ある外資の会社の中がぐちゃぐちゃになっています。その会社の人々が私に会いに来ると、異口同音に会社の方針への不信を言います。みんなそう思っています・・・みたいに。
でも、みんなって誰だろうと、MRだけをとって、みんなと言えるだろうかと、私は思います。
その会社の人たちに、言いたいです。
たしかに製薬会社の組織はボリュームから言うと圧倒的に営業部門の人数が多いです。つまり単純に人員構成だけで円グラフを作れば、営業部門、MRの面積が圧倒的に多くなるでしょう。例えば大手では1000人以上MRが居る会社がたくさんあるわけですから。
しかしながら、数の多さが影響力の強さではありません。
MRをやっていると、本社の他部門のことはよくわかりません。マーケティングや学術などコマーシャルサイドのポジションならまだ何となくわかるものの、その他の部門になるとほとんど別会社のような感じさえします。
現場で医療従事者に会い、上司や優秀な若手は大学病院の教授やKOLに会い、自社の主力製品に関連するKOLやその領域の権威の先生などと実際やりとりをしていると、なんだか会社を代表している気分になります。もちろん、representativesというくらいですから、会社の看板を背負っているという気概は必要なのですが、当然のことながら会社 は営業部門だけで成り立っているわけではありません。
営業畑で大活躍をしてきて、あらゆるKOLとも顔が効くような、部門全体で3000人の組織の営業部長と、まったくドクターなんかを知らず、ましてやあまり薬のこともよく知らないような部門全体で10人程度の組織の経理部長が居たとします。なんとなく、営業部長の方が会社の方針などに影響力があるように思うかもしれませんが、この同じ部長同士なら同等でしょう。人事部長も総務部長も然りです。
現場も知らないような本社の奴が何を言っているのみたいに思うMRの方々も居るかもしれませんが、会社というのはそういうものなのです。ですので、まるで別会社の人々が考えて行うことなんて、わからなくて当然ですよね。わからないのが普通です。それで良くないですか。
知っていると面倒だったり、不幸だったりする場合もあります。知らない方がすっきりして健全でいられる場合もあります。会社の方針なんて、知ったこっちゃないという姿勢でも悪くはないと思いますよ。
製薬会社も営利企業ですから売上予測が大事で、ひいては株主への還元が最も大切なのです。こういう言い方をすると生命関連製品を扱う営業としてはピンとこないかもしれませんが、会社である以上、投機筋や投資家への配慮、予測などをする部門は会社にとって鍵かもしれません。場合によってはこのような経営戦略の人々の決定でMRのリストラなどが行われるわけです。
利益が上がらない組織は株主への説明がつかなくなります。株主を納得させるためにはリストラもやります。これは資本主義であれば当然ですよね。
なんとなく、みんなリストラや人員整理に敏感すぎる気がします。むしろ、良いチャンスではありませんか。それをきっかけに転職したり、違うことを始めたりできますよね。違う環境に行けばまた新しい発見もあるでしょう。リストラや人員整理を必要以上に悲観することは無いかと思います。