MR辞めちゃった??

MRを辞めちゃったのは先日会った30歳手前のとある若いMRです。

誤解の無いように念のために申し上げますが、MRは素晴らしい仕事です。私自身もMRでしたし。常日頃から例えば若い異業界の営業マンが居て転職に悩んでいる時には、いつもMRへの転身を勧めていますし、また、もちろん現状MRの方々にも、オススメの企業への転職を毎日のように勧めています。MRは本当に素晴らしい仕事です。

ただし、MRだけが素晴らしい仕事ではありません。

前述の30歳手前の若いMRがMRを辞めて転職した先は外資系の医療機器メーカーの営業職でした。私の経験でも何人かMRから医療機器メーカーの営業職に転職した人がいます。お知り合いでも居るのではないでしょうか。

医療機器メーカーの営業職の仕事はドクターを相手にするところはMRに似ています。給料は会社により様々です。が、全体的に言えることは、高い人はMRより高くて、低い人はMRより低いです。言い方を変えると、ごくごく普通のパフォーマンスの営業マンならだいたい製薬業界のほうが高く、優秀な人は医療機器業界の人のほうが高い。

特に去年から今年にかけて製薬企業での大幅なリストラを見ていると、若い方々も将来が不安になったりするときもありますよね。MRを続けてそして40歳くらいになると早期退職の嵐になるのかなあと、若いMRも考えることと思います。特に30歳前のMRの方々は、医療機器メーカーへの転職も良いと思います。そこで医療機器メーカーへの転職について、私なりの今までのリクルーターとしての感想を羅列します。

医療機器メーカーは外資であればより営業部隊は本社に近い感じです。なぜならMRのように1000人以上も一つの会社に営業がいるような会社はなかなかありません。

医療機器メーカーはコンプライアンスが医薬品に比べると若干ゆるい感じがします。ただし当然ヘルスケア業界なので厳しいコンプライアンスはあるのですが、医薬品ほどではありません。ですので仕事をする上ではMRよりは若干フレキシブルかもしれません。

医療機器メーカーは、特に営業職は男社会です。もちろん特に外資系企業などはダイバーシティの兼ね合いで女性はウェルカムなのですが、まだまだMRに比べると非常に少ないです。

手術室に入るいわゆる立会いがあるのもMRとは違います。

安定していて、比較的収入が異業界よりも高いという点では医療器メーカーも医薬品メーカーに似ています。関係法が薬事法というのも同じです。

医療機器メーカーはジョブローテーションが医薬品メーカーに比べて多いような気がします。営業以外のポジションに移動するチャンスは医薬品より多い気がします。

MRから医療機器メーカーに転職しても、また医薬品のMRに戻れますし、そういう方はたくさん居ます。

医療機器メーカーに興味のある若いMRの方、連絡ください。

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MR 久しぶりの大量募集 MR

ここ最近では久しぶりにまとまった数の募集が、外資の製薬企業で予定されています。

詳細はお問い合わせください。

バイオテック・バブル!!  半年で $500万→$20億!! 

500万ドルが半年で20億ドルに? 夢なら覚めないでほしいですね。 バブルなら、はじけないでほしい。

その企業はこの6月10日(水曜日)にNYSEに上場を果たしました。

アクソバント・サイエンシズは11日の上場初日、株価が公開価格を99%上回った。同社は米国での新規株式公開(IPO)で3億1500万ドル(388億円)を調達していた。アクソバントは昨年12月、英製薬大手のグラクソ・スミスクラインからアルツハイマー病の治療薬候補をわずか500万ドルの前払い金で取得した。アクソバントの企業価値は現在20億ドル強とされる。(WSJ 日本語)

このところ、早期退職だのなんちゃら事件だの、ろくなことがないメガファーマに比べ、ここ数年目覚ましのがいわゆるバイオテック系ですよね。ギリアド、アレクシオン、バイオジェン、アムジェン、ジェンザイム、などなどなど、元気が良いのはバイオテック系です。しかも社員の給料にストックオプションがあったりして、製薬業界では大手にはほとんどない制度ですね。RSUという株式が付与されること自体が、ああ、IPOして間もないんだなという印象を抱かせます。また、この株価が軒並み上がっていますよね。

最たるところはギリアドですか。ギリアドサイエンシズのソバルディは5月25日に発売されるや否や大盛況ですね。予想はついていましたが。何しろ奏功率が100%近いデータがあるので薬価の問題もあるかもしれないですけど、ほとんどのC肝の患者さんは使うことになりそうな勢いですね。グローバルで第2位のマーケットである日本で勢いがよければ当然株価は上がりますね。

従業員の持つRSUの評価額も上がるわけです。そうなると自然に従業員のみなしの年収というか、資産も上がりますね。

500万ドルで手放した製品が、今や20億ドルです。では、売ってしまったGSKの立場ってどんなのでしょうか。失ったのか、どうなんでしょう。ただ、悔しいと思っていることは確かですよね。逃がした魚が大きかったのか、持ち腐れと思って人に安く売っちゃった製品が、知らぬ間に大きくなったのか。。ただでさえ売り上げに苦労しているので、もはや自ら手放したこの候補物質は垂涎の的なのかもしれません。これ皮肉ですよね。なにやってんの。。。。

アクソバント・サイエンシズ経営者のCEOのVivek Ramaswamyは、なんと若干29歳!!

半年前にGSKから開発中の1パイプラインを500万ドルで購入、スピンオフしました。品目はアルツハイマーの治療薬。もちろんまだ世に出ていません。折しもアルツハイマーはブロックバスターのアリセプトの特許が切れて市場ではそういえば跡継ぎが不在でしたよね。イクシロンパッチもブロックバスターまではいきませんね。同種同行品も少ない領域ですよね。考えてみれば、このある種メジャーな疾患、疾患数に対しては医薬品がすごく少ないですね。

ただしこの種の薬剤は治験がとても難しいです。何しろ当の本人に病識がない場合もあるわけで、治験には家族や身近な人物の協力が不可欠です。たとえば患者の表情一つにしても改善されればある種の効果判定につながったりするわけで。この症例数の確保もかなり難しいはずです。その巻き込まれたみじかな人物にも様々な制限がかけられるわけです。とにかく観察をしていなければならないわけですから、とても疲れますよね。身近な人物の役割をしている人が、仮に旅行でも行っちゃったらこの症例は残念なサンプルになってしまいますよね。症例の確保が一筋縄ではいかない気がします。その難しさが世の中にあまり製品のない所以でしょうか。

アルツハイマー、なかなか新薬でない

市場に少ない。これが後押ししたのか、IPOした途端、ものすごい投資家が動き出しました。まだ世の中に出ていない薬にもかかわらずNYSEに上場しました。ただし、これでないケース、つまり世の中に出ないケースもあります。その場合どんなシナリオが考えられるか。

まだ世の中に出ていないというのがどうも気になります。もしこれがバブルだとしたら。まずバイオテック関連の企業のRSUが下がりまくりますね。そして負の連鎖スパイラルが? それは本当に困ります。

まだまだ勢いのあるバイオテック関連株、まだまだ弾けないバブルが続きそうです。続いて欲しいです。

日本から新薬を出せるだろうか

14日の日経新聞に製薬協会長で大日本住友製薬社長のインタビュー記事が載っています。見出しは「新薬出せねば行き詰まり」というなんとも悲壮感さえ感じる言葉です。さらに響きも4−4−5という、字余り加減で語呂もよろしくないです。サブタイトルとして「後発薬台頭、製薬各社にどう影響」という見出しです。このインタビューの趣旨は、加速する後発医薬品の普及に乗じて医療費削減の折、厚生労働省が打ち出した方針をうけて製薬メーカー側からの意見を聞くといった内容です。厚生労働省が高らかに打ち出した施作は後発医薬品の数量シェアを現状の50%強から80%以上に高めるというものです。で、それについてどう思うか?的な記事です。

増えすぎた医療費抑制には後発品のさらなる普及は、厚労相としては待った無しの命題でしょう。ここのところ自民党行革推進本部は「ジェネリックが高すぎる。」ということで、どうやら次回の衆院選の公約として安価なジェネリック医薬品の処方をすべての処方箋に記載するというような内容を盛り込むとか。

さて日経新聞のインタビュー記事に戻りますが、追い詰められている感のある見出しの文字とは対照的に、製薬協会長であり大日本住友製薬社長のお写真はかっこよいです。ダンディズムがほとばしっております。1968年東大経済学部卒、住友化学入社、2008年から大日本住友製薬社長で、現在70歳でいらっしゃるそうです。70歳で製薬企業の社長というのも驚きですし、個人的には新卒以来一度も転職していないということも驚きです。

製薬協の立場としては政府のジェネリック医薬品の普及推進には賛成をせざるを得ないでしょう。しかしながら先発メーカーの社長としては自社製品の売り上げを蝕む後発品の台頭は複雑な心境になるでしょうね。

「からだ・くらし・すこやかに」というコーポレートメッセージの大日本住友製薬。ジェネリック医薬品が安くなり普及すれば、くらしはよくなると思うのですが、実は今回の政府の打ち出した80%以上へ後発品数量シェアをアップさせるという方針には些か注文があるようです。つまりジェネリック医薬品が増えると当然ですが先発品の売り上げは減ります。ジェネリックが発売されている先発品は「長期収載品」ということになるでしょう。リピトールもアリセプトもたくさんの優秀な”元”新薬は、30以上のジェネリック医薬品にマーケットを明け渡しているわけですから、先発メーカーの売り上げは減りますよね。大日本住友製薬の社長が言っているのはまさにそこで、長期収載品の売り上げが製薬企業の利益の屋台骨であることはまちがいありません。この利益が減ってしまえば、企業は売り上げ高から研究開発費にかけるコストが回らずに、厳しくなるということなのです。簡単に言えば、そんなに新薬メーカーをいじめるなと。いうことでしょうか。

ただし「新薬出せねば行き詰まり」という見出しには、一般的な見解以上の意味があるような気がします。大日本住友製薬は2017年度に売上高4500億円、営業利益800億円の目標をかかげております。ところが開発中の抗がん剤「BBI608」の、結腸直腸がんを対象とした単剤の第3相国際共同治験が昨年の5月頃に中止が発表されるやいなや株価が暴落、その爪痕がまだ残っているのです。ちなみに2014年度の売り上げ高は3714億円で、対前年をも下回ってしまいました。この期待の新薬が出なければ当然のことながらこの中期見通しは見直しを迫られることになるでしょう。

大日本住友製薬に限らず今までオンコロジー領域を持たなかった製薬企業がこぞってオンコロジーのパイプラインの拡充を図っています。精神科領域を得意としていた大日本住友も開発の柱をオンコロジーに置き、2012年に米国のがん領域を専門とする創薬ベンチャー、Boston Biomedical, Inc.(BBI)を買収したのです。中止となったBBI608の結腸直腸がん対象の単剤治験は、北米では2015年度、日本でも2016年度の発売開始を目標としていました。これは正直痛手となっています。まあ、開発そのものをやめたわけではなく、単独中止後は併用療法などの使用方法に活路を見出そうとしているのです。

このボストンの会社、治験、なんでこけちゃったんでしょう。詳細は知りません。治験結果が思わしくなかったと言えばそれはサイエンスですから仕方がないということなのでしょうか。しかもそれが「想定外」だったということを社長も公言しています。筆者が昔所属していた日本の中堅製薬会社でも、似たような出来事がありました。奇しくもボストンにあるバイオファーマと提携し、投資を始めた途端に彼らのKPIが悪化したのです。疑いたくはありませんが、BBIの化合物は過大評価されたのでしょうか。それとも、プロトコルの書き方など、治験の人的な戦略そのものの失敗なのでしょうか。いずれにしてもBBIにとっては特段痛くもかゆくもないことかもしれません。すでに多額の売買益を得ているわけですから。サイエンスの結果は仕方がないとしても、そこに投資した判断はどうだったのか。まるで日本のプロ野球チームに所属するダメな多額の助っ人外人選手の様に。?

さて日本の中堅から大きな国内製薬メーカーは開発費に限界があります。ただ開発費の売り上げ高比率はグローバルファーマ同様に20%位を維持していますが、ボリュームが難しいですね。そこで海外のベンチャーに投資をしようとするわけですが、このベンチャーが失敗すると痛いです。

そんな中での、日経のインタビューでしたから、まあ、ちょっとタイミングが悪かったのか、「新薬出さねば行き詰まり」というインタビューになってしまったのでしょうか。

似たようなケースは今後も他の国内企業で出てくるはずです。治験の失敗はサイエンスのことで致し方ないとしても、KPIをキープすることや投資判断は人的なスキルセットの問題となりうるでしょう。ここは企業努力で上げていかなければならないかもしれません。それにはやはり人材も外から引っ張ってこないと難しいかもしれません。大日本住友製薬にかぎらず、大きな会社、特に財閥系の化学品部門の様な企業は役員のほとんどが新卒からの生え抜きで65歳以上ですね。生き残るには良い人材を外から連れてきて、組織を活性化することも必要かもしれませんね。

最近大塚製薬や小野薬品で目覚ましい画期的な新薬がグローバル基軸で出ていますね。日本の製薬企業発の新薬がもっと増えると良いですね。

成長戦略 離島で処方薬

日本経済新聞の一面に、離島で処方薬をスマホで買える様になるとか。で、それは実はアベノミクスの成長戦略の規制緩和云々と、高らかに謳われている。今までは処方薬は薬剤師との対面販売しか認められてなかったからと。

支持しますけど、ただし成長戦略とかアベノミクスとか、だいたい日経新聞の一面に載るようなことなのだろうか。

アメリカではネットで調剤料金の安いカナダから買ったり結構しているよね。それが良いのかどうかという議論もあるだろうけど、たとえば降圧剤とかロキソニンとかそういう薬は調剤薬局で貰っても薬剤師から「はい、前回と同じ血圧下げる薬でーす。はい、痛み止めでーす。」とか言われるだけですから、そんなのはスマホで買っても良いと思いますよ。今更なんだろうね。

薬歴管理とか、色々お薬手帳にシールはって、実物の写真と説明が載っている紙をプリントアウトしてもらう。そして、急にニヤニヤして「血圧下がりましたか。」みたいな事を訊かれて、話し好きな老人がずっとしゃべっている。そういう状況が改善されないなら、もともと薬歴管理要らないと思ってしまう。