美容医療のキャリアパス

アンチエイジングサービスの世界市場規模は、2022年から2030年までの予測期間において年平均成長率6.1%で推移し、2030年には209億米ドルに達すると予測されます。(https://newscast.jp/)

次世代ヘルスケアの潮流

少子高齢化の日本では、歳を重ねても如何に自分らしく有意義に生きていくか?というマーケットがどんどん拡大してくると思われます。というか、そんな話、もう20年以上前から言われてはいますが。。

美容医療として業界関係者が真っ先に思い浮かぶ企業といえば、アラガンだと思います。そして代表製品であるボトックスビスタを思い浮かべることと思います。自分の周りにも実際に使用している方も多いです。

アンチエイジング、美容医療、アラガン、ボトックスビスタ、などなどに触れる前に、世の中は自分達の思っている以上のスピードで変化しております。自分は医療の分野に詳しいとか思っていても、知らないところで知らないことが起こっていたりするのです。

もうこの変化のスピードは誰にも止められません。

変化の例で言えば、近々にノボノルディスクで肥満の薬についての色々な人材の募集がかかると思います。もうmktgなどは始まっています。肥満っていうキーワードがいかにもアンチエイジングです。
最近のニュースで中絶薬の申請というのがありました。物議を醸す感じですけど、この成熟した現代社会では、それを求める人に応えることは自然な流れなのかと思います。この薬は、フランスで開発の後、それでも10年以上かかってアメリカで承認され、そこからさらに何十年もかかって日本で申請されました。アジアにおいても、承認されていないのは日本だけかもしれないです。それだけ日本はこういう分野には慎重というか、目を瞑っているというか、そんな姿勢が伺えます。
思い出すのは、ピルが日本で承認された時にも大ニュースになりましたが、それも世界からかなり遅れてでした。なんというか、こういう感じの薬に、日本はとても弱いです。

美容医療というTA

美容医療というTheraputic Areaと捉えれば、もう流れは来ています。

MRの世界もすごいスピードで変化していることは皆さんもご承知の通りです。かつては、高血圧や花粉症、糖尿病、喘息の薬をこぞって開発して、新薬が出るとドバッと接待して売っていました。MR数が多い方がコール数が上がり、有利ということで、各社、大手は3000人規模の営業部隊を構成しました。それが正しいと思っていたのです。
オーファンドラッグの開発は非常に少なかったです。なぜなら患者さんが少なければ、売れないだろうと判断していたからです。使命感もありませんでした。
それから、高血圧、糖尿病はプライマリと言われて遠のき、分子標的などの抗がん剤が出始めて、オンコロジーMRがもてはやされました。今まで、抗がん剤の無かった製薬会社もオンコロジーパイプラインを作り始めました。そこから、さらに、バイオ製剤の専門領域、そして、高薬価のオーファンドラッグを扱うバイオベンチャー、と言ったように、変化を遂げてきています、最近ではMR数が多い会社はリストラの危機に、MR数が少ない会社は買収の危機にあると言えます。
筆者が新卒でMRになった時は、バブル崩壊していましたが、直後ではあったため、世の中はまだ浮かれていました。薬は、接待して売っていましたし。おかげで接待も上達しました。筆者としては、接待がそこまで悪いものだとは思っていませんが、時代がそれを許しませんでした。

リストラ、バイオベンチャー、オーファンとキーワードが変化していますが、いよいよ、前述の美容医療につながります。美容医療は確実に伸びていて、これからのキーワードになることは、ほぼ間違いないです。

前述のように、一番に思い浮かぶのはアラガンですよね。

ただ、先進の美容医療というように感じますが、アラガンも結構日本に上陸して時間が経っているようにも思います。昔、10年以上前かと思いますが、アラガンが六本木のミッドタウンビルに入居しまして、その頃外国人の同僚と一緒に当時の社長に会いに行きました。アラガンの外国人社長、そして日本人の美人医師でありアラガンの社員の方が相手してくれました。当時ですけど、アラガンの外国人社長にはっきりと言われたのは、容姿端麗なMRが好ましいということでした。もちろん、容姿で決めるということはありません。清潔にしていれば全く問題なはいのですが、さすが美容医療を扱うヘルスケア企業だなと思いました。もう、それから10年以上経ってますから、今ではそんな、クリアにはっきりと容姿について言及するようなことはもちろんありませんが。

アラガンも同様に、変化しているように見えます。

現在のアラガン上陸は2010年ということですが、自分の記憶違いかもしれませんが、実はもっと前から、アラガンって日本になかったけ? と思っています。確か、眼科だけの専門メーカーで、アラガンって無かったけなあ。。と。まあ、それはさておき、アラガンの変化は結構活発だったと思います。2015年頃のアクタビスから、テバ、ファイザー、シャイアーとの提携話があっては消えたような。それから時間が経ちまして、2020年にアッヴィと統合ということになりました。アッヴィとは別会社ですが、同一グループとして、オペレーションが続きます。このような変化を経て、アンチエイジングのアラガンがこれから増強していきます。

時代から必要とされている

時代に求められている製品。一番有名なA型ボツリヌス毒素製剤、ヒアルロン酸使用軟組織注入材、睫毛貧毛症治療薬、ゲル充填人工乳房、ボディ・コントゥアリング治療などなど、どれをとっても、これから市場が伸びるしかないものばかりです。着実に伸びて行く市場と製品を考えれば、忙しくて、昨今聞こえ始めているMRオワコンなんていうワードが嘘のような世界かと思います。

仕事内容は、美容外科を担当すれば、院長は医師であり、インフルエンサーであり、経営者であるという幾つもの顔を持った優秀な人々。提案内容も、製品の安全性はもちろん、MKTGや集客などなどの話題も出てくる、とてもやりがいのある現場となるかと思います。今の所、東京勤務です。

ただ、極めれば良い

より戦略的な営業を、しなければなりません。最初はわからなくても、鍛えられます。普通のMRとは違うでしょうね。キャリアパスは、その道を極めていけば、職人的に重宝されると思いますし、もし他社ということであれば、皮膚科や眼科などの領域がフィットするかもしれません。特に皮膚科は、ここ数年新製品ラッシュですので、選択肢が多くなるかと思います。

美容というよりリアリスティックな世界、形成外科医であり、美容外科医であり、経営者でもあるKOLとの折衝、自由診療という未知の世界。ただ、目の前にある課題をコツコツとこなしていけば、この領域のMRとして輝けるのではと思います。どんな領域でもそうですけど、目の前のことをこなして、そして極めれば、必ず次の道が現れると思います。

この領域に飛び込めば、東京勤務で、戦略的なMRを続けられるかと思います。

おそらく、他社が追随してくるだろうと思います。アラガンが日本で成功すれば、当然のことです。考えられる競合というか、同業者たちは、ざっとこんな感じです。

Cutera, Inc.
Sisram Medical Ltd
Cynosure, LLC
El.En. S.p.A.
Fotona D.O.O
Galderma SA
Mentor Worldwide LLC
Merz Pharma GmbH & Co. KGaA
Sientra, Inc.

一つ一つについては、また、このBlogで紹介させていただきます。

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