グローバル大手の製薬会社のアメリカ部門がニューヨーク州マンハッタンの連邦地裁に26日に民事で提訴されました。検察当局の主張によると、その大手製薬会社のの米国部門は、彼らの医薬品の処方を促すため、リベートを支払ったほか、医師に豪華なディナーを提供した・・・という事のようです。記事。
要するに、接待して薬を使わせたという事ですね。あ、でも否定していますが。
この会社の肩を持つ訳では有りませんが、昔であれば特段珍しい話でもないので、「いいじゃん」と、思ってしまいます。が、今の価値観では当然ダメですよね。厳しい時代です。昔は医師を接待して薬を使ってもらったら、上司にも会社にも評価されました。接待がスムーズにスマートにできるのも、MRの実力だと、上司にも教わりましたよ。ていうか、僕はそんな時代しか知りません。 (笑)
では、どんな所に行ったのでしょう。そして、どんな薬を使ってもらおうとしたのでしょう。けっこう興味が有ります。
使ってもらおうとした薬は下記の通りです
Lotrel —ノルバスクとチバセンの合剤らしいです。
Valturna—ディオバンとラジレスの合剤らしい。
Starlix—スターシスとかファステックです。
これらの薬の「教育プログラム」を全米で展開し、その会場費や、それに使った費用なので、問題ない・・・とこの会社は反論をしているとの事です。
考えてみれば、これらの薬、高血圧とかいわゆる慢性疾患、プライマリー領域ですね。ARBだけ考えても沢山の種類が出ているし、ジェネリックもあります。MRがこれらの類いの医薬品の売り上げ実績を伸ばすと考えただけで、結構タフですね。なかなかシェアアップとか、変更とかは難しいでしょうね。しかも、医薬品にまつわる最近の話題と言うか、その辺りも出尽くして、ドクターと取り立てて何か新しい情報を話す事もあまりなくなりつつ有りますよね。
評価の確定した、すばらしい薬です。言い換えれば。
ただし、売るのは大変。そこで、使ってもらうためにはキックバックとか接待になるんじゃないですかね。あ、接待とは言っていませんね。教育プログラムです。
キックバックは一度の講演で750ドルから1500ドルが平均で払われて、ドクターによっては3750ドル以上払われていました。うーん。
で、どんな所でその教育プログラムが行われたのでしょうか。下記に拾ってみました。興味有ります。
Hooters
アメリカの田舎にもありますね。ねえちゃんは露出度高いですが、別に普通にウェイトレスをしてくれます。僕もアメリカに住んでいるときに、行った覚えが有ります。きれいな店で、チキンウイングは美味しいですよ。最近、ウチの会社のある赤坂近くにもできて、日本に進出してきました。まあ、ここで教育プログラムというのも、まあ、どうかな・・・とは思いますが。。
当然、先生は男性だったんでしょうね。でも、女医さんだったら、どこに連れて行くんでしょう。昔六本木に有ったJ-Men’s Tokyo的な店にでも連れて行ったらいかがでしょうか。しかし、バブリー社員である事はすぐ見破られてしまいますね。ご存知ですか、J-Men’s Tokyo。まあ、アメリカには、チップアンドデイルズがありますから、そこにでも行きますかねえ、女医さんの場合は・・・。冗談ですよ・。笑い飛ばして読み飛ばしてくださいね。 (笑)
Nobu
ローワーのマンハッタンにある、セレブなレストランですね。もう、セレブが通う代名詞、日本食=高級と世界が思ってしまったきっかけになった店です。僕もロングアイランドですが、NYに2年住んでいたので、マンハッタンに遊びに行ったときに前を通った事はありますが、とてもじゃないけど、入った事は有りません。ここにドクターを連れて行くって、なかなかですね。隣に、Nobu Next Doorってのがあって、少しリーズナブルに出してくれますね。ま〜しかし、セレブです。ここで教育プログラム・・・うーん。どうですかねえ。
ちなみにですが、僕が居た頃はNobuもさることながら、Meguも人気がありました。いわゆる、アメリカで日本食ブームですよ。日本食レストランは、かっこいい・・・みたいな。
フロリダとアラスカでの釣り旅行
さすがに、釣りの船の上では教育プログラムは難しいですね。これは反論できないかな・・・。アトランティック・オーシャンではよく、flukeとか、striped bassとか、porgyが釣れますよね。僕もボストンのショアからやっって、ストライプド・バスという、まあ、日本のスズキに似た魚を良く釣りました。アメリカの海は、日本みたいに釣り人は少ないので、良く魚が釣れますよ〜。ストライプド・バスの専門家はstriperと呼ばれています。雑誌も有りますよ。僕もこの雑誌に載った事が有ります 笑
もしかしたら、先生の中に、ストライパーが居たのかな。だとしたら、MRとしては釣りの接待は当然ですよね。これも昔の価値観ですが・・・。僕もMR時代に、先生と千葉県の富浦によく船釣りに行ったものです・・・。
でも、釣り船の上で、教育プログラムはできないだろうなあ・・・。
Smith & Wollensky
ステーキ屋さんですね。各地に有りますが、DCの店に行ったんですね。かなり高級店ですね。良く知りませんが。まあ、ここでの教育プログラムは、今まで登場した店に比べれば、アリかな 笑。
WSJの記事によれば3人で行って、bill came to $2,016, or $672 a personということですから、
1人あたり7万円です。いや〜すごい。ステーキで一回に7万円ってすごいな。。ちなみに、別件でやはりこの会社が行ったアイオワでの教育プログラムでは、やはりステーキハウスで1人1000ドルを超えた会計が有ったそうなので、10万円以上ですね。すごいです。
こういう高いステーキって、個人的には「 麤皮 あらがわ 」とか、「哥利歐 ごりお 」を彷彿とさせます。味も値段もとにかく日本一ですよ。アメリカのドクターをここに連れてきたら、きっと使ってくれますよ〜。
Japonais ハポナイズ・・・ですかね、発音的には。
これもシカゴにある本当に本当にハイエンドな日本料理屋ですね。しかし、アメリカのドクターは日本料理が好きなんですね。まあ、セレブな雰囲気には間違いないでしょう。ここでの教育プログラム…う〜ん。ていうか、もう良いですかね。この行は。 笑 でもここ、行ってみたいなあ〜。。
L2O
シカゴのハイエンドなシーフードレストランですね。L2Oは何かというと Lake to Oceanですって。まあ、内陸ですし、ミシガン湖の淡水魚の料理プラス、海の幸も有るんでしょうねえ。とにかく有名な店です。
まあ、なんというか、今回はもしアメリカでMRをやっていて、接待がOKだったら、こういう店に行くんだろうなあと、思いました。
医薬品は生命関連製品。何らかのバイアスによる医薬品の処方が医師からなされるべきでは有りません。コンプライアンス上、絶対に許されない。だから、日本も今は接待禁止なのです。
しかし、昔は有りました。たとえば、なるべくスイッチしても影響の無い抗生剤や輸液、整腸剤などは、取り替えても特に患者に影響もないだろうし、また接待でもしなければ競争できないと思ったのでしょう。きっと、前述で列記した製品も、そういう類いです。製薬会社も営利企業ですし、MRも営業マンですから、売りたい気持ちは痛いほどわかります。
しかーし! ここで、肩を持ってはいけない。良くない事は良くないですよね。昔は良かったからって、今はダメなのでダメです。接待はダメ。
教育プログラム? 勉強会? でも、上記に羅列した店は、とてもじゃないけど、勉強するところでは有りませんよね・・・。どう思いますか。
ただし、この製薬会社は反論していますので、成り行きは注目されます。
詳しい解説をありがとうございました!
アメリカも日本もそう変わらないということでしょうか。
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そのようですね。薬を見ても、接待したら伸びそうな種類ですよね。
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