皆様いかがお過ごしですか。東京の桜は今週末が見頃であるとのニュースが、ここバンコクにも届いております。いやあ、春到来ですね。早くもGWの予定も決まっている方も多いのでは無いでしょうか。
ところで、昨日の記事でデラウェア州について触れました。今日は少しデラウェアについて、さらに触れたいと思います。
デラウェアと言っても、蔵王にスキーに行った帰りに、山形県の赤湯温泉あたりの葡萄農家が道端で観光客相手に売っている、あのブドウのことではありません。でももしかしたら、あのブドウも、デラウェア州がルーツなのでしょうか。
デラウェア州には、世界の名だたる企業から、スタートアップまで幅広い企業が本拠地を置いております。そして有名企業も次々と、本拠地や登録地として選んでいる傾向があります。すべての業界に言えますが、バイオテックも同様です。
https://www.choosedelaware.com/key-industries/delaware-biotech-science-technology/
「全米の新規上場企業の約8割」「フォーチュン500の半数以上」が、会社法上はデラウェアに籍を置いているという事実があるようです。
https://corplaw.delaware.gov/jpn/why_delaware/
デラウェアを選ぶ理由をまとめると、こんな感じになります。
- ① 会社法が“ビジネスに優しい”
- 企業の権利義務や取締役責任、株主関係のルールが明確で、判例の蓄積が豊富なので、リスクが計算しやすい。
- ② 会社専門の裁判所(Court of Chancery)がある
- 企業紛争は、一般の市民陪審ではなく、会社法を専門とする裁判官が審理するため、迅速で予測可能性が高い。
- ③ 手続きが簡単・税制度も有利
- オンラインで1〜2日で法人設立でき、外国人でも1人で役員になれる。州外で事業を行えば、州法人税が課されないケースも多く、コストメリットが大きい。
さて、まあ、すでに別の都市にある企業でも、本拠地をデラウェアに移したり、あるいはサブ拠点や子会社の設立にデラウェアを選んだりするのです。
https://www.jpnuslegalaidatwork.com/post/hiropost1
- 本拠地(登録地)としてのデラウェア
- 事業拠点はカリフォルニアやテキサス、ニューヨークにあるのに、「法律上の本社」だけデラウェアにするケースが多数。
- 設立・株主総会・法律管理の中心をデラウェアに置いて、他の州での実務は現地に任せる形。
- サブ拠点や子会社の登録地としてのデラウェア
- 複数の子会社を設立するときに、それぞれをデラウェア法人にするパターンが多い。
- 日本企業も、米国進出の「傘」企業としてデラウェア法人を1つ置き、その傘下にカリフォルニアやテキサスの営業子会社を設ける構図がよく使われる。
ヘルスケア企業の場合
製薬・医療機器・バイオ企業が向くポイントとしては、株主関係が複雑(VC・上場準備・M&Aなど)、知的財産・ライセンス契約も多い分野なので、法判断の予測可能性が重要であるという事情があります。
そこで、デラウェアの会社法・裁判所の実績が、VC投資やM&Aの交渉に有利に働くということが、あるらしいです。
デラウェアの主なヘルスケア企業はこんな感じです
Merck & Co.(MSD)
デラウェア州政府は、Merckが州内で製造拠点を拡張する形で約9億ドルを投資し、2030年までに約375人を雇用する計画に対し、3000万ドル規模の州補助金を提供しました。
この案件は、州が「大きなインセンティブよりも小規模企業を優先」と方針転換した中で、例外的に大きなインセンティブを付与した代表例とされています。
https://spotlightdelaware.org/2025/04/25/merck-signs-delaware-lease/
- Prelude Therapeutics
デラウェア州挙げてのバイオ産業誘致の事例として、癌治療に特化したバイオベンチャーPrelude Therapeuticsが挙げられています。同社は、創薬開発拠点をデラウェア州に設け、研究・開発要員を拡充しています。
その他、Incyte(がん・慢性疾患分野の創薬企業)、Agilent Technologies(バイオ分析機器・研究支援)など、バイオ・製薬関連の大手もデラウェア州に拠点を持ち、州のバイオクラスターの一翼を担っています。
バイオスタートアップは、こんな感じです
- Synnovation(精密腫瘍学・precision oncology)
デラウェア発のバイオベンチャーSynnovationは、州の「ジョブ・パフォーマンス・グラント」を活用して、州内で拡張し従業員数を倍以上に増やす計画を実行しています。 - F6Sなどでは、Lomond Therapeutics、NiKang Therapeutics、Virion Therapeutics など、デラウェア州に拠点を置くバイオ系スタートアップがリストアップされており、オールトランスレーショナル創薬やバイオ医薬品開発に注力しています。
https://www.f6s.com/companies/biotech/united-states/delaware/no
そういうわけで、デラウェアに拠点(あるいは法律上の本社)を置くことによって、会社法が整備されており、企業紛争の判断が予測しやすい環境を得られ、VC投資やM&A、上場準備にも有利な仕組みを活用できるのです。また、他州で事業を行っても州法人税が課されないケースが多く、手続きもオンラインで簡素化されているため、コストやリスクリークを抑えた「法的インフラ」を整えることができるのです。こうした「企業法+専門裁判所+税・手続きの使いやすさ」が揃っている点が、大手製薬・バイオ企業だけでなく、ITや金融・製造業まで幅広く利用される理由です。日本でも、スタートアップや海外進出企業に対して「法的に安心・使いやすい州」に近い、特別な制度や専門裁判所を整えるような枠組みがあれば、同様の集積効果が生まれる余地は十分にあるかもしれません。
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