アリアドのパイプライン

何年か前に武田はARBの新薬を出して辛酸を舐めました。7番手か8番手のこの製剤は確かに効能効果は優れているものの、その時すでにニューロタンのジェネリックが世界中に出ている後でした。当然売れませんでした。その後武田はプライマリーからスペシャリティへの路線変更が課題となったのですが、その中でもSGLT2の開発は辞めないという宣言をしたりしていました。まあ、その昔はアムジェンと組んで失敗したり、色々でした。最近はテバと合弁で武田テバがジェネリックを展開しております。ただ供給問題は絶えないようです。日本一の製薬会社が外国人社長を迎えて、OB達が怒ったりしていました。『大丈夫か武田薬品』という本は面白いです。先日ウェーバー社長と名刺交換しました。そのときには色々と改革をするとおっしゃってました。彼の中では日本一の会社でもグローバルでは10番以下なので改革という言葉が自然に出てくるのでしょう。今では武田はオンコロジーを中心にフォーカスし始め、循環器系の開発をやめています。それにしてもすごい方針転換ですね。ウェーバー社長は一通り武田の改革を成し遂げたらどうするのでしょうか。日本が気に入れば、武田を去っても日本国内に残り、日本国内の外資の社長に転身するかもしれませんね。今回の買収のアリアドはまさにオンコロジー中心のパイプラインを持っていますね。

ポナチニブ(wikipediaより) イクルーシグ(Iclusig)」

ponatinib  ポナチニブ (商品名 アイクルシグ Iclusig 以前の名称は AP24534)は、 ARIAD製薬(en:ARIAD Pharmaceuticals)が開発した慢性期慢性骨髄性白血病 (CML)およびフィラデルフィア染色体陽性(Ph+) 急性リンパ性白血病 (ALL) 治療のための経口薬で、多標的のチロシンキナーゼ阻害剤。2016年現在、日本では大塚製薬が国内製造販売承認申請を行っている[2]。

Brigatinib ブリガチニブ

今回の買収のハイライトのようですよ。今回の買収によって手に入れた製品として話題になっていて、アライアドの株価が急騰しました。ALK陽性肺がんに使うそうです。

ブリガチニブが17年前半に米国で承認される見込みで年間10億ドル超の売上が期待できるとしている。

アライアドのwebから引用すると、こんな感じです。

Non-small cell lung cancer (ALK) – Resistant
PreclinicalProof of ConceptPivotalApproved
Non-small cell lung cancer (ALK) – 1st line
PreclinicalProof of ConceptPivotalApproved
AP32788
これはアライアドの中でも最も最近開発された候補のようでうす。小細胞肺がんの薬のようです。HER2ですね。これもオンコロジーですね。売れそうです。
Immuno-kinase program
がん免疫療法ですよね。

 

これらのパイプラインが近々製品化され、2017年には米国でかなりの売り上げが期待できそうです。十分に今までのツケを回収できたら良いですね。さらに、これだけパイプラインが揃ったら、日本のR&Dはどうなるのでしょうか。まさか湘南研究所はどうするの?みたいな話になったときには、かなりの人材の整理がありそうな気がしますね。そして忘れてはならないのはiPS細胞の研究ですよね。どうなるのでしょう。何れにしても、業界をリードしている企業ですので成り行きが注目ですね。

 

 

 

 

 

ファストトラックの難病の薬

ドラッグラグ、デバイスラグは日本では当たり前でした。極端に遅かった例でパッと思いつくのは、経口避妊薬(ピル)でしょうか。アメリカから遅れること30年以上かかって承認されましたよね。そこまでではないとしても、例えば今が旬の抗体医薬などはどうでしょうか。2016年にアメリカでは7品目の承認がなされて居ますが、その中で日本で承認されたものは「トルツ」ただ一つですよね。

そんな中、難病で苦しんでいる人々がいつも待っているのが新しい薬ですよね。まだ治療法のない難病に日夜取り組んでいる、、なんだか製薬会社のCMのコピーみたいですけど、まさにそういう会社や研究者はたくさん居ます。

希少疾病で難病のSMA[Spinal Muscular Atrophy]脊髄性筋萎縮症(指定難病3)の治療薬開発に取り組んできたのがIonis Pharmaceuticals(http://www.ionispharma.com/) です。アメリカではバイオジェンと提携して2016年にP3の段階で承認申請をFDAに提出して12月にはapprobvalというまさにファストトラックでの製品化になりそうです。そして2016年の12月12日のバイオジェン社のプレスリリースによると、日本でも承認申請がされたようです。FDAが承認しているところから考えて、日本でもスムーズに承認される角度が高いです。本当にこの早さは、同時にこの治療がそれだけ待たれて居たということなのだと勝手に思ってしまします。

脊髄性筋萎縮症という病気がこの世にあるとわかったのは意外と古いそうです。患者本人はもちろん、家族、親戚、医療従事者、患者を取り巻く全ての人にとって治療法が待たれていたのは想像できますし、またその苦労を考えると計り知れないものがあります。こういう薬を開発する会社はまさに社会に貢献していると感じてしまいます。もちろん、糖尿病や高血圧の薬も必要で患者にとっては大変なことだとは思いますが、希少疾病の治療薬は本当にドラマがあるような気がしてしまいます。この病気に関してはhttps://www.togetherinsma.com/こちらのサイトで詳しく解説してあります。

 

以下は、drugs.comからの引用です。(https://www.drugs.com/history/spinraza.html) この日程を見ると、ファウトトラックということがわかりますよね。ヌシルセンナトリウムの承認プロセスですね。

Spinraza Approval History

  • FDA approved: Yes (First approved December 23rd, 2016)
  • Brand name:Spinraza
  • Generic name: nusinersen
  • Dosage form: Injection
  • Company:Biogen
  • Treatment for: Spinal Muscular Atrophy

Spinraza (nusinersen) is a survival motor neuron-2 (SMN2)-directed antisense oligonucleotide indicated for the treatment of spinal muscular atrophy (SMA).

Development History and FDA Approval Process for Spinraza

Date Article
Dec 23, 2016 ApprovalFDA Approves Spinraza (nusinersen) for Spinal Muscular Atrophy
Oct 28, 2016 Biogen’s Regulatory Applications for Nusinersen as a Treatment for Spinal Muscular Atrophy Accepted by FDA and EMA
Sep 26, 2016 Biogen Completes Rolling Submission of New Drug Application to FDA for Nusinersen as a Treatment for Spinal Muscular Atrophy
日本において、この病気で苦しんでいる患者さんにとって朗報になったら素晴らしいですね。またこういう医薬品を扱う仕事に携わっている方々はとても社会的使命を感じながら働いているのかと思います。
またまた例のごとく、ご興味のある方、ご連絡くださいませ。

人材に投資しない企業に流れる飲み友達

企業はなぜ中途採用をして人材が欲しいのでしょうか。複数の理由があるかと思います。外から優秀な人材を取りたい場合、業務が拡大して人材が足りない場合、欠員が出てしまった場合などです。

外から優秀な人材を取りたいというのは、ある意味企業であれば常です。競争力を高めるには優秀な人材が必要です。逆説的には競争力の無い人材には辞めてもらいたいのです。

業務拡大というのは製薬会社であれば、例えば新薬を控えている時などです。特にその会社で今まで経験していない領域での新薬となれば、外から経験者を採用したいということになります。莫大な開発費を投じた新薬ですから、企業としては失敗できません。失敗しないためには、ただの人数合わせではなくて、優秀な人材が必要です。

この優秀な人材というのは、所属企業でも評判が良くて数字も良くて将来を期待されているわけですから、引き抜くのは大変です。給与はもちろん、満足のいく条件を提示しなければなりません。条件にも限界があるわけですがから、採用企業としてはそのリアルバイトが常に生じるわけです。

条件提示をする体力のない企業は結局お金をかけられないわけですから、ただの人数合わせをせざるを得ません。ただの人数合わせというのは、例えば社員紹介です。社員紹介のシステムによって大量に採用した企業の中身は酷いとしか言いようがありません。最近もありました。ある診療科での専門薬が新発売となるために、その診療科の医薬品の経験MRを全て社員紹介で集めた会社。声をかけるのも、仲良しや飲み友達レベルです。麻雀の面子集めや、バイトの頭数そろえているのと同じです。コンピテンシーも何もありません。人数合わせで集まった人々が、入社後に活躍できるかどうかは、簡単に想像できますね。

人材の獲得にしっかりとお金をかけているかどうか。優秀なMRであれば、そこは見て居ます。どんなに魅力的な新薬が発売される企業であっても、人材にお金をかけようとしない姿勢は、その後何かがあった時に簡単に人を切るだろうという判断材料になります。人材獲得にちゃんとしたエージェントを使っているかどうか、企業を見極めるポイントです。

 

 

一方で人材側の理由はどうでしょうか。つまり、なぜ人が転職をするのかということです。上記のパターンに当てはめますと、いくつかに大別できます。

募集側の体制強化の場合、つまりヘッドハンティングです。優秀であるがゆえに声をかけられる。このような人は特に現状に不満はなく、むしろ優遇されている場合が多いです。それよりもさらに良い条件で移るわけです。その人はなぜ優秀になったのか。単純に、自然にその人が真面目で意識が高い場合もあるでしょう。また、そういう人材を常に意識して目指している人も沢山います。意識して声をかけられるような人材になろうとする人。こういう人はアンテナも張っているし、勉強もしているし、このしたたかさは企業としては欲しい人材と言えるかと思います。

また、そこまで優秀ではなくても、キャリアアップや転職になんとなく興味を持っている人。こういう人も大いに可能性あります。エージェントなどからアドバイスを受けて、キャリアアップのチャンスがあれば狙っている人です。

この、優秀な人やアンテナを張っている人は、だいたい、長くても5年くらいたちますと転職します。40歳になる前に、2回か3回は転職をしているでしょう。

40歳を超えてなおかつ転職回数が多ければ、その後の転職は難しいと思うかもしれませんが、確かにそうです。しかしながら、転職の時にはだいたい以前よりも良いポジションにつくことが多いので、リストラされにくいベテランになっていることが多いです。

一社に長く居て、部下もなく、そのまま過ごしてきた方は同年代の転職経験者よりもリストラされやすいです。昨年は本当にリストラが多い年でした。20年近くも同じ会社にいて、リストラで転職を余儀無くされている人。20年近くも転職してない方にとって、今更面接で「キャリアアップ」と言っても、違和感があるし、誰も信じません。「今までいた会社に居られなくなったから」これが理由ですよね。面接でどんなに誤魔化しても、経歴と状況から言ってすぐにわかってしまいます。採用企業としては、転職を余儀なくされている人材は魅力がありません。

こういう人材からも、当然転職の相談を受けるので、募集企業などをとりあえず伝えます。ただ、こういう方達とのやり取りはとても疲れます。

「定年は何歳ですか」・・・・知りません。調べればわかります。

「何人くらい受けて居ますか」・・・・想像しかできません。

「詳細を教えていただけますか」・・・・すでにお伝えして居ます。そのほかにどんな詳細でしょうか。

「研修期間はどのくらいですか」「転勤の可能性はありますか」

こういう感じの人。転職は無理です。ただ、無理もありません。20年近く同じ会社に居たわけですから、内容よりも入った後のセキュリティの方が気になりますよね。不思議なのは、入社したことを皆さん想定していることです。大体が、あっさりと書類選考で落ちてしまいます。何社か書類選考で落ちると、徐々に現実を知ることになります。

ただ、こういう転職がそもそも難しい人であっても、行けるのが社員紹介です。○○さんの紹介であの会社に入社した・・・というパターンです。仲良しや、飲み友達です。当然、社員紹介であったとしても、その人を直接知らない人事部も選考には加わりますが、そこはMRです。教授とのアポイントとでも思えば、その場を取り繕うくらいは日常茶飯事です。見た目はよく見えるし、言うことも立派です。こうして、社員紹介は進んでいくのです。。お金をかけずに集めた人材、それは選りすぐりではありません、寄せ集めです。

お金をかけずに集めた人材は、その後お金をかけずに捨てられてもおかしくありません。

ロモソズマブ 骨密度が明らかに上がる、骨粗鬆症の有望な新薬

新しい作用機序の骨粗鬆症治療薬が日本で承認申請されました。

ヒト抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤「ロモソズマブ」骨折の危険性の高い骨粗鬆症の治療薬として製造販売承認申請

 

骨吸収を抑えるだけでなく、骨破壊を抑え、骨密度の増量を促す、とても注目されている薬です。日本にはこの手の薬はまだありません。アメリカにおいてP3の結果を発表したのは、アムジェンとUCBです。

Results From Phase 3 BRIDGE Study Show Romosozumab Significantly Increases Bone Mineral Density In Men With Osteoporosis

日本ではアステラスとアステラスアムジェンの動き、情報が注目されていますが、UCBが絡んいることを知らない方も、実は結構います。

画期的な新薬ですが、例のごとく、薬価がどうなるのか。とても高くついてしまうと、また色々とありそうです。かと言って、低い薬価では開発者のモチベーションにも関わるでしょう。

何れにしても、患者にしっかりと提供されるのか。注目されるところです。

 

また、転職をお考えの方で、骨粗鬆症領域ご経験のある方、ぜひご一報ください。情報提供をさせていただきます。こちらまでどうぞ。

これ、売れそうですね!!!