2、3年前から、製薬企業はデジタルトランスフォーメーションは至上命題になっている。
そんなことを、特にコンサルティング企業が言っているので、製薬企業はこぞって対策をするも、やたらとITツールを導入して、仕事をしたと勘違いするのは、非常にポイントレスであるのと、MRをはじめとする従業員に対して今までになかった負担だけを強いることになる。
製薬企業をターゲットとしたITベンダーやソフトウェア企業も、これは売れるということで、こぞって新サービスを開発する。そしてそれを導入する製薬会社。この流れは、製薬会社の担当者は特に何か特別な対策を講じるわけではなくて、外注しているということになる。
国内大手製薬企業の取り組みが、だいたい日本の製薬業界のトレンドになるという見方があるので、武田やアステラスの取り組みは経済ニュースになったりする。
武田薬品は、コロナの後はコロナ前のようには戻らないということで、デジタル化に進むので、MRはそれをキャッチアップしなければならない・・・というような趣旨のことを言っているようで、業界のニュースで読んだ。
例えば、コロナの後も在宅勤務などが増えれば、デジタルに頼ることになるから、それをしっかりと扱えなければならない的な趣旨なのかと思うけ。
こういうのを見ていると、何かデジタル化が進むので、MRはITスキルがこれから必須になるよ。だからMRはこれから生き残るにはデジタルのスキルが必須だよ。と、言っているような気がするのだが、何か大きく違っているような気がする。
むしろ逆じゃね?
MRの仕事がデジタルでもっと楽になり、MRのQOLが上がり、MRが楽しく過ごすという風になるべきだと思うのだけど。
デジタルは別にテクノロジーのことを言っているわけではなくて、環境そのものなのだから。デジタルが難しいことを楽にするんだよ。
なんか、製薬会社の発表とかを見ていると、苦しくなる。
「あー、なんだかこれから大変になるな。もう付いていけないよ。」
というようなベテランの声が聞こえたりするのだけど、むしろ
「楽になる。楽しみだなあ。」
みたいにならなければならないのだ。
コロナが収束した後も、デジタルがどんどん進み、MRにどんどんツールを増やすなら、
もうMRは勤務地すら関係なくなるのではないだろうか。
遠隔とかテレワークで医療従事者にアプローチできるようになるのであれば、例えばどこに住んでいても良い。
デジタルによって、MRの勤務地問題が解消されたら、素晴らしい。
旭川の病院も、五島列島の病院も東京や大阪とか、自分の好きな場所に住んで担当できるようになるのでは。もう営業拠点も撤廃する傾向にあることだし。
熱川に住んで岩手医大を担当
津軽に住んで倉敷中央病院を担当
デジタルがもたらすMRのフリーアドレス。
どんだけQOKが向上するんだ!?
もう勤務地で悩むこともない。
夫がいる女性MRは夫が転勤しても転勤先に帯同して、MRを続けられる。
若い独身の女性が超田舎の病院担当になっても、港区に住める。
地元をこよなく愛するMRがそのまま地元に住める。
縁もゆかりもないけど、福岡に住んでみたいというMRが、勝手に福岡に住んで埼玉医大を担当する。
ちょっとの間、スキー場近くのホテルに連泊しながらMRをする。
新しい面倒なツールを導入してMRの負担を強いるのがデジタルトランスフォーメーションではない。
デジタルはITツールではなく環境そのもの。
デジタルは、MRの仕事を楽で楽しくすべきである。