MR のキャリアデザイン

MRになったら、すでにMRとして活躍している方も、今後の自分のキャリアをデザインしてみましょう。デザインというのは、まさに、ご自身の将来像を考えてみようと言うことにほかなりません。

昇進昇格という観点から言えば、マネージャーになり、部長になる。ということでしょうか。

それを営業畑で言えば、チームリーダーになり、営業所長になり、支店長になり。。ということですね。

職種、という観点を付け加えると、人によってはどこかの時点でMSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)をめざしたり、また本社のマーケティングの部門、プロダクトマネージャーを目指したり、あるいは採用担当とか、種々のMR以外のキャリアパスをお考えの方も少なくないですね。その時には特に外資では英語が必要になりますね。私は最低でもTOEIC750は必要だと思います。なぜ750なのか? それは次回にチャンスが有った時にお話しさせていただきます。

さて、どんなにデザインをしても、なかなかその通りになるとは限りません。MR個人として起こりうる事は、結婚をしたり、人によっては離婚をしたり。子供ができたり、そしてその子供が私立の学校に行って転校できなくなったり、家を購入したり、親の介護が必要になったり。大きな病気をしてしまったり、メンタルが疲れてしまったり。。

セクハラやパワハラをされたり、逆にマネージャーになってからアホな新人からパワハラの濡れ衣を着せられたり・・・。

外的要因としては、会社が合併したり、転勤を余儀なくさせられて単身赴任になったり、早期退職をしたり、などなど、様々な要因で、デザイン通りに進まないということもあるのです。

まさか、こんなはずじゃなかった…という事態は、多かれ少なかれ誰にでも降り掛かってきます。もちろん、まさか、こんなに上手く行くなんて! みたいな事態にも遭遇するかもしれません。そんな中でも、常にそこから始まる将来について、常にベストなデザインをし直す必要があるでしょう。

その全ての段階で関わってくるのが、転職をする、しないという選択肢ではないでしょうか。

仮に、あるいは、結果的にMRとして、営業畑だけのキャリアパスを辿った場合、転職マーケットでの価値はどうしても年齢が大きく影響します。一般的には35歳という年齢がいわゆる、一般的なMRの転職適齢期MAXです。現実的には、40歳くらいまでです。MRの場合はです。

例えばですが、3人の違ったキャリアパスを経てきた、40歳の所長さんの例を出して考えてみましょう。

A: 40歳まで一社のみ。社内で昇進して現在所長。

B: 30歳のときに一度転職。現在40歳で所長。

C: 28歳のとき、33歳のとき、と合わせて2度転職。現在40歳で所長。

もちろん、人物本位なので、簡単な比較はできませんが、3人について、問題形式で考えてみましょう。

Q1: 3人で、現状一番給料が高いのは何方ですか。

 一概には言えませんが、なんとなくCさんのような気がします。なぜなら、転職の度に現状より多い条件が提示されたはずだからです。しかもそれが今まで2回あったわけですから。たとえば、外資ということで考えると、28歳の時の転職は、そうですね、現状600万円位から転職で700万円少し切る位のオファーでしょう。33歳の時の転職は、おそらく、900万円を少し切るくらいの現状から、もしかしたら1000万円近くのオファーかもしれません。そして現在40歳で所長ですので、1200万円くらいになっちゃっているかもしれません。

一方で、Aさんは現時点で950万円くらいでしょうか。AさんとCさんの数字の差は200万円くらいかもしれませんが、生涯賃金で言うと、少なくとも28歳の時からだいたい100万円くらいの差がついていたので、単純に40歳までの12年では最低でも1200万円以上の差が生じる訳です。しかも、この12年の間には、1度の転職も含め、差が年々開いているでしょうから、もしかしたら2000万円くらいの差がある可能性が十分にあります。この差はちょっと見過ごせないと思いませんか。やっている仕事は同じです。

Q2: 業務拡大のために、本社の営業本部の要職に優秀なMRを抜擢することになりました。このとき、3人の中で、最も本社の要職に呼ばれそうなのはだれですか。

 同じくもちろん一概には言えませんが、これもCさんではないでしょうか。なぜなら、今までに3社のカルチャーを体感しているからです。違う会社では違うやり方をするものです。また、カラーや強み・弱みを見てきた訳で、製薬業界の人材としては、幅がありそうに見えます。なにか、困難の乗り越え方などを幾つか知ってそうな気がするのです。

したがいまして、3人の所長さんは、もう40歳の今となってはMRとしての転職はなかなか難しいですが、結局Cさんが色々と有利であるような気がします。

このように、転職経験が有ると、何となく要職を任せたくなります。お金の面だけでなく、やりがいを獲得するうえでも、転職経験は有利に働くことが多いです。

では、実際にCさんが本社勤務になったとしましょう。そうなったとき、実はまだまだ転職マーケットが広がるのです。リエゾンやマーケティング職は、40歳以上でも50歳以上でもたくさんの求人が有ります。どんなに、所長や支店長になったとしても、Aさん、Bさんは極端に転職の機会は激減します。 Cさんだけは、またまたMR以外の、新たな転職市場にまた給与額アップのチャンスが到来する訳です。

ただし、次のQ3の答えは、だれにもわからないと思います。

Q3: 3人の中で、一番幸せな方は何方ですか。

→わかりません。価値観の問題になります。でも一番大事なQではないでしょうか。

お金も、キャリアも大事だけど。。。ということですよね。

やはり、家族や環境がよかったり、自分らしい生き方ができているMRは幸せだと思います。お金だけではありません。

確かに、キャリアアップや給与アップは、MRにとって考える必要が有ることです。仕事の動機づけとして、社会への貢献、患者の役に立っているといことができる、MRとはすばらしい仕事だと思います。一方で、やはり社会的責任のある製薬会社も、営利企業ですから、MRには当然のことながら目標数字があるのです。そして、当然、競争も、昇進・昇格への戦いも厳然としてあります。社会への貢献も、数字ありきで、計画が達成できないMRはどんなに患者フォーカスの気持ちが強くても、very goodとは言えないかもしれません。

そんな成熟した世の中で、仕事もバランスをとり、自分と家族のためにバランスをとれるキャリアデザインを考えることが求められるかと思います。

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