皆さま、いかがお過ごしですか。さて、4月半ばのだるい感じの週が始まりますね。まあ、仕事も大事ですが、適当に流せるところは流しましょう。

ということで、今回はUCBのニュースです。

2026年4月17日、ベルギーの製薬大手UCBが、細胞療法の旗手である米Neurona Therapeuticsを最大11.5億ドルで買収すると発表しました。

 ↓ ↓ ニュースのPDF

UCB to acquire Neurona Therapeutics, advancing its
innovative leadership in epilepsy through
regenerative science

まあ、なんですかね。このNeurona Therapeuticsというのは、こういう会社らしいです。

https://www.neuronatherapeutics.com/

出自: カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究からスピンオフした、細胞療法のスペシャリスト。 コア技術: 幹細胞から「抑制性ニューロン(GABA作動性ニューロン)」を生成し、脳内に移植する技術。 主要パイプライン「NRTX-1001」: ターゲット: 薬剤抵抗性(難治性)の内側側頭葉てんかん(MTLE)。 メカニズム: 過剰な興奮状態にある脳の神経回路に対し、抑制性の細胞をピンポイントで移植し、電気的バランスを整える「生きたデバイス」のようなアプローチ。 現在のステージ: 第1/2相試験で、発作頻度の劇的な減少が報告されており、再生医療等製品としての期待が高い。

薬剤抵抗性(難治性)の内側側頭葉てんかん(MTLE)のパイプラインがあるということで、まさに、UCBのてんかん領域のさらなる深化となりますよね。

なぜ今、UCBはこの買収に踏み切ったのか。

背景を整理すると、ビムパットのコプロ終了や特許切れというタイミングが重なっているのは確かです。しかし、それを「ピンチへの対応」と見るよりも、むしろ「次のステージへの布石を、最良のタイミングで打った」と見る方が、UCBのこれまでの動き方と一致しているように思います。イーケプラの特許切れという局面を経験し、そこから免疫・希少疾患領域で着実に新たな柱を育ててきた会社ですから。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC0270M0S6A300C2000000/

第一三共は2日、抗てんかん剤「ビムパット」について、ベルギー製薬企業UCBの日本法人との提携を終了すると発表した。契約満了に伴う措置という。ビムパットはUCBが製造し、日本での販売・流通を第一三共が担っていた。今後の国内販売についてはUCBの日本法人が担う。

第一三共との提携を終了した後は、UCBが単独でビムパットを売ることになるとのことですね。この切り替えのタイミングで、UCBが日本市場においてどのような販売体制を構築するのかは、注目です。増員するのか、あるいはアウトソーシングを活用するのか。戦略の選択肢は複数あり、どれを選ぶにせよ、UCBらしい合理的な判断が下されるものと思います。

はっきりいって、それはまだ、何もわかりません。そもそも、何も発表もないですし。さあさあ、どうなるんでしょうか。

で、そんな動きの中での、今回の買収ですよね。

なぜUCBが買ったのか?(戦略的背景) 「てんかんのUCB」としての進化: ケプラ、ビムパット、ブライアクトと、てんかん治療をリードしてきた同社にとって、既存の小分子化合物では届かなかった「難治性患者」への解決策は、長年の課題であり、悲願でもあった。 領域の深化: 免疫(Bimzelxなど)や希少疾患(Zilbrysqなど)で成功を収める中、CNS(中枢神経系)においても「次世代のモダリティ(細胞療法)」を加えることで、ポートフォリオをさらに盤石なものにする。 パラダイムシフト: 「毎日飲む薬」から、1回の処置で長期的な改善を目指す「ワンショットの治療」へのシフト。これは製薬業界全体のトレンドであり、UCBはその最前線に立とうとしている。

販売体制の観点から言えば、ビムパットはCSOの活用を含めた柔軟な体制が選択肢になるでしょう。そして、難治性MTLEへの対応としては、ニューロ経験の豊富な専門MRやKAMのような体制が求められることになるかと思います。いずれにしても、人材の需要が生まれる領域であることは間違いなさそうです。

ていうか、勝手な推測ですので、これもまだまだ、わからないのです。わかりません。

翼は、もうある。

かつてイーケプラの特許切れという大きな局面を乗り越えたUCBは、その経験を糧に、免疫・希少疾患領域で新たな成長軸を作り上げました。そして今、主力の一角として免疫領域が強さを見せ、希少疾患領域も着実に育ちつつある中で、今回のNeurona買収によりCNS領域においても「次世代の武器」を手に入れることになります。

一見すると、得意のCNS領域への回帰にも見えますが、その実態は「対症療法の薬を売るビジネス」から「細胞療法による完治を目指すビジネス」への、非連続な飛躍です。

そしてUCBがこうした長期的・非連続な意思決定を躊躇なく実行できる背景には、「Financière de Tubize(創業者一族を中心とした安定株主)」という、30%以上の議決権を握る揺るぎない存在があります。四半期決算の数字に左右されず、10年・20年先を見据えた投資判断ができる。これはUCBという会社の、本質的な強みのひとつだと思います。

「崖(クリフ)」という言葉で語られることもある特許切れのサイクルですが、UCBにとってそれは「飛び立つための踏み切り台」に過ぎないのかもしれません。翼は、すでにある。

対症療法のその先へ。UCBが描く「てんかんの完治」というシナリオが、業界の地図をどう塗り替えるのか。そしてその時、日本のMRやMSLの立ち位置はどう変わっているのか。

バンコクの地から、このバイオテクの壮大な挑戦の行く末を、引き続き注視していきたいと思います。


https://mrpatio.blogspot.com/2026/04/msl-cso.html

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募集背景MSL需要の拡大に伴う増員です。
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募集中案件循環器領域MSL:7月頃開始/東京。医師、獣医師、Ph.D.、薬剤師のいずれかが必要で、医療関連企業またはアカデミアでの2年以上の経験、さらに循環器または呼吸器経験が求められます。免疫疾患MSL:ASAP開始/東京(応相談)。リウマチ・膠原病経験が必要です。オンコロジー領域MSL:4〜5月開始/東京。オンコロジー経験が必要で、病院薬剤師経験者が歓迎されます。オンコロジー領域MSL(経験者枠):ASAP開始/東京。MSL経験およびオンコロジー経験が必要です。
業務内容KOL対応や医師との科学的ディスカッションを通じたインサイト収集。新薬・学術トピックスの情報提供、医師主導研究への対応。スピーカー育成や、疾患領域の科学的コミュニケーション支援。クライアント製薬企業のメディカル戦略に沿ったMSL活動。
必須要件理系修士以上または薬剤師資格。領域ごとの条件を満たす専門性。未経験枠では、医療関連企業・アカデミアでの経験が必要な案件あり。MR経験のみでは対象外となる案件あり。
歓迎要件病院薬剤師、研究職、臨床開発、学術、メディカルインフォメーション経験者。循環器・免疫・オンコロジーなど専門領域の経験者。MSL経験者は、経験領域と組み合わせて優遇。
このポジションのポイント未経験からMSLに挑戦できる案件があるため、医療関連経験を次のキャリアに変えやすいです。アカデミア出身の方は、研究経験を活かして安定した企業キャリアへ移行しやすいです。医療関連企業出身の方は、これまでの専門性をそのままキャリアアップにつなげられます。条件を満たしたMRの方は、社内異動では叶わないMSL経験を“MSLとして”積めるのが大きな魅力です。MSL肩書きでの実務経験は、その後の外資製薬・CSO・メーカー転職で強い武器になります。循環器・免疫・オンコロジーなど、希望領域を選びやすい点も魅力です。
こんな方におすすめMRからMSLへキャリアを広げたい方。アカデミアや病院での経験を企業側で活かしたい方。専門領域で科学的コミュニケーションに携わりたい方。MSL経験を積み、将来の転職市場価値を高めたい方。
フォローアップ欄MSL未経験可の案件が複数あり、領域ごとに求められるバックグラウンドが明確です。
特にMR経験者は、条件を満たせば“MRの次”としてMSL実務を積む絶好の機会です。
アカデミア、医療関連企業、病院薬剤師など、それぞれの経験を活かして次のキャリアに進みやすいポジションです。

今月はベトナムのブンタウというビーチがある観光地というか、まあ、熱海みたいなところがありますが、そこでバインミー、フォー、そしてこの土地名物バインコットを食べてきました。ブンタウ情報ご希望の方もぜひご連絡ください。