皆さま、いかがお過ごしでしょうか。僕は先週上海に居ました。まあとにかく、18年ぶりの上海で、まるで様変わりしていましたよ。食べたものは、小籠包、上海蟹、北京ダック、火鍋です。ああ、また行きたいなあ。意外と、あっさり行けて、サクッと帰れましたよ。
さてまあ、そんな間に、僕には一切関係ないけど、ベルリンではESMO、欧州がん臨床学会?が開かれていました。マジで関係なさすぎですが。
で、まあ、そこでのとある発表について、複数のニュースサイトがサクッと触れているセッションがありました。そのアブストラクトのスクショはこちら。

とある、複数の業界誌によると、この発表の内容は、癌治療中の患者さんが対象で、治療前にmRNAのコロナワクチンを接種していた群は生存期間が優位に長かったとのことでした。
✅ 研究内容の概要
- この発表では、がん患者(特に進行非小細胞肺がん/メラノーマ等)で、SARS‑CoV‑2 mRNAワクチンを、免疫チェックポイント阻害薬(ICI/immune checkpoint inhibitors)開始からおおむね100日以内に接種していた群と、接種していなかった群を後ろ向きに比較したところ、ワクチン接種群で生存期間が有意に長かったというデータが報告されています。 MD Anderson Cancer Center+3ResearchGate+3BIOENGINEER.ORG+3
- さらに、マウスモデルや人体サンプル解析では、mRNAワクチン接種後にインターフェロン Type I(IFN α/β)やサイトカインの上昇、腫瘍内のPD-L1発現の上昇、抗腫瘍T細胞反応の活性化などが観察され、「ワクチンによる免疫活性化 → ICIの効果増強」という仮説的なメカニズムも提示されています。 ResearchGate+1
- なお、本研究はあくまで 後ろ向き解析(レトロスペクティブ)であり、無作為化トライアルではありません。 Science for ME+1
――ESMO発表でざわつくオンコロジー界
ベルリンの学会で出たニュースが、まあ、ちょっとした話題になっていることは確かですね。
アメリカのMDアンダーソンがんセンターの研究チームが、コロナのmRNAワクチンを打った進行がん患者の方が、生存期間が長かったという解析結果を発表したんです。
……え、まさかのmRNAワクチンが抗がん治療を“後押し”していた?
そんなこと、あるの?
🍺学会はヨーロッパ、発表者はアメリカ
この発表が行われたのは、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)。ヨーロッパの学会のウェブとか動画は何だかデザインが良いですよね。これって結構、ありまして、薬とかの製品のデザインも良かったりしますよね。
発表者たちはヒューストンのMDアンダーソン勢。
つまり、アメリカ人がヨーロッパで「mRNAワクチン悪くなかったかも」と言った構図。いや、そこまでは、言っていないか。レトロプレスペクテブの評価をしただけなので。とはいえ、衝撃的といえば、衝撃的。いずれにしても、コロナワクチン、特にmRNAに肯定的なことは確かですね。
発表のあと、ドイツの会場ではきっと――
「SARS-CoV-2 mRNAと免疫チェックポイントの相乗効果に乾杯!」
とか言いながら、ソーセージとスタウトビールで乾杯していたに違いありません。

🔬で、内容はざっくり言うと?
研究チームによると、mRNAワクチン接種が腫瘍免疫を刺激し、免疫チェックポイント阻害剤の効果を高めた可能性があるとのこと。
つまり、がん免疫療法の“土壌”を整えたようなイメージ。
もちろん、レトロプレスペクテブ(既存データの分析)なので、「ワクチンががんを治す!」という話ではありません。
でも、この結果は**ワクチンが思わぬ免疫トレーニングをしていたのでは?**という新しい仮説を生みました。
🧑⚕️偉い先生のコメントもチラホラ
アメリカのがん研究者の中には、
「mRNAは柔軟なプラットフォーム。感染症だけでなく、腫瘍免疫にも応用できる可能性がある」
と評価する声も。
もともとモデルナもBioNTechも、“がんワクチン”を目指して開発を始めていた企業。
コロナで世に出たのは偶然、でも原点回帰とも言えます。
💡モデルナ、再び脚光?
パンデミック後、「副反応」「陰謀論」「株価急落」で評判が割れたmRNA。
でもここへきて――
「がん治療にも使えるかも」というニュース。
これが本当なら、モデルナ復活の狼煙になるかもしれません。
ていうか、日本法人もそうですが、かなり撤退気味になっていますよね。いやあ、もしこれで復活したら、また人が増えます。そうなったら、まあ、活気が出て良いですね。
ただしもちろん、まだまだエビデンスの構築は必要ですが。
ていうか、もう、これだけ批判とか陰謀論みたいなのが渦巻いた後だから、ここからまた立ち上がっていくのは厳しいのもなあ。。。
7回も8回も接種してきたおじいちゃん・おばあちゃんたち、
「ようやく報われる日が来た」と言うかもしれませんね。笑
🧭さて、この先どうなる?
今後はmRNA技術を使ったがんワクチンや免疫補助療法が臨床試験へ進むはず。
もしかしたら、次に病院で「ワクチン打ちますね」と言われるとき、
それは感染症じゃなくて、がん治療の一環かもしれません。

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