皆様いかがお過ごしですか。なぜかこのブログで度々登場する、豚の腎臓。

何も、そこにフォーカスしているわけでもないですが、たまたま最初に記事にしたら、ポツポツ続報が出てくるので、それで今までに数回、紹介しているということになります。

過去の投稿は、こんなんです。

執刀医は日本人の先生です。

で、今回も、その豚の腎臓を扱うeGenesisからのupdateがありました。

で、ここまで来れば、乗りかかった船じゃないですけど、今回のupdateに関しても、紹介できればと思いました。

2026年9月4日(現地時間)夜、異種移植(ゼノトランスプラント)開発を競う数社のうちの一角を占めるバイオテック企業eGenesisが、大きな節目となる発表を行いました。このブログに登場うる会社ですよね。

同社の遺伝子編集ブタ腎臓を移植された最初期の患者2名が、いずれもその後、人間ドナーからの腎臓移植を受けることに成功したというものです。

一旦豚の腎臓を移植しておいて、その後人から移植してもらった。ということですね。

ブタの臓器を人体に移植する研究では、「移植したブタ臓器を後で摘出した場合、患者の体内に抗体が作られて、その後の人間同士の移植を難しくしてしまうのではないか」という懸念が長らく存在していたそうです。

eGenesisは霊長類での実験からこの懸念は当たらないと予測していたが、今回、実際の人間の症例でそれが裏付けられた形になります。

「271日」

この発表を補強するように、同じ9月3日にはハーバード大学医学大学院・マサチューセッツ総合病院(MGH)のチームが、権威ある医学誌The Lancetに詳細な症例報告を発表ししました。

患者さんのティム・アンドリュース氏(移植時66歳)は2025年1月に遺伝子編集ブタ腎臓を移植され、透析なしで271日間生活したのち、2026年1月に人間ドナーの腎臓を受け取ったのです。

これは生体へのブタ腎臓異種移植として最長の透析離脱期間であり、かつ人間の腎臓移植への「橋渡し(ブリッジ)」に至った初の事例とされます。

なお、生体への世界初のブタ腎臓異種移植は2024年にMGHで行われたが、(上記の関連記事ですね。このブログの。)その患者は移植後52日で、移植とは無関係の心臓由来の原因により死亡しています。

今回の271日という数字は、この分野における明確な前進を意味することになります。

一直線に成功したわけではない。

両症例とも、医師団は最終的にブタ由来の腎臓(ゼノグラフト)を摘出し、患者は人間の腎臓が手に入るまで数か月間、再び透析に戻らざるを得なかったとのことです。すぐやったんじゃないんですね。

それでもeGenesisのCEOマイク・カーティス氏は、「最終目標はブタ腎臓を提供し、患者がもう二度と(透析に)後戻りしないことだ」としつつも、患者が透析から解放される期間を持てたこと自体に大きな価値があると強調しているみたいです。

同社の臨床試験における主要評価項目は「6か月間の透析離脱」であり、これは臨床医・患者・米FDAのいずれもが意義あるものと認めた基準ということになります。

人間同士の腎臓移植でさえ生着期間には限りがあり、いずれ再移植が必要になるケースが多いことを踏まえれば、ブタ腎臓を「一時的な橋」として活用する発想には合理性があるということです。

そもそもブタ腎臓の人体移植というプロジェクト全体を突き動かしているのは、深刻な臓器不足ですよね。

移植を必要とする人の数に対して提供される人間の臓器は圧倒的に足りず、順番を待つ間に命を落とす患者は少なくないです。

そこで、eGenesisはブタに69か所もの遺伝子編集を施し、拒絶反応の原因となる遺伝子を不活化するとともに、ブタ由来ウイルスのリスクを抑える設計を行っています。(競合の United Therapeutics は10か所の編集にとどめる異なるアプローチを採る)

今回の成果はこの技術の実用可能性を裏付けるものだが、課題も明確とのことです。

ボストン・グローブの報道でMGHの医師モリガン氏が指摘するように、「今後の主要な論点は、コスト、ゼノグラフトの供給量、そしてこれをいかに安全に拡大していくかだ」。

異種移植はいまなお実験段階にあり、恒久的な治療法(destination therapy)としての地位を確立するには、長期的な安全性と耐久性の検証が不可欠となるとのことで、まあ、そりゃそうですよね。

今回の一連の発表は、異種移植が「SFのような構想」から「実臨床で機能しうる橋渡し治療」へと着実に歩みを進めていることを示しています。

日本においても、透析患者数の多さと腎移植ドナー不足は長年の医療課題であり、この技術がもたらすインパクトは決して小さくないです。

日本は臓器移植そのものへの社会的合意形成に時間を要してきた歴史があり、異種移植についても倫理面・感染症対策面での議論が今後本格化するとみられます。

国内の製薬・バイオテック企業や医療機関がこの分野でどのようなポジションを取るのか、また規制当局がFDAの動きにどう追随するのかは、今後のMedical Affairs領域における重要な観察ポイントになるとのことです。

臓器不足という課題は日本にも等しく重くのしかかっていますので、この分野の海外動向を継続的に追っていく価値は高いですね。



最近、数人、MRから未経験のMSLへの転職例を弊社でサポートしております。ご興味のある方、お問い合わせください。

大体の例は、薬剤師、理系PhDのバックグランドのあるメーカーMRから、CSOのMSL正社員です。気になるのは、勤務地、そして給与。勤務地は大体東京で固定です。大阪でもOKだと思います。心配な給与ですが、予想よりは高めです。一体、どんな例で、ズバリいくらだったのか、口頭レベルでの情報共有は可能です。まあとにかく、数字も追わなくて良いですし、クリエイティブな活動ができるかと思います。しかも正社員です。お問い合わせください。

子育て中のMRの方で、勤務地も給与も叶える例も、結構あります。勤務地、給与がOKでも、仕事の内容は大切かと思います。そのあたり、率直に伺えればと思いますので、ご連絡いただければ。

MSL求人 (CSOでの正社員) 転勤なし