銀行マンが取締役に呼ばれた“静かな大事件”を、AZ の大転換に重ねて読み解く**
皆さまいかがお過ごしですか。今日、というか、この記事を書いている17日は、バンコクの居酒屋でランチを食べて、そのあとホテルのシガーバーで仕事しました。もう10年近く通っているシガーバーですので、僕が行けば、大体いつもの場所に案内されて、そこでパソコン広げて仕事する感じになっています。しかも、店員のお姉さんも、10年前と同じ。まあ、10年前といえば、だいたいその頃、業界の再編とかもあったりしました。それは、今日の記事の後半に出てきます。
まず、こんな記事があります。これは、ノボノルディスクのボードメンバーが、自社株を買いました、という告知みたいなものです。
https://finance.yahoo.com/news/novo-nordisk-trading-novo-nordisk-135800076.html
でもなんか、単なる告知ではなく、意味がありそうな気がしています。
まず、日本だとノボノルディスク(Novo Nordisk)といえば、
- オゼンピック
- ウゴービ
この2つの薬で“世界を制した企業”という印象が強いですよね。
実際、2024〜2025年の時価総額ではヨーロッパNo.1。
ナンバーワン!! 小林克也もびっくり!
「天下取った会社」に見えるのです。
しかし、医薬・投資の世界で今ささやかれ始めているのは…
「あれ、ノボ、このままだとやばいんじゃね?」 という声です。
もちろん“倒産する”とかそういうやばさじゃないですが。
“成長ストーリーが曲がり角に来ている”という意味のやばさ。
そして、こういうタイミングで“それっぽいニュース”がシレッと出る。
今回の「ステファン・エンゲルス、ノボの株を買いました」という公表だです。
多くの人は、こう思うと思います。
「ただのインサイダー報告でしょ?」
たしかにそうなんだけど…
裏側を知ってるとこれは めちゃくちゃ深い意味 を持つ。。かもしれない。。
今回の記事では
「ノボで起きている、、、かもしれない、静かな大事件」を、
かつてアストラゼネカ(AZ)が大転換した時の話と重ねながら解説させていただきます。
「ノボ、やばいよやばいよ〜」
**1.いまノボで“何がやばい”のか?
表面は絶好調、しかし中身は…**
ノボは勝っているように見えるが、隠れた課題が明確になり始めている。
具体的には以下の3つ。
① Eli Lilly(リリー)に負け始めている
- ノボ:ウゴービ/オゼンピックで世界的ヒット
- しかし供給問題が深刻で、需要に全然追いつかない
- 対してリリー:Zepbound が爆売れし、安定供給もできている
さらに、
- リリーのパイプラインは圧倒的に厚い
- 中枢領域、代謝、オンコロジーなど幅広く勝負できる
- ノボは“GLP-1 一本足打法”状態
投資家はこう言い始めている。
「この勝負、長期だとリリーの方が強いのでは?」
② M&A でも痛い敗北:メトセラをファイザーに取られた
ノボが強化したかった領域、
再生医療 × 代謝 のど真ん中にいた日本発スタートアップ、メトセラです。
→ ここを競っていたのが
ノボ vs ファイザー(Pfizer)
結果は…
→ ファイザーが獲得しちゃいました。
これは業界的にはかなり象徴的かもしれません。
「ノボは次の柱を取りに行ってるが負けている」
というメッセージになったかもしれないです。
③ ウゴービ依存の危険性
世界中で GLP-1 のブーム。
しかし、
- 一つのカテゴリに依存しすぎ
- 原薬供給がボトルネック
これが会社の成長を縛っていたり、なんかしたり、しちゃったりしています。
やばいよやばいよ〜。
**2.そんなタイミングで登場したのはぁ
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ステファン・エンゲルス
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Stephan Engels
しかも自社株買いました、というニュース。**
ここで今回のニュース。
ノボの取締役、ステファン・エンゲルスが
6,450株(約2,000万円分)購入しました という公開です。
表向きは、法令に従ったただの発表ですが、
業界の人間はこの瞬間、
こう思ったのです
「あ、ノボいよいよ“大転換”に入るんだな」
なぜか?
エンゲルス氏の経歴を見ると完全に“ガチの再建屋”だからなのです
**3.ステファン・エンゲルスとは何者?
医薬の人では、ない。全然ない。**
- Commerzbank(ドイツ銀行) CFO
- Zurich(保険) CFO
- Samsonite(旅行カバン) CFO
医薬の“い”の字もない。
けど逆に、こういう人のほうが大企業の「変革期」には必要なのかもしれません。
特徴:
- 財務構造の再設計
- 資本再配置
- 供給ライン強化
- ガバナンス改革
- 投資ストーリーの再構築
こういう仕事が得意。
要は、
“大企業の構造を作り直すプロ”
そして今回これがポイントで、
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就任直後に自社株を買った。
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外様のCFOタイプは、
普通はリスク取らない。
なのに株を買ったということは、
「僕はノボが変わると確信してますよ」
という強烈なメッセージ。
4.これ、アストラゼネカ(AZ)の“リーフ・ヨハンソン時代”と完全に同じ構図
僕はこのニュースを見た瞬間に
アストラゼネカ(AZ)を思い出しました。
◆ AZ はかつて本気でやばかった
当時のAZは:
- パイプライン枯渇
- 大型新薬が出ない
- 買収されそうになる
- 社内政治で意思決定が遅い
- 投資家から「オワコン扱い」
当時の日本ではあまり知られてないけど、
今のノボと似た構造的な問題を抱えていたのです。
**◆ そこに突然呼ばれたのが〜…
自動車業界(Volvo)のリーフ・ヨハンソン**
医薬じゃない。
全然畑違い。
日本の会社ならぜったい呼ばないタイプですよね。そうでもないですか?
しかし彼がやったことはエグいです。
- 社内の意思決定構造を完全に作り直す
- 財務戦略を刷新
- Roche で成果を出していたパスカル・ソリオをCEOに抜擢
- 研究領域を疾患別に再編
- 投資家向けストーリーを「ガン領域再強化」に一本化
結果:
AZ は倒産寸前から世界最強クラスへ大復活。
5.今回のノボは、AZの“外様改革”に酷似している‼️。。。。と、思いませんか?
それがこの記事の核心。
以下が共通点だ。
| 項目 | AZ(ヨハンソン) | ノボ(エンゲルス) |
|---|---|---|
| 出身 | 自動車業界(Volvo) | 銀行・保険・消費財(Samsonite) |
| 業界経験 | ゼロ | ゼロ |
| 呼ばれた時期 | パイプライン危機 | GLP-1依存・競争激化 |
| 期待される役割 | 構造改革・財務再設計 | 構造改革・供給モデル刷新 |
| その後 | AZは大復活 | ノボはこれから |
これは偶然じゃないような気がするのです。
巨大企業が曲がり角に来たとき、
“外の血”が呼ばれるのは世界共通のサイン。
**6.ノボはこれからどう動く?
(予想だけどわりと当たります)**
僕の予想ではないです。でも、なんとなく、変わろうとしていることは、分かりますが。
以下は、とあるアメリカのアナリストが言っていたことです。なるほど〜
① M&A が本格的に加速する
メトセラを取り逃がしているからこそ、
次の“勝負買収”を本気で取りに来るはず。
② GLP-1 依存から脱却するための巨大投資
これは確実。
- 代謝 × 再生
- 肥満領域の次の柱
- 中枢や心血管の新アプローチ
などに資本をぶっ込む。
③ 原薬供給ラインの再設計に数千億投入
ノボ最大の弱点がここなので、
外部CFO型のエンゲルスが入る意味は非常に大きい。
④ 会社の“語り”が変わる
これもAZで起きたこと。
ノボも
「肥満の会社から、ヘルスケア変革の会社へ」
といったメッセージングに変えてくるだろう。

ノボは良い意味のやばさが始まっています。
ノボノルディスクは今、
GLP-1 の覇者ではあるけれど、
構造的課題が明らかになりつつある。
そこで銀行・保険出身という“外様の改革者”を呼び、
彼が自社株まで買った。
これは
「ノボは本気で大転換に入りますよ」
という強烈なメッセージだと、思ったりします。
ノボ、やばいよやばいよ〜。
でもこれは“沈むやばさ”じゃなくて、
“進化する直前のやばさ”。
AZ がそうだったように、
ノボもここから新しいフェーズに突入するかもしれませんね。
この変化に気づいてる人は、この中には居ますよね。
でも医薬業界ウォッチャー的にはかなり面白くなってきましたね。

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