FDAは「ノー」と言い、「やっぱり」と言った

― モデルナとmRNAをめぐる、わずか数日の逆転劇 ―

皆さまいかがお過ごしですか。少し間が空いてしまいまして、すみません。MRの面接ネタもおいおい続けますが、またFDAネタ行きます。元々リクルーターブログなのに、もうすっかり海外製薬ブログになってしまってますが、まあ、いっか。

FDAで、またワクチンでバタバタしていますよね。あのモデルナです。まー、一時期の日本でテレビCMまでやったり、大相撲の力士の化粧まわしになったり、あの勢いのモデルナからは隔世の感さえありますよね。

規制当局とは、科学の番人であると同時に、社会の空気の中に存在する一つの生き物でもあるということですよ。FDAだって、迷うし、揺れるのです。今回、FDAが一度拒否したmRNAインフルエンザワクチンの審査を、わずかな時間の後に再び進めると決定した出来事は、そのことを改めて示していますよね。そこにあったのは、冷徹な科学的判断の一貫性というよりも、揺れ、迷い、そして調整の痕跡だと思います。

発端は、ModernaのmRNAインフルエンザワクチンです。コロナじゃなくて、インフルです。このワクチンは、COVID-19で一躍世界の中心に立ったmRNA技術の次の主戦場として期待されているものでした。しかしFDAは、臨床試験の設計に関する懸念を理由に、この申請の審議を拒否しました。気持ちはわかります。なんとなくmRNAって、まだあるの?っていう感じがしますよね。でも、あるんです。これは単なる追加質問ではなく、「審査のテーブルに載せない」という、明確な拒絶だったので、驚きです。なんか、拒否反応的な? mRNAの旗手に対するこの判断は、技術そのものへの慎重姿勢の表れとも受け取られたのでした。

だがしかし、だがしかし。その判断は長くは続きませんでした。ワクチン部門のトップであるヴィナイ・プラサド(またまた登場です。このブログのレギュラー)は、自身のスタッフによる審査拒否の流れを止める側に回った人物として注目されていたのですが、最終的にFDAは方針を転換し、モデルナの申請を審査へと進めることに同意したのです。なぜかわかりません。好意的になったということでもないですし、そもそもそこに気持ちとか、好意とかそんなのが存在すべきではないですし、科学的根拠です進めるべきですよね。おそらく、その姿勢に立ち帰ったのかもしれないです。ここで興味深いのは、誰が勝ち、誰が負けたのかが明確ではない点ですよね。拒否したのもFDAであり、それを覆したのもFDAですから。組織は一枚岩のように見えて、内部では常に異なる力が作用しています。敵は内部にある、そんな感じでしょうか。まるで山村美紗の2時間サスペンスですね。その力の均衡点がわずかに動いたとき、外から見える「決定」は反転するのでした。

モデルナのCEOであるステファン・バンセルは、「建設的な会議に感謝する」と述べたそうです。この言葉は丁寧でありながら、多くを語っていると思いませんか。なんというか、こう、京都人がいうお礼みたいな。そこにあったのは単なる書類審査ではなく、対話であり、交渉であり、説得だったことを示唆しています。本来なら、科学であれば、交渉も何もないですよね。でもあるんです。規制当局と企業の関係は、まるで裁判官と被告のようでさえありますよね。実際には、なんというか、国と国の貿易みたいな気もします。互いに譲歩し、互いに正当性を守りながら、前に進む道を探すみたいな。ワクチンもそうですけど、他の薬もそうなんですよね。

mRNAという技術は、COVID-19によって世界に知れ渡りましたよね。世界を救ったのかどうか? 英雄なのか? それはわかりません。ただその急速な成功ゆえに警戒の対象にもなった技術でもあることは、記憶に新しいところですよね。その安全性、有効性、そして長期的な影響について、科学は答えを出し続けているのですが、何しろ社会の感情は必ずしも同じ速度ではないのですよ。FDAの今回の揺れは、科学の不確実性というよりも、社会がまだmRNAという存在を完全には消化しきれていないことの表れですし、なんか、変な忖度みたいなの感じますよね。まるで日本の役所。意外とアメリカも日本的なのかもしれないですよ。

今回の出来事は、一つのワクチンの審査が進んだ、というだけの話ではありません。それは、科学が直線的に進むものではなく、人間の組織の中で、押し戻され、引き戻され、それでも少しずつ前へ進んでいくものであることを示しているのです。本当に、良い例ですよね。科学が、人間の感情で左右されるなんて。ただ、今でさえ、FDAは判断したとは言わないですよねきっと。揺れてますよ。そして、その揺れの中で、未来は形作られていくので、小さな問題とは言えないですよね。

mRNAの次の章は、実験室ではなく、この揺れる世界の中で書かれていく。

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🔗 FDA reverses course and will review Moderna’s mRNA flu shot(Reuters)
→ FDAが一度拒否した申請を覆し、モデルナのmRNAインフルエンザワクチンを審査することを発表した内容です。(Reuters)

🔗 FDA agrees to review Moderna mRNA flu vaccine in dramatic reversal(Scientific American)
→ 拒否後の急転直下の審査決定について詳しくまとめられています。(Scientific American)

※補足として、「最初に拒否された事実」を扱った英語記事はこちらです:
🔗 FDA refuses to review Moderna flu vaccine application(TIME) — 拒否の背景を説明した海外報道。(time.com)

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