先日の業界のニュースで武田が代謝性・循環器系領域の研究開発活動から撤退するということが報じられましたね。リードしてきた糖尿病領域の開発もやめるとのことですね。まあ、色々なことがありますが大きなニュースです。かつてアジルバをARB7番手として世の中に出し、確かに一番優れた薬でしたが、薬価で失敗し、しかも販売された時にはすでにニューロタンのジェネリックが出ているという、信じられない戦略以降、ばたついています。紆余曲折あり、外国人社長が就任し、テバとの合弁を発表しました。「止めない」と断言していた糖尿病の開発もやめるということで、ここは大きな決断ですね。まあ、もしかつて組んでいたアムジェンとまだ続いていればpcsk9の先発をアステラスに出されることもなかったかもしれませんが、うまくやれなかったので後の祭りです。ところでテバとうまくやれますかね。
さて、その業界ニュースに戻るのですが、その記事の最後の行に、2000人いるMRの人員削減は免れない見通しだとくくっていました。気になる予測ですね。まあ、この数年のメガファーマのリストラを見ていれば、特に大きな驚きもないですが、ポイントはそのやり方ですね。サノフィやノバルティスなどの外資組は個人差あれどだいたい36ヶ月とか40ヶ月の上乗せ金で希望退職を募りましたね。一方で第一三共や田辺三菱などの国内組はなんと72ヶ月!。この流れで行くと、やはり国内最大手であれば、当然第一三共、田辺三菱に追随して72ヶ月を出してくるとよそうされてもおかしくありません。
ところがです。この「国内組」というくくりに安易に武田を入れても大丈夫でしょうか。そう思う理由は冒頭からのいわゆる武田のバタバタですよね。しかも社長だけでなく、上層部には外国人が沢山居ますねいまこの会社。72ヶ月の上乗せ金というこのメンタリティ、外国人の上層部にどう映りますかね。たとえば武田で50歳なら、大学病院担当経験も部下も持った経験など一度も無いMRでも、給与は低くても1000万円くらいですよね。72ヶ月といえば、6年分ですから、そういう人々一人ひとりに6000万円づつ出しますかね、この上層部が。なにか、一波乱あるかもしれませんね。
もちろん、あくまでも予測であって、人員削減が決定したわけではありません。しかしながら最近武田で気になる動きといえば、中途採用にやたらと力を入れている所です。人員削減しようと考えているのに、採用なんておかしいと思うかもしれませんが、考え方としては、人員削減をして欠員を補充するのではなく、あらかじめ欠員を見通して若手のやる気のある給料も安くて済む人材を先に入れているのかもしれませんね。見通される欠員の補充を最初に行うという、新しいやり方かもしれません。