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医薬品の研究開発職に関する私観

研究開発に携わる人たちのモチベーションはどのように保たれ、インセンティヴはどのように決定すればよいのでしょうか。

研究開発職のヘッドハンティング、転職ももちろん僕は扱っています。リクルーティングという意味ではプロフェッショナルですが、実際のインダストリーでの経験は、営業と経営企画なので、基本的に営業畑です。このような僕でも、R&Dの候補者に接するうえでは、いろいろと考えるところがあります。

よく就活のセミナーなどで、医薬品業界について必ず言われることですが、医薬品の開発には10年100億とか言われますよね。実際に最近では10年以上、100億円以上かかりますね。MRは上梓後の医薬品、つまりコマーシャルサイドに関わるわけですが、そこでとりあえず、新発売後スタートダッシュの結果を求められるリードタイムは半年、そして1年でしょうか。つまり、新発売後半年以内には新規件数や説明会回数などを追われ、1年後には物量やグロスを追われることでしょう。さらに製品として育てていくことになるわけですが、だいたい3年くらいたてば次の新製品にフォーカスをするような営業体制になっているかと思います。

このサイクル、プロダクトサイクルと言ってもよいかもしれませんが、結果を求めてインセンティヴに反映をさせようとするMR軍団、営業チームにとってはやりがいをキープするのに実はちょうどいい期間ではないでしょうか。これ以上だと間延びしてしまいますし、これ以下ですと急すぎます。MRは結果にフォーカスした職種で、またそれが好きな人々だと思います。

それに引き替え、出るか出ないか、薬になるかならないかももわからないような化合物を毎日毎日実験を繰り返しデータを取り、しかも間違えなどは許されない研究開発職は、同じ医薬品企業でも営業とはかけ離れた世界かもしれませんね。ほとんどが開発途中で打ち切りになるので、大きく膨らんだ期待をいかに落胆させないかと考えるだけでも大変です。そのたびに一喜一憂もしてられないでしょう。考えただけで大変な仕事で、営業畑の方々には耐えがたい毎日かもしれません。

そもそも、そのくすりはコマーシャルサイドの3年で結果を見るより以前に、10年以上も研究開発をされてきたのです。

そんな研究開発職のモチベーションにフォーカスした論文を見つけました。コーネル大学の学生によるものです。

Motivating Employees in R&D(http://digitalcommons.ilr.cornell.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1016&context=chrr)Ryan B. McAllisterCornell UniversityChelsea E. VandlenCornell University

内容は医薬品の研究開発職のモチベーションを上げろ、それにはこうしたらいいんじゃないの? みたいなことです。

そもそも医薬品の研究環境というものは、その他多くの職場とはかなり特異な状況であるということからスタートしています。

確かに、15年という開発期間を要する製品って、あまりないですよね。しかもそれだけの年月と150億円とかいう莫大な経費をかけているのに、ほとんどポシャるという特異な状況。そんな研究開発に従事している人のモチベーションを上げるには、独特なインセンティブや、環境整備が必要だと、この論文は言っています。

僕も考えてみました。たとえば、営業サイドによくあるような報奨金のようなものを出したらどうでしょうか。たとえば、毎日データを取って単純になりがちな仕事に違った方法を考えたら10万円。逆に毎日同じことを1か月やり続けたら「自己管理賞」で10万円。さらにチームを結束させるようなイベントを考えて実行した人には昇進を・・・・・・・だめですかね。

マサチューセッツ工科大学のダグラス・マクレガーが提唱した

セオリーX、セオリーY(http://en.wikipedia.org/wiki/Theory_X_and_theory_Y)

に準じれば、研究を加速させたい会社からの指揮命令はXに、さらにその状況下でセルフコントロールをして地道で必要な作業を継続することをYとすれば、Xをしなければならないマネージャーも、またそれを認識しつつもYに徹底する従業員側も、達成したらインセンティブに反映させることが必要になるでしょう。この価値はもしかしたら営業サイドの新製品コンクールで上位に入賞するMRよりも上かもしれません。

これを達成した後はさらに高度な欲求を満たす必要が出てきますよね。 そこで、超有名な論文ですみませんが、

マズローの欲求段階説(http://en.wikipedia.org/wiki/Maslow%27s_hierarchy_of_needs

によれば、人間の欲求は段階的に上級化していきます。つまり、仕事の上でアチーブメントがあれば、その次は自己実現欲求を満たす必要がでてくると。。これは僕が考えるに、「くすりで病気の人の役に立ちたい」的な、仕事の上でのモチベーションを超越した、何かちょっとヒューマニズム的なものになるかもしれません。

その域に達しちゃった人は、自己管理よりも、無理してでも発売に繋げたいということになるでしょう。その域に達することが、良いのか良くないのかは、別のテーマですね。

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About Kenichi Yamazaki
Recruiter for Healthcare companies since 2007. Graduated Meiji University. Work at Nikken Chemicals, Kowa pharmaceuticals as a MR. Join SUNY Stony Brook Incentive English Center 2 years. Upon 2007, Recruiter for over 10 years. From 2017, Located Bangkok.

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