evaluateによると、オーファンドラッグの売上の勢いのピークが止まりつつあるとのことです。
とはいえ、まだまだ世の中の開発品目は60%くらいがオーファンではあります。
今後も、オーファンの時代は続いていくと思います。そして、人材も、できればオーファンで、できればバイオベンチャーで、できればRSUがあって、できれば好きな時にリモートOKで、できれば、、、、みたいに、やはりオーファンといえば、聞こえも良いし食いつきも良いです。そして何よりも、世の中への貢献度というか、そう言ったものも感じられるのがオーファンではないでしょうか。
前述のように、オーファンの時代は、10年以上前からトレンドに入った気がします。
20年以上前は、世の中はプライマリの薬、
スタチンとかARBをとにかく大量のMRを投入して売っていたのです。その手の開発競争も激化した時代でした。オーファンドラッグを開発している企業は少なかったのです。理由は、患者の多い疾患の薬が利益を上げると信じられていたからです。
そしてまさに、ガイドラインの時代ですよね。喘息も高血圧も、あらゆるものにガイドラインが。グローバルのガイドラインがとても好きな業界でした。
ひとつの製剤を2社で別ブランドで売るとか、そういうこともありました。今でも結構ありますけど。国内企業と外資の場合、国内企業のおじさんMRが、回った後に、外資の新卒の若き女性MRが訪問すると、軒並み採用がひっくり返るという、とった、取られたみたいなシビヤな競争が日本全国津々浦々、至る所で展開されていったのです。
しばらくオンコロジー優勢時代の到来
その後世の中は、SOVによる展開ではなく、症例ベースでドクターにディテールを案内し、薬も分子標的の抗がん剤などが主流に取って代わったのです。これがプライマリからオンコロジーへの転換期です。オンコロジーになると、なかなかMRのキャラでは変えることができなくなります。こうしてどんどん専門性が高まる傾向になり、免疫やCNSなど、MRにも専門性が課せられる時代に突入したのです。
コール回数なんて、もう古いと、みんな言ってましたよね。症例ベースの提案がどうのこうのとか。本当にそんなMR居ますかね?少なくとも、文学部文学科文芸学専攻出身の私には無理です。MR試験も1度落ちて2度目のチャレンジで受かりました。当時大学を担当しておりましたが、その大学担当MR各社で、落ちたのは私だけで、結構話題になりました。不名誉な話題です。
しばらくオンコロジー優勢でしたが、もちろん、今でも大事なマーケットであるし、世の中にも必要な製剤ではあるのですが、そのうちにオーファンの時代が訪れます。そして、オンコロジー担当者もどんどん増えて、専門性は高いものの、市場価値としての希少性は徐々に薄まりました。
まるでジャズからフュージョン、そしてロックへの変遷を彷彿とさせます。(違うか。)
チャーリー・パーカーの登場以前と、それ以後みたいな。(違うな)
宇多田ヒカルのデビュー?(少し近い)
オンコロジーMRも今となっては、たくさんいるよねえ、みたいになったのです。
そして、更にオーファンドラッグへの舵切りがアクセルレイトしてきたわけであります。
各社こぞってオーファン開発へ舵を切る
この、オーファンへの舵切りは、個人的には衝撃的でさえありました。なぜなら、私が新人の頃、オーファンドラッグに価値を見出す人なんて、ほぼほぼゼロでしたし、誰もが強く信じていたのは、循環器のプライマリーの薬は売れると信じていました。降圧剤、スタチン、吸入ステロイド、等等です。開発もどんどん進むといったことが、常識だったのです。
患者が多いから、売れるに決まってんじゃん!みたいな。
それが、今となっては、開発品目の60%がオーファンなのですから、一体どんだけ時代が変わるんだ!という感じなのです。
オーファンの開発は素晴らしいです。まさに、治療法のなかった人々にとっての希望。患者フォーカス。これが、製薬業界で生きていくプロフェッショナルのミッション・ステイトメントではありませんか。
業界は、良い方向に動いたのだと、確信しています。もちろん、メタボの薬も大事ですけど、ARBに6剤も7剤も要らないわけで。その投資をオーファンにできるだけ注いだほうが、有意義ということになるわけです。
ニューロタンにゾロが出た時点で、その後に同種同行品を出しても、アジルバがどんなに良い薬だと誰もが認めたところで、経済的な処方を促進する北米マーケットは厳しくなるのです。そんな話すら、昔ですよね。
そして、今まさに、新たな時代が動きつつあるのを感じています。
それは、全く新しい動きです。
お気付きの貴兄も多いことでしょう。
そうです。
Obesity medication 肥満薬の衝撃
的な売上です。
ウゴービの売上が、予想の2倍を超えたらしいです。どんな予想してんの?という話もありますが。それだけ桁違いの勢いを見せています。なんと、ノボノルディスクはヨーロッパでルイヴィトンのLVMHを抜いて、欧州で時価総額トップになりました。
LVMHといえば、BLACKPINKのリサが最近、LVMHの社長の4男と付き合っているとか言って話題になりました。ということは、もしかしたら、ノボノルディスクの御曹司も、Kpopとか、タイのエキゾチックなスーパースターと付き合うかもしれないです。(知らんけど。)
そしてさらに、ゼップバウンドの衝撃です。全米で昨年認可されて、これも飛ぶように売れているではありませんか。今年は辰年に相応しく、天にも昇竜する勢いです。リリーの幹部が辰年を意識しているかどうかは不明ですが。
え、ちょ、ま、
今市場を席巻しつつある肥満の薬は、そもそも糖尿病の薬だったのです。それってプライマリ?
もしかして、世の中のトレンドは、一周回って、プライマリに帰ってきたの???
プライマリ、オンコロジー、オーファン、そして、今まさに、プライマリの戦争が始まろうとしているのですか?
もう、この戦いは、回避できない段階に来ています。肥満薬の現状と、開発品目を見ればわかります。
Liraglutide
Orlistat
Phentermine
Bupropion / Naltrexone
Wegovy
Setmelanotide
Semaglutide
Bupropion
Diethylpropion
Topiramate
もしこの競争時代に突入したら、個人的に気になることがあります。
それは、
MRの増員!??
です。
多分ですけど、この手の薬は、セールスフォースを確立する必要があるのです。セールスフォース、ズバリ、MRです。
ここ数年、増えすぎたMRが、リストラによってどんどん減ってきました。この衰退の負のスパイラルも、一周回って、増員に転換しなければならないのでは無いでしょうか?
リリーに至っては、田辺三菱とコプロみたいなことがニュースになっていますし、追随する他社も、セールスフォースがとても大事になってきます。
そうなったら、冒頭で紹介しました、まさに、併売がどんどん加速する、昔のマーケットみたいになるのでは無いでしょうか?
もちろん、オンコロジーも、オーファンも、免疫もCNSも大事な専門性の高い領域として今後も大切な領域であることは間違いないですが、もし、各社が本格的に肥満薬で競争するなら、これはセールスフォースの拡充をしなければならないのです。
そうしたら、MRは、一転、増加に転じます。(希望的)世の中がまた、たくさんのMRに戻るわけです。
良いじゃありませんか?
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身を粉にして、心身削って中途半端に高い給与もらうよりも、QOL爆上がりで人間らしい生活で適正な給与をもらったほうが、どれだけ良いことか。
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全く新しい会社が初めて営業を採用します。しかも、全てCSO。多分ですけど、将来は転籍することになるかと思います。なぜなら、まだ一人もMRがいない上でCMRだけを採用するので。
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