マンハッタンのヒルトン前で起こったユナイテッドヘルスの事件

みなさまお元気ですか。これからは小ネタであっても、更新する事が大事なので、どんどん更新しようと思っていましたが、そんな矢先、小ネタとも言えないようなニュースがありました。

アメリカ・ニューヨークで4日朝、米医療保険大手ユナイテッドヘルスケアのブライアン・トンプソン最高経営責任者(CEO)が銃撃され死亡した。ニューヨーク市警は顔認証技術と、現場に残されていた携帯電話を使い、容疑者の特定を進めている。

https://www.bbc.com/japanese/articles/c745lekpy55o

どうしても、日本の良さを再認識してしまう

みなさまご存知のように、日本は国民皆保険、世界に誇る素晴らしい制度設計ですよね。まあ、ちょっと、最近、隣国の方々に安易に利用されて困っているというニュースもありますが。さらに昔から、生活保護者や年金生活者に高薬価の新薬が投与される割には、給与が安くて大変な世代にはそんな薬が届かないとか、まあ、色々な問題山積しているのは事実ではありますが。それをさっ引いても、気軽に病院で医療を受けられる日本というのは、本当に素晴らしい国と実感するのです。

ご承知のように、日本の人口の2倍もいるアメリカでは、自由診療で民間保険ですよね。その民間保険に入っていない人々がオバマ保険以降は少し減ったものの、それでも2500万人とかいるらしいですよ。とにかく、アメリカでは高いお金を払って、民間の保険に入らなければ、高額の医療費を個人が支払うのは難しいという状況になっています。ちなみに、関係ないですけど、僕の住んでいるバンコクもそうですよ。まあ、それは良いとして。

そんなこともありますので、アメリカ人も、保険には入っているものの、気軽に病院に行ったりはしないですね。健康診断も、しない人がたくさんいます。

以前、東京で外国人が多い、というか、ほとんどが外国人という会社で働いていました。東京の真ん中にありながら、会社の中はアメリカ人多めの多国籍でした。アメリカ人ですけど、真冬に顔が真っ赤で重そうな嫌な咳を連発している人が会社に来ました。その時ちょうどインフルエンザが流行っていて、日本人はみんなマスクしていました。アメリカ人はマスクしません。コロナ前です。で、明らかにインフルエンザにかかっているとしか見えなかったので、強制的に家に帰しました。スーパーでレモン買って会社に来ていて、給湯室でレモンを齧っていました。でもアメリカ人の感覚って、そういう人も多いです。風邪でもいちいち医者とかに行かないのです。そいつはフラフラになって帰りましたが。

日本で働いているアメリカ人は会社から保険証も出るし、赤坂にオフィスがあったので、ビル診のクリニックも結構あったので、イナビルもその場で服用できるだろうし、イブプロフェンとかもすぐ貰えるだろうから、僕が彼をそこに連れて行こうとしましたが、拒否られました。特に理由はありません。面倒臭いからです。

まあ、そんなカルチャーのアメリカではありますが、もちろん、病気なら病院に行くわけで、その時には当然、保険に加入している事が求められます。最初に、どの保険に入っているのか、聞かれます。これもまたエピソードがあって、今度はアメリカに居る日本人留学生とかで、その辺の理解が乏しい場合があったりします。

日本人の保健や健康に対する意識の低さ

なぜなら、日本人は日本で国民皆保険だったから、いちいち、自分の保険がどうなっているとか、気にしていない人も多いのです。よく調べれば、日本の保険であっても海外で使えるとか、学生が半強制的に学校が用意している保険に入っていたりとかなのですが、その辺をいちいち常日頃把握していない場合が多いです。それだけ、海外では日本人ってお花畑なのです。僕もそうでした。ニューヨークで病院に行った時、まず先生から保険のことを聞かれて、何かに入っているのは知ってましたが、「なんか入っているけど、よくわからない。」とか言ったら、キョトンとした顔をされました。内心、「こいつめんどくせー。バカなんじゃないの?」と、思われたかもしれません。もちろん、何万人もいる在米日本人で慣れている方は、そんなことにはならないと思いますが、ただ思いつきでポッとアメリカに行ってまもない人のあるあるです。

で、風邪よりも重い病気になれば、アメリカ人でもみんな病院に行くわけです。そして、自分の保険の中で、診療をしてもらうことになります。

なんか、ちょっと体調悪いなあ、くらいでは、病院に行きません。今では、Amazonのサブスクがあるので、あれに入っている人も多いかもしれないです。何しろ、5ドルのサブスクですから。きっと品目も増えましたよね。バイアグラも最初から入ってましたよ。そう言えば。

で、その保険にも当然、掛け金によって、限られた医療サービスとかになってくるわけです。なんか、しビヤですし、同時に、やっぱり詳しくなりますよね。社会保障とか、自分の置かれている立場とか、こういう病気になった場合は、さらにお金がかかるとか、だからヘルスケアには気をつけなければならないとか、その辺の意識が、必然的に高くなります。日本人は、高齢者のサロン化した病院に、いつもくる人が来てないと、あの人体調悪いのかな?みたいな古典的なギャグからも分かるように、医療を受ける上での意識の乖離がすごすぎます。

アメリカ人も、保険の種類とか、かかるお金とかは、相当悩むと思いますよ。まあ、高いですからね。

先週の金曜日に発表されたギャップ社の調査によれば、アメリカ人のアメリカの医療に対する評価は24年ぶりの低水準になったようです。つまり、みんな満足していない、というか、不満だらけなわけです。

記事では、アメリカの医療の質に対する国民の評価が過去24年で最低レベルに達したことを報告しています。主な要点は以下の通りです:

  • 医療の質に「非常に満足」と答えた割合が大幅に減少。
  • 医療費の高さやアクセスの不平等が主な原因とされる。
  • 多くのアメリカ人が、医療制度の改善が必要と考えている。
  • 特に低所得層で医療への不満が顕著。

https://news.gallup.com/poll/654044/view-healthcare-quality-declines-year-low.aspx

こんな、医療への鬱積した不満が、今回の事件を引き起こしたのであるという見方もあるのです。

もっと日本の保険行政を称賛すべきかと思います。批判はニュースになるけど、たまにどれほど日本が素晴らしいか、ということをニュースにしたら良いのでは。

日本の保険制度は本当に、驚くほど素晴らしい。

みなさん、製薬界隈の皆さん

例えば、どこから見ても普通の人であるMRが、例えば、東大などめっちゃ良い大学出ているコンサルとか、その他の高収入な企業よりも、同等か、わんちゃん高い給与が出ています。

製薬業界で働く人々の給料は、保険行政が胴元(笑)です。

アメリカのAmazonでサブスクのリストに入っているような薬を売っていても、薬価収載されていれば、製薬企業に利益が入るのです。ビタミン剤でも、整腸剤でも、薬価収載されているので、昔発売された薬を売っていても、会社が成り立っているのです。

保険制度は、奥が深くて興味深い、でも、あまりにも日常すぎて、お花畑になってしまうのです。

保険制度、ありがとう。みなさま、ご家族を養っているMRの皆さまも、本社でキャリアを積んでいるみなさまも、この事件に触れたら、国民皆保険の有り難さを見つめ直しましょう! 笑

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