マッキンゼーによると、現在高級コスメの中国市場が伸びていて、2025年には全世界の売上の40パーセントに達するということらしいです。
luxury consumerと題しておりますが、そもそも顧客がラグジュアリーになったのか、それともコンシューマーグッズの中のラグジュアリーブランドを指しているのか、一瞬戸惑いました。
コンシューマーグッズは、食品、日用品、趣向品などなど、多岐にに別れますかね。その中で、FMCGとラグジュアリーに別れるかと思います。
例えば、シャンプーとかボディソープはFMCG、シャネルの香水はラグジュアリーですよね。同じコンシューマー業界でも、中で働く人々の雰囲気はガラッと変わります。ただしリクルーターの観点から言うと、FMCGの会社も、ラグジュアリーブランドの会社もそこの従業員の給料はあまり変わらないです。
コスメは、他のコンシューマーグッズとは少し違うかもしれません。関連する法規が、薬事法(今は薬機法?)ですからです。医薬品、医療機器と、化粧品は薬機法管轄ですので、薬事申請や三役が必要になります。昔、とある有名外資系FMCGブランドの日本法人の薬事部長を、有名高級ブランドからヘッドハンティングをさせていただいたことがあります。同じ薬事でも、医療用医薬品とはだいぶ雰囲気が違いますよ。
さて、中国でコスメの売上が今後うなぎ上りのようです。特に資生堂などは大人気です。これは20年前にアメリカにいた時にも感じていました。当時の友人で、アメリカに住んでいる人々・・・というか、もう移住してしまっているアジア人に、資生堂が大人気だったからです。特にABCと言われる、アメリカで生まれた中国人の間では、大人気でした。
ちなみにABCの間では日本のアイドルや、変な話、日本のアダルトコンテンツが大人気でしたよ。まあ、彼らは見た目はアジア人というか、もろ中国人ですが、アメリカで生まれてアメリカで生きていかなければならない人々な訳です、逆にいえば。例えば、ABCの女子がABCの世界でアイドルになるということが、アメリカのカルチャーにおいてはあまりないので、そういう現象が起こるのです。中身がアメリカ人ですから、例えばAKBみたいなのは生まれないですよね。アジア独特かと思います。でもやってみたら、いけたりして? カリフォルニア48とか? いやあ、まず無理ですね。色々、ハラスメントとか、ポルノとか、人権問題とか、ストーカー被害とかが出てくるかと思います。やはり、アジアンカルチャーですね。
ブランド大好き
中国市場でうなぎ上りのコスメ。流行るのもわかる気がします。なぜかといえば、個人的な感想ですが、中国人は、ブランド大好きだからです。ブランド大好き、そして見た目はすごく気にします。例えばですが、リクルーターの目から見ても、日本で活躍している中国人の方もたくさんいるわけで。彼らは、日本語ペラペラ、日本の良い大学に留学経験あり、高学歴、そして当然英語もできるし、中国語はネイティブなわけです。そういう人とよく仕事で話します。
彼ら好きな企業は、個人的な感覚ですが、まず、有名企業です。しかも、その業界で有名というか、一般的に有名な企業が大好きなのです。例えば、給料が少し安くても、有名企業に行きたがります。その有名の定義ですよね。それは、繰り返しますが、一般的に名が通っているということになるのです。
例えば、安定して給与も高い優良企業で、B2Bがメインのビジネスであれば、一般人にはその社名は浸透しません。材料メーカーとか、サービス業でもエンジニア関連とか。そういう企業には、給与や待遇が良くても、中国の方はあまり行きたがらないのです。 一方で、例えばですが、有名企業といえば、何ですかね、コカコーラとか、ファイザーとか、アップルとか、ロレアルとかですか? そういう、コンシューマー的に有名な企業で働くことが、とてもステイタスのようですよ。私個人の感想ですよ。
ただしこれも、中国大陸出身の人と、海外で生まれた、あるいは海外生活名がない人では変わってきます。海外生活が長い中国の方は、そこまでブランドにはこだわらないような気がします。例えば、臨床開発の生物統計など、一般には馴染みはなくても給料の良い職業に、結構海外生活の長い中国の方が進出しています。数学が得意で、アメリカで数学で学位を取っている中国人が沢山います。なぜ、数学で学位を取るかというと、まず、海外では、数学の学部が日本よりも多いです。それに留学生は、あまり言語バリアを感じないですよね。数学ですから。数学の能力は、英語力とあまり関係なく勝負できますよね。ですので、アメリカで学位も取りやすいです。数学で学位を取ると、有利ですよ。今なら、デジタル、データ関連の職種は引き手数多ですから。
とにかく巨大マーケット
何れにしても、中国のコスメ市場が高まりを見せているのは、わかる気がします。購買力が上がれば、コスメの消費は上がりますよね。資生堂もウハウハですかね。仮に中国の富裕層と言われる人が、10%だとしても、日本の人口くらいのマーケットがあるわけですから、すごいことになりますよね。突然、日本と同じくらいのマーケットが現れるわけですから。もし売りげが停滞しているコスメ関連ビジネスがあれば、中国に争って進出しますよね。
コスメに付随するカルチャーについてはどう浸透するのか
しかしながら、カルチャーまで浸透するかどうかは、まだまだ微妙なところじゃないでしょうか。例えばラグジュアリーブランドって、歴史とかカルチャーがありますよね。追求しているライフスタイルとか。コスメもあるじゃないですか、そういうの。
例えば、コスメが追求しているカルチャーといえば、CM見ればわかりますよね。最近でいえばですね、ディオールですよね。とにかく印象的です。ナタリー・ポートマンが、なんかどこかの橋から飛び降りたりしますよね。
What would you for love?
と、問いかけていますが、これが顧客に対するスタイルの浸透ですよね。ディオールのイメージです。何も、ナタリー・ポートマンがディオールの香水を手にとって、これはとても良いです・・みたいに言っているわけではないですよね。こういうのは、中国のマーケットにひびきますかね?
まだ、同じアジアでも中国ではなくて東南アジアには響くと思いますよ。例えば、タイのロレアルのCM見るとわかりますけど、
なんとなくライフスタイルと、商品紹介の中間くらいを行っている気がします。綺麗なタイ人女優(Mei)が出てきて、色々と製品を紹介する感じです。何となく、これからもっとスタイル重視のCMがタイでも登場するかと思います。
中国では、どうでしょうか。中国の資生堂のCM見てみましょうか。
製品紹介と、女性が綺麗になりますよという、「綺麗になる」という主旨が強いですよね。ここからすると、ナタリー・ポートマンが橋から飛び降りるなんて、どこがコスメのCMなんだよと、思ってしまうと思います。まず所有して消費することが先ですよね。
今から、中国でのライフスタイル関連の市場に投資せよ 2026年以降に爆発する
マッキンゼーは、2025年にある種のピークが訪れて、中国での消費が世界の40パーセントになると言っているのでしょうか。ということは、2025年までは消費することがメインのマーケットが伸びて、それ以降は、カルチャーやスタイルに関わるビジネスが、中国で伸びるかもしれませんね。ライフスタイルのマーケットって、何ですかね。働き方とか?
広告業界も、2025年以降の中国では、製品紹介よりも、ライフスタイル紹介の方が流行りますかね。ということは、働き方改革に関するマーケットも同様に伸びると予想します。例えば、シェアオフィスとか、福利厚生のパッケージ会社とか、個人投資とか、そういうのです。
今から中国関連はそこらへんを仕込んでおきましょう。