にしていること。
これが、一般的な「万人向け治療薬」とは異なる“精密医療(precision medicine)”のアプローチです。

実はこの分野、近年FDAも積極的な姿勢を取っていて、Alzheonのポジショニングはかなり時流に乗っています⏳


📉 株式情報:IPOはまだ。だが、前向きな兆しも?

過去にAlzheonは2度IPOを試みましたが(2018年・2019年)、どちらも撤回しています。
そのため現時点では非上場

しかし、今回の1億ドル調達と臨床データが成功すれば、2026年あたりにNASDAQ上場…という可能性も十分あるでしょう📈


🧪 今後の見どころ

  • ✅ 2024年Q3:APOLLOE4の第3相試験トップライン結果発表
  • ✅ 2025年:FDAへの申請(NDA)見込み
  • ✅ 2026年:承認・上市・IPO…?

個人的にもこの企業、ちょっと目が離せません👀