Confidential:Group Manager, CNS Group at European Mega Pharma 給料1600万円

Required Expertise (knowledge/experience/qualifications)

Experience
 Experience in field force (MR, District or Regional Sales Manger) in pharmaceutical industry (3-5 years)
 Experience in pharmaceutical products in Marketing (3-5 years)
 Experience in management

Knowledge
 High Product Marketing skill
 Analytical skills
 Conceptual and strategic thinking

 

 

詳細など、下記にご連絡ください。こちらからご案内いたします。

Confidential: Head of Global Communications 給料2000万円

日本の企業です。医療・他の産業に貢献している大手企業です。

ポジションは、広報、marcom、コミュニケーション経験者が対象です。

 

詳細は下記にお問い合わせ下さいませ。

Head of Global Communications Maximum Salary: ¥20,000,000

Job Postion Level: Director Job Function: Communication

Confidential:外資系製薬企業で女性の営業 部長職 CNS領域 

ある外資系製薬企業での募集です。

女性積極採用です。

CNS領域の経験は不問です。

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Confidential  : あるヘルスケア企業の事業部長 給料2000万円

詳細など、下記にご連絡ください。こちらからご案内いたします。

OTCブランドマネージャー  : ヨーロッパ系メガファーマ

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医薬品の売上ランキング 2012第一四半期 日本とアメリカ

久々の更新になりました。7月より新しいファームに移り、いろいろとバタバタしておりました。それにしても、この夏は暑かった。これからお盆ですのでまだまだ夏なのですが、ようやく朝晩は過ごしやすくなった気がします。さて、お盆ということで、ビジネスの世界では第三四半期、Q3の真っ最中なわけですが毎年のようにこの時期のビジネスはスローです。こと、リクルーティングにおいては最たるもので、なにしろ「人事」というように人が居なければ始まらないビジネスなので・・・。お盆はさすがに遅くなります。

そんな中、第一四半期の医薬品売上ランキング的なものが、少し前に出てきました。日米で比較すると面白いです。

日本 (imsより http://www.ims-japan.co.jp/docs/top_line_121j.pdf

上位 10 製品  2012 1Q   JAN-MAR

売上金額 (単位:百万円)

医家向製品  薬価ベース 前年比%

  • 1 ブロプレス   28,259   -7.7%
  • 2 デイオバン   26,727   -3.2%
  • 3 アリセプト   25,847   -18.7%
  • 4 プラビツクス   22,283   17.8%
  • 5 リピト-ル   20,107   -19.1%
  • 6 タケプロン   20,008   2.4%
  • 7 アレグラ   19,794   -12.1%
  • 8 レミケ-ド   19,532   13.3%
  • 9 モ-ラスヒサミツ   19,042   -4.3%
  • 10 オルメテツクダイイチサンキヨウ   18,866   -5.2%

1位は武田のブロプレス(http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2149040F1026_1_21/)そしてそれに次ぐ2位もARBのディオバンですね。日本では高血圧の薬が1位と2位を占めていますね。しかも両剤とももうすぐジェネリックが出そうなくらい発売して何年もたっている製品ですね。まさにARB大国日本ですね。ジェネリックが出たら影響が出ますよね、特にこういう生活習慣病というか、慢性疾患の薬は、ジェネリックに抵抗がある人でも、ジェネリックに替えやすいという話を聞いたことがあります。

3位のアリセプトはアルツハイマー型認知症(痴呆)進行抑制剤ですね。エーザイが開発し、ファイザーが海外では提携して同じ製品名で展開してブロックバスターという、圧倒的な売り上げを残し続けた製品ですね。発売後10年以上たっている今年のQ1でも3位に入っていますが、対前年比でなんと18.7%のマイナスですね。理由は当然ジェネリックの出現によるものですね。アリセプトのジェネリックは2011年になんと30社が参入したそうです。(http://file.marugariita.blog.shinobi.jp/ceefd8ef.pdf#search=’ドネペジル%20ジェネリック’)そりゃ、対前年が落ち続けるのも当然ですよね。これがいわゆる医薬品業界の2011年問題ですね。ざっと30億円くらいは落ち込んでいるわけで、ファイザーも相当の対策が必要になるわけですね。

4位のプラビックスは抗血小板剤で、上位では唯一対前年の売り上げを伸ばしていますね。最近PPIとの相互作用も話題になりましたけど、順調に売り上げを伸ばしています。大型ですね。

そして5位のリピトールはこれも2011年問題ですよね。日米ともにジェネリックが大ニュースになりました。これこそブロックバスターの代名詞だっただけに、今でも影響を受け続けています。それでもまだ5位に入っていますね。ファイザーはアリセプトといい、リピトールといい大変ですよね。

まあ、大変大変と言っても、ファイザーもその他大手先発品メーカーもジェネリックのチャネルをしっかりと持ちつつあります。ファイザーもエスタブリッシュ部門がジェネリックを扱いますし、サノフィ・アベンティスも日医工と提携していますよね。ちなみに、サノフィと日医工はリピトールのジェネリック売るみたいですね。ちなみにたとえば、ノバルティスはサンドが、アボットはホスピーラが関連ジェネリックメーカーで存在しますね。

ただ、ジェネリックと言っても、日本での7掛けはグローバルにおいてはかなり高いみたいですね。たとえば、リピトール10mgの先発品の薬価は113.6円に対して、最初に出たジェネリックの薬価が76.5円、次に出たジェネリックの薬価でも68.9円ですので、本当に7掛けですよね。これにたいして、たとえばアメリカでは先発品に対して15%から20%だそうですから、10円とか20円という世界なのです。保険制度がプライベートのみかもしれないけど(今のところ)、この値段だったら自分で買っても問題ないですよね。

この先発品とジェネリック品の価格の開きは、ただ単に医療費の削減ということだけでなく、ビジネスにおいては何を意味するかというと、そのカテゴリーでどれか一つにおいてジェネリックが出てしまった場合、日米で戦略が若干違ってきます。

たとえば日本ではリピトールのジェネリックが出ても、リバロやクレストールもそれなりに戦えるのです。もちろん、安いほうがよいのですが、ただ、もしリバロやクレストールが気に入っている患者さんがいるなら、多少、つまり30円か40円高くても、「先発品で良いよ」という場合が出てくるでしょう。ところが、アメリカのように、リピトールが10円とか20円で売っていたら、いくら気に入っていても100円の先発品は売れないですよね。 開発品目も同じです。今から、たとえエビデンスも出ている最良の、過去ベストのスタチンが出たとしても、もう売れません。既存の先発品も売れない、同種の開発もストップする…。つまり、そのカテゴリーの医療用医薬品マーケットの終焉的なものを意味するような気がします。日米では、同じジェネリックが出たと言っても、インパクトや意味が違いますね。

さて、6位以下ですが、いやー、昔の薬ががんばっていますよね。やはり、日本のマーケット、日本での製薬会社は製品を大事にする文化があるような気がします。これは、医薬品の場合、良い事なのか、悪い事なのか、わかりません。情報を持った生命関連製品ですから、コカ・コーラのようなコンシューマー製品とはもちろん違う。当たり前ですが。いまだにスタチンや抗アレルギー剤、ARBなどを主力と掲げなければいけない会社、そこの優秀なMRは、なんというか、お腹いっぱいですよね。転職の動機にもなります。「今年もスタチンの拡売かよ・・・」みたいな。

さて、アメリカです。

http://247wallst.com/2012/07/18/top-10-u-s-drugs-for-2012-first-quarter/

ていうか、WSJ、エビリファイのスペリング間違えてますしたので、修正しておきました(笑)

  1. •Plavix (BMY) — $1.62 billion in sales
  2. •Nexium (AZN) — $1.40 billion
  3. •Abilify (Otsuka) — $1.34 billion
  4. •Singulair (MRK) — $1.24 billion
  5. •Seroquel (AZN) — $1.16 billion
  6. •Advair Diskus (GSK) — $1.14 billion
  7. •Crestor (AZN) — $1.12 billion
  8. •Cymbalta (LLY) — $1.03 billion
  9. •atorvastatin (generic) — $0.95 billion
  10. •Humira (ABT) — $0.93 billion

それにしても、エビリファイすげー!!

エビリファイは、ちょっと置いておいて、見てください。

リピトールが消えています。そして、9位に早くもリピトールのジェネリックが入っていますよね。アトルバスタチンです。これが今回のランキングの日米の最たる違いじゃないでしょうか。リピトールは日米ほぼ同時にジェネリックが発売されて、しかも、アメリカよりも日本のほうが圧倒的に参入会社が多いはず。にもかかわらず、日本ではまだ先発品のリピトールが5位に食い込んでいて、ジェネリックは10位以内に入っていません。さらに薬価が10円20円のジェネリックがランクインするわけですから、それだけ量が出たんでしょうねえ。いやあ、リピトールインパクト大きいな。

さて1位にプラビックスが入っています。アメリカではブリストル・マイヤーズ・スクイブが売っています。日本ではサノフィです。長年リピトールが座っていた1位の座ですが、同じくブロックバスターのネクシウムを上回り、Q1では1位ですね。

まあ、しかしながら、Plavix、一般名clopidogrelも、すでにジェネリックが出始めましたので、おそらくQ4にはランク外に消えてしまうのでは? そして、この領域の他の競合品が全く売れなくなる・・・・ちょっとQ4は早すぎるかな?。 決して早くはないですね、なぜならプラビックス75mgの薬価は日本では275円ですが、アメリカでは、しかもオンラインで1錠あたり$0.25くらいで買えちゃうわけですから・・・。

Crestorもランク外に消えるでしょうね。それにしても、日本とはだいぶ薬の種類が違いますね。

エビリファイすごいですね。しかもアメリカでもOtsukaですね。

Wikiでは、一般名アリピプラゾール(Aripiprazole)(商品名:エビリファイ®)は大塚製薬が発見・開発し、世界60カ国・地域以上で承認されている非定型抗精神病薬の一つである。略称はARP。2006年1月に許可。

医薬品もなんというか、生活習慣病だの、高血圧、高脂血症というところから、心の病気にマーケットがシフトしてきたような気がするのは私だけでしょうか。そろそろ本格的に日本人が精神科に堂々と通う時代が到来かもしれませんね。

大塚製薬と言えば、サントリーや出光のように非上場の勇ですね。いやー相当株価は上がるはずですよね。 非上場かと思ったら、ホールディングスが上場してました。 2010年の年末に、鳴り物入りで上場し、当初2100円で売り出した株価は、現在2407円ですから、300円以上上げているわけですね。大塚の株、アメリカで売り出したら絶対売れますよ、ただでさえ気運に左右されやすい医薬品株ですから、ランキング3位ってインパクトがありますね。

まだまだこちらに関連の話題は続きますが、次回に。

医薬品の研究開発職に関する私観

研究開発に携わる人たちのモチベーションはどのように保たれ、インセンティヴはどのように決定すればよいのでしょうか。

研究開発職のヘッドハンティング、転職ももちろん僕は扱っています。リクルーティングという意味ではプロフェッショナルですが、実際のインダストリーでの経験は、営業と経営企画なので、基本的に営業畑です。このような僕でも、R&Dの候補者に接するうえでは、いろいろと考えるところがあります。

よく就活のセミナーなどで、医薬品業界について必ず言われることですが、医薬品の開発には10年100億とか言われますよね。実際に最近では10年以上、100億円以上かかりますね。MRは上梓後の医薬品、つまりコマーシャルサイドに関わるわけですが、そこでとりあえず、新発売後スタートダッシュの結果を求められるリードタイムは半年、そして1年でしょうか。つまり、新発売後半年以内には新規件数や説明会回数などを追われ、1年後には物量やグロスを追われることでしょう。さらに製品として育てていくことになるわけですが、だいたい3年くらいたてば次の新製品にフォーカスをするような営業体制になっているかと思います。

このサイクル、プロダクトサイクルと言ってもよいかもしれませんが、結果を求めてインセンティヴに反映をさせようとするMR軍団、営業チームにとってはやりがいをキープするのに実はちょうどいい期間ではないでしょうか。これ以上だと間延びしてしまいますし、これ以下ですと急すぎます。MRは結果にフォーカスした職種で、またそれが好きな人々だと思います。

それに引き替え、出るか出ないか、薬になるかならないかももわからないような化合物を毎日毎日実験を繰り返しデータを取り、しかも間違えなどは許されない研究開発職は、同じ医薬品企業でも営業とはかけ離れた世界かもしれませんね。ほとんどが開発途中で打ち切りになるので、大きく膨らんだ期待をいかに落胆させないかと考えるだけでも大変です。そのたびに一喜一憂もしてられないでしょう。考えただけで大変な仕事で、営業畑の方々には耐えがたい毎日かもしれません。

そもそも、そのくすりはコマーシャルサイドの3年で結果を見るより以前に、10年以上も研究開発をされてきたのです。

そんな研究開発職のモチベーションにフォーカスした論文を見つけました。コーネル大学の学生によるものです。

Motivating Employees in R&D(http://digitalcommons.ilr.cornell.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1016&context=chrr)Ryan B. McAllisterCornell UniversityChelsea E. VandlenCornell University

内容は医薬品の研究開発職のモチベーションを上げろ、それにはこうしたらいいんじゃないの? みたいなことです。

そもそも医薬品の研究環境というものは、その他多くの職場とはかなり特異な状況であるということからスタートしています。

確かに、15年という開発期間を要する製品って、あまりないですよね。しかもそれだけの年月と150億円とかいう莫大な経費をかけているのに、ほとんどポシャるという特異な状況。そんな研究開発に従事している人のモチベーションを上げるには、独特なインセンティブや、環境整備が必要だと、この論文は言っています。

僕も考えてみました。たとえば、営業サイドによくあるような報奨金のようなものを出したらどうでしょうか。たとえば、毎日データを取って単純になりがちな仕事に違った方法を考えたら10万円。逆に毎日同じことを1か月やり続けたら「自己管理賞」で10万円。さらにチームを結束させるようなイベントを考えて実行した人には昇進を・・・・・・・だめですかね。

マサチューセッツ工科大学のダグラス・マクレガーが提唱した

セオリーX、セオリーY(http://en.wikipedia.org/wiki/Theory_X_and_theory_Y)

に準じれば、研究を加速させたい会社からの指揮命令はXに、さらにその状況下でセルフコントロールをして地道で必要な作業を継続することをYとすれば、Xをしなければならないマネージャーも、またそれを認識しつつもYに徹底する従業員側も、達成したらインセンティブに反映させることが必要になるでしょう。この価値はもしかしたら営業サイドの新製品コンクールで上位に入賞するMRよりも上かもしれません。

これを達成した後はさらに高度な欲求を満たす必要が出てきますよね。 そこで、超有名な論文ですみませんが、

マズローの欲求段階説(http://en.wikipedia.org/wiki/Maslow%27s_hierarchy_of_needs

によれば、人間の欲求は段階的に上級化していきます。つまり、仕事の上でアチーブメントがあれば、その次は自己実現欲求を満たす必要がでてくると。。これは僕が考えるに、「くすりで病気の人の役に立ちたい」的な、仕事の上でのモチベーションを超越した、何かちょっとヒューマニズム的なものになるかもしれません。

その域に達しちゃった人は、自己管理よりも、無理してでも発売に繋げたいということになるでしょう。その域に達することが、良いのか良くないのかは、別のテーマですね。

実力があるのに面接で落ちる人 その2

○すぐに同僚や知人に相談する人

よく、「狭い業界ですから…」と、言いますよね。どんな業界でも、ご自分の所属する業界を狭いと感じている方が多いかと思います。製薬業界にいたってはおそらくそれに輪をかけて狭いですよね。例えば丸5年も経つと、ほとんどの同業他社の会社に知り合いが数人ずつ居るような状況になりますね。逆に言えば、5年もやっているのに他社に知り合いがあまり居ないという人は、コミュニケーションに問題があるかもしれません。

ということで、製薬業界の人々は、同業他社の人々とコンタクトも簡単に取れる環境に居ます。場合によってはプライベートでもかなり仲良くなったりするものです。

そんな中で、当然転職云々の話は出回るのです。今度面接に行く予定のA社の知り合いにちょっと聞いてみようかな…なんて話にはすぐなるのです。そこで実際にA社の知り合いに電話をかけてみると…

ウチ? ああ、それやめておいたほうがいいよ!

半数以上、もしかしたら90%以上の方が、ご自分の所属する会社についてはこのように言うかと思います。理由は簡単です。自分の会社のことを、

ウチ、マジで最高。すげーお勧めのよい会社だよ。戦略もうまくやっているし、よい新製品出るし、周りの人も良い人ばっかり…。

こんな風にいう人、いませんよね。実は、実際に良いと思っていたとしても、このように言う人は少ないと思います。

従いまして、自分の受ける会社の噂というのは、ほとんどがネガティブな場合が多いのが現状です。その噂に惑わされるとどこにも転職ができなくなる可能性がありますよ。待遇や勤務地など、あらゆる情報を知人から集めようとする人が居ますが、やればやるほど不安が募ってきます。そこで、こういう方に申し上げたいことは、

「パーフェクトな会社ってありますか?」

ということです。転職の際に知人から情報を集めることは悪いことではありませんが、惑わされないようにしていただきたいと思います。情報を分析しすぎると、転職できなくなります。

知り合いにあまり話さないほうが良いという、もうひとつの理由があります。たとえばこんなケースです。

山崎さん、ぼく、今度山崎さんの居る会社受けるんですけど、どう思いますか? 何か情報ありますか?

こんなときに、聞かれたほうはどう思うでしょうか。

あれ、ウチ募集してるのか…。

ここまでなら、ネット上でもわかることだと思います。しかしながら、さらに突っ込んだ相談になると、一気に事がややこしくなります。

山崎さん、それで、僕、東京支店の支店長さんと面接するんですが、どんな人ですか?

え!! ウチの支店か。。でも人員は充足しているよな…増員? ちがうよな…え、もしかしてまだ社員に言ってないけど、これから転勤があるのかな???? だとしたら、誰だろう? ちょっと所長に聞いてみようかな・・・

その後、山崎さんの会社内で、誰が転勤になるのかなど大騒ぎになることは明らかです。しまいには、■■製薬の何某という奴がウチ受けるらしいんだけど・・・という話にまで発展します。MRであれば、車を運転しながら移動時間にハンズフリーのモバイルでみんな話しまくってることでしょう。

そうこうしているウチに、噂が飛び交っていることが本社にまで伝わり

ちょっと、社内がナーバスなので、今回の採用は一旦中止にします。

なんていうことになりかねません。面接を受けるということ自体が、コンフィデンシャルです。情報を集めることは、悪いことではありませんが、何でもかんでも話す人は、結局実力があったとしても、思わぬところで転職に失敗する可能性があります。それは控えるべきです。なぜかといえば自分自身を守るためでもあるからです。

実力があるのに面接で落ちる人 その1

○面接のスケジュールができない人。

採用企業は履歴書・職務経歴書もさることながら、当然人物重視で採用を進めます。当然のことではありますが、面接が重要になってくるのです。ただ、その重要な面接ですが、実はそれ以前の問題を抱える方がかなり多くいらっしゃいます。それは面接のスケジュールができない人々です。

エージェント:「○○製薬ジャパンの一時面接ですが、先方から○月○日の日程が提案されていますが・・・」

候補者:「あ、その日は上司との同行があり難しいです。」

企業側の人事部は、採用活動が本格化するとかなり多忙になります。それも当然です。なぜなら、1名の内定者を出すために、平均してだいたい4人くらいの面接をします。例えば4人のうちの2人が二次面接へ進むことになると、次のステップは実際の支店長や所長になる場合、支店長や所長と候補者との面接を2スロットスケジュールしなければなりません。支店長や、所長はご存知のようにそんなに暇ではありませんので、そのスケジューリングはとても大変な作業になるのです。つまり、1名の内定者を出すために、一時面接で4スロット、2時面接で2スロットの最低でも6時間くらいの時間を空けなければいけないのです。これが2名の内定者であれば、単純に2倍、3名なら3倍です。

従いまして、企業側から提示された面接日程というものは、実は忙殺された中で搾り出された時間であり、大げさに言えば二度とないチャンスなのかもしれません。その貴重な日程と上司との同行をどのように天秤にかけるかということが候補者側の課題になります。もちろん、現職の業務をおろそかにする事は、プロフェッショナルとしてどうなんだろう? という意見もあるでしょう。 しかしながら、よほどの状況(例えば自分が司会をする研究会がすでにセットされている)でなければ、ある程度は調整できるはずです。自分の将来のチャンスと天秤にかけられますか? 単なる上司同行やただアテンドすればよい研究会などであれば、何らかの方法で調整できるはずです。

実は、企業の人事部によっては、その調整能力が見られる場合があります。面接日程が2週間先であれば、仮にその時間がバッティングしていたとしても、なんとかハンドリングできるだろう…と。そのハンドリングができない候補者って、どうなんだろう? という疑問にも発展しかねません。 

また、これはリクルーターとしての経験なのですが、実は優秀な人ほどもちろん忙しくはあるのですが、優秀な人ほど当然ヘッドハンターも多くコンタクトしますし、また優秀な人ほど多忙な中で面接調整をしてくれるのです。そういうものです。

実力のある方々、企業側から提示されたピンポイントでの面接日程を調整することも、貴殿の実力のうちですよ。

AbbVie !! アッヴィ!! アボット分社化による新会社名決定 

2012年末までに分社化を決定しているアボットが新会社名を発表しました。

Abbott Selects AbbVie As New Name For Future Research-Based Pharma Co.

これはナスダックの記事ですが、アボットはNYSEに上場しています。 スピンオフの新会社がナスダックかNYSEはちょっと不明です。 いずれにしても分社化して上場し、投資をされやすくすることでリサーチベースの企業を作っていくということだと思います。 また一部アナリストによれば、ヒュミラに頼りすぎていたアボット本体から切り離し、上場し、研究開発を加速するとの思惑もあります。 ヒュミラに、リュープリン、シナジスにCNS、そしてオンコロジーとHIV用薬のパイプラインをさらに太くしていくことだと思います。 従来のプライマリー領域はアボットで存続します。

現アボットのヴァイスプレジデントであるリチャード・ゴンザレスさんがAbbVieのCEOになる予定とのことです。AbbVieのカタカナ表記はまだ決まっていませんが、ネット上ではすでに「アブビー」と表現されていますね。 発音的には「アッビー」に近くなろうかと思います。 ゴンザレスさんによるとAbbottのAbbはそのまま使い、Vieに関してはラテン語の生命に相当する言葉であるとのことです。

確かに、素晴らしい人生は、セラヴィですよね。 ラヴィアンローズといえば、バラ色の人生。 ここで吉川 晃司を思い浮かべた方は僕と同世代ですね(笑) 生命のViですね。

生命関連製品である医薬品を司る企業としては、AbbVieは素晴らしい名前ですよね。 いやあ、しかし考えるもんですね。

昔から存在する企業名は設立者の名前だったりしますよね。 一昔前は、M&Aでは創業者が二人になってしまうので、仕方がなく二社の名前をつなげたりしましたよね。 マリオン・メレルダウとか、ベックマン・コールターとかですね。

しかしながらspinoffになると完璧に造語にする必要がありますかね。今回のAbbVieは、なんだかCovidienを連想してしまうのは僕だけでしょうか。CovidienはTyco Healthcareからspin-offした企業で、これも造語ですよね。 collaboration と lifeにインスパイアされたらしいですから、まさに生命のviを使っていますよね。 たしかに似てるなあ。 また、Vをcapitalにするのは何となくインパクトがありますね。 Vは縁起が良いですよね、capitalにして映えます。inVentiveもそうですね。

spinoffで新社名になり、これから各メーカーの主力領域に成長するニューロサイエンス、オンコロジー、HIVや抗体医薬などに次々と特色を出していくAbbVieには注目が集まるのも当然ですね。日本でもグローバルに準じて組織改編があるとのことですので、今年2012年中には誕生しますね。 ロゴマークは新会社誕生時にヴェールを脱ぐとのことです。 きっとAbbottは現在大忙しでしょうね。 実は本日所要で田町のビルに行く機会があったのですが、心なしか皆さんご多忙のご様子でした。

AbbottそしてAbbVieに期待大ですね。今後の成り行きには注目が集まると思います。 採用が多くなると良いなあ(^_^;)

MRが転職しなきゃいけない理由

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別に不満があるわけでもないのに、むしろ現状とてもうまく行っていて毎日が楽しいのに。

あるんです。これだけの転職する理由が。今回はMRの話です。

生涯賃金

MRの一般的なキャリアパスは、営業所長や支店長です。リエゾンやプロダクトマネージャーその他本社のポジションに就く場合もあります。理科系の方は開発のほうへ進む場合もあるかと思います。ただ、結果的に多くの場合はMRであれば営業畑でのキャリアパスが趨勢を占めます。

将来のキャリアアップもありますが、基本的には楽しく仕事をして毎日を有意義に送り特段不満の無い待遇である方の場合は、何も転職する必要は無いとお考えかと思います。

MRの場合、多くの他の業界に比べれば待遇が悪いわけではないので、日ごろの満足度は高い場合が多いです。

とはいえ、給料は多いほうが良いに越したことはありません。 同じ企業ですごす場合は、昇給はインセンティブか、昇格して基本給アップだと思います。しかしながら、同じ場所で昇進昇格を待つというのはなかなか辛いものです。

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そこで、転職をするということが実は給料を上げる方法なのです。 一般的な転職では、転職後は給料が上がります。 転職して会社は変わっても、MRとしての仕事は基本的にはほとんど変わることはありません。であれば、給料は高いほうが良いに決まっています。

大体60歳や65歳まで仕事をすると仮定した場合は、若いうちに転職をしているかしていないかで、生涯賃金に大きな開きが出てきます。早めに転職をして一度給料を上げておいたほうがもちろん有利です。 特に、国内中堅企業から外資系などへの転職の場合は、100万円を超えるupも珍しくありません。 単純に考えれば、転職をしたほうが5年で500万円、10年で1000万円のギャップが出てくるのです。 現状満足していても、ここまでギャップが出てくることを考えると、転職をしたほうがよいのです。

リスク回避

現状特に困っていないのに、リスクを背負ってまで転職する必要は無いと言う方が居ます。 実は、現状困っていない中に大きなリスクが潜んでいます。。

転職にリスクを感じる理由は、ジョブセキュリティ、現状のままのほうが慣れているし安心と感じている方がほとんどだと思います。つまり、「この先どうなるかわからない」と感じる方、大げさに言えば職を失いたくないという方です。

そのような方にはなかなか気づかないことがあります。それは、日常に封印されたリスクです。実は、移ることも去ることながら、現状に留まっているこの日常も、さらに大きなリスクなのです。 長引けば長引くほど腰も重くなり、リスク回避が難しくなります。

例えば、同じ年であれば、経験が豊富な方のほうが経歴に厚みが出ます。 同じ会社しか知らない人より、他社の経験もあったほうが、カルチャーも製品もそれだけ複数の視野があるわけで、そういう経験が豊富な方のほうが、これからの時代は重宝されることでしょう。 営業所長候補や支店長候補、さらにエリアマネージャーの候補が二人以上居た場合は、同じ会社しか知らない人は不利かもしれません。

もうすでに終身雇用の時代は数年前に終わっています。 外資であれば当然ですが、実は国内企業においても、「たたき上げ」という使い古された言葉は消滅し、むしろ外から入ってきた経験豊富な方が上のポストに就くという現象が出てくるでしょう。

すなわち、1社で頑張ることが昔は良かったかもしれないが、現在は違うわけです。 「この先どうなるかわからない」と、不安を抱える方は、将来のためにも違った会社のカルチャーを経験したほうが強いMRになります。 ただし、ジョブホッパーと言いまして、短期間に何社も動く方は駄目です。

MR以外になりたい

MRの方でよく将来はマーケティングや経営にかかわりたいと思っている、上昇志向の方がよくいらっしゃいます。中には色々勉強されて、時にはMBAなんかをとったりして。こういう方々は、MRへの転職は意味がないと思っていらっしゃる方が多いです。

「転職先がMRだったら別に今のままで良いです。 マーケティングならエントリーしたい。」という方です。

現状がMRの方で、将来MRとは違ったキャリアパスを望んでいる場合、主な方法は2通りだと思います。 ひとつは現在勤務されている企業内で、違う職種に異動する。 もうひとつはMRとして他社に転職し、MRとして勤務後、その転職先で違う職種に異動するということです。

転職を皮切りに現状MRの方がマーケティングなどのMR以外のポジションに就くことは、ゼロとは言いませんが、少ないです。

同じ会社で異動の希望を出すよりは、MRとして転職をして転職先で異動を希望したほうが結果的に早くマーケターになります。 同じ会社のまま違う部署への異動希望というのは、これまがまた本当に少ないのです。 一部の日本企業では、異動の希望が許されるのがグレード○○以上などの縛りがある場合があります。それは待っていられません。

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外資ではよく、ジョブローテーションといいますか、他の職種への異動が活発な会社というのがあります。とりあえずはその会社にでMRポジションで転職をして、その後希望を出して異動するというのが将来違った部署で活躍する近道です。 こちらも年齢もありますから早いほうが良いのです。

企業が欲しがっている

あなた自身が転職を特に考えていないMRであったとしても、時として企業があなたを欲しがっている場合があります。むしろ、求職者ではないあなただからこそ、企業は欲しい人材なのです。

転職は考えていない、でも、将来はわからない。良い話があれば聞いてみたい。そのタイミングが、今この瞬間ということがあるのです。

転職の予定がないというのに、「転職しろ」とは何事だ。と、思うかも知れませんが、話は聞くべきものだと思います。なぜならとてもよい話で、将来あの時誘いを受けておけばよかったと思うことがけっこうあるからです。

「誘われるうちが花」とも言いますよね。今は煩いエージェントだと思っている方でも、10年後に逆に「どこか良いところありませんか?」と、周りにお願いをして回っている可能性もありますよ。10年後では遅すぎます。誘われるうちは、話だけでも聞いたほうが、見聞を広めるためにも良いですね。

因みにですが、私は、まさにサーチ型のエージェントです。企業から依頼を受けて、良い人を探すことが企業側に提供しているサービスです。

良い人というのは、抽象的な表現です。どこにそういう良い人が多いかというと、もちろん、転職を今まさに希望していて転職先を探している人々の中にも居ますが、実は「転職を考えていない人」の中にたくさん居るのです。

「転職を考えていない人」は、登録するスタイルを採っている転職支援エージェントには当然登録しませんよね。探していないわけだから。 では、企業はどのエージェントを使って「転職を考えていない人」を探すのでしょうか。

自分 ”REVIEW”

MRを職業としている方々も色々な人生があります。それは当たり前のことです。将来の希望とか、現状の問題点とかを考える時間は誰にでも必要です。もちろんMRに限らずそれはどんな人でもしていることでしょう。

しかしながら、MRは今日が忙しいのです。明日も忙しいのです。来週中も忙しいです。休日はレジャーで楽しんでいるか、疲れてボーっとしているか、家族サービスで忙しいか、もしかしたら研究会で休日出勤なんていうMRの方々も多いでしょう。

自分自身のreviewなんて、日常に忙殺されて、中々できないのが現状ではないでしょうか。

ところが、転職を決意した場合、それが可能になります。たとえ結果的に転職をしなかったとしてもです。

なぜかといえば、まず履歴書・職務経歴書を作成することになるかと思います。自分の履歴書・職務経歴書を作って、それを見ることによって、結構感じるものが多かったりします。「自分もいろいろなことをしているなあ…」とか、「なんか、つまらない履歴だな」とか。 そう思ったときには自然と、将来について、もっとこうしようとか、こうあるべきだと思うことでしょう。これだけでも、結果的に自分を見つめることになります。

さらに、面接に進んだ場合はもっと感じることが多くなるでしょう。「あなたのご経歴をお話ください」とか、「弊社があなたを採用する理由は?」とか、そんな質問に答えるときには、まさに自分自身の価値や今までいかにがんばったか、あるいはサボってきたかなど、感じるでしょう。そして、「このままではだめだ」とか、「このままがんばろう」とか、考えるかと思います。これもかなり自分を見つめることになっています。

そしてオファーが出たときには、そのオファーを採るべきかどうか迷ったり。また、逆に面接や書類選考に落ちてしまったときなどは、自分自身についてもっと考えることが多くなるでしょう。

転職に伴う行動だけで、自分自身について考えるこれだけのチャンスがあるのです。たとえ結果的に転職しなくてもです。

日常に忙殺されていると、何も考えないまま1年、2年、下手したら5年、10年と過ぎていきます。ゾッとしますね。

いかがでしょうか。ざっと考えただけで、次から次へと転職のお勧め理由が出てきます。もちろん、転職をすればよいというものではありません。 しかしながら、転職によりMRのキャリアに幅が出ることは間違いありません。せっかくMRになったからには、アグレッシブに行きましょう!

 

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患者は顧客?

ハインツから来た人が、ノバルティスのトップがつとまるか?

 

Can The Man From Heinz Keep Novartis On Top?

-Matthew Herper, Forbes

 

ノバルティスのglobalの本社のトップ人事でちょっとした面白い記事がありました。

 

医薬品業界でこの20年の辣腕経営者といえば、ノバルティスのダニエル・ヴァセラを置いて他に居ません。 

元々医師として活躍していたダニエルさんは、サンドとチバガイギーの1996年の合併以来、20年にわたって、第一線で活躍されました。なんといっても、その開発ストーリー本まで出しているグリベック、ゾメタ、ディオバンなどなどのヒット商品を生み続けました。また、循環器のみならず、呼吸器、オンコロジーへのスペシャル路線も定着し、着実に会社発展に貢献してきた経営者といえます。2004年にはタイムズ誌の「もっとも影響力のある100人」に選ばれているほか、アメリカ芸術科学アカデミーの会員に名を連ねるなど、ヨーロッパのみならず世界中で活躍しています。 

医薬品業界のみならず、すべての業界の経営者の中でも評価の高いダニエルさんですが、そろそろ将来の跡継ぎを探し始めました。そして今回の人事発表が若干物議を醸しております。 

なぜなら、その超有名経営者ダニエルさんが指名した男は、ノバルティス在籍3年と少しだけ、それ以前の彼のキャリアの大部分を過ごした会社は、ケチャップで有名なあのハインツなのですから。 

渦中の人、ジョセフ・ジメネスさんは、医薬品業界経験たった3年ちょっとで、グローバル・メガファーマのC-suite、しかもCEOになったのです。ちなみに日本法人においても、しっかりと取締役会長になっております 

この人事にはさすがにいろいろと異論があったようです。

 

ノバルティスの事に限りませんが、よく製薬会社の人事で大事なことは、第一にどれだけこの業界を知っているのか? という率直な議論です。 

ただし、その知識偏重型の人事が、医薬品業界の残念な側面の一つである閉鎖性を作り出しているような気がします。 

なんというか、他からの人材を受け入れにくい事です。医薬品業界では、知識の有無ということが、ほかの業界よりもプライオリティが高いのです。 とにかく専門的すぎるが故に、他から入れないという、学術的な要因があります。 その弊害としては、ただ単純に知識を獲得している者が、単純に知識が無い者よりも主要なポストについてしまうことがあります。 さらに、単純に知識がない者へのイジメ的な問題は、意外と多く存在するのです。 製薬会社はアカデミア集団ではなく、営利企業ですので、キーパースンに求められるのは、知識もさることながら、ビジネスのセンスやとっさの判断力などではないでしょうか。 

さて、ノバルティスに話を戻します。今回のジョセフさんの抜擢ですが、個人的に大絶賛するところであります。  

なぜかと申しますと、とにかく、変化が大切だと思うからです。この異文化というか、違った業界からの抜擢は必要なことだと思います。 

奇しくも医薬品業界は2011年が大型ジェネリックが始まる年、2012年は人員が流動する年とも言われ、大きな変革期にあります。 

最近のノバルティスのアクティビティを見ると、OTCに関連する事が多いことは関係ないでしょうか。世界第二位のマーケットであるここ日本でも、OTCで発売されている同成分の薬価削除などの議論が持ち上がっているところです。 

医療用医薬品は、エンドユーザーが患者ではあるものの、実際の営業の矛先は処方権のある医師です。医師相手のビジネスですから当然高い専門性が求められるでしょう。 

それに比べると、OTCは、まさに患者がダイレクトカスタマーになるのです。営業的には、専門性もさることながら、やはりセンスが問われるのではないでしょうか。 

特に、OTCの中でも最近議論になるのが、リピトールなどの所謂慢性疾患の製品ですよね。慢性疾患って、高血圧や高脂血症、糖尿病などですよね。 

慢性疾患の患者って、なんというか、普段、つまり日常生活は元気ですよね、比較的。 ですから、このマーケットを考えるときに、個人的には「患者 patient」、というよりも、「顧客 consumer」を意識したマーケティング、開発が必要な気がします。コンシューマー業界では、顧客第一主義です。 医薬品業界よりも、もっとユーザーオリエンテッドといえるでしょう。 

患者ではなく、消費者? 個人的に、OTCや予防医学、サプリがもっと増えてくると、医療用医薬品メーカーはこちらのウェイトが上がってくることは明らかです。 

そうなってくると、知識偏重でふんずり返っていたおじさんたちの出る幕はなくなってきますよね。彼らのプライドも破壊されます。そして大きく言えば、医療用医薬品業界の参入障壁も破壊されていくのではないでしょうか。 

もしこれらが、本当に進むなら、今回のダニエルさんによるジョセフさんの抜擢人事は、かなり先見の明がある改革と言えるのではないでしょうか。コンシューマー業界に長年居た人物ですから。 

2011年から、大きく変革している医薬品業界、そんな中での大胆人事。新しい時代の到来を告げているような気がしてなりません。

OTC どうでしょう。

あけましておめでとうございます。仕事始めだ!と思ったら3連休ですね。

さて、昨年末から、このblogでは製薬業界における所謂2011年、2012年問題らしきネタを紹介させていただいておりました。何しろ世界一のリピトールだけに、話題が尽きません。

そのリピトールが世界一の座を明け渡すと、そこに追随している品目の一つがネクシウムですね。オメプラールに次ぐプロトン・ポンプ・インヒビター(PPI)でアストラゼネカが日本法人でも昨年売り出しましたね。

日本のマーケットにネクシウムを出すにあたって、AZが単独で売るのか、それともリピトールのように他社と組んで併売をするのか? ということが発売以前から注目されておりました。

結果的にはご存じのように併売という形をとりました。大型新薬ですから、それなりのプロモーションが要求されます。AZ一社ではなく、他社と組むことによってMRの実質的な数的メリットを狙ったことになります。日本のマーケットを攻略するうえで、多数のMRによる人海戦術が功を奏するという判断があったのかなと思います。

そのパートナーがまさに第一三共ですよね。 ただし、併売と言っても色々な手法があるのですが、AZがクレストールの時に塩野義と組んで色々と生じた諸般の課題をクリアすべく、マーケティングとプロモーションというすみわけをすることに落ち着いたわけです。 2社が痛みを分けて、けんかをして奪い合うような形ではなく、仲良くみんながハッピーになれるようなやり方をAZは選びましたよね。 いずれにしても、AZはブロックバスターを日本法人では単独で売るという選択をしなかったので、MRを単独で増員しなくて済んだのです。

そのパートナの第一三共は、ネクシウムを扱い、さらに今まで世界一だったリピトールのジェネリックを、子会社ランバクシーを通じて世界市場で売っている。 何だか、うまいことやっているように見えますね。 さらにランバクシーは、テバとの提携をして、テバの販売網に「ジェネリック・リピトール」を乗せようとしていますね。 まさに、日本でも大洋と興和テバを買収したテバですから、日本市場でも攻勢をかけてくるのでしょうか。それはわかりません。

またまた話がリピトールに戻ってしまいますが、高脂血症は慢性疾患ですから、動脈硬化の予防的に処方されている人も併せますと、相当長い間リピトールを飲み続けているという患者さんが多いです。リピトールの服用に慣れているご年配の方にとって、「同じ薬です」と言われても、「アトルバスタチン」という風に名前も色も変わると、何か違うものに変わった気がしてくる方も多いです。

ジェネリックでは、日本でも一般名が商品名というように統一されてきておりますので、名前が変わり、患者さんにとっては、なんか違うという感覚をぬぐいきれません。特にブランド好きな日本人にとってはなおさらのことだと思います。

「ジェネリックが良いのはわかるけど、先生、私は今までのリピトールで良いですよ…」という人も多いでしょう。さて、この日本人の変化が苦手、ブランド好きという特徴をマーケッティングに反映させると、どうなるか少し考えてみました。

実は先日こちらで取り上げました、OTC薬として存在する医療用医薬品の薬価収載削除の動きですが、実はこの日本人のメンタリティが大きな影響を及ぼしかねないと、密かに思っております。

だいぶ前から報道されていることですが、現在、米国でファイザーがFDAに打診中の案件の一つに、リピトールのスイッチOTCということがあります。

Pfizer May Market Own Over-the-Counter Lipitor Pill

こんな慢性疾患の医薬品のOTC化が可能なのかどうなのか、わかりません。が、もしも本当に可能であり、事実としてOTCになった時には、リピトールの薬価が削除されちゃうかもしれませんよね・・・・。

そして、「リピトール」というブランド名がOTCとして蘇るのです。ブランド好きで変化が苦手な日本人なら、なじみの深いこの名前のOTCは、「アトルバスタチン」よりも売れるかもしれません。もちろん、「リピトール」というブランド名を名づけることが許される企業は、ファイザーですよね。

世界第二位の医薬品マーケットの日本で、スイッチOTCは波紋を呼びそうですね。ただ、この実現性は未知数です。

ジェネリック・リピトールを巡るニューヨーク決戦!

リピトールの後発品ですが、日本からは5社から発売になっていますね。 

アトルバスタチン錠5mg/10mg「EE」  – エルメッドエーザイ
アトルバスタチン錠5mg/10mg「KN」  – 小林化工
アトルバスタチン錠5mg/10mg「サワイ」 – 沢井製薬
アトルバスタチン錠5mg/10mg「サンド」 – サンド
アトルバスタチン錠5mg/10mg「トーワ」 – 東和薬品

お気づきのように、ジェネリック医薬品のネーミングは、一般名を基準としたネーミングに統一化されました。昔は、それはギャグ?というようなユニークな名前もありましたが、数十社が参入するジェネリックマーケットですので、紛らわしくなったり、処方ミスなどをなくすためだと思います。

できれば、リピトールに準えた名前をつけたかったでしょうね。 それだけリピトールのブランド名は浸透していますので。

さて、このリピトールのジェネリック戦線ですが、アメリカでは、2つのメーカー、ワトソンランバクシーでちょっとした物議を醸しております。

ワトソンは、NYに本拠を置くジェネリック医薬品メーカーです。ワトソンは自社のホームページで、今回のリピトールの後発品の発売を

“Largest generic product launch in US history” 

つまりアメリカ史上で最大の製品の後発品の新発売として、意気込んでいます。アトルバスタチン錠80mgの初出荷の様子が、ホームページ上で動画で記録されているほど、ワトソンとしては、会社的にも意義のあることだったことが伺えます。それにしても、アメリカではリピトールは80mgなんですね。

ワトソンが、動画をホームページにまでupして、「我々はもう出荷している」ということを強調している理由ですが、なんとなく、ランバクシーを意識しているような気がしてなりません。なぜなら、ワトソンは、「スタート」を切ったものの、ランバクシーは、ジェネリック・リピトールの販売権は得ているものの、主要記事によるとまだ沈黙しているのです。

Watson starts selling generic Lipitor in US, Ranbaxy mum

11月30日時点のBloombergによれば、ランバクシーはこの時点で更なる最終的なクリアランスをUSFDAから受けなければならないのです。記事によると、インドのアナリストも、いつUSFDAから許可が降りるかわからないと言っています。こんな記事を読むと、ワトソンの動画が如何にインパクトを与えているものであるかを感じざるを得ません。

 さて、ランバクシーといえば、インド最大の医薬品メーカーで、第一三共の傘下。 つまり、この一連のドタバタは、日本の会社の子会社が繰り広げていることだったのですね。ということは、むしろ、かなり日本に関係のあることだったのです。

第一三共の経営にかかわる方々にとっては、歯がゆいことだったのでしょうか。日本ではなかなかこの手の報道がないので、うかがい知ることができないところです。

さらにランバクシーは、ジェネリック最大手のテバと組んで、このジェネリック・リピトールをテバの販売網に乗せようとしております。当然戦略上のことであるかと思いますが、第一三共にとっては、日本市場はテバを通じてオペレーションをすることになるのかと思います。大洋と興和テバを同時に買収して、テバ製薬誕生の目玉製品にもなりそうな予感がします。このストーリーのためにも、ランバクシーはUSFDAからの宿題をクリアしなければならないのでしょう。

ランバクシーの拠点はインドではグルガオン、アメリカではニュージャージーに置かれてています。 ニューヨークとニュージャージーに本拠を置く2社、まさにgreater NY 決戦。。

NBAで言えば、ネッツとニックスのマジソンスクエアガーデンでの決戦!と、行きたい所なのでしょうが、今のところはネッツの不戦勝になりそうな雰囲気ですね。この東海岸での対戦は、日本にも大いに関係があり、今後の成り行きがかなり注目されます。

仕分け

先日、政府の行政刷新会議の「政策提言仕分け」で、ジェネリック医薬品の使用促進などについての提言がなされました。ジェネリックの促進…って、もう20年以上前から言われていることだけに、熱い反対議論などもないし、何らかの既得権限を守るような団体からの反論もないし、「まあ、そりゃそうだよね…。」というような雰囲気が大勢を占めておりました。

ついでに、「このほか、」という形で「市販類似医薬の自己負担割合の引き上げ試行を」という意見が取りまとめられたと報道されております。

ジェネリックの促進であれば、古ぼけた提言かもしれませんが、実は、この「このほか」で議論された市販類似薬の自己負担の引き上げというのは、かなり、かなり、重要なニュースで、大きなインパクトが実はあるのです。

市販薬というのは、いわゆる、薬局やドラッグストアで買える薬です。たとえば、ルルとか、キャベジンとか、色々ありますよね。 

自分で買い求めることができる市販薬の中には、医師から処方される処方薬と同じものがあります。

たとえば、何でも良いのですが、よくテレビのCMでやっている、僕自身も愛用している「ガスター10」を例にあげると、「ガスター」というのは商品名で、物質の名前(一般名)はファモチジンという物質です。 医療用医薬品(処方薬)では、先発品のガスターと、複数の企業から発売されているジェネリック品がそれぞれの商品名で存在します。つまり、ファモチジンという物質は、医療用医薬品と、OTC(市販薬)が存在するわけです。

では、値段を見てみましょう。医療用医薬品の先発品であるガスター錠10mgの薬価は1錠あたり31.1円です。同じく医療用医薬品ではありますが、数十社から出ているジェネリック品でおそらく一番低薬価であるブランドの一つは「ファモチジン錠10mg」(共和薬品)で、9.6円です。薬価は保険で請求しますので、実際には国が、もっと高い部分を負担していることになります。

そして市販薬(OTC)のガスター10ですが、たまたま見つけたものは、6錠包装で931円ですから、1錠当たりにすると155円です。

ガスター錠10mg  薬価 33.1円
ファモチジン錠10mg 薬価 9.6円
ガスター10  市販販売価格 155円
つまり、胃がムカムカして、すっきりしたい時に、ドラッグストアで「ガスター10」を購入することも、大変すばらしいことではありますが、医院でお医者さんに「ファモチジン錠10mg」を処方してもらえば・・・・ということになるわけです。

このほか、乳酸菌を摂取してプロバイオティクスをしたければ、OTCの乳酸菌製剤を購入する、あるいは毎日数百円かけてヨーグルトを食べるのも良いのですが、お医者さんにビフィズス菌製剤を処方してもらえば、1錠6円位ですみます。風邪の季節でレモン何個分のビタミンCの薬も、お医者さんでアスコルビン酸を処方してもらえばOK。仕事のし過ぎで過労、タウリン1000ミリグラム摂りたいなら、お医者さんでアミノエチルスルホン酸散を処方してもらえば、1000ミリグラム、つまり1グラム薬価10.2円です・・・・・・。

お医者さんに処方してもらえば、少ない負担で必要な医薬品が手に入り、あとは国が負担してくれる…これが、世界に誇る日本の保険薬価制度だと、思いませんか!? 納税者であれば、この恩恵を受けるべきだと、常日頃思っているのです。
今回の政策提言仕分けでは、このように市販薬で存在するものまで、ぶっちゃけ、国が面倒見なくても良いんじゃないの? ということかもしれません。市販薬で求められる同じ成分の医療用医薬品の、自己負担を上げようというのです。確かに、言う事はわかりますよね。市販薬で買えるし、実際に買っている人も居るわけだから、自己負担を引き上げても良いのでは?ということですよね。 上の例で言えば、ファモチジン錠10mgの自己負担を上げろということですよね、なぜならガスター10が存在するわけだから。。

じゃあ、この恩恵は受けられなくなる?? そうなるかもしれません。ビタミン、乳酸菌、タウリン、ロキソニン、ガスター、その他その他、薬価の恩恵を受けたい方は、今のうちにお医者さんにかかりましょう!? 的な風潮になるのでしょうか、そのうちに。。笑えません。
そしてさらに踏み込んだ議論。それは、OTCで存在する医薬品の、薬価削除です。 つまり、ドラッグストアで売っている薬は、保険薬価収載から削除するということですよ。

想像してください。

歯医者さんで、虫歯の治療をしました。「はい、では、一応痛み止めにロキソニンを処方しておきますね…」という会話が、「はい、ではドラッグストアでロキソニンSか、何か好きなのを勝手に買ってください…」になるかもしれません。 

風邪をひいて、内科で抗生剤を処方されました。「抗生剤を出しておきますので、胃を保護するために、ドラッグストアでビオフェルミンSを買って飲んでください

こんな時代がすぐそこまで来ているかもしれません。
・・・・そして、ここからが、もっと踏み込んだ話に。ドラッグメジャーがこの制度改革を実は注目しているのです。その理由は? またの機会に。

ノルバスク、アムロジン、そして麦とホップ

ジェネリック医薬品はカニバリゼーションか?

新規事業が既存事業を食いつぶすことを、マーケティングの世界ではカニバリゼーションと呼びますよね。たとえばレコード会社はダウンロード販売を手がけていますが、既存のCDの売り上げが頭打ちになり、ついにバージンメガストアはその存在意義を失い、日本ではTSUTAYAに吸収されて解散しました。 歴史的に言えば、いわゆるレコード盤の時代もあったわけですから、時の流れには逆らえないということでしょうか。

ビールにおいても、その高い税率と戦うことなく、メーカーによる強かな戦略で登場した発泡酒は、今やビール市場を侵食し、さらには麦芽以外の原料を使った第三世代のビールが登場しております。

いずれにしても消費者側からは何らかのメリットがある、生産者側としては製品自体にユーティリティ、つまり効用が付帯していることが条件になっているかと思います。消費者目線では、安い、便利、おしゃれ・・・などなど、生産者側からは、「売れる」ということにほかなりません。

ただし売れる製品を開発することが必ずしも成功とは限りません。なぜなら既存の築き上げたマーケットを食いつぶし、単価の安い製品がシェアを伸ばす訳ですから、生産者としては、更なる大量な売り上げを達成しなければ、利益率でカバーできなくなるというわけです。 この点がいわゆる、カニバリゼーションによる企業のジレンマでしょうか。

若干前置きが長くなりましたが、ジェネリック医薬品はカニバリゼーションでしょうか。効能・効果、安全性などは先発品と同等で安価であれば、当然先発品マーケットは食いつぶされる可能性が高いですよね。

ところが、つい最近までは、カニバリゼーションとは言えなかったと思います。なぜなら、先発品メーカーはジェネリック医薬品を扱っていなかったからです。扱っていたとしても、自社先発品のジェネリックはなかったと思います。

つまり、医薬品業界は、ビール業界とは違ったのです。当たり前といえば当たり前すぎますが・・・。

例えばサッポロビールのラインアップを見ると、エビス(プレミアムビール)、黒ラベル(ビール)、生搾り(発泡酒)、麦とホップ(第三のビール)、プレミアム アルコールフリー(ビール風飲料)…等等となっていて、結局のところ、単価の高いビールを、価格の安いカテゴリーの製品が侵食しているようにも見えます。単価の安い製品で利益を伸ばすには、物量をさらにアップさせなければならなくなり、辛いところです。

一方で医薬品をみると、例えば昨年満を持して登場したアムロジンです。先発品はファイザーのノルバスクで、ジェネリックは30社以上のジェネリックメーカーから発売されましたが、ファイザーからは発売されていません。 先発品とジェネリックでは業界が違うので、同じ製品が別会社から出てくるということになります。 つまり、カニバリゼーションではないかもしれないということです。

要するに医薬品業界においては、特許が切れた先発品は、別のジェネリックメーカーによって市場が縮小するばかりということになります。
先発品メーカーはこのような状況をただただ眺めているだけでしょうか。もちろん、違います。それは、先発品メーカーによるジェネリック医薬品マーケットへの進出によって、業界地図が激変しようとしていることから明白です。

ファイザーによるエスタブリッシュ医薬品事業部、サノフィによる日医工との提携、それよりだいぶ前のエルメッドエーザイ、田辺販売・・・そしてアボットが予定している分社化…などなどがその地図の激変です。

今まで、医薬品業界はセラピューティイクエリアでカテゴライズされてきました。つまり、オンコロジー、CNS、イミュノロジー、プライマリーなどなど、ファンクショナルなセグメントでした。もしかしてこれからは、新薬・長期収載品・ジェネリックなどなど、クロノロジカルなセグメント、タイムユーティリティに戦略をシフトしてくるかもしれません。 (カタカナが多くてすみません。日本語でなんと言うのか調べるのが大変なので…。)

では、その医療用医薬品におけるタイムユーティリティに関する個人的な考察は、別の機会にこちらに書かせていただきます。

リピトール四方山話

最近、ファイザーがワーナー・ランバート時代にリピトールを開発した化学者をレイオフして、話題になりました。
(Lipitor Pioneer Is Out At Doomed Pfizer Lab; A Blockbuster Drought
Wall street journal, http://online.wsj.com/article/SB119733600536720234.html
As Drug Industry Struggles, Chemists Face Layoff Wave )

世界で最も売れている医薬品のひとつ…といえば、ここ数年はリピトール(アトルバスタチン)が1位を連続で占めていました。元々ワーナー・ランバートの化学者が開発して2000年に世の中に出た薬です。その後ファイザーがワーナーランバートを買収し、日本ではファイザーとアステラスと一緒に売っていますよね。

ところで、当事のファイザーによるワーナー・ランバートの買収劇は、890億ドルという金額で、いまだに世界の巨額M&Aの第4位になっています。因みに、1位から3位は下記のとおりです。

  1. ボーダフォンとマンネスマンの2028億ドル
  2. AOLによるタイムワーナーで1820億ドル
  3. RFSホールディングズによるABNアムロで982億ドル

さて、当事そんな巨額なM&Aをファイザーが決断した理由も、ずばり、リピトールに他なりません。

リピトールはその後2004年に世界の売り上げNo.1に躍り出て、売り上げのピークが過ぎた現在においても120億ドル近く売れていて、2010年時点で1位(セジデム・ストラテジックデータ株式会社の調査による:http://www.utobrain.co.jp/news/20110801.shtml)、さらにアメリカにおいても2009年まで1位(ちなみに、2010年はネクシウム:http://www.drugs.com/top200.html)なのですから、ファイザーにとっては、むしろワーナー・ランバートは安い買い物だったのかもしれませんよね。

さて、リピトールは一般名のアトルバスタチンでわかるように、いわゆる“スタチン”で、HMG-CoA還元酵素阻害薬。いわゆる高脂血症、高コレステロールの薬ですよね。

この、“ほにゃららスタチン”とか、“高脂血症”とか、“HMG-CoA還元酵素阻害薬”とかいう言葉は、1990年代に製薬会社でMRを経験した者にとっては、メバロチンを連想させます。

メバロチンといえば、日本発で初めて世界に通用するような薬だと、先輩方々から教えられたものです。昔、某国内中堅製薬会社に勤務していたとき、仲間同士で蔵王にスキーに行ったのですが、途中で三共製薬の超豪華な保養所施設があり、みんなで「メバロチン御殿」と呼んでいました(笑)。

さてさて、そんなスタチン、リピトールですが売り上げ減と特許切れで様々な影響をもたらしています。

さて、冒頭に紹介させていただいた化学者ですが、ファイザー社が別に彼を狙ってレイオフしたわけではないでしょう。そこにある研究所2100人のレイオフですから、世界的なレイオフの一環というわけです。

ファイザーは90年代にM&Aによる研究開発、パイプラインの増強をする、いわゆるファイザーモデルで製薬業界を牽引してきました。研究開発には毎年9000億円近くが使われていていました。9000億円って、1社のしかもR&Dだけにかけている金額としては、すごいですよね。

ところが、実際にはファイザー本体からの新薬は1998年のバイアグラ以来、登場していない(wikipediaによる)とのことですから、レイオフというのは当然のことなのかもしれません。日本では、名古屋にあった研究所は2008年にスピンオフして今年上場ましたね(ラクオリア創薬http://www.raqualia.co.jp/)。

驚くことではありませんが、MRにも影響しています。ファイザーはリピトールの特許切れの前にアメリカで大規模なsales rep(MR)のレイオフを計画しています。とにかくリピトールがあけた穴を、コーポレートとして相殺しなければなりませんので。その穴に関しては新たに1000億円のコストカットが迫られているようです(wall street journal: http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304906004576371561284585844.html)。そのアメリカのMRのレイオフの具体的な数字や時期などの詳細については、ファイザーの広報は名言を避けている(http://www.pharmalot.com/2011/08/pfizer-cuts-reps-before-lipitor-patent-expires/)とのことです。

それにしても、ブロックバスター一品目が、何万人もの人生を左右しているような気がして、医薬品ビジネスって恐ろしくもなりますね。さて、レイオフや、コストカットなど、暗いトーンばかりではありません。“特許切れ”といえば、当然のことながら、hotになってくるのはジェネリックメーカーです。

この11月の薬価収載でリピトールの後発品が5社から発売されます。まさに未曾有のジェネリック市場の更なる拡大につながる事は間違いありません。ただでさえ、この11月の収載はアリセプトなど大型ブランドのジェネリックが収載されるのです。引き続きジェネリック市場の活況は続くのかなと思います。

リピトールの話はこれからもつづきそうですね。

米アボット、製薬事業を分割 2012年末めど

Breakup or  Buildup?

各メディアが一斉にアボットの事業分割計画について報じています。
http://blogs.wsj.com/deals/2011/10/19/abbott-breakup-a-glimpse-into-the-future/

「米アボット・ラボラトリーズは19日、2012年末をめどに後発薬を除く製薬事業を分割し、新会社として上場すると発表した。医療・診断器具や栄養事業など、製薬以外の事業は本体に残り、アボットの社名を引き継ぐ。成長ペースや主力市場の異なる製薬事業を分離することで経営効率を高め、株主価値を高める狙い。(日本経済新聞)」

考えてみれば、まったく不思議な話ではありません。前から思っていましたが、アボットに酷似している会社がジョンソン・アンド・ジョンソンかもしれませんアメリカの企業でR&DにフォーカスしてM&Aをして成長を遂げたメガ・ヘルスケアカンパニー。J&Jの現在のオペレーションを見れば、5社から成っていますよね(メディカル、コンシューマー、ビジョンケア、ダイアグノスティック、ヤンセンファーマ)。

また、同じアメリカ系のブリストルマイヤーズ・スクイブも医療機器のコンバテックや粉ミルクの企業をかつて分離しましたし、ファイザーに至っては過去に農薬や食品その他を分離してきました。また、アボットにおいては、バスキュラーやAMOなど、別オペレーションがくっつきましたよね。企業、特に外資なので、この辺が活発なのは頷けるところです。

医療機器と医薬品では、商習慣もコンプライアンスも全く違いますよね。ですから、同じ会社でやるというのは、どこか無理があったりします。より効率的なオペレーションということで考えれば、今回のABBOTTのニュースはbreakupというよりは、未来に向けたbuildupではないでしょうか。記事によるとアボットの場合は分離した新会社の社名も新しくして米国で上場するらしいので、J&Jのようなファミリーというよりは、もしかしたらファイザーのように分社化していくのかもしれません。

分社化、上場ということにフォーカスすると、資本の分散によって、投資家からの買いも入りやすくなることや、何より節税につながると思います。特にリウマチ、クローン病のヒュミラにおいては更なる売り上げ増を望む一方、バスキュラー、ビジョン系のデバイスは競合へのシェアアップが必須になっている関係上、この分割が及ぼす波及効果への期待は納得ができるものと言えます。

日本における医薬品業界という観点から考えれば、そもそもダイナボットからアボットになり、エンシュア・リキッドやクラリシッドを売っていた会社。さらに北陸製薬買収でホクナリンテープが来て、シナジス、セボフレンが別部隊になったという印象はありますが、元々薬屋たちにとっては、機械屋との接点が無かったので、特段大きな変化があるようには見えないでしょう。

今回のニュースは、breakupやsplitというよりは、それぞれの分野が分離して発展するというbuildupにほかなりません。歓迎すべきものだと思います。

特に特殊な業界である医薬品においては、なおさら歓迎すべきニュースではないでしょうか。

しょうがない話

先週の土曜日にわき腹に腹痛を覚え、不覚にも救急外来に搬送されました。原因は薄々わかっていましたが、腎結石です。2回目ですから。綺麗な女性の看護士さんにボルタレンの座薬を挿入されました。痛みは落ち着き、エコーにもレントゲンにも結石らしき物が映っていたので、ほぼ確定診断され、ラクテックを1リットル射って家に帰されました。茶髪に金のネックレスがまぶしい若いイケメンの救命の先生に、「ほぼ診断もついたので、痛みが落ち着いているなら、どうぞご帰宅ください。月曜日には泌尿器科を受診してください。」と促され、自力で家路につきました。まあ、救命救急だから、僕みたいに腎結石で歩ける患者にはかまっていられないでしょう。

週があけて月曜日に泌尿器科を受診しました。まあ、地域で一番大きな基幹病院ですから仕方がないのですが、とにかく待てど暮らせど順番が回ってこない。朝から受付して、外来で3時間以上待って、やっと自分の番。

先生:レントゲンを見ながら「ここにありますね。6ミリくらいです。」
先生:「とにかく、水をいっぱい飲んでください。これを出さないと。出たら拾って持ってきてください。」
先生:「あとは、結石ができないような生活をしないと・・・。」
先生:「そうですねー。石を溶かす薬と、尿が出やすい薬を出しておきましょうか・・・」

と、いいながら先生はパソコンにハルナールと入力。

僕:「あの、僕、前立腺肥大はないと思いますのでハルナールは無効ではないでしょうか・・・」

先生:「まあ、これは、大丈夫ですから。 また2週間後に来てくださいね。」

まあ、大病院が抱える問題ですよね。3時間待ちの5分診療。それは、仕方のないことだと思います。いろいろと、昔から対策も打たれているようですが、一朝一夕には解決できないことですよね。結局ハルナールを出されましたが、MRの時に研修で習ったα1-cだか何かのレセプターは、排尿障害が無ければnon responseのはずだと思うのです。そうであっても、それ以上外来診療中に先生と議論してもショウガナイし、そんなことしたら嫌な患者になっちゃうし、時間もないし、逆に先生からもっと難しい反論とかされたらわからないし、結局素直に処方されることになりました。

朝から午後1時半まで病院の外来で過ごし、これから調剤薬局へ。そこには、忙しそうな40代半ばと見られる女性薬剤師が居ました。。

薬剤師:「ジェネリックがありますが、ジェネリックにしますか」
僕:「うーん、じゃあお願いします」
薬剤師:「えっと、おしっこが出にくいんですか?」
僕:「え、いいや。」
薬剤師:「おしっこは大分出るようになりましたか?」
僕:「え、いや、それは前から普通に・・・」
薬剤師:「じゃあ、今日はおしっこが出やすくなる薬が出ていますので、どうぞぉお大事に。」

この会話は、無駄であるります。一々結石で石を早く出すために先生が・・・と説明するのも大変だし、それよりも人の話を聞く風ではないですし。ただ、これが薬局で服薬指導の点数になるわけでしょうから、この会話が成されることは、仕方が無いことかもしれません。仕方が無い。。服薬指導が何点なのか、知りませんが(明細見ればわかるけど)、その医療費が国庫から出ていると思うと、納税者としては不条理かもしれません。プリントアウトされた薬の説明には、「タムスロシン」のジェネリックの写真と、「尿が出やすくなる薬です」と書かれていました。

ほんとに、痛くてしょうがないし、待ってて疲れてしょうもない。望んでいない薬を出されて、しょうもない話でした。

アルツハイマー パッチ

少し前ですが、東京ビックサイトで開催されたインターフェックスで面白い薬剤に出会いました。面白い薬剤を見せてくれたのは、事前に、コンタクトをしていたドイツ人です。東京ビッグサイトに着き、早速彼が所属する、ドイツの製薬会社のブースに足を運びました。

インターフェックスの海外から参加した会社が集まっている一角に、彼ともう一人が小さなブースを構えていました。彼はドイツの製薬会社で、アジアパシフィックのビジネスディベロップメントを担当して、もう一人はR&Dの担当者でした。

彼らが見せてくれたのは、四角いパッチ製剤でした。一見、単なる絆創膏に見えましたが、効能はアルツハイマー型認知症ということで、びっくりしました。が、実は、びっくりしたのは僕だけで、すでに日本でもノバルティスから発売されたとのことでした。いやあ、MRを離れて数年たつと、新薬のキャッチアップに疎くなりますね。 (イクセロンパッチ)

僕がびっくりしたのには、少し理由もあって、実は僕が新卒で入社した製薬会社では、当時、アルツアイマーの治療薬の開発に社運をかけていたときだったからです。大学病院を担当したときに、老年病科での治験に少しかかわりましたが、その治験が本当に本当に大変だったことを覚えています。

なにしろ、主訴は痴呆です。患者自身が、気づいていない場合が多いです。痴呆ですから・・・・。多くの場合は、ごく近い家族などが気づくということです。まあ、そりゃそうですよね。

そして治験ですが、これがまた効果の判定が、色々ありまして。僕の覚えている限りですが、例えば、ずーっと下を向いていたおじいちゃんが、前を見た。こんなことでも、効果として認められたりするらしいです。 これも昔の話で、いまはどのようになっているのかは、知りませんが。

モニタリングですが、内臓疾患や怪我ではないので、基本的にご自宅に患者さんは居る訳です。患者の身近にいる人にしかわからないような効果もあるわけです。従いまして、その治験には、患者と、患者にごく近い人物が必ず居なければいけないという、縛りがあったりしたのを覚えています。

しかも、その、「ごく近い人」とされた場合には、その人にも条件がつきます。例えば、半年間旅行にいけないとか、何日以上離れてはいけないとか・・・・・。

治験といっても、製薬会社は真剣で、医師はもちろん業務としてやっていただいてはいるものの、患者にとっては、時にはそんなに真剣ではない人も、含まれたりしているのです。意外と、この「ごく近い人」が、縛りを守りきれずに、旅行に行ってしまったり、色々と不都合が生じて、結果的に症例としてカウントできなくなったりしていました。

当然、近くで監視をしていないと、治験薬を飲み忘れたり、あるいは、飲んだことを忘れて、また飲んでしまったりするわけですよ。もしもダブルドーズになってしまったら、おそらくその時点でデータとしての価値が揺らぎますよね。

で、ブースのドイツ人が言いました。

「ヨーロッパでは、ウチ等がとっくに売ってるけど、日本でノバルティスから発売になるよ。」
「へえ、それは知らなかった。良かったね。」

僕が言うと、僕の質問にも答えてくれました。

「とにかく、貼ってあるのが見えるから、飲み忘れがないよ。」
「貼ってあるのが見えるから、もう一個貼らないし、ダブルドーズもないよ。」
「肝での初回通過効果もないよ。」

当然、超高齢化社会に向けて直滑降の日本です。認知症患者の推計は2010年で250万人らしいですね。さらに、2030年人は420万人に達すると言われているらしいです。こんなに使いやすい製剤があれば、本当にすばらしいと、彼らに言いましたが、彼らは、もう日本でも発売だし、誰でも知ってるよと言っていました。

新薬のCatch upが必要だと感じた一日でした。

新製品 i-MR!!!

医療とITはご承知のように密接な関係がありますよね。患者情報も画像イメージもイノベーションの最先端にあり、それに乗り遅れると、時として、医師にとって致命的な遅れをとってしまったり。もちろん、テクノロジーだけを追いかけている医師も、どうかとは思いますが。

医師は、仕事柄、ITには敏感な人々は多いですね。 そのせいかどうかはわかりませんが、スマートフォンとか、タブレットとか、医療現場にはいち早く普及したようにも思えます。今までの仕事が便利になったり、今までの治療が進歩するなら、それはとてもよいことではありますよね。

そんな中ですが、気になる話を見つけました。アメリカでの話ですが、医師によるデジタルデバイス使用の進歩の流れが、セールスレップ(MR)の首を絞めているのでは?という内容です。(こちら

例として、たまたまではありますが、ノバルティスでの話があがっていました。オンコロジストによるiPad使用の流れで、効率的な情報収集ができるようになった。 これによって、オンコロジストに行く回数が少なくてすむという判断の下に、その分、もっと多くの医師を訪問しろと・・・。

どういう計算かわかりませんが、ノバルティスのCEOのJoe Jimenezが言うには、一人のREPにとって、年間に250時間の節約を、iPadはもたらすということなのです。新たに作り出された時間と、REPの数を考えると年間35000人の新たな顧客を訪問することができるということなのです。

この結論は、もちろん証明されているわけではありません。しかしながらノバルティスは、結果的に1400人のレイオフをしました。このレイオフに関しても、iPadが原因なのか、別の理由があるのかまでは定かではありません。いずれにしても、iPadが起こしたイベントであることは間違いありません。

ただし、アメリカのファーマ関連にコメントなどを頻繁にPOSTしているblogger連中の声を見ていると、ファイザー、リリーその他のドラッグメジャーにとって、よいレイオフの口実になっているとの見解があります。私も、これはアリだろうなと思ってしまいます。

ドクターにとっては、どうでしょう。彼らは、iPadは好きだけど、セールスレップも好きなようです。やはり、ITだけのやり取りは便利ではありますが、人と人とのインターアクションをしながら、仕事を進めていくことが、ドクターは好きらしいです。デジタルも見たいけど、セールスレップと話がしたい。ドクターはこう思っているようです。

確かに、考えたって、味気ないですよ。iPhone、iPadで仕事を済ませても。。。

しまいに、iMR、iRepという製品が、製薬会社向けのシステムインテグレーションとして、Appleから出たりして!!!(笑)

やはり、どんな仕事でも、人との絡みがないと、なんと言うか、味気ないですよね。 味気ないITでのやり取りが主流になってくると、逆により個性的な、温かみのあるビジネスが流行るのではないでしょうか? 特に、製薬会社では。 なんといっても、ヘルスケアですから。何か、これからのコミュニケーションのあり方にとって、何かヒントがあるような気がします。

KOLとは

私の周りは、医療業界出身者ばかりではないので、KOLに関しての質問をたくさんいただきました。

このblogも、医薬品業界関係者だけに向けているわけではありませんので、KOLについて、解説をさせていただきます。

尚、下記は私が自由きままに書いていることで、プロフェッショナルコメントではありませんので悪しからずご了承ください。

KOLとは、Key Opinion Leaderの頭文字をとった、略語です。

Key Opinion Leaderとは、治療指針に影響力を持った医師、または医学専門家のことを指します。医療は日進月歩していますよね。治療方法も時代によって進歩しています。病気に対する治療も、使う薬剤も、その時代によって、あるいは、その医師によって違いますよね。

KOLの治療指針は、他の医師に絶大な影響力があります。どの薬を使えばいいのか? そんなことが、KOLの治療指針には含まれているのです。従いまして、製薬企業にとっては、とても大事な先生になるわけです。

その領域の専門の医師にとっては、さらに細かい治療指針に、また、非専門の医師にとっては、治療のお手本としてとても重要です。

特に日本では、医薬品を国(Pmda:医薬品医療機器総合機構)に申請する際には、KOLの見解がとても大事になります。俗にですが、高血圧なら○○先生、糖尿病なら○○先生の意見が・・・・・・・といった具合に、その道のKOLの先生が存在するのです。

繰り返しですが、KOLは、製薬企業にとってはとても大事なコンタクトになるわけです。

KOL担当よりも・・・

「優秀なMRである」というジャッジメントを得るときの指標のひとつとして、「KOLを担当した経験」ということがあるかと思います。 たとえば、その領域の権威の先生から直接携帯に連絡が来る・・・KOLとこんな関係構築をしているMRが居たら、ひょっとしたらその会社では社長より偉くなってしまうような勢いになるでしょう。

各製薬会社も、それぞれ主力製品を抱えている領域のKOLには、優秀とされているMRを配置するでしょうし、そのMRも誇りに思っていることだろうと思います。

しかしながら、KOLの「担当MR」自体は、そこまで優秀である必要があるでしょうか。

KOLは、この国の治療指針にかかわるので、製薬企業としてはとても大事な存在には変わりありません。しかしながら、薬を大量に使うかと言うと、KOL自身はそんなに使いません。 臨床よりもまずペーパーをとにかくたくさん書いて、たくさんの学会に出る。 症例が多数必要なペーパーの場合は関連施設や、部下や関連する医師に使わせて、その症例を集めると思います。

KOLは影響力は最大ですが、自身の医師としての薬の処方量はそれほどでもないかもしれません

各製薬企業は、本社の営業戦略部門やマーケティング部門に、そのKOLに張り付いている担当者が居るのです。 たとえば、その製品のプロマネなどが、直接の担当者になっているケースが多いです。 KOL本人とのやりとりは、むしろ担当MRの仕事ではなくて、本社サイドの仕事と言って良いでしょう。

話は少し飛躍しますが、経営判断の中に、「Strategic human resources・・・人事戦略」が重要である、ということは、火を見るより明らかなことです。「企業は人」とも言いますよね。もちろん、MRの適材適所についても、当然のことながら、strategyに則ることは必要です。ところが、現状ではこのstrategyがブレていたり、あるいは、strategyそのものが欠如していると、言わざるを得ないという状況が、非常に非常に多いような気がします。

優秀とされているMRの、戦略的な適材適所としては、どこになるのでしょうか。KOLを担当させることでしょうか

私なりの答えは、そのKOLと直結している医師が勤めている、基幹病院です。何しろ、こういう医師は、とにかく患者をたくさん診ていて、薬をたくさん処方します。しかも、その処方パターンは、KOLが学会などで発表したとおりです。 製薬企業としては、こういう病院にこそ、より優秀なMRを投入すべきだと思います。企業として、数字の大きな先が大事であるということは、否めないのです。

KOLと直結している医師は、何かと複雑な状況の場合がけっこう多いのです。たとえば、自分だって、将来のためにペーパーも書きたいがあまりの仕事量に、それどころではない先生。 あるいは、実は独自にKOLとは違った処方パターンを持っているのだが、おおっぴらにその処方をできずに、とりあえずKOLに従っている先生。 あるいは、待遇に不満があったり、キャリアパスに不安があったり、職場のスタッフとの関係がうまく行ってなかったり・・・などなど、毎日色々な事を抱えながら、日々の激務に忙殺されている場合が、かなり多いと思います。

それぞれの状況下で、まさに実務に当たっている医師を、それぞれの状況を踏まえがらうまくハンドリングできるMR。このような状況の医師を怒らせずに、へそを曲げさせずに、KOLも推薦している自社製品の処方をキープさせるMR。学術知識、エビデンスに関する最新情報を常にupdateして、自社製品の処方例を自信を持って紹介できるMR。

加えて、その医師の直面している状況を察知して、同じ立場で考えることができる・・・まあ、簡単に言えば、「一般常識」を兼ね備えているMRこそが、優秀なMRであり、会社からも優遇されるべきだと思います。

「優秀なMRである」というジャッジメントに、「KOLの担当経験」を重視する風潮があったら、それは間違いである・・・いやいや、そこまでは少し言いすぎです。しかしながら、見解をシフトすることも、あってよいのでは? と提案いたします。

微妙なポジション

クライアントの外資系メガファーマの日本法人の薬事部のトップをサーチしていました。少し前のことです。

有力な候補としてコンタクトをした、国内準大手製薬企業の薬事課長。長年、その日本企業で勤務してきた方です。留学経験などはありませんが、ご自分で勉強されて、英語も話す方。まあ、優秀な方です。ポジションには、興味を持っていただき、面接も進んだものの、やはり外資のカルチャーとは違うということで、採用にはいたりませんでした。残念な結果ではありましたが、ご本人にも納得していただきました。

しばらくして、その人から電話が。

「ウチの海外オフィスに、人を探しているんだけど・・・」

要は、その方が勤務している国内準大手製薬会社の欧米にあるオフィス向けにポジションがあるとのことそこまでは、良かったのですが、そのポジションの内容がいまいちよくわからない

「欧米にあるオフィスには、現地で採用した人がそれぞれ10人くらいすでに居るんだけど・・・」

ここまで言うと、彼は間をおいて、次の言葉を考えているように見えたので、

「そうですか、それで、今回は、現地の人の増員ですか。どのようなロールですか。」

と、こちらから聞くと、

いや、実は、欲しいのは日本人で・・・その、ロールは、特に決まっているわけではないんですけど。

特に役割の決まっていない、日本人の、欧米勤務での採用。。??

「何をするポジションですか。」

僕の問いかけに、彼の答えは意外なものでした。まず背景から言うと、欧米のオフィスに勤務する現地人たちが、とてもアグレッシブであるそうです。そして、次々に案件を先に進めるとのことです。ここまで聞いて、僕は言いました。

それ、とてもすばらしいじゃないですか。良いですね。

ところが、問題は、彼ら(欧米オフィスの現地人たち)が彼らだけの判断でどんどん物事を進めてしまうということらしいのです。結果的にすべて良いことだったので、今まで問題は生じなかったのですが、ヘッドクウォーターは、日本なので、できれば物事を進めるときには、日本からの指示を待ってほしいということだそうです。その会社の場合、日本で物事を進めるかどうかを決定するには、10人以上のハンコと10回以上の会議が必要なので、社内のスケジューリングだけでも数ヶ月かかるそうで、欧米法人の現地人たちがそれを待ちきれずに進めてしまうということです。

なるほど、では、今回のポジションは、欧米から、日本の決定をもっとスピーディにさせるように働きかける役目ですね。」

という、僕の問いかけに対して、彼は言いました。

違います。彼らを止めて、日本の決定を待たせるように働きかける役目です。

難しい。微妙。このポジションにどういうモチベーションを持たせればよいのだろう・・・。しかも、彼らのやっていることが結果的にすべて良い方向になっているということであれば、それで良いのに。いったいなぜ彼らを止める必要があるのでしょうか。

理由は、こうでした。日本側に居る、偉い人の中に、事態を把握できずに物事が進むことを嫌がっている人がいる。そこで、その偉い人を納得させるためには、今までどおり、きちっとした会議を開かなければならず、さらに、その会議の結果、その偉い人が納得できなければならないと・・・・。内容を知らないで、知らないところで物事が進むなんて、もっての他だそうです。

結局、その日本の製薬会社は、僕のクライアントにはなりませんでした

いやいやー。日本の製薬会社は、海外に活路を見出している昨今です。これからは、嫌でも、グローバライズが必要なのですが。しかも、その会社はそこそこ大きな会社です。大丈夫かなと思ってしまいます。

笑えないコントラスト

少し前ですが、古いMRの友人が、かなりデスパレートな雰囲気で電話をしてきました。

「山崎さん、何かない?」 僕はリクルーターなので、「何か」とは、もちろん転職先のことです。しかしながら、彼はもうすぐ45歳。MRではなかなか良い案件は出てきません。聞いたところよると、彼はいろいろと紆余曲折があり、現在ではコントラクトMRをしているとのこと。そして、そのコントラクトのプロジェクト先が、とある化学メーカー。その化学メーカーの名前は、だれでも良く知っているのですが、MRがその会社に居る事を僕は知りませんでしたし、少々驚きでした。

「へえ、その会社って、MR居るの?」 僕の質問に彼が答えてくれたのですが、そもそも20年以上前にその化学メーカーが開発して某大手国内製薬企業に導出した医薬品があるそうです。そして、その医薬品は未だに販売中止にならずに、細々と売れているそうです。ここまでなら、特段驚く話ではありません。 最近、その20年以上前の医薬品の製造元である、その化学メーカーが、自前でもプロモーションをすることになり、社史始まって以来、MR部隊を作ったとのこと、そして20人くらいの組織が編成され、そのすべてがコントラクトMRで充足されたとのことです。 なるほど、まあ、兼業メーカーの医薬品部門と考えれば、つじつまの合う話ではあります。 しかしながら、この化学メーカーの給与水準は当然のことながら医薬品業界よりもはるかに低いそうです。さらに、やはり、カルチャーというか、その化学メーカーの元々の社員とは全く馴染むことが無く、その化学メーカー出身の部門長も、MR部隊のハンドリングに訳がわからず四苦八苦していたとのこと。

「そりゃ、そうだよーー!!」 今まで全く別業界の人が、いきなりMRのマネジメントなんて、できるわけ無いよ。僕の発言に彼もうなずいているのですが、話は、まだまだ終わりません。最近、その化学メーカーの付け焼刃の医薬品営業部門に、販売元であるその国内大手製薬メーカーから、次々と出向者が来ているとのこと。出向者は、元々MRをやっていた方々で、すべて55歳以上。医薬品メーカーでの役職はそれぞれ研修部長だの、くすり相談室長だの、学術第6グループ長だの、さまざま。つまり、MR出身の本社勤務のおじさん達です。おじさん達なんと10人が、その化学メーカーにやって来たとのこと。

「で、その人たち、何やってるの?」 僕の質問に、彼が言うには、完全にその製薬企業のリストラの一環で、その化学メーカーは、とりあえずリストラ者の受け皿になったとのことです。役職はそれらしいものがそれぞれついていますが、外回りをするわけでもなく、ただただ会社のデスクに一日座っているとのこと。 MR20人の部隊に対して、間接部門というか、おじさんたちが10人です。さらに、彼が続けるには、このおじさんたちが、暇で暇で耐えられないらしく、やたらと同行をしたがるとのこと。一応、上司という形にはなっているので、もちろん断ることができず、毎日のようにおじさんを車の助手席に乗せて、病院をまわっているそうです。

「それは、大変だわ。」 僕が言うと、彼はさらに続けました。おじさんたちは、もちろん、今まで長年勤め上げたその大手製薬企業から、干されてやってきた感があるので、ネガティブオーラを常にばら撒いていると。車の中でも、愚痴ばかり聞かされているらしいです。とくに、給料の話はシリアスで、半分近くまで減ったというため息と、怨念を毎日毎日聞かされているとのこと。確かに、大手製薬会社で55歳のおじさんだったら、まあ、出世してない人てもだいたい1400万円くらいは貰っているはずです。半分近くに減ったということは、つまりだいたい800万円くらいになったのかもしれませんが、それでもその化学メーカーからしてみれば、スタンダード、というか、むしろ高いほうなのではないでしょうか。納得できる話ではあるのです。そして、昼ごはんを一緒に食べると、おじさんは用事があると言って、どこかに行ってしまうらしいです・・・。

バリバリのMR20人におじさん10人。おじさんたちにとっては、同行者選びも奪い合いかもしれませんね。さらに、コントラクトMRの中には、異業種で優秀な営業マンとして活躍し、コントラクトMRに転進し、MR資格を取得して、これから医薬品業界で生きていこうという、ポジティブオーラ満々の方々も多いのです。そんな、ポジティブオーラ満載の車の助手席に乗るおじさんたち。そのコントラストを考えると、笑うに笑えないですよ。 大手国内メーカーは、いよいよその人員整理に手をつけるときが来たのかもしれないですね

ロシア警察による家宅捜索!

7月5日のロイターが伝えていますが、ロシア当局警察が、ノバルティスとテバの現地法人とロシア国内企業2社に家宅捜索をしたとのことです。ノバルティスのロシア法人は捜索が行われたことを認めていますが、テバはノーコメントの様です。

(http://www.reuters.com/article/2011/07/05/russia-pharma-police-idUSLDE75Q0GO20110705)
いやーなんだか、穏やかではありませんね。
ロシア地元誌のVedomostiの電子版によると、家宅捜索の理由はロシアのシステム内の在庫分配をめぐり、製薬企業間で取り分をめぐる争いの疑いということで、明らかにはされていません。

ロシアでは国によって低所得者のための医薬品を購入してためておくシステムがあるそうです。どの医薬品をどれだけ購入するかは、ロシア政府が決定します。この分配をめぐっては、製薬企業にとっては、売り上げに直結することなので、とてもとても大事、なのであります。

それにしても、警察が家宅捜索をするようなシリアスな状況があるのか? という疑問もありますが、実はあるんです!!

2010年の製薬各社の業績は、比較的堅調だったものの、ヨーロッパと、特にアメリカの医療制度改革によって、ドラッグメジャーにとっては、いかなる打撃があっても驚きではない…というのが大方のアナリストの見方になっております。

オバマ大統領が、向こう10年間に3000万人以上の”無保険者”を解消するといわれる医療保険改革法案に署名したのは2010年の3月23日です。この件に関して実は中間層以上の反発は依然として根強いのです。われわれ日本人にとっては、アメリカもいわば国民皆保険のようになるのであれば、いいじゃないか?というように思ってしまうところもあるのですが、そうシンプルな構図ではありません。

先行き不透明感が株価を圧迫し、スイスのメジャーであるロッシュが先ごろ出した見込みでは2010年と2011年をあわせて10億スイスフラン(約960億円)の打撃をうけるという試算を出したのです。

こんな中で、グローバルファーマは、これらの欧米でのアンチ要因を相殺して、払拭するために、「急成長」で「新しい」市場の開拓を急ぐのです。

「新しい市場の開拓」というと、非常にポジティブに聞こえますが、言い方を変えれば、「早くどこか他のところに頼りたい」ということと同じです。そのひとつが前回の中国、そして、同様に重要視されているのが、ロシアなのです。

ドラッグメジャーがケンカをしてでもロシアのパイを取り合う事情は…それは、欧米市場先行き不透明感に答えが潜んでいるのではないでしょうか?

ロシア現地法人の幹部たちには、HQから相当なプレッシャーが有ったのではないでしょうか。ノバルテイスにおいては、ロシアのサンプト・ペテルブルクにすごい工場を建設する予定で、これを足がかりに、ロシアマーケットをしっかり掌中に収めようという狙いがあり、ロイターによると、諸々込み込みで今後5年間に500億円を投じようとしています・・・。これは、当事者にとっては、エラいプレッシャーがかかていると思いますよ!

ただし、ロシアでは、医薬品、ヘルスケア品の海外品比率が80%を超えてしまうようで、プーチン大統領は国家の健康政策にとって危機的状況であると認識をしています。そのまま、すんなりと、外資に商売をさせるかどうか、、わからないと思います。

欧米でのツケは、どこで回収できるのでしょうか。パラダイスは、ロシアでしょうか。中国でしょうか。それとも、他に妙案が?

なぜ糖尿病マーケット?

新薬のマーケットは基本的に先進国であるということが前提になっています。例えば、発展途上国において、抗がん剤や低用量ピルをプロモーションしようと思っても、難しいですよね。

ある程度国が豊かになってくると、まず初めに普及するのが抗生物質でしょうか。日本でもペニシリンに始まる抗生物質が戦後製薬企業を成長させた歴史がありますよね。

アメリカに次ぐマーケットが日本、そしてその次がヨーロッパ…長年にわたり、グローバルでこの順番のマーケット規模で医療用医薬品は動いてきました。

そんな中、やはり見逃せないのが中国市場の目覚しい発展です。なにしろ、富裕層と言われている人々が1億人を突破しているらしいですから。当然のことながら、富裕層は、ヘルスケアにおいてもより良いものを求めているわけです。1億人と言えば、まるで日本そのものです。

世界第二位のマーケットである日本と同等規模のマーケット、しかも更なる急速成長を続けている、一種そら恐ろしいマーケットが突如現れているわけですから、ドラッグメジャーが熱い視線を浴びさせていることは周知の事ですし、当然のなりゆきです。

中国市場は問題がないわけではありません、むしろ問題満載でしょうか。法整備、インフラ整備、カルチャーの面でまだまだ成熟することが必要なのです。富裕層は一億人居るが、ソフト面もハード面も成熟が必要。

そんな中国市場に、現況で勝負できるものはあるのか? あるなら、どの疾患の医薬品で先に勝負するのか? それとも、インフラ整備を待つのか?

市場規模は大きいかもしれないけれど、とても難しいターゲッティングにドラッグメジャーは直面してきました。簡単においしい話は、なかなかありませんよね。

製薬メジャーが先に目をつけたのか、はたまたニーズが先に発生したのかはわかりませんが、答えは、糖尿病マーケットです!

昨年の資料で中国の糖尿病患者数は9240万人で患者数世界一と言われているインドをも抜き、グローバルナンバーワンに躍り出ました。(誇るものではないかもしれませんが…。)

「New England Journal of Medicine」によると、2007年6月から2008年5月にかけて行われた調査で、中国人の成人の糖尿病有病率は9.7%ですから、ほぼ10人に1人。さらに予備軍は15.5%だそうですから、日本の有病率7.3%を軽々抜いてしまっているのです。

インフラはそれほどまでは必要としない、急性期に重篤にはならないがコントロールが必要、重症化するととても怖い、薬物療法、運動療法で改善する・・・・。こんな状況が、実は中国の現在の状況にも偶然マッチしてしまい、ほぼ糖尿病の市場として完成されていると言ってよいのです

突然、とてつもなく大きな患者群が、もう今まさに口をあけて医療用医薬品を求めている・・・。

この一連の現状は、実はドラッグメジャーにおいて、中国戦略だけでなく、グローバル全体の開発戦略にも影響を及ぼしているのです。

糖尿病の治験に積極的になっているメジャーは、その理由を、現代人のQOL、生活習慣改善、合併症の早期予防…などなどと位置づけてはいます。しかしながら、大方のアナリストは中国マーケットの存在が、ドラッグメジャーを、グローバルで糖尿病マーケット重視に走らせていると考えています

グローバルで動くからには、ドラッグメジャーは競争に勝たなくてはなりません。もはや中国一国に関連する話ではなく、世界戦略として失敗が許されなくなってしまったのです。

ドラッグメジャー各社は、人材面でも、グローバルで優秀な人材を中国に集め始めました。事実、私が懇意にしていた某企業のやり手の外国人の営業本部長は、先日中国法人の社長に就任し、日本を後にしました

ドラッグメジャー各社は今、水面下ではありますが、勝ち抜くために失敗の許されない中国マーケットの攻略合戦に火花を散らしているのです。

鎮痛薬で痛い。

先週末、米国ファイザー社は、同社が申請していた麻酔鎮痛剤が正式にFDAから却下されたことを発表しました。ファイザーといえば、グローバルでNo.1の製薬企業で、その研究開発費だけで、日本国内の製薬企業の全売り上げを上回るといわれています。そんなファイザーにとっては、申請品目がひとつ却下になったとしても、次、またその次の品目で稼げばおつりが出るくらい儲かるだろうし、それほどダメージを受けるニュースではないかと思います。

しかしながら、自社開発品ならともかくこの麻酔鎮痛剤Remoxyにいたっては、開発ベンダー、つまりアライアンス企業が数社加わっているので、その開発ベンダーにとっては、明らかな痛手、ぶっちゃけ、痛いです。

製薬株は日本においても昔からシテ株化しやすいというか、いわば投機筋的には新薬の噂で跳ね上がるし、また暴落します。投資家の国アメリカではもちろんそれはさらにオーバーヒートします。事実、6月の米国のバイオ関連の株の動きを見ていると、値上がり率で上位はPharmacyclics Inc. (PCYC) 47.9%を皮切りに、Oncothyreon Inc.( ONTY) 42.0%、ついでAriad Pharmaceuticals Inc. (ARIA) 30.5%に対して、逆にワーストランカーになっているのがPain Therapeutics Inc.(PTIE) -61.1%、Intercell Ag Sponsored Adr( INRLY) -48.5%、さらに次いでDurect Corp. (DRRX) -42.0%です。

特筆すべきは、ワースト3社のうちの2社において、このファイザー社のRemoxy関連株ということです。RemoxyはPain Therapeutics Inc.とDurect Corp.が開発してファイザーがアライアンスを組んで申請まで漕ぎ着けた候補物質なのです。ファイザー社の株価に特にダメージはないものの、この2社がバイオ関連株のワーストを固めてしまっているという、不名誉な結果になってしまいました。投機筋にとっても、FDAの申請は常にウォッチングしている材料であるのは当然のことで、一度REJECTEDのニュースが流れますと、株価の下落は避けられません。この2社にとっては、本当に痛い、ニュースなのです

「痛い」といえば、皮肉にもこの薬剤は、鎮痛剤なのです。鎮痛剤が、こけて、リアルに痛い。洒落にもなりません。

ところで、これらの麻酔系の鎮痛剤ですが、評価診断の上で、有意差をつけるパラメーターの採り方がとても難しいと言われております。何しろ、基準は「痛み」です。痛みをスケール化して、その数値を統計上で解析しなければなりません。また、痛みの原因も様々で、ここの患者の痛みが何に由来するのかにもよります。麻酔科系のこの手の薬剤は、様々な痛みに対応した効き目を有する場合が多いです。慢性疼痛でもがん性疼痛でも、リウマチでも、とにかく痛みを取り除くというミッションをもった薬剤です。

知り合いの麻酔科の先生に聞いたことがあるのですが、とにかく「痛い」という、訴えは、本当に多いそうです。原因がわからない痛みもたくさんあります。痛みは、すべての活動を邪魔しますよね。痛いままでは、何もできません。ですから、医師はとにかく、痛みを取り除くことが優先されるそうです。

どのくらい痛いのか、ということになるのですが。痛みのスケールに関しては、専門的なものも色々あるのでしょうが、一番親しみやすいのが、フェイススケールですよね。

フェイススケール

上のスケールでは、ファイザーは2番、そのアライアンス先は5番でしょうか・・・・。

ペインの薬でよく聞くものとして、コデイン、ヒドロコデイン、また緩和ケアでは、当然モルヒネを使うのですが、いわゆる頭痛や腹痛や、種々の訴えにも使う、さらにはNSAIDと呼ばれる、いわゆるバファリンやセデス、ロキソニンやボルタレンなどの鎮痛剤をも対象に取って代わるような、薬剤・・・。もし、本当にNSAIDのマーケットまで進出できるのであれば、Remoxyにかかる期待は相当のものがあったと思います。期待が大きく株価も上がり、その後下がる。したがってこれほどまでの下げ幅にもなるわけです

いずれにしても、日本では大手に候補物質を提供するようなベンチャーは数社しかありませんし、FDAよりも早く機構を通過することも考えにくいので、海の向こうの話…という風になってしまいます。しかし、これによってグローバルでまた数パーセントのリストラということになると、関係は全くないわけではないかと思います。グローバルのパイプラインのウォッチングも、企業選びには必要になってきますね。・・・企業選びって、株ではなくて、転職先です。 もちろん。

Off-Label

Off-Label、Off-Label useで、適応外使用という意味です。

その昔、植物由来製剤の排尿障害治療薬がありました。実は、この手の成分は男性のEDにわずかながら効果があり、もともとはそちらの効能で開発が始まったという、経緯があります。EDでは、優位な効果が見られなかったものの、副作用・・・というか、服効能というべきか、排尿障害の治療で適応を取ることができた・・・。そんな医薬品です。プロパー時代のMRは、当然のことながら、その辺のエピソードを、面白おかしくドクターに話したものでした。「先生、この薬ですが、実は、あっちの方も元気になりまして・・・・」みたいな。

ある程度、効き目も副作用もマイルドな植物製剤なら、いざ知らず、重篤な副作用を有する医薬品になると、話が一気にシリアスになります。医薬品業界の悲しい歴史の最たるものとして、営業数字に追われたMRが、ドクターに適応外であっても処方を促して接待攻勢をかけて、それにつられてドクターが大量に処方した結果、患者に重篤な副作用、時には薬害を来たしてしまったということがあります。皆さんも、記憶しているところじゃないでしょうか。

MR資格が日本で制度化したのも、実はこのような出来事が毎日のように新聞紙上で踊っていた、製薬企業の倫理遵守が社会的に叫ばれていた1997年でした。 プロパーと呼ばれていた製薬企業の営業マンは、MRと正式に呼ばれ、倫理・プロモーションコードに則った活動をしている・・・時代的に、製薬業界が、社会全体に「倫理遵守の業界である」ということをアピールすることが必要だったのです。したがって、MRの実際の誕生は、”Off-Label”・・・・営業数字を追求するあまりに、MRがドクターに対して適応外処方を促してしまった出来事と、濃いリンクがあるといえます

海外でその手のhotな話題としては、低用量ピルの”Off-Label use”があります。 低用量ピルはもともと避妊目的ですが、たくさんの副作用、副効果が認められる医薬品でもあります。 副効能のひとつとして子宮内膜症が良くなることが有ります。子宮内膜症の適応を開発段階から目的としている低容量ピルがあることも、周知のことでしょう。 副作用としては、心筋梗塞などがあります。

問題になっているのは、当然子宮内膜症が良くなれば、ニキビも改善するので、「ニキビ」への適応外処方が広まってしまったことです。製薬会社も、ドクターも、数多くの患者もニキビが改善されれば、それで良かったのでしょう。

ところが、避妊治療のポテンシャルと、ニキビ治療のポテンシャルでは、母集団が違いすぎます。 予想よりもはるかに多くの物量が、ニキビ治療狙いでで処方されてしまったのです。 当然、副作用の数も、予想以上に増えました。 特に、心筋梗塞など重篤な副作用を起こした患者が、欧米にたくさん居ます。 そんな患者が、製薬会社を相手取って起こした裁判が、”Yasmin Lawsuite” ヤスミン訴訟です。

さらに、アメリカでは弁護士が、yasminで副作用を起こした患者をターゲットに、訴訟を煽っています。 何しろ、大体の裁判では患者が勝つので、弁護士にとっては、収入源になってしまっているのです。最たるものとしては、こんなwebです。(http://www.yaz-yasmin-lawsuit.com/) こんなドメインまでとって、キャンペーンを行ってしまう弁護士、日本ではちょっとありえないと思いますが、アメリカでは、アリなんでしょうね。 なにしろ、裁判を起こせば、make moneyできるわけですから・・・。

この薬は、日本では認可されていませんし、また、日本では97年以降、相当にコンプライアンス、プロモーションコードが厳しくなっているので、この手の事件が頻発することは考えにくいです。

このような訴訟のリスクを限りなく軽減化するためにも、実は、MR資格は役に立っているのかもしれません。医薬品業界にとってMR資格は、内外団体への「生命倫理遵守業界」であるということのアピールと、万が一起こりうる患者からの訴訟対策に多大な力を発揮しているのではないでしょうか

MRは必要で今も増えている

一昔前のMRは、医者の御用聞きみたいなこともやっていました。スライド作成もその際たるものです。1枚1枚、スライド屋さんで作成したスライドを、手袋をしながらスライドホルダーに、上下裏表確認しながらセットする。学会の時には、土日に駆り出されて、先生の発表に張り付いて、日がな一日スライド係りをやる。

聞いただけで、古典的なMRですよね。すべてが。現在なら、まずパワーポイントで先生が勝手にプレゼン資料を作るだろうし、スライドさせるのも、先生が手元で操作をする。

さらにさらに、一々MRに言われなくても、その分野の専門の先生なら新薬の最新のデータにはいち早くアクセスできます。

ではでは、たまにはMRさんに美味しいところに連れてってもらおうかなと、思っても、接待はできなくなったし。仮に接待ができたとしても、先生たちがMRと一緒につるんで飲んだりすることそのものを嫌う傾向にあるし。

時々、添付文書の改定などの用があるかもしれないけど、最新の添付文書はネット上にあるし、何かMRと緊急で話したいなら、電話でもすればよいし。。。

スライドなどの御用聞きも、まじめな通常のMR活動も、もはや要らないのでは?

ところがところが、やはり実際に会って話すというのが、いつの時代でも重要なのだと思います。実際に会って、話を聞いた薬は、たとえ競合品がたくさんあっても、先生の頭の中に残るものです。MRの必要性はそんなところにあるのではないでしょうか。

ネット上にの情報というのは平面なモニターを介した二次元の情報でしかありません。そんな情報を見ていると、なんだかどれもこれも画一的に見えていて、よほど自分の専門に関係のある話以外は、先生も覚えられないでしょう。

ゴルゴ13みたいな○○製薬のMR、AKB48みたいな○○薬品のMR、やたらとむかつく○○ファーマのMR、などなど、実際のMRからの情報のほうが、何倍も先生の脳裏に焼きつくはず。

だから、MRは必要なのです。