カリフォルニア州の議員がギリアド・サイエンシズに対して、C型肝炎の新薬Sovaldiの値段を下げてくれという要望を出しています(こちら)。日本ではあまりこういう事は無いですよね。しかも、ネットに載っちゃっているところが興味深いですよね。
すべて民間保険のアメリカですから、治療費はすべて自分と自分の加入している民間の保険会社が負担する事になるのです。当然このような高い薬剤はまさに、リッチな人々向けの製品という事になってしまいます。
代替製品や治療が存在するものであればリーズナブルなモノやサービスを選択すれば良いのですが、このギリアドのC型肝炎治療薬Sovaldiに関しては、高価であるものの、その抜きん出た有効性を認めていて、代替するものが無いと考えているのかと思います。つまり、このレターはギリアドに対しての要望の一方で、政府としてSovaldiの服用が他の方法よりもC型肝炎を煩う患者を助ける事になり、社会的意義が大きいという事を公言している事になります。
折しもオバマケアで揺れているアメリカの保険制度そのものに一石を投じる事態に発展しないとも言い切れないと思います。アメリカでおよそ320万人のC型肝炎患者が居るらしいです。その90パーセント以上がSovaldiによって良くなることを考えれば、かなりの国益に繋がるはずです。すごいですよね。
日本では当然の事ながら国民皆保険ですので、Sovaldiの薬価がいくらになるかはわかりませんが、C型肝炎で治療を求める患者であれば、ほぼ全ての人に使えるようになるでしょう。高額医療費の助成制度などいろいろあるので、まさに日本人として恩恵をうけることができると思います。ギリアド・サイエンシズにとってこのブロックバスターを日本で発売するという事は、社会的にもビジネスとしてもとても意義深い事だということになるでしょう。
連邦政府も注目してしまうほどのクスリ。ギリアド・サイエンシズの日本でのビジネスは着々と準備が進んでいます。