ダイバーシティだから去る

高円寺あたりのキャバクラかっ

新卒女子にお酒を注いでもらう研修部のおっさんという構図は、高円寺あたりの格安キャバクラを彷彿とさせます。しかもジャージ姿だったり。

製薬会社の新人研修といえば、入社後半年くらい缶詰でみんなどこかに泊まりで勉強するわけです。まさに同じ釜の飯を食うですよね。

夜ご飯の時には、まあ学校ではありませんので、多少酒くらい飲むわけです。たまたま目の前にいた女子が、たまたま気を利かせて目の前の研修部の社員のおっさんにお酒を注いであげたりします。

大手製薬企業は100名規模で新卒を採用し、その半数以上が女性だったりしました。「製薬会社の採用といえば、新卒女性MR」と思ってしまうくらいでした。

バブル期から2000年頃までの話ですが、今でもそうなのでしょうか。当時は、ダイバーシティという言葉はそんなに浸透していませんでした。ではなぜそんなに女性を採用したのでしょうか。

理由ですが、表向きと実際の理由がありました。

表向きには、ヘルスケアカンパニーですから、やはり「ダイバーシティ」、「女性の活躍」というところを内外に示して、社会に取り組んでいる企業というアピールの戦略の1つだということができます。

ところが、実際の理由とは、トンデモないっちゃトンデモナイ話であり、今時は通用しない話なのかもしれませんが、これはもう、お分かりのように、決して表に出さない理由ではありますが、理由はズバリ、

固定費の節約

です。例えば、営業部門に1000人居たとした時に、全体の人件費を考えてみてください。ベテランで高い人もいれば、若手で安い人も居ますよね。1000人の中で、若手が多ければ、全体の人件費は安くすみます。ベテランが多いと高くなってしまいますよね。

そこでベテランが多すぎの時には早期退職制度などが発令されて固定費を抑えようとするわけですよね。

若手もいつかベテランになれば、給与は上がり、固定費は高くなるわけですが、女性は、一般的に男性に比べれば退職する率が高いですよね。ライフイベントが訪れて、結婚して家庭に入ったり、産休育休使ってもそのまま退職したりする事が多いので、男性に比べれば、辞める率は高くなるのです。良い悪いではなく、事実ですね。

従いまして、新卒で女性を多く採用しても、ある計算式に当てはめて、数年後に何パーセント退職するという想定をしているわけです。30代40代で次々とやめていき、毎年新卒を次々と採用する。その一定の層は、ブロックのようにある年齢で高止まりして、40代後半50代と推移する前にデータから消滅します。

給料もめっちゃ高くならずに済むわけです。固定費を抑える事が、女性を多く採用する語られない理由の1つなのです。

「辞めてくれるから。」「全体のセールスフォースの固定費を抑えられる」という、理由は語られませんでした。たまに人事部の同期が自慢げに、新橋の焼き鳥屋で語ってくれるくらいでした。

表舞台で、堂々と高らかに語られてきた言葉は、「ダイバーシティ」「女性の活躍」というきらびやかな文言だったのです。

マジでダイバーシティに

ところがです。昨今の、人事周りを巡る動きをみてください。

・働き方改革
・マジでダイバーシティ
・子育てしながら働ける会社こそ一流
・マジで女性管理職増える

グローバルで、女性の管理職を持ったりする会社が賞賛されるという時代になりました。人事部門はとにかく女性の管理職を作りたがるようになりました。女性もライフイベントでそう簡単に辞める率も下がりました。

マジで戻ってくる


産休育休を取りますと、辞めてしまうかたも多かったのですが、最近は、正直とても良いことなのですが、マジで戻ってくる方が多いようです。

ただし、産休育休の間は、会社としてはその方々が戻ってくるのを待っていたわけにもいかず、しっかり新卒や中途採用で人材の穴埋められていたわけです。

知り合いで、産休育休の補充という採用ニーズだったとは言え、夢と希望を持って入社した女子、A子がいますが、彼女は嘆いていました。なぜかと言えば、能力を買われて入社しまして、若くしてマネージャーへの道も模索できるくらいのスキルではあるのです。

その部署とは臨床開発ですが、彼女は珍しく理系学部卒で、海外のMBAを所持しているのです。会社にも重宝がられていました。

ところが、ある日、育休を開けた方々が、複数、同時に、たてづづけにA子の部署の先輩として「登場」したらしいのです。A子から見れば、「登場」ですが、戻ってきた先輩方からすれば、職場復帰です。

そして会社から見れば、働き方改革、女性に優しい職場、ダイバーシティです。

先輩方が職場復帰することについてはA子は特段問題は感じていないのですが、まあ、とりあえず、マネージャーへの道、つまり上は詰まりましたので、昇進するのは少し大変になりました。

100歩譲って、なかなか昇進できなくなったことは仕方ないと考えても、譲れないことがあるそうです。それは。。。。

  • 復帰ママたちが、徒党を組んで、若手女子を見ている
  • 復帰ママたちが、宿泊を伴う出張に行かないので、遠方施設は全て若手に回ってくる
  • お子さんを突発的に保育園に迎えに行くので難しい仕事が若手に回ってくる

A子はその部署では数少ない、英語のできる人材なので、仕事がどんどん回ってきて、さらに増えたそうです。マネージャーを狙っていたA子にとっては、

  • 突然直上に現れた、産休明けの先輩方
  • 突然出張や難しい仕事が回ってくる
  • マネージャーへの道が遠くなった

ということが、色々と降って湧いたように起こりまして、転職を考えるに至ったのです。

A子はその会社とその部署では期待されていただけにもったいない話ではあります。

解決策はないのでしょうか。
→あります。

復帰してきた方が、昇進昇格関係ない宣言をすれば良いのです。つまり後から入社して経験も浅いA子が自分たちのマネージャーになったとしても、それで良いと思ってもらえば、それでよくないですか。

これこそがまさにダイバーシティだと思います。

昇進昇格しない宣言
自分より経験の浅い人がマネージャーになっても構わない宣言
出張しないけど昇級しなくて良い宣言
難しい仕事しないけど昇級しなくて良い宣言

こういう道を会社が作れば良いのかと思うのですが、でもなかなかうまくはいきません。

つまり、ダイバーシティ、働きやすい職場によって、思い描いていた自分のキャリアパスが変わったA子は、転職を決意するのです。

ダイバーシティ謳う製薬会社で、女性にとって働きやすいとされる企業にお勤めの女性の方、転職しましょう!!!!!

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