日本にある、国内、外資問わず、製薬企業各社でMRにiPadの導入が進んでいるようです。
ただしiPadが現場でどのようなツールになるのか? どのようなツールにするべきなのか? そこは色々試行錯誤の段階なのでしょうか。実際に外資系製薬企業のMRにiPadの使い方を聞いてみましたが、プレゼンツールや営業管理ツールが現状の様です。現場の医療従事者からは、プレゼンツールのiPadなら、はっきり言って退屈というか、MRさんが近寄ってきてiPadを見せられても迷惑な話かもしれません。
アンケートツールもありました。アンケートを取りながら、実際にドクターの名前入りで記録されます。たとえば、「現在○○○疾患分野の薬は何をお使いですか。」「満足していますか」「近々発売される弊社の製品は、これこれこういうメリットがありますが、発売されたら使いますか」「シェアで言うと、弊社の新製品は競合品に比べてどれだけのシェアで使いますか」などなどというような質問をMRがしながら、iPadに入力していきます。数か月後、実際にその新製品が発売された後に、同じドクターに記録を見せるのです。「先生、70%以上が弊社の新製品に代わるって、言ってたのに、使ってないじゃないですかぁぁぁ???」みたいなツールです。
ちょっとばかり強引な気もします。
そんな中、もしかしたら参考になるかもしれないムービーが、実際のアップル社のiPadの導入例の中にありました。まあ、アップルのwebなので当然宣伝ではあるのですが、何か明確な用途がクリアに表現されています。
メドトロニック社のiPad導入例が紹介されていますが、何だかかっこいいです。

アップルのwebからです(http://www.apple.com/ipad/business/profiles/medtronic/)
メドトロニックと言えば、グローバルで医療機器No.1の企業ですよね。日本法人も大きいですね。ペースメーカーやステントやスパインを扱っています。僕もお仕事でお世話になっています。
Building business with in-house apps
Medtronic has created more than a dozen in-house iPad apps to access proprietary information, improve efficiency, and enhance customer engagement. The apps are distributed through a password-protected, internal Medtronic website that lets the company control access to qualified staff and easily provide app updates.
メドトロニックではたくさんの社内用iPadアプリを開発しているようです。インハウスのアプリを12個以上作ってるって、すごいですね。
日本で活躍しているMRのみなさん、iPadが導入されたかと思いますが、皆さんの会社でiPad用の社内専用アプリが12個以上ありますか。どうなのでしょう。。。。
not only for pull up information very quickly, but they can use the graphics to help tell us the story in the way that’s very memorable
すみません、英語が早くてよく聞き取れないのですが、何だかプロフェショナルな雰囲気のセールス風の女性がこのように言っている気がします。つまりSales Representatives、日本で製薬で言えばMRですが・・・にとっては、情報を早く引き出すだけではなくて、グラフィックを交えた展開でドクターに紹介できるのでとても覚えてもらいやすいということです。
この映像にあるようなグラフィックは、ステントやペースメーカーだと思いますが、なんだかとてもクールに見えます。
メディカルデバイスなので薬よりもテック、ITなどに合っているような気もします。それにしても、メドトロ、金掛けてますねぇ。さすが、グローバルNo.1医療機器メーカーですね。
集計ツールとしては、ドクターとの相互のフィードバックが、通常期待されているスピードよりとても速く集計できるということですが、それは確かにそうですよね。大勢のセールスレップが同時期にドクターの声を入力すれば、今までとってきた統計の形よりもドラスティックに早い段階で結果を見ることができて、ビジネスがより効率的になりますね。
help more patients have access to the therapies that we offer, to the technology that we created
これも早すぎて正確かわかりませんが、メドトロニックが提供する医療をもっと多くの患者さんが享受できる。つまり、iPad導入によって、メドトロニックが作り上げたテクノロジーによる医療を、より多くの患者さんに提供できるということでしょうか。
実は、数年前に、メドトロニックの日本法人の社長だったスティーブさんと話したことがあるのですが、彼が以前に別会社からメドトロニックに移ることを決意した決めては、まさにこの患者フォーカスということに尽きるということを言っていたのを思い出します。その時にはもちろんiPadはありませんでしたが、メドトロニックが言っていることは、なるほど、一貫しているような気がします。
“iPad is a game-changer in healthcare.”
Michael Hedges, Chief Information Officer, Medtronic
Game-Changerって、世論を変える的な意味ですね。メドトロニックのCIOは、iPadがヘルスケアの世界の動向を大きく変えるものだと、最後に位置付けています。この発言、まあ、アップルの宣伝とはいえ、すごいですね。それだけiPadのインパクトはヘルスケア業界で強いんですね。
iPad、日本で同じように使いこなしているのだろうか。。。。
コメントを投稿するにはログインしてください。