Libtayoの皮膚科適応拡大とマーケティング戦略

みなさん、いかがお過ごしですか。3連休ですね。ブルーマンデーです。政局は慌ただしいですね。生き延びるのに大変です。色々と、手を尽くしていますよね。

で、プロダクトにはライフサイクルがありまして、これもどうにかして、生き延びるのに必死だったりします。なんとかしばらく、稼ぎたいですし。

そんな中、最近、Libtayo(リブタヨ)の皮膚科適応追加を見ていて、ふと思いました。「これは単なる適応拡大じゃない。計算され尽くしたマーケティング戦略だ」と。

https://investor.regeneron.com/news-releases/news-release-details/libtayor-cemiplimab-rwlc-approved-us-first-and-only

株価もビョーンと一瞬上がりました。また少し落ち着いていますが。まあこの、既存の製剤に適応追加させるのはありがちで、殊にPD-1は今まで数年、拡大、拡大できているかと思っております。

ただし皮膚科領域においては、メラノーマはありましたが、皮膚がんとかはなかったかなと。まあ、市場規模とか色々あるんでしょうね。で、ここにきて、リジェネロンのリブタヨに対して、今月初め、アメリカで認められた適応が、

手術および放射線療法後の再発リスクが高い皮膚扁平上皮癌(CSCC)の補助療法における免疫療法

とのことで、皮膚科進出です。

あれ、でも、皮膚科はリジェネロンはお得意としていますよね。何しろ、デュピルマブありますし。まあ、アトピーと皮膚がんは違うとはいえ、同じ科を攻めるわけですよね。これはシナジーありそうです。日本で治験しているのかどうか、知りませんが、もし日本でもこの適応が通れば、まあ、オンコロジーなのか、皮膚科なのか、いずれにしてもコマーシャルサイドはシナジーありそうなのです。

いや、もしかして、競合のPD-1がメラノーマ以外に、皮膚科に行ってないし、そしてリジェネロンは行ってるし、なんか皮膚科に適応取れないかな?みたいに思った? いや、そんな薄っぺらいあからさまな事でもないかとは思いますが。いずれにしても、その先にいる患者さんに光が当たる、選択肢が増える、これはヘルスケアカンパニーのミッションですから、素晴らしいかなと思います。

まあでも、僕みたいな外野でもそう思うのだから、これは、きっと、そうだと思うというか、偶然でもないですよね。もし日本で治験していて、売ることにでもなったら、自前のセールスフォースでできそうですよね。最近NBIが皮膚科のオーファンをLEOに移管したのは、おそらくNBIとしての皮膚科の歴史みたいなのが十分では無かったのかもしれないですし。その点では、リジェネロンなら、自前で出してもOKですし。皮膚科学会とか皮膚科への投資も、すでにやっていて、新たな投資は少なくて済むだろうし。もしこれがうまいこといかなければ、それこそ、LEOとか、UCBとか、サノフィとか、GSKとか、まあ、出すところはありますよね。

これって、僕が勝手に思っていることだったらどうしようと思って、少し調べると、医薬メディアもなんとなく似たようなこと言っていて、少し安心しました。

📈 Libtayoの皮膚科適応拡大と市場戦略

  • Fierce Pharmaの記事では、Libtayo(セミプリマブ)が皮膚扁平上皮癌(CSCC)の術後補助療法として承認されたことが報じられています。特に、メルクのKeytrudaが同様の適応で効果が確認できなかった中で、Libtayoが68%の再発リスク低減を示した点が強調されています。これにより、Libtayoは新たな市場機会を得たとされています (fiercepharma.com)。
  • Biopharma Diveの記事では、Libtayoの販売が前年比で40%以上増加し、12億ドルを超えたことが報じられています。これにより、RegeneronはLibtayoの市場拡大を進めており、皮膚科領域への進出もその一環であると分析されています (biopharmadive.com)。
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まあでも、あれですよね。マーケティングから言っても、こういうのありますよね。

1. クロスセル(Cross-Selling)

既存ネットワークが活きるってもんですよ。

Dupixentで既に築いた皮膚科MRネットワークをフル活用。
Libtayoを同じ顧客に紹介することで、新規顧客開拓のコストをかけずに市場浸透。
まさに クロスセル の典型です。


2. アカウントベースドマーケティング(ABM)

これでターゲットに攻め込めますよね。明確です。

ターゲットは皮膚科クリニックという明確な「アカウント」。
DupixentとLibtayoの組み合わせで、顧客のニーズに合わせた個別戦略を展開。
医薬品業界で言えば、これが ABM(Account-Based Marketing) の真骨頂です。


3. ラインエクステンション(Line Extension)

まあ、そしてなんと言っても、適応広がれば、製品寿命も伸びるというか。そもそも2018年に発売されている薬ですから。そろそろ何か、アクションしたかったのかもしれないですし。知らんですけど。

皮膚科市場という既存市場に、別の適応の製品を投入。
既存市場の成功を活かしつつ、新しい価値を提供する戦略。
言い換えれば、Libtayoは ラインエクステンション の妙を見せてくれています。


💡 Dupixentとのシナジー効果

  • Regeneronの公式発表では、Dupixent(デュピルマブ)が皮膚科領域での治療選択肢として確立されており、Libtayoの皮膚科適応拡大は、既存のMRネットワークを活用する戦略の一環であると示唆されています。これにより、効率的な市場浸透が期待されます (regeneron.com)。

まあでも、日本ではどうなんですかね。皮膚がんとか、アジア人は比較的少ないかもしれないですよね。GLP1みたいに、欧米の薬なのかもしれないっす。これも知らんですけど。

💡 考察的な

  • 患者にとっては朗報で、選択肢が増える
  • 企業にとっては効率的な市場浸透とブランド強化
  • MRだけでなくブランドマネージャー志望も「なるほど」と思える戦略

皮膚科PD-1という小さな市場でも、ここまでマーケティングの妙を凝縮できると思います。まさに、3つの戦略ですよ。

クロスセル(Cross-Selling)
アカウントベースドマーケティング(ABM)
ラインエクステンション(Line Extension)

てなわけです。


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