製薬会社というのは、良い薬が1個あれば雰囲気がだいぶ変わります。
また良い薬があったのに、強い競合品が出たり、特許が切れたりしてプロダクトライフサイクルが終わると、また会社の雰囲気は一気に変わります。雰囲気だけならまだ良いのですが、実際に待遇が悪化したり、直接給料が減ったり、リストラがあったりします。給料が減るといっても、極端に減ることはないかと思います。少し減っても、他業界含めた全体的なことを考えると、まだまだ給与レベルは上の方であると言えるかと思います。
逆も言えます。良くない状況であったとしても、良い薬が1個出たら、一気に好転します。待遇は良くなり、人は増えて活気が出ます。この、好転したり悪化したりするのに、3年もかかりません。つまり、3年前はすごく良い会社だったのに、今は良くないとか。そんなことよくありますよね。
たまたま所属している会社が良くない時期であるからといって、クビになって職を失って路頭に迷う人はいるでしょうか。ゼロではないのかもしれませんが、あまり見たことはありません。製薬業界において、世間的にあの会社あまりよくないと思っても、従業員の生活まで脅かされることはそうそうありません。
キャリアを考えて会社選びをするときには、以上の点を踏まえる必要があるかと思います。
「今、ウチは良い薬ないし、パイプラインも貧弱だし、早期退職プランが始まった。こんな状況だから、できる人から順番にどんどん辞めていく。だから、ウチなんかに来ない方が良いよ。」
こんなことあちらこちらで言ってる人いますよね。確かにそうかもしれませんが、逆の発想できないですか?
「え、そんなに良い人が辞めているなら、俺が行けばトップになれるかも!?」
「そうすれば、ベースが今より少し少なくなっても、インセンティブもらえるかも??」
「その会社に行けば、ランキング1位と職務経歴書に書けるかも?????」
みたいに。
「え、そのうちリストラがあるなら、3年くらいいた後に、早期退職金もらえるかも?」
「それもらったらその後実家の近くでコントラクトでもやろうかな」
「それもらったら、薬剤師だから調剤薬局に転職しようかな」
「それもらったら、家のローンも繰上げ返済して蕎麦屋でも始めようかな」
だったら、今後リストラがありそうなところに行こうかな?
みたいな。
会社の今後が不安で人がどんどん辞めていく。できない人は、リストラの早期退職金を待って、できる人は自分からキャリアアップで辞めていく。何れにしても人がどんどん辞めていく。あまりに辞めすぎて、欠員になり、欠員補充の募集が始まった。
そんな状況の募集、嫌ですよね。でも、
「多分、魅力のない会社で誰も応募しないから、応募してみようかな。競争率低いかも。その会社に売れてないけど、***製剤があるな。それを形だけでも経験すれば、3年後にあの会社から出る超大型の***製剤新発売に乗れるかもな!!??」
みたいな。
敢えて、現在人気のない会社に飛び込むのも、面白いかと思います。
3年後、人気企業に様変わりして、入りたくても入れない会社になっていたりするかもしれません。