サノフィのパイプラインの追加
サノフィが最近、ここ数年注力しているのは、オンコロジーや免疫ですね。ただもちろん、サノフィといえば、糖尿病領域の地位を捨てるわけにはいきません。と言うことで数日前に、インパクトのある買収がありました。
Provention Bio社は、自己免疫疾患や糖尿病などの疾患の治療法の開発に焦点を当てており、自己免疫疾患の予防を目的とした研究開発を行っています。特に、1型糖尿病のパイプラインがあり、サノフィは数日前に、Provention Bioを買収しました。1株当たり37ドルで取得することで合意したと言うことですので、この買収にかかる費用は、約2億5000万ドル(330億円くらい?)と報じられていますので、まあ、サノフィにとってはちょっとしたパイプラインの追加?でしょうか。
ただ、これは患者にとっては相当インパクトがあるのでは?と思ったりします。糖尿病といえば、メタボという感じもしますが、1型糖尿病は子供にも多いですし、知らなかったのですが、大人にも発症するとか。Provention Bioが、研究開発資金が潤沢になれば、一層この1型糖尿病の薬、Teplizumabなどなどが世の中に早く出てきますよね。
ファストトラックの1型糖尿病の薬
Teplizumabは、これまたマブ製剤で、免疫関連ですが、FDAのファストトラックになってます。開発のスピードアップが期待されますね。Provention Bio社は、Teplizumabの他にも、1型糖尿病のパイプラインがあるので、さらにこの分野の治療薬の選択肢を患者さんに届けることができるよいうになるということですよね。
TeplizumabのProvention Bio社は本社がニュージャージーにあるようですね。まあ、Greater NYCと言えなくもないですけど、微妙な地域でしょうか。Cityから離れていますから、街はきれいでしょうね。東海岸のこの辺りって、特徴ないですよね。ビーチもなんか寂しい感じですし。人の少ない海岸線から海を見ていると寂しくなります。近くには行ったことあります。
Co-FounderであるAshleigh PalmerさんはUK出身ですね。業界のベテランで、会社をいくつか作ったり、長くてしっかりとしたキャリアのある方ですね。最初の会社はバイオ企業でバクスターに買収されて、次の会社がなんとIKARIAのファウンダーですね。今のマリンクロットですよね。IKARIAは日本上陸時に結構人を送り込んだので、感慨深いです。アイノフローという、デバイスのガスがあって、NICUで肺高血圧症で使いますね。エアウォーターが売っていたりして、また、ガスなのに薬価収載されているとか、色々と特殊な会社でした。まだありますよね。アーク森ビルにありましたね。IKARIA5年くらいいて、その後にプライベートカンパニー2社くらいを経て、2015年くらいからProvention Bioですね。いやあ、なんか、サクセスストーリーですね。
もう一人のファウンダーのFrancisco Leonさんは,MDで PhDですね、学歴がマドリードなので、スペイン出身なんでしょうか。と言うことは、このProvention Bioはヨーロッパ人によるアメリカのファーマ企業ということになるのですね。流石です。まあ、面白いですよね。時を同じくして、2016年頃からProvention Bioですね。Co-founderなので、時が同じなのは当然といえば当然ですけど。
2型も辛いですけど、1型糖尿病は、まあ、辛いですよね、聞いただけで。子供とか。ただまあ、インシュリン投与が不要になるというところでもないそうですけど。早期のType 1糖尿病の治療において、病気の進行を遅らせることができると考えられているとのことです。特に、高リスクの患者に対する治療において、糖尿病の発症率を大幅に低下させる効果が報告されているらしいです。
糖尿病で早期発見って、ちょっと、まあ、慢性疾患のイメージがあるので、なかなかイメージがつきにくいですが、1型の場合はあるんですね、そういうのが。
これで、世の中の慢性疾患に対して、色々とバイオ製剤が出てきましたね。喘息も、アトピーも。そして糖尿病もですね。他にもありますかね。
サノフィは、まあ、昔に比べると、今は結構給与とかも渋いですよね。。。。日本の話ですよ。
リストラももう、ここ10年の間に、何回やったかわからないくらいです。流石に、もう、古い人もいなくなりましたかね。昔はプラビックスは勝手に売れて、アレグラも春になると勝手に売れて、先生に言うことも「眠くなりません」以外に特段無くて、MRはそれでハッピーな生活を送っていましたよね。
サノフィは注力しているエリア戦略も、オンコとか免疫とか言って、ジェンザイムがやっているのですが、サノフィ本体はやっぱり糖尿病ですよね。なんとなくですが、仕方なくやってたりして?? そんな事はないかと思いますが、このProvention Bioに関しては、もう、サノフィに買収されるために開発してきた企業という気がしてなりません。300億円強の買収で、そんなにインパクトもないかもですが、今後の戦略には必ず利益をもたらしそうですよね。
他に、これからどんな薬が出てくるのかといえば、こんな感じです。
医薬品名 | 作用機序/種類 | 治験のフェーズ | 会社名 |
---|---|---|---|
Abatacept | T細胞共刺激阻害薬 | III相 | Bristol Myers Squibb |
Insulinoma-associated protein 2 | 膵島細胞腫関連タンパク質 | 未設定 | 未設定 |
Basiliximab | IL-2受容体拮抗薬 | 既存薬 | Novartis |
エデト酸カルシウム(EDTA) | キレート剤 | 未設定 | 未設定 |
オレンシアとかありますね。あと、Basiliximabもすでに承認された薬ではありますよね。それを1型糖尿病に使うということなのですね。なるほど。ググると、オレンシアはもう昔から1型糖尿病の進行を遅らせる効果が認められていたようです。知りませんでした。
画期的な薬が早く世の中に出てきて、特に子供が助かることを願っています。