みなさまお元気ですか。90日以上更新していたkenyamazaki.comですが、家族旅行で途切れました。でもまたもちろん、更新していきます。
90日って、もはや季節が一つ変わるレベルですよね。今まではそれでも鬼更新していましたが、正直なところ、なかなかきつかったです。まあでも、ぼちぼちやります。
でも、この強制的な休息期間で気づいたことがあります。毎日更新にこだわりすぎて、内容が薄くなっていた部分もあったんじゃないかと。量より質、とはよく言ったもので。
そんなわけで、これを機にテーマを少し進化させてみようかと思います。もちろん、これまでのスタイルは大切にしつつ、新しい切り口で攻めてみたい。
新シリーズ「外資×AI図鑑」、はじめます。
外資系企業とAIの組み合わせって、実は面白い化学反応が起きているんです。グローバル企業ならではのスケール感と、最新テクノロジーの融合。そこには、日本企業とは違った独特の文化や戦略が見え隠れしています。このシリーズでは、そんな「外資×AI」の世界を、図鑑のように一つずつ丁寧に解剖していこうと思います。
てことで、最初はこの会社です。
ノバルティス × AIの取り組み
ノバルティスは、AI活用において「本気度が違う」会社のひとつです。いや、正確に言うと「本気度がヤバい」レベルかもしれません。他の製薬会社が「AI、なんかよくわからんけど流行ってるし導入してみるか」と様子見している間に、ノバルティスは既に「AIなしの業務なんて考えられない」状態まで進化しています。
特に注目すべきは以下の3点。
1. AIイノベーションラボ(AI Innovation Lab)の設立
- パートナーはMicrosoft。なんとも贅沢なタッグです。
- 社内のデータ利活用を加速するため、AIを使った創薬から業務効率化まで幅広くカバー。まさに「AIのデパート」状態。
- Microsoft Azureと自社データベースを組み合わせて、次世代の臨床試験設計や予測モデルを開発中。これ、普通の会社だったら「夢の話」レベルですが、ノバルティスは本気で実現しています。
実際、このラボで開発されたAIモデルの一部は、既に実際の創薬プロセスで使われているとか。「研究のための研究」で終わらせないところが、いかにも外資らしい。
2. 全社員向けのAI教育「AI for Novartis」
- 一部の専門部署だけでなく、全社員に向けたリテラシー教育を展開。経理のおじさんも、人事のお姉さんも、みんなAI。
- 非エンジニアの業務部門にも「AIをどう使えるか?」という視点を提供。「私、文系なんで…」なんて逃げ道は一切なし。
- 社内AIチャンピオン制度まで整備。まさに全社的取り組み。これ、日本企業だったら「AIチャンピオンって何それ、美味しいの?」状態ですが、ノバルティスは本気です。

面白いのは、このプログラムの修了率が90%を超えているという点。「やらされ感」じゃなく、みんな本気でAIを学んでいる証拠です。
3. 創薬以外にも広がる活用領域
- 臨床開発、マーケティング、サプライチェーンなど部門横断でAIを実装。もはや「AIが入っていない部署を探す方が難しい」状態。
- 例:糖尿病薬のターゲット患者予測モデル、臨床試験のスクリーニング最適化など。これ、聞いてるだけでワクワクしませんか?
特に面白いのが、マーケティング部門でのAI活用。医師の処方パターンを分析して、「この先生には、この薬をこのタイミングで提案すると効果的」みたいな予測モデルを作っているらしい。まさに「AIで営業力アップ」の典型例。
yamazakiのひとこと視点
ノバルティスのすごさは、「AIは専門部署のものではない」という思想を実行しているところです。
外資でよくある”PoC疲れ”(プロトタイプ作って満足して終わり)で終わらず、ちゃんと業務に組み込んでいる。この「実装力」が半端ない。「できました!」で終わらず、「使えます!」まで持っていく執念深さ。
特に人材育成面では、日本の製薬企業との差がジワジワ開いている感じがします。いや、もう「ジワジワ」じゃなくて「ガッツリ」かもしれません。
日本ではまだ「AI=なんかすごいこと」になりがちですが、ノバルティスは「AIもExcelと同じ。全員が使える道具にしよう」という姿勢。この発想の転換が、もう完全に別次元です。
これは正直、怖いくらい先に進んでますね。5年後、10年後を考えると、この差は埋められるんでしょうか?ちょっと心配になるレベルです。
参考リンク
- Novartis、MicrosoftとAIパートナーシップを発表(公式)
- AI for Novartis プログラム概要(英語)
- AI Innovation Lab(英語)
次回予告
【外資×AI図鑑002】次回も、とりあえず大手をピックアップしていきます。よろしくっす。

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