エージェントって、誰でも良いとは言わないですけど、ある程度付き合いのある人なら、その人で良いと思います。
なんか、仰々しくウェブサイトを作っているエージェント会社や、大手で担当者がたくさんいるようなエージェントは、よくわからんと思います。
誰か見つけて、ある程度付き合えば良いのかと思います。なんとなく、長く連んでいれば、良いかなと思います。1人というのも不安なので、そんな人が数人居たら良いのでは無いでしょうか?
誰でも良いですよね。普通の人なら。
ただ、大手の情報量も気になるところですよね。メールで案件だけくるように設定とかできれば、それで情報だけゲットできるような感じにしておけば良いかと思います。
情報が入ったら、いつも慣れているエージェントさんに、「こんな案件ありますか?」みたいに聞いてみるのが良いと思います。
例えば、すごく有名な高級な寿司屋とか、口コミグルメサイトを見て評判の良い寿司屋を探す、なんていうことよりは、普通にそこそこの寿司屋に通った方が良い、なんて話はよくありますよね。
なんか、それに似ている気がするのです。
最近は全然行ってないのですが、よく行く寿司屋があったのです。それほどゴージャスではなく、かといって、安っぽくもない、普通の寿司屋でした。
ガラッと、引き戸を開けると、大将が元気に迎えてくれる、そんな寿司屋です。
そこの寿司屋では、もう常連なのです。
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ある疲れた日
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ガラッと引き戸を開けました。
大将は、僕の顔を見るなり、「なんか疲れてる?」と聞くのです。そのあと、梅シソと鰯のツマミを出してくれました。何も注文していないのにです。
その後、梅シソ効果で食欲が出てきて、普通に寿司を一人前食べました。ただ、酒は飲みませんでした。大将は、一応、お湯割りでも飲むかと聞いてくれたけど、そういう雰囲気でもありませんでした。
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お腹が空いた日
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ガラッと引き戸を開けました。
相変わらず、いつもと変わらない元気な声で、大将が迎えてくれました。僕の顔色を見て、
「もしかして、お腹空いてる?」
と聞いてくれたので、何も言わずに、ただ小さく首を縦に振りました。そうしたら、とりあえず、刺身出してくれて、その後に、色々と握ってくれました。もちろん、こちらの懐事情もよくわかっているので、値段もいつも払うくらいに勝手に調整してくれます。
どんどん食べて、ビールから日本酒に移りますが、3合くらい飲んでいると、フィニッシュの梅シソまき出してくれます。もう、そこでやめておけ、という意味なのです。
そうでもしないと、僕の場合、目の前に出てきたモノはどんどん食べてしまうからです。大将はそれも知っているのです。
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お腹がいっぱいの日
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お腹がいっぱいなら、普通は寿司屋なんかに行かないですよね。でも行ってました。
ガラッと引き戸を開けました。
「悪いけど、メシ、食ってきた」
と、伝えます。そういうことも、通ってれば、言えますよね。初めて行く店だとかなり失礼かもしれませんが。通っていてお互いを知っているので、ある程度のことは言えるのです。
そうすると、大将は軽いツマミを中心に、ウイスキーのロックを出してくれるのでした。いちいち、何も注文しなくても、そういう感じで出してくれます。
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女性が一緒だった日
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仕事の絡みで、女性も一緒で飲みに誘ったりすることもあります。ていうか、そういうこともありました。
ガラッと引き戸を開けました。
大将は、いつものように、僕に色々と話しかけることはなく、ワイングラスにロゼのシャンパンを女性に出してくれて、サーモンのちょっとおしゃれに切ったツマミと、オリーブみたいな、よくわからんけど、ちょっとイタリアンっぽい感じのを女性に出してくれました。
僕には、焼酎を出してくれました。
僕に色々と話しかけるわけでもなく、一緒に行った女性の好みを色々と聞いてくれました。なんとなく、その店に来てよかった、と思うのでした。
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ここの寿司屋なら、何か考えなくても、ガラッと引き戸を開けて、僕の状態や、僕の状況を見て、それに合ったものを出してくれるのです。
わざわざ、Googleマップの口コミとか見たり、色々な口コミサイトとか見たりして、評判の良いところに行くよりも、僕にとっては、それ以上の寿司屋は無いのです。
エージェントって、こういうものかと思います。
その人の状況を見て、と言っても、実際は電話とかで話を聞いてですけど、バックグランドとか、色々と状況を聞くと、大体、こんな感じのことを望んでいるのかな、と、わかります。
何も、いつも給与が高くて良い会社を望んでいるわけでは無いのが、人間の奥深いところです。今までも、給与がダウンでも良いから、楽なところ、という要望は、結構ありました。
転職というか、ただ辞めたいのかな?? というのも大体察しがつきます。候補者の人は、そうは言わないので、こちらから、ちょっと聞いてみると、図星だったりします。
色々な状態や、状況で、要望も変わるし、そもそも、要望そのものが何なのか気づかないでいる場合もあります。そういう時には、話して、こちらから色々と質問しているうちに、うっすらと出口が見えてきたりします。
それは、候補者サイドだけでなく、クライアントにも言えることです。実はエージェントというのはクライアント向けのサービスなのです。実際大事なのは、クライアントです。これいうと、候補者から嫌われるかもしれませんが、事実としてクライアント向けのサービスであることは間違いありません。
ただ、エージェントは、成約、つまりPlacementが無いと、お金が発生しません。Placementが成立するためには、候補者が良い状態であることが必要で、なおかつクライアントから望まれる人物像であることが不可欠になるのです。
ですので、候補者とのコミュニケーションは、とても大事であることは、間違いありません。候補者が大切なのです。
誰でも、右から左に動かせば良いというものでは無いのです。
間に入り、候補者とも、クライアントとも、スムーズにプロセスを運んでこそ、placementが発生しますので、そこを目指します。
なんか、一生懸命に、評判とか口コミサイトとかを見て、どんな人かもわからず、誰が出てくるかわからんようなエージェントの担当者に会うよりも、昔から知っているおっさんと話した方が、色々と話もうまく進むのでは? と思うのです。
エージェントをその企業のホームページか何かで選ぶとか、ネットの口コミを見て選ぶとか、そういう行動パターンそのものが、もう既に間違いです。
もちろん、なんか、しょうもない会社はダメですけど、ある程度のエージェントなら、あとは人と人かと思います。
大きな組織のエージェントは、常にKPIに追われています。
そりゃそうです。
あれだけの広告を打つのに、一体いくらかかるのか?
それから、エージェント向けの媒体をたくさん使うのにも、経費がものすごくかかります。
会社として、それらの莫大な経費を回収するのは、もう、成約しかないのです。
エージェントというビジネスはsales orientedですので、成約がなければビジネスはゼロです。成約のないプロセスは残念ながらカネになりません。シビヤなビジネスですよね。
そして製造業ではありませんので、何も作っていません。
大きなエージェント企業の中の人たちは、きっと、KPIの管理が大変かと思います。KPIの管理というのは、具体的に言えば、1日何人と面談しなければならないとか、何人から履歴書をもらわなければならないとか、何人の応募手続きをしなければならないとか、そういうことです。
そういうKPI追われていれば、当然、候補者との話に時間なんていちいちかけていられません。
とにかく、時間がない人は、嫌ですよね。
なんか、焦っている感じの人は、無理ですよね。
なんか、話しても、響かなかったり、そっけなかったり、急いでいたりしてたり。よくわからんまま、とにかく応募するように勧められたりというのは、KPIでそのエージェントさんの給料も変わってくるからだと思います。そういう人に会ったときは、きっと、エージェントってクソだなという感想を持つのかと思います。