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AZとZS

ここに来てまた製薬業界の吸収合併が盛んになってきましたね。

アストラゼネカは6日、米同業のZSファーマを27億ドル(約3300億円)で買収すると発表した。ZSが開発中の高カリウム血症の治療薬が将来、10億ドルを超える売上高になる可能性を評価した。アストラゼネカは昨年、米ファイザーからの買収提案を拒み独自路線を追求しており、買収で自社の治療薬を補完する。(日本経済新聞2015/11/6)

アストラゼネカの社長のパスカル・ソリオさんはかつてロッシュにいてジェネンテックを買収してパイプラインを強力にした人物です。ジェンテックはバイオベンチャーの中ではアムジェンに次いで大きいとのこと。wikiによりと武田より大きいです。このジェネンテックを筆頭に、数社を吸収することによってロッシュがパイプラインを拡大したことは知られていますね。その立役者がパスカル・ソリオさんです。この後ロッシュは特にHER2を拡大して「最強のパイプライン」とよばれるようになりました。さらにこのパイプラインにはオンコロジー、オーファンと、まさに個別化医療、専門領域の時代を牽引するような製品戦略で固まっていました。

そのパスカルさんを引き抜いたのはアストラゼネカの会長に就任して当時たった4ヶ月のレイフ・ヨハンソンです。ヨハンソンはボルボの最高経営責任者でしたが、アストラゼネカに会長として就任したのです。くしくもボルボは中国資本になってしまったので、その嫌気でしょうか。それはわかりません。

レイフ・ヨハンソンさんはWSJのインタビューで「アストラゼネカはこれから複数の製品が特許切れになるので、新しいパイプラインの補充が必要だ」と、答えていました。その矢先に、当時ジェネンテックの買収に成功して強固なパイプライン構築に成功したロッシュのCOOであったパスカル・ソリオを引き抜いたのでした。

つまり、パスカルさんに期待されていることは明白ですよね。買収により、パイプラインを強くして欲しい、ロッシュで経験した手腕を発揮して欲しいということですよね。それにしても製薬業界は本当にフランス人がたくさん活躍していますよね。

さてパスカルさんがアストラゼネカの社長に就任してからしばらく静かだったのですが、2014年には逆にファイザーから買収されそうになりましたよね。フィナンシャルタイムズの記事によるとヨハンソンさんがファイザーからのアプローチを蹴った感じですね。我々には必要ないと。ただ、アストラゼネカの状況を考えると決して悪い話ではなかったのですが、何か思うところがあったのだと思います。

何を思っていたのかわかりません。ボルボ時代に中国資本に買われてなんとなく悔しい思いがそうさせたのか。それともせっかくパスカル・ソリオを引き抜いて買収を目論んでいるところなのに買われてどうするんだ?みたいに考えていたのか、それとも普通に、投資される判断をビジネス的に分析してのことなのか、それはわかりません。

ファイザーのアストラゼネカ買収劇は収束しましたよね。その後ファイザーはホスピーラを買収し、最近はGSKに触手を伸ばしたり、アラガンに触手を伸ばしたりしていますね。どこか迷走しています。

そして今回、満を持してアストラゼネカはZSファーマの買収を発表しました。レイフ・ヨハンソンとパスカル・ソリオが就任して2年近く経っていますが恐らくこの間ずっと投機筋をさがしていたんでしょうね。これからこの買収がどんどん加速するのでしょうか。とりあえずですが、アストラゼネカは買われるよりも、買う道を選びましたね。

ただしアナリストの中には今回のZSの買収に首を傾げている人も居ますね。ZSが開発中の高カリウム血症の治療薬が将来、10億ドルを超える売上高になる可能性を評価したということですが、その薬がそんなに売れるかな?という疑問です。何か他に意図があるのではないかということですよね。一つには規模を少し大きくして容易に買収ターゲットになることを避けるといった意図もあるのでしょうか。そのために現在のパワーで可能な最大限の防御策なのでしょうか。また単純に高カリウム血症のマーケット拡大を狙った場合は、オンコロジーやオーファンから慢性疾患への回帰ともいうべきでしょうか。はたまた中国やASEANで経済が発展し透析施設が増えればこの種類の薬のマーケットは爆発するという考えでしょうか。それともアストラゼネカはクレストールやネキシウムのように、オンコロジー以外での特徴を広げようということなのでしょうか。。いろいろ考えられますけど真意はわかりませんよね。

何れにしてもひとつ言えるのは、パスカルさんもヨハンソンさんも、買われるより買う方が好きなんだろうなということです。そして明白なのはアストラゼネカがこれから拡大していくのだろうということですよね。このままさらなる大型の買収劇に見舞われなければ、元気のない他のメガファーマを押しのけてアストラゼネカが台頭してくると予想されますよね。

 

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About Kenichi Yamazaki
Recruiter for Healthcare companies since 2007. Graduated Meiji University. Work at Nikken Chemicals, Kowa pharmaceuticals as a MR. Join SUNY Stony Brook Incentive English Center 2 years. Upon 2007, Recruiter for over 10 years. From 2017, Located Bangkok.

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