みなさんお元気ですか。
今日はバンコク在住日本人みんな大好きフジスーパーでお買い物しました。まあ、日本食を仕入れて、下町のナポレオン、いいちこ買って、家でレモンサワー作って飲んでますよ。なんだかそろそろタイも、タイだけでなく世界的に物価安くならないですかね。為替も円安で本当に疲れますよね。円安だから、インバウンドが凄くて、日本では問題になってますよね。
さて、そんな「値段が気になる」ご時世ですが──
実はアメリカでも、薬の値段がとんでもないことになっているのをご存知でしょうか?
今回は、子どもの喘息吸入薬の販売中止と、それに伴う価格の高騰について、アメリカの上院議員が本格的な調査に乗り出した、という話題をお届けします。
あのグラクソ・スミスクライン(GSK)が販売していた「フローベントHFA」という定番の吸入器が、今年1月に突如市場から姿を消しました。
その“理由”をめぐって、政治の世界も巻き込んだ一大騒動になっています──
GSKの「販売中止」に上院議員がメスを入れる理由とは
2024年1月、グラクソ・スミスクライン(GSK)が小児喘息治療薬「フローベントHFA(Flovent HFA)」の販売を突然終了しました。
フローベントは長年にわたり、多くの子どもたちの呼吸を支えてきた定番の吸入ステロイド薬。医師にも保護者にも「定番中の定番」として信頼されてきた薬です。ところが、その販売が予告もなく中止に。アメリカ中の家庭と医療機関が混乱に包まれました。
🚨販売中止の“その後”に何が起きたか?
フローベントが市場から消えて以降の3か月間で、喘息による入院が17.5%増加。その後もさらに悪化し、3〜6ヶ月後には24.1%増加。医療現場からは「命に関わる影響が出ている」という悲鳴が上がっています。
他に色々薬もあるでしょうけど、それを使っていた患者さんはなかなか代替薬に変えられないんですかね。
で、代替薬としてジェネリック版の「プラスコ(Prasco)」を使わざるを得なくなりましたが、これがまた高い・効きにくい・保険が効かないという三重苦とのことですよ。
効いている人もいるかと思いますけどね。
💰なぜGSKは売るのをやめたのか?
ここで登場したのが、米国上院議員マギー・ハッサン氏。
彼女はこの販売中止の裏に、GSKのリベート(払い戻し金)回避と価格上限逃れがあるのではと見て、公式に調査を開始しました。
🏛️マギー・ハッサン上院議員とは?
マギー・ハッサン氏は、米国ニューハンプシャー州選出の民主党所属・連邦上院議員です。2017年から上院議員を務めており、それ以前は同州の知事(2013〜2017)としても知られています。
彼女の政治スタンスは一貫して、以下のような生活者目線の政策に重点を置いています:
- 医療費の透明化・適正化
- 製薬企業の価格設定への監視
- 障害者支援・教育機会の平等
- 国民皆保険の強化(オバマケア推進)
特に医療や医薬品価格の問題には強い関心を持ち、製薬企業の価格操作や不透明なビジネス慣行に対して、積極的に調査・是正を求めるスタンスで知られています。
今回のGSKに対する調査も、そうした彼女の姿勢を反映したもの。企業側の「事業判断」という言葉では納得せず、“患者ファースト”を貫く政治家の一人と言えるでしょう。
ニューハンプシャーって言えばね、まあ、冬は寒いですよ。そして、田舎で治安はとても良くて、別荘が結構売れていました。アメリカにいた時に、行きましたね。なんか、りんごとかがいっぱい収穫できるんです。アメリカのスーパーにはアップルサイダーが売っていて、それを飲むわけですね。ああ、素朴なアメリカです。冬はホットにもできます。
そんなことはどうでも良いのですが、そのニューハンプシャーの知事だった現上院議員が今、調べ始めています。

▷ 疑惑1:メディケイドから逃げた?
米国の低所得者向け医療制度「メディケイド」では、製薬会社が価格を上げすぎた場合、一定のリベート(払い戻し)を払う必要があります。GSKは2024年に約3億6760万ドル(約580億円)のリベートを支払う見込みでした。
が、「販売をやめれば、リベートも不要じゃない?」ということで、フローベントを市場から撤退させたのではないかという指摘です。
▷ 疑惑2:価格上限を“うまく”回避?
GSKは以前、「吸入器は月額35ドル(約5,500円)を超えないようにする」と公言していました。
ところが、現在市場に出回っている「ジェネリック版プラスコ」は、GSKではなく“別会社”が販売していることになっており、この価格制限が適用されないとのこと。つまり、「ジェネリックですよ〜、うちじゃないですよ〜」という理屈で値上げし放題になっているわけです。
🧾上院議員の要求とGSKの回答
マギー・ハッサン議員は以下をGSKに強く求めています。
- フローベントHFAの販売中止に至る経緯と社内文書の開示
- ジェネリック薬「プラスコ」の価格引き下げ
- 月額35ドルの価格上限の再適用
一方、GSK側は「これはビジネス上の決定であり、ジェネリック薬に切り替えたことで、より安価なアクセスが可能になると考えた」と主張。
しかしこの説明、実際に現場で苦しんでいる患者やその家族には届いていないようです。そりゃ、まあ、届かないですよね。特に子供の患者さんの親の立場となれば、大変なことです。今までコントロールできていた喘息の薬が無くなるわけですから。
💊製薬ビジネスと倫理の境界線
この一件、表面的には「製品の切り替え」に見えますが、実際には製薬業界における価格戦略と社会的責任という根深い問題が浮き彫りになっています。
企業の利益と患者の命。そのバランスを誰がどう取るのか。
そして、価格上限やリベート制度などの制度設計が、本当に患者のためになっているのか──。
「アクセス可能な医療」と「企業の持続可能性」のバランスをどうとるか?
その問いが、また一つ私たちの前に突きつけられたように感じます。
🔎参考リンク(英語)
- Senator Hassan Blasts GSK – Xtalks
- PharmaLive – GSK Inhaler Dispute
- STAT News – GSK Under Investigation
みなさま、製薬業界で働く方も多いかと思います。
この話題は、「自分の会社ならどうするか?」という視点でも見てみると、いろいろ考える材料になります。
特にマーケティングや薬価政策に関わっている方には、他人事ではないテーマかもしれません。
日本でももちろん、販売中止とかありますけど、代替薬がない場合は採算取れなくても、生産し続けたりしましたよね、昔の話ですけど。

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