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オンコロジー担当者 という「幻想」

個別化医療、アンメットメディカルニーズ、がん免疫治療、2人に1人は罹患、高い専門性、たくさんある開発パイプライン。

今オンコロジー領域を担当したいMRが沢山います。ところが現状でオンコロジー領域を担当しているMRがなぜオンコロジー担当者になったかといえば、偶々入社した会社にオンコロジー領域がありなおかつその部署に偶々配属になったり、或いは社内の部署の再編でたまたま抗がん剤を担当することになったというケースが殆どです。たまたま配属され数年経験しベテランになった人は転職市場でも現状は価値のある人材です。もちろん、仕事もできる人も居ますが、オンコロジーを担当したのは偶々というケースが多いので、当然その中には普通の人や普通以下の人も居ますよね。

ジョブセキュリティの観点で言うと、偶々オンコロジーを経験した人は、プライマリー領域担当MRよりはリストラのリスクは低いです。

仕事ができるMRは、どんな領域であれ会社からは必要とされる人材だと思いますが、普通のMRならオンコロジー領域担当者のほうが安全と言えます。

昨今、とりあえずオンコロジー領域MRに「なりたい」、「なっとけ」といという人々が殺到しています。なんとかしてオンコロジー領域を経験しようとしているMRが沢山居ます。しかしながら、それはなかなか難しいのです。なぜでしょう。

理由:オンコロジー領域経験者しか採用しない

企業でオンコロジー領域の新製品が発売になり、人材を採用するとき。また、新製品はないけれど欠員補充や増員で人材を採用するときもそうですが、原則的にオンコロジー領域経験者しか採用しません。最近、数件免疫オンコロジーの製品の新発売や、あるいは既存のオンコロジー領域の欠員補充などで幾つか企業の募集案件が登場しました。ところが、そもそもオンコロジー領域経験者は業界では限られています。前述の「偶々」オンコロジー領域に携わった人々がそのターゲットになるわけですが、さらにその中で転職希望者が居ることが必要で、さらにその中で希望の勤務地や給料に合致する必要があり、さらにそもそも面接に合格しなければなりません。企業側は領域経験者採用という原則を変えませんので、採用人数を満たすためには枯渇した領域経験者マーケットをさらにつつくことになります。仕事のできないオンコロジー担当MRであっても重要な1人です。その仕事のできないオンコロジー領域担当MRに転職することを説得し、その仕事のできないオンコロジー領域担当MRに現状より高い条件を提示して、その仕事のできないオンコロジー領域担当MRを獲得しています。「仕事のできるプライマリー領域担当MR」を書類選考で落として、「仕事のできないオンコロジー領域担当MR」を合格させているのが現状です。これを客観的に見ている領域未経験MRは、「ああ、俺もオンコロジー領域経験していればなあ・・・」と、思うことでしょう。

ただ、増額した条件で採用された後、その仕事のできないオンコロジー担当MRは、新会社でどうなるでしょうか。急に変身すると思いますか。

オンコロジー領域で人材が必要な企業は、無理やり何が何でも経験者を採用せずに、領域経験に関係なく優秀なMRを採用すべきです。その方がビジネスは後々うまくいくでしょう。もちろん最初は研修も製品を覚える事も大変かもしれませんが一定のプロセスを経ればすぐにキャッチアップできるはずです。

さて最近募集のあったとある企業ですが、結局オンコロジー経験者採用計画が未達におわり、代替策として領域未経験者を社内異動で賄ったそうです。そういうシナリオなのかもしれませんが、であれば、初めから外部からやる気のある優秀な領域未経験MRを採用した方が良かったのではないでしょうか。まあ、私のようなリクルーターにとっては、将来のオンコロジー候補者の母数が増えるのでそれはそれで良いことではあります。

実はそんな話を企業幹部としたことがあります。ある外資の製薬企業の外国人社長とあるイベントで隣のテーブルになり、

「おたくのオンコロジー領域に紹介したい優秀なMRが居るよ。ただし、オンコロジー経験ないけど、仕事はめっちゃするよ。」

と言ったら、ぜひ紹介してくれという話になりました。その後実際に紹介したのですが結果的に採用されませんでした。現場の営業部門や、また採用担当者にとってはとてもイレギュラーだったため、あまり良い印象をもたれなかったためです。その時は残念でしたが、領域未経験の優秀なMRでやる気のある人なら、採用されるべきだと思います。少なくとも、仕事のできない領域経験MRを仕方なく採用するよりは数倍も企業のメリットになるはず。

 

矛盾した採用ポリシー

オンコロジー領域の採用は、オンコロジー領域経験者。理由はオンコロジー領域はプライマリー領域やその他の領域に比べて専門性も高く仕事面でも高度だから。でしょうか。

であればオンコロジー領域人材の採用担当者も当然、製薬業界、オンコロジー領域を十分に経験し、高い専門性のある人でなければ、優秀なオンコロジー領域経験者をスクリーンする目がありませんよね。当然の事です。

ところが現状では企業側の採用担当者はオンコロジーどころか、製薬業界も経験がない人が殆どです。採用ニーズが発生するので社内の「採用担当者」を採用するのは良いのですが、突然異業界からやってきて、優秀なオンコロジーMRのスクリーンできるのでしょうか。MRを領域経験者に限って採用する予定なら、採用担当者も是非業界や領域の経験者であって欲しいです。というか、当たり前だと思いませんか。

誤解のないようにしたいのですが、私の個人的な意見は、「領域未経験でも優秀なMRなら採用すべき。優秀なら、違う製品でも領域でもMRとしてキャッチアップできるはずである。」というものなので、当然採用担当者も「優秀な人材採用の経験者なら、業界未経験でも優秀な人材採用の経験があれば、製薬業界でもキャッチアップできる」と思っています。ですので、採用担当者が異業界出身でもまったく構いません。

しかしながら、募集企業がMRの採用を領域経験者に限定するのなら、採用担当者も領域・業界経験者に限定すべきです。

ところがこれも難しいのです。というより、ほぼ不可能かもしれません。それは、そもそも製薬業界に「採用担当」というか、Talent Acquision、つまり採用のスペシャリストという概念が浸透していませんし、仮にあったとしてもその地位が他業界のそれに比べて低い感じがします。例えば、IT業界やコンサルティングファーム業界で採用担当、まして「Head of Talent Acquision」なんていうようなポジションは、「花形職種」と言ってもよいのです。それだけ採用が重要であるという認識のある業界です。ところが、製薬業界はそうではありません。もちろん優秀な採用担当者も居るので、そういう人の業界としてのポジションが上がるべきだと思っています。

企業側も候補者側もオンコロジー領域経験という幻想から覚めたほうが良いかと思っています。優秀な人が生き残りやる気のない人は去らなければならないという健全な状況になることが必要ではないでしょうか。企業側は領域未経験でもオンコロジー領域で採用して欲しいです。候補者側も安易にオンコロジーならいいやと思わずに自分の領域で「できる人」をとりあえず目指すべきで、転職の際も領域にこだわらないほうが得策です。

今後、各オンコロジー領域製品のパイプラインが製品化してきます。中には社内に現在オンコロジーの部隊を持ってない会社にも、オンコロジーのパイプラインがあります。このように活発になれば、採用も発生しますよね。そのときは、企業側は今までの採用の仕組みを変えるべきですね。

同時に、オンコロジー領域にも、もっと活況な争いがはじまります。さらなる競争激化が予想されMRも競争できるMRが必要になります。みんなそれが嫌でオンコロジーを目指す人が多いのですが、オンコロジー領域も近い将来そうなります。医師と膝を突き合わせて専門的な話をとことんしていく、、と言ったこが、あるにはありますが、そんなことより、数字を上げてくれる人。。。というのが重宝される時代がすぐそこまで来ているのかもしれません。オンコロジー領域とは、こうあるべきだ。。というような幻想は終焉を迎えるのでしょうか。

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About Kenichi Yamazaki
Recruiter for Healthcare companies since 2007. Graduated Meiji University. Work at Nikken Chemicals, Kowa pharmaceuticals as a MR. Join SUNY Stony Brook Incentive English Center 2 years. Upon 2007, Recruiter for over 10 years. From 2017, Located Bangkok.

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