―オピオイド依存の時代を越えて―
皆様いかがお過ごしですか。まあ、混沌とした世の中ですね。新しいNY市長もなんとムスリムということで。これはロンドンみたいになっていくのでしょうか。
まあ、NY市長といえば、そもそも昔、マンハッタンのハーレムが怖いな、とか、地下鉄に乗れないよね、みたいな治安だった時がありました。僕もその頃ハーレムにあるホテルに泊まったことがありまして、おお、これがアメリカか、と、思いましたよ。で、市長がですね、ジュリアーニになって、治安が良くなったんですよ。もう昔ですね。ジュリアーニはその後ジョージWブッシュ政権ではテロにも屈しない活動をして、最近もトランプ大統領の弁護士になったりして活動しています。
で、話戻ると、治安は、クリントン大統領になって、なおさら良くなりました。当時はまあ、ハーレムよりも、スパニッシュハーレムと呼ばれる東の方がちょっと怖い、みたいになりまして。クリントンはそもそも、確か、ハーレムに事務所構えたりしました。そしてハーレムを歩く黒人の人々にも笑顔が溢れてきたりして。やっぱり、経済が良くて、ある程度お金を持てるようになれば、変わるもんですね、と、みんな言ってましたよ。それだけ政治は大事ですね。
で、治安といえば、それを崩す要素として、ドラッグがありますよね。ゾンビタウンみたいなのが先進国の都市に出現して、これも社会問題ですね。
今回、FDAは、オピオイドに関するガイドラインを新たに出しました。
🔹今回のFDA発表の要約
2025年11月、米食品医薬品局(FDA)は、慢性疼痛に対する新しい治療指針を発表しました。
目的は明確です。
👉 「オピオイド薬への依存を減らし、非オピオイドの治療選択肢を拡大すること」。
新ガイダンスでは、慢性痛(がん以外の長期的な痛み)に対して、
**抗てんかん薬(ガバペンチン、プレガバリンなど)**や
**抗うつ薬(SNRIなど)**を中心としたアプローチを推奨。
理学療法、心理的サポート、神経ブロックなども含め、
「痛みを薬だけで抑えない」方向への転換を促しています。
💊 オピオイドとは
おっと、ここまで読んでですが、今更とはいえ、オピオイドって何?という方もいらっしゃるかと思いますので。。。。
強力な鎮痛作用を持つ麻薬性鎮痛薬の総称。です。
モルヒネ、オキシコドン、フェンタニルなどが代表です。
脳や脊髄の受容体に作用し、痛みの伝達をブロックします。
本来はがん性疼痛や術後痛などに使われる薬ですが、
1990年代後半からアメリカでは慢性腰痛や関節痛などにも広く処方されるようになり、
そこから依存の連鎖が始まりました。
まあとにかく、痛みというのは人間にとって大変なことで、すべての活動がストップしますよね。とにかく、痛い、という訴えも多いです。ペインクリニックとかでは。
🌿 非オピオイドとは
一方で「非オピオイド」は、麻薬性作用を持たない鎮痛薬の総称。
具体的には以下のような薬が含まれます。
- NSAIDs(イブプロフェン、セレコキシブなど)
- アセトアミノフェン
- 抗てんかん薬(ガバペンチン、プレガバリンなど)
- 抗うつ薬(デュロキセチン、アミトリプチリンなど)
これらは依存性が低く、痛みの「神経的メカニズム」に働きかけることで、
慢性痛のコントロールに新たな希望をもたらしています。
さてさて、オピオイドの歴史みたいな感じで、物語風に書いてみますよ。
オピオイド物語:痛みと依存のアメリカ🇺🇸❤️🩹
第一章:希望 ― 痛みを取り除く奇跡の薬
1990年代、アメリカ。
「痛みは第5のバイタルサインだ」というスローガンのもと、
医療は“痛みを残さないこと”を正義としました。
そこに登場したのがオキシコンチン(OxyContin)。
「安全で、依存しない」と宣伝されたその薬は、
がん患者だけでなく、慢性的な腰痛や肩の痛みを持つ人々にも処方され、
瞬く間に“痛みの救世主”となります。
オキシコンチンはアメリカではパーデューファーマが売ってました。
第二章:過信 ― “安全”という幻想
製薬会社は「依存の心配はほとんどない」と広報。
医師は患者の笑顔を見て安心し、薬は全国に広がりました。
しかし、数週間、数か月と経つうちに、
多くの患者が効かなくなり、量を増やすようになっていきます。
パーデューでは結構インセンティブが出たんだろうな、と、思われます。
第三章:崩壊 ― “合法的な依存症”
気がつけば、薬がないと体が震える。
「痛みを抑えるため」に飲んでいたはずの薬が、
「薬を切らさないため」に飲むものに変わっていました。
オキシコンチンが手に入らなくなると、
人々はより安価で入手しやすいヘロインやフェンタニルへ。
それが、今日の**オピオイド危機(Opioid Crisis)**の始まりです。
違法ドラッグではありません。でも、結構依存症が。。。
第四章:悲劇 ― 町ごと壊れていく
やっぱり、その依存症が、大変でした。
ウェストバージニアやオハイオなど、
かつて炭鉱や製造業で栄えた地域は、いまや依存症で荒廃。
両親を亡くした子供たち、薬物で倒れる労働者、
毎晩出動する救急車。
この20年で、100万人以上のアメリカ人がオピオイド関連で命を落としたとされています。

第五章:模索 ― “痛みの正体”を見つめ直す
いま、医師たちはようやく気づき始めています。
「痛みとは、単なる神経の信号ではなく、人生の記憶や恐怖と結びついた体験だ」と。
薬で完全に消せるものではなく、
心理的サポートや生活の再構築が必要だと。
それでも現実には、
“痛みと共に生きる”なんて簡単に言えない。
多くの人が、**「少しでもマシな痛みのある日常」**を模索しています。
それがいまのアメリカのリアルです。
第六章:現実 ― “完全な無痛”という幻想からの離脱
人は「痛みがない状態」を求めすぎた。
でも、それは叶わない理想でした。
本当に必要なのは、「痛みをゼロにする薬」ではなく、
“痛みに支配されない生き方”を支える社会なのかもしれません。
FDAの新ガイダンスは、薬の話というより、
「人間の限界をどう受け止めるか」という哲学的な問いへの回答のようにも思えます。う物語を残しました。
🇯🇵 では、なぜ日本では問題化していないのか
日本では、オピオイドの処方が医療現場で厳格に管理されているため、
アメリカのような大量依存には至っていません。
背景には文化的な違いもあります。
日本人は「痛みに耐える」ことを美徳とする傾向があり、
「強い薬を求める」よりも「なるべく自然に治したい」と考える人が多い。
また、医師が「痛みを完全に消す」よりも
「生活に支障が出ないレベルに抑える」方針をとるケースも一般的です。
良くも悪くも、**“慎重な医療文化”**が守ってきた構図といえます。
💬 まとめ
オピオイド問題は、薬だけの話ではなく、
「痛み」と「生き方」をどう扱うかという、人間そのものの物語です。
誰もが痛みを抱えている。
その痛みを、“消す”のではなく“理解する”ことから始まるのかもしれません。


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