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良薬はキャリア逃し

良い薬を扱っているMRはキャリア形成を失敗するケースが多いです。良い薬とは、つまり、よく効く薬、副作用が少ない薬でしょうか。そういう薬が世の中に存在することは患者にとっては素晴らしいことですね。

優れた薬ではあると同時に、よく売れる薬、ネームバリューのある薬。つまり、MRから見たら、「売るのが楽な」薬な訳です。

一応、説明会は会社から言われているのやるけど、別にそこまでやらなくてもドクターが勝手に買う薬。勝手に売れる薬。人口の多い地域、大きな病院を担当していれば、患者も多いし、特段PRしなくても病院が勝手に購入して担当者の実績がアップしてインセンティブが増える。こんな美味しいことありませんよね。

薬が勝手に売れて勝手に収入が伸びて、勝手に実績が上がって、人口が多ければ、外来患者が多い病院をたまたま担当していればどんなMRでも勝手に「全国1位」とか、そんな風になってします。特に重篤な副作用などの問題もほとんどないので、面倒なこともほとんど起こらない・・・・・・。

その最たるものは、例えば新しい抗アレルギー薬などではないでしょうか。花粉が飛べば売れる。眠くならない、1日1回が売り。重篤な副作用少ない。

作用機序もみんな知っているので学術的な特徴を詳しく説明するまでもなく、まあ、一般のドクターには「眠くなりません」だけで十分。会社から色々と説明会だの研究会だのという課題を課せられて、たとえそれを遂行しなくても、売れれば解決です。研究会を立ち上げなくても、売れれば問題ありません。

MRとしては、勝手に売れているのにわざわざ面倒臭い説明会などしたくありません。売れていて計画も達成していれば、今更あえて新しい研究会などやりたくありません。

「今日は18:00から飲み会がある、でもあの先生への訪問は19:00からと決まっている・・・。別にアポイントまでとって行かなくても、使ってくれてるからいいや。新しい情報も別にないし。行っても眠くならないって言うだけだし・・・・。まあ、今日は行かなくてもいいや。飲みに行こう!!っと。」

毎年ボーナスをたくさんもらい、特に厳しいMR活動はせずに暮らしていて、この状況はとてもハッピーなのですが、MRとしての成長はあるでしょうか。MRとしてのスキルを自ら鼓舞して意識して磨こうとしていれば、別ですが、そうでもない限りは、プレゼンのスキル、競合他社に負けないトーク術のスキル、over allなMRとしての営業力がどんどん落ちてきます。

ただしそんな美味しい薬も、特許が切れた時にその状況は終わります。1剤であった場合は、まあ、6年くらいは続きますよね。もちろん企業も特許が切れることくらい、その製品を出す前から想定していますよね。そのためにパイプラインを増やしたり、吸収合併をしたりして特許切れで売り上げが激減することに対策を打っています。

ところが、リーマンショックやあ大震災などがあるとその想定が崩れて状況が一変します。2008年のリーマンショックを今頃まで引きずることは考えにくいのですが、しかし医薬品の開発はご存知の通り15年以上、150億円以上かかりますよね。ちょうど2008年頃に想定したパイプラインも予算の危機で取りやめになったりしますよね。さらに、リーマンショックなどのクライシスがなかったとしても、医薬品の2010年問題というブロックバスターの特許切れという事態が起こりましたよね。パプラインの変更、特許切れなどが相次ぎ、メガファーマはあろうことか、全く想定していない事態に見舞われることになるのです。それがまさに、次の打つ手がない状態、売り上げ激減、そして大リストラへと進展してしまったわけですね。

さて、大リストラになりました。例えば対象年齢が40歳以上で早期退職で上乗せ金を貰ったのは良いことなのですが、まだまだ家のローンもあるし、子供は私立の学校に行っているし、親は介護が必要になるし、まだまだ働かねければなりません。また、今までのプライドもあるし、できればまたメガファーマでできれば家を買った場所が良くて。。と、いうことになります。

ところが、もともとキャリアアップを真剣に考えていたわけではないので、こういう人々にとっては、急に転職といっても辛いです。まず年齢です。だいたい募集対象年齢は35歳くらいまでですから、オーバーしています。次に履歴書・職務経歴書の作成です。履歴書・職務経歴書の作成をお願いすると、「すみません、土日に実家に戻らないとパソコンがないのですが・・」とか、「メールあんまり使わないので開かないのですが・・・」とか、書類作成困難者がこんなにも多いことに驚かされます。ハードルは書類の中身というより、そもそも環境的に作成できない。ここからのサポートになります。

やっとの思いで職務経歴書を作ったものの、その中身です。「****の150%アップ。その他もだいたい100%アップ。ランキング1位。」とか、すごく大雑把な表現、そして100%とか150%とか、「だいたい」とか「1位」とか、超アバウトな数字しか書けなくなります。これは面倒くささの表れです。そこを何度指摘しても、職務経歴書が書けない人がたくさんいます。今まで仕事で書類などを作る必要がなかったのでしょう。。

でも、なんとか、書類もクリアして、面接に行けることになりましたとします。ところが面接で志望動機を面接官に言うときに、「今の会社で早期退職がありまして、探しています」とか、もう救いようのないことを平気で言う人がいます。全くその企業に関係のない、自分の出来事。まあ、正直といえば正直なのですが、面接が選考であり、選考は競争であるということを認識していないパターンです。そもそも今まで競争という競争をしていないし、自分をPRしたり、自分自身を売り込むことをしてきていないので仕方がありません。プレゼンも下手だし、自己PRも志望動機も言えない。その全ては、「良い薬」のせいなのです。

書類選考も面接もうまくいかず、箸にも棒にもひっかからず、あろうことか、その原因をエージェントのせいにする人がこの前いました。「A社の面接お宅に頼んだから、落ちたんじゃないの? 俺A社の偉い人知っているから、もう、あなたはいいから直接聞くわ」などと。。。その方には「どうぞ」と言いましたが、本当にそのような残念な人材が形成されてしまうのも、すべて「良い薬」のせいです。

 

でも本当に、「良い薬」のせいなのでしょうか。

 

良い薬がある同じ会社でも、大リストラをしている同じ会社でも、重要なポストについて会社からめちゃくちゃ必要とされている人がいます。同じような大学を出て、営業部門なのでとりわけ英語ができるわけでもないのですが、とにかく良いポジションについている人が、やはりいます。こういう人はリストラの前に自分から転職する人も多いのですが、転職をした先でも、自分の思い通りのキャリア、思い通りのポジションについている人がいるのです。同じように「良い薬」を売っていたにもかかわらずです。

 

こういう人は、何が違うのでしょうか。

 

それは、次回に。

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About Kenichi Yamazaki
Recruiter for Healthcare companies since 2007. Graduated Meiji University. Work at Nikken Chemicals, Kowa pharmaceuticals as a MR. Join SUNY Stony Brook Incentive English Center 2 years. Upon 2007, Recruiter for over 10 years. From 2017, Located Bangkok.

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