みなさまお元気ですか。性暴力で大変なことになっている、かの東京キー局のテレビ局、フジテレビの株主総会は今月の25日ですね。まさか、フジテレビがこんなことになるなんて、一寸先は闇ですよね。性暴力、性上納みたいなのが、隠蔽されていた。いやあ、闇深い世界ですよね。
考えてみると、こういうジャンル、日本って、結構たくさん存在している様に感じますが、表には出てこない感じがします。
さて、そういうジャンルと言えば、薬の世界も、こんな感じの闇がある様な気がします。例えばですが、最近ふと思ったんですけど、日本って妙に“真面目な薬”しか広がらない気がしませんか?
風邪薬、胃薬、降圧剤。そういう“体の故障に効く”薬はわりとみんなすんなり受け入れるんだけど──
ちょっとでも「人生の快適さ」とか「気分」とか「外見」みたいな、“主観的な悩み”に踏み込む薬になると、とたんに風当たりが強くなる。
たとえば、避妊用ピル。
ようやく承認されたのが1999年。世界と比べて、何十年も遅れてました。
なのに、同じ頃に出たバイアグラは、半年でスピード承認。
なんで?
つい先日も、東京大学の附属病院で行われていた大麻由来製剤(CBD)の治験が中止になったというニュースが話題になりました。
てんかん治療薬「エピディオレックス」も、日本ではなかなか進まず。
「大麻だから」で片付けられがちだけど、本当にそれだけなんでしょうか。
ピル、大麻、ボトックス、抗うつ薬、そして肥満治療薬……
これらに共通して見えるのは、“薬としての実力”よりも、“それを受け入れる社会の空気”のほうが強い影響力を持っているということです。
というわけで今日は、
✅ なぜ日本では「成熟社会向けの薬」が根付かないのか?
✅ 医学・政治・心理・社会的な背景をまじえて
ちょっと掘って考えてみようと思います。
🟩なぜ“成熟社会向けの薬”は日本で広がりにくいのか?
── ピル、大麻、ボトックス、抗うつ薬に共通する「空気」の壁
先日、東京大学医学部附属病院で行われていた大麻由来製剤の治験(カンナビジオール/CBD)に関する発表がありました。
治験終了。つまり、開発はストップしたということです。
ちょうど同じタイミングで、てんかん治療薬「エピディオレックス」の日本国内での治験がうまく進んでいないという話も出てきました。
「やっぱり日本は、大麻ってだけでダメなのか?」
そんなふうに思った人も多いかもしれません。
でも、この話って実は“大麻だけの問題”ではない気がしてきたんです。
さてさて、昔々の話になってしまいますが。
もうね、昔話、自慢話、説教。これって、おじさんがしては一番ダメな話らしいですよね。高田純次さんが言っていました。でも、仕方ないです。
ピルはなかなか承認されなかったのに、バイアグラは速攻で通った
たとえば、避妊用ピル。
日本では世界的に見てもかなり遅れて承認されました。1999年です。世界から見たら、30年くらい遅れたらしいですよ。何故なんでしょうか。ドラッグラグもいいところですよね。30年。
一方で、バイアグラ(ED治療薬)は1998年にあっという間に承認されています。これもよくわかりませんが、これはOKなのです。僕もその頃はMRだったので記憶にあります。まあ、とにかく、ファイザーの女性MRが、医局で男性の先生に、「バイアグラお願いします。」と言っているのを日常的に目撃していた、あの頃。これがファイザーの強さの秘密だ、と思っていました。
どちらも性に関する薬で、安全性に劇的な差があるわけではありません。
それなのに、このスピード感の差。
なんとなく、「女性が性をコントロールすること」への警戒心というか、“そういう空気”が当時の日本にあったのでは……と考えざるを得ません。
大麻製剤が失敗するのも、「空気」のせい?
もちろん、大麻製剤にはいまだに法制度的なハードルもあります。麻薬に関する法律ですよね、色々と。詳しくは知りませんが。
でも、CBDには依存性がないことも分かっていて、世界的には続々と医薬品化が進んでいますよ。このブログでも紹介していますが、UKに広大なサイエンスパークがあって、そこでも大麻の栽培していますよ。
エピディオレックスだって、てんかん治療に有効だというデータは出てはいるんですが。なのに、日本ではうまくいかない。
そうなるともう、「大麻だから」じゃなくて、
「日本だから」なのかもしれない。
つまり、“空気”が合わない薬というやつです。
日本だから。これは、鋭い気がします。
日本だからなのです。
美容医療薬は売れてはいるが、普及しきらない
同じように、「広がりにくいな」と思うのが美容医療の薬。
ボトックスやヒアルロン酸などの薬剤は、日本でもそれなりに売れています。
でも、欧米のように“40代から打つのが普通”というほどには浸透していない。
自由診療だから高額というのもあるし、
「美容医療は整形と紙一重で怖い」という意識も残っている。
ナチュラル志向、“年齢を受け入れるのが美徳”という文化も強い。
売れてはいるけど、社会的には**まだ“特別な人の選択”**という位置づけなんですよね。
これは、売れてはいるので、プロモーションかければ、さらに売れます。都市部だけですが、地方にも広がってますし。元々美容領域が無かったクリニックに導入とかもしていますし。
実はものすごい潜在市場があるのだと思います。
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肥満治療薬も、なかなか主役になれない
さてさて、大麻、ピル、バイアグラ、ときたら、今度は痩せ薬です。
GLP-1などの肥満治療薬も、世界では注目されているけれど、日本では正直そこまで盛り上がっていない。
理由のひとつは、そもそも日本人の肥満率が欧米よりも、圧倒的に低いという“身体的背景”。です。これはもう、どうしようもありません。圧倒的ですよ。これはそもそも、需要がないということなのでしょうか。
もうひとつは、「太ったのは自己責任」という空気感。
肥満が病気として扱われづらい社会では、こうした薬は使われにくい。
抗うつ薬は承認されやすくなったけど…
さてさて、メンタルですね。抗うつ薬に関しては、大麻やピルよりははるかに社会的な理解が進んでいます。
実際、国内でも次々に新薬が承認されており、治験環境も整備されてきています。
とはいえ、「精神科に行くのは恥ずかしい」「薬に頼りたくない」といった声は今も根強く、受診率は決して高くありません。
薬が悪いわけではない。
でも、“気持ちの問題”を薬で解決するのはちょっと…”という空気があるのです。
成熟した社会のための薬が、“成熟しきれない社会”で止まってしまう
ここまで挙げた薬に共通しているのは、
どれも「人間のより深い悩み」や「QOL(生活の質)」に関わる薬だということ。
避妊、ED、美容、精神疾患、慢性疼痛…。
感染症やがんのような命に関わる問題ではないけれど、放っておくと確実に人生の質が下がる。
ある意味、「成熟した社会」に必要な薬たちです。
でも日本では、こういう薬がうまくいかないことが多い。
なぜか。
それは、法規制やエビデンスの問題だけじゃない。
“それを必要としている人が、堂々と必要だと言いにくい空気”があるからではないでしょうか。
この成熟した世の中、色々な人々が居て良いのですが、なんとなく成熟しない薬の世界という気は少しします。

大麻の治験終わっちゃったニュース見て、
「やっぱ日本って、こういう薬ダメなんだよな〜」って思った人、多いと思います。
でもまあ、法律とか制度の話だけじゃないんですよね。
もっとこう、「そういうの、なんかダメっぽくない?」っていう空気のほうが、根深いのかもしれません。
ピルも、大麻も、GLP-1も、抗うつ薬も、ボトックスも。
ぜんぶ、薬としてどうこうの前に、
「それ使うって、ちょっとズルくない?」みたいな、謎の圧を感じるというか。
で、そういう空気って、地味に効いてくる。
医療の話って、つい真面目に語りたくなっちゃうけど、
その前に「使う人の気分」とか「周りの空気」とかも、ちゃんと見といた方がいいのかもしれませんね。



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