大日本住友製薬の株価が日中で一気に270円以上上がり、過去5年間を見ても大幅高で最も高値がついたのは今年、2014年の1月10日、金曜日でした。日本の株式市場は昨年の大納会ではアベノミクス効果で盛り上がりをみせたものの、明けた2014年1月は様子見とアベノミクスの日本経済に懐疑的な見方もあつまり、外国人投資家による売り気配がなんとなく散見される中で、やはりそういう地合で強みを見せるバイオ材料株と言ったところでしょうか。
何が材料かと言えば、ニューヨーク、しかもバッファローなどの近隣の工業地帯ではなく、なんとマンハッタン、しかもおしゃれなウェストビレッジのsuiteのワンフロアに構えている、インターセプト・ファーマシューティカルズ という、社員数45人足らずの会社によるものなのです。インターセプトファーマが開発する非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の治療薬「オベチコール酸」について、臨床試験でその有効性が確認されたと発表されたことが、まさに材料です。なんと、大日本住友製薬は2011年3月に、このインターセプトファーマと日本および中国における独占的な開発・製造・販売権のライセンス契約を締結していたのです。
マンハッタンのウェストビレッジといえば、僕の大好きな場所ではありませんか。有名ジャズクラブのビレッジバンガードは目と鼻の先ですよ。昔よく夜中に独りで出没しました。まさか、こんな場所に製薬会社があって、しかも日本の株式市場にまで影響を及ぼしているなんて、ちょっと驚きです。ウォールストリートジャーナルによれば、
CEOのマーク・プルザンスキー氏(46)は10年前、インターセプト・ファーマシューティカルズをニューヨークのウェストビレッジのマンションで1人で経営していた。負債額は10万ドル。同社の当座勘定には一時4.41ドルしかなかったこともあった。
ということらしいですよ。つまり彼は36歳のときからマンハッタンのアパートで独りでビジネスを始めたということですね。場所をもっとイメージすると、もしSex and the cityが好きな人がいれば、サマンサやミランダが構えている事務所があるような建物とイメージできるかもしれません。それが今や世界の投資家、製薬会社が注目する企業になっちゃったということで、こういうの、アメリカンドリームと言うのでしょうか。
投資家と言えば、バイオ関連株が大好きな人々とも言えるかもしれません。逆に言えば、バイオベンチャーは投資家、投資ファンドなしには成立しないでしょう。日本でも世界でもそうです。ここで、インターセプト・ファーマシューティカルズには、面白いというか、偉大と言えるか言えないか、大物投資家の存在が見え隠れしているのです。
その有名な投資家は2013年の11月7日時点で、インターセプト株を約100万株保有しました 。持ち株数に変化がなければ2億ドル(約210億円)余りの利益を確保したことになるのです。彼の名はスティーブ・コーエン。
しかもスティーブ・コーエンが率いるヘッジファンド運営会社、SACキャピタル・アドバイザーズは、2013年11月4日のロイターのニュースによると、なんと組織的なインサイダー取引問題で、同社が罪を認め、罰金などとして合わせて18億ドルを支払うことで合意した、と発表しており、インサイダー取引に対する罰金としては過去最大となるとのことです。検察とは和解し、SACは2014年来年初頭までには、90億ドルとされる自身の資金のみを運用する体制へと事業を縮小するとみられているとの報道があったのです。そして年が明けてこの年初のインターセプトということですね。。。
スティーブ・コーエンはニューヨーク郊外のロングアイランドのグレートネックという場所で育ったとのことです。このグレートネック、少し離れればポート・ワシントンという、わりかし日系企業があって日本人が多く住んでいるところの近くです。それにしてもアメリカの地名は、まあ、人の名前をつけることは良いとしても、ワシントンとかって多すぎないんですかね。なんだか、ピンとこないのでは。あちこちにワシントンが多すぎますよね。ちなみに、同じロングアイランドには、もっと東にポート・ジェファーソンという、今度はジェファーソンですが…同じような港町があり、ここは僕が過去に2年住んでいた場所の近くで、よく釣りに行きましたねえ。
さて、コーエンの育ったロングアイランドのグレートネックですが、まあ、地形的にもクビのような形なのですが、昨年、2013年のレオナルド・ディカプリオの映画、グレート・ギャツビーの舞台ではありませんか。wiki情報ですが、作品の舞台となったウェスト・エッグはニューヨークに実在する高級住宅地、グレート・ネックをモデルにしており、作者のフィッツジェラルド自身も居住していたことがある。とのことです。
なんとなく、この映画というか、超有名小説なのですが、内容的にこの話、証券マンがでてきて、コーエンとかぶると言ったらこじつけでしょうか。
コーエンは、高校のとき、ポーカーばかりしていたとのことですが、まさに勝負師。この映画の高級住宅地、ウェスト・エッグの人々の影響はあるのかなと。毎晩のように繰り広げられるパーティー。当然メタボなオジさんたちも沢山いたに違いないとか、思ってしまいます。メタボと言えば、肝炎? インターセプト・ファーマシューティカルズへの投資行動も、肝炎の薬がブレイクするぞ!と、思ったのも、ロングアイランドでのウェスト・エッグでのパーティー体験からだったりして? まさか。そんなことはないでしょう。。。。
そして、忘れてはいけませんが、大日本住友製薬もさすがです。さすが、先見の明。大日本住友製薬がなぜインターセプト・ファーマシューティカルズと? そこまでは知りません。きっと優秀な人材が大日本住友製薬に居らっしゃるのでしょう。
いやあ、何気にというか、実はというか、今後肝炎絡みのマーケットが慌ただしい、というか、すでにもうC肝では数社がバトル状態で。そのうちBも出ると。そして、この大日本住友製薬のマーケットはもっとすごくなりそうですね。メタボの人はみんなこの薬服用するようになったりすると考えたら市場は計り知れないです。
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